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 迷いの竹林。

永琳
「姫様! ウドンゲ達が時間稼ぎをしている間に早く! 月の都へ避難を……」

 永琳、旅行鞄を手に、叫ぶ。
 蓬莱山輝夜と藤原妹紅が弾幕合戦をしている。

輝夜
「待って、永琳! いま良いところだから!」

妹紅
「おらあああ輝夜ぁ!! 勝負中によそ見なんて舐めてるのかしら!? 喰らえ!!」

輝夜
「はんっ! そんなちんけな弾幕、私にはきかないわ!! ほぉら、これならどう? 避けてごらんなさい、妹紅~」

妹紅
「くうううっ、舐めくさってええ! ……ん?」

輝夜
「あ?」

 そんななか、上空から雪のように降り注ぐ、緑黒い細胞片。

永琳
「……あらあら、手遅れね」

輝夜
「なによこれ? 体にまとわりついて気持ち悪……んはっ!?」

妹紅
「え? なによ輝夜、変な声出して……」

輝夜
「えっ……? なにこれっ? 待って……やっ!!? あはっ、あはははははははははっ!!!」

妹紅
「ひ……なによ、いきなり笑い出し――……きゃはっ!!? ちょっ、なにっ……やはははははははははは!!!」

 輝夜、妹紅、体中を掻きむしりながら笑い転げる。
 小さなボルボックの細胞が、彼女らの服の中に入り込み這い回っている。

妹紅
「なひゃはははははははははっ!!? なんなのこれっ、……輝夜あぁああ!!! またあんたの仕業かぁあぁあ~~あははははははははははは!!!」

輝夜
「あはははははははっ!! 知らないわよこんなのぁあはっはっははっははははっ!!? 体中がむずむずするぅううひゃはははははははは~~!!」



(つづく)



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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 ト書きシリーズ連載中です!


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