4
永遠亭。救護室。
八意永琳、診察台に載ったアリスを触診する。
魔理沙、傍らで心配そうに見守っている。
永琳
「たしかに妖力が奪われているわね。彼女」
魔理沙
「やっぱりか。平気なのか?」
永琳
「命には別状ないわ。エクステンドさせてあげればそのうち回復するでしょう」
魔理沙
「そうか。さんきゅ。それじゃ、私はこれで! 霊夢のやつに知らせないと。なんだかヤバい香りがするぜ」
魔理沙、そそくさと箒にまたがり、飛び去っていく。
永琳、その姿を見送ると、回転椅子に腰掛けくるりと体を反転させる。
永琳
「ふんふむ……。くすぐって妖力を奪い取る妖怪ね……。数千年の時を経て蘇生したか、あるいは、進化を遂げた新個体か……」
永琳、脚を組み、あごに手を当てて思慮する。
永琳
「いずれにしても、やっかいな妖怪が幻想入りしたことになるわね。ウドンゲ!」
鈴仙
「はっ」
鈴仙、永琳の背後へ出現し、片膝をつく。
永琳
「魔法の森に現れたらしい妖怪――くすぐりボルボック――の殲滅を命じます」
鈴仙
「承知しました」
永琳、くるりと振り返り、
永琳
「ただし、倒せないと判断したら、すぐに撤退すること。くれぐれも、捕まらないように。やつは、くすぐった相手の妖力を吸収して成長する。つまり、くすぐればくすぐるほど、強くなる」
(つづく)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
ト書きシリーズまだまだ続きます!
最初からやり直す
永遠亭。救護室。
八意永琳、診察台に載ったアリスを触診する。
魔理沙、傍らで心配そうに見守っている。
永琳
「たしかに妖力が奪われているわね。彼女」
魔理沙
「やっぱりか。平気なのか?」
永琳
「命には別状ないわ。エクステンドさせてあげればそのうち回復するでしょう」
魔理沙
「そうか。さんきゅ。それじゃ、私はこれで! 霊夢のやつに知らせないと。なんだかヤバい香りがするぜ」
魔理沙、そそくさと箒にまたがり、飛び去っていく。
永琳、その姿を見送ると、回転椅子に腰掛けくるりと体を反転させる。
永琳
「ふんふむ……。くすぐって妖力を奪い取る妖怪ね……。数千年の時を経て蘇生したか、あるいは、進化を遂げた新個体か……」
永琳、脚を組み、あごに手を当てて思慮する。
永琳
「いずれにしても、やっかいな妖怪が幻想入りしたことになるわね。ウドンゲ!」
鈴仙
「はっ」
鈴仙、永琳の背後へ出現し、片膝をつく。
永琳
「魔法の森に現れたらしい妖怪――くすぐりボルボック――の殲滅を命じます」
鈴仙
「承知しました」
永琳、くるりと振り返り、
永琳
「ただし、倒せないと判断したら、すぐに撤退すること。くれぐれも、捕まらないように。やつは、くすぐった相手の妖力を吸収して成長する。つまり、くすぐればくすぐるほど、強くなる」
(つづく)
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