霧の湖。

わかさぎ姫
「ひゃぁあんっははっはっはっはっははっ! なんでぇぇえ~~、水の中にゃのにぃぃっひっひっひっひっひ~~!!!」

 ばしゃばしゃと水しぶきが上がる。
 無数の触手がわかさぎ姫の体中にまとわりつき、彼女をくすぐっている。

わかさぎ姫
「離れないぃいひひひひひひっひっひっひひ~~らめぇえぇぇえ~~!!!」

 その様子を対岸から眺める影ふたつ。

美鈴
「人魚が触手でくすぐられています!」

 紅美鈴、双眼鏡を覗き込みながら叫ぶ。

咲夜
「新たな水生妖怪の仕業?」

 その傍らで怪訝な表情を浮かべる十六夜咲夜。

美鈴
「なんか飛沫がいっぱいあがってて本体がよく見えないんですが……あれは、……マリモ? マリモから触手が数本生え出ているように見えます」

咲夜
「マリモ?」

美鈴
「球状集合体を作る淡水性の藻の一種ですよ。外の世界のアカン湖に生息するマリモは、天然記念物に指定されています」

咲夜
「一般的なマリモのうんちくはいらない。なんで、マリモが人魚をくすぐってるのかって?」

美鈴
「そりゃ私に聞かれても困ります。いままで見たことないですから。マリモが妖怪をくすぐってる光景なんて」

咲夜
「マリモが妖怪を、ねえ……。数は、わかる?」

美鈴
「んー……ひーふーみー……ざっと見ても20個体以上いますね。あっ、なんか分裂してます。しかもおっきくなってるし……。あ、くすぐられた人魚、ひからびてますね」

咲夜
「妖力を吸収するのか……、面倒ね」

美鈴
「なんか、水中の妖怪を手当たり次第にくすぐりながらこっちに向かってきますけど……」

咲夜
「岸で迎え撃つしかなさそうね。いいわ。紅魔館へは上げさせない。私はお嬢様たちへ連絡を。妖精メイドに招集をかけておくから、美鈴が戦闘の指揮を執りなさい」

美鈴
「らじゃー」



(つづく)



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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 ト書きシリーズまだまだ続きます!


最初からやり直す