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 霧の湖。河口付近。

チルノ
「ぎゃぁぁあぁああ゛あ゛ははははははははあばばばばばばばば!!!」

大妖精
「だっひゃっひゃっひゃひゃっひゃひゃふぎゃぁ゛ぁぁ゛あああ゛~!!」

 チルノと大妖精が、触手に体中をこねくり回され笑い転げている。

 そんな二人を傍目に、霊夢と魔理沙あり。
 魔理沙、カプセルから取り出した紙片を眺め、悔しそうに顔をしかめる。

魔理沙
「にとりもやられちまったか……あいつが無事ならこっちの戦力もまだなんとかなると思ったんだけどな……」

霊夢
「それでも、彼女が残してくれた情報はありがたいわ。幻想郷の攻撃がすべて効かないとなると――」

魔理沙
「外の世界の武器か……香霖堂にあるかな」

霊夢
「いや、外の世界と幻想郷の事情を確実に把握してる阿求のところへ行きましょう。ていうか、香霖堂にはあんまり今は行きたくないというか……」

魔理沙
「ん? なんでだ?」

霊夢
「想像して。もし香霖堂があの藻に襲われていたら……」

魔理沙
「……ああ。たしかに、こーりんの濡れ場は……っ///」

霊夢
「なんでちょっと顔赤らめてるのよ」

魔理沙
「いやいやっ! 賢明な判断だと思うぜ! ……人間の里か。稗田阿求、無事だといいけどな」


「心配には及ばないわ」

魔理沙
「うぉう!?」

 空間に亀裂が走り、ひょっこりと紫が顔を出す。

霊夢
「あら紫、いいところに」


「稗田阿求は保護したわ。私もこれを見つけたからね」

 紫、懐からガチャガチャカプセルを取り出す。


「この遺言のおかげで、稗田阿求の救出こそがこの異変解決の肝であることが判明。一手遅れていれば、稗田阿求が奴らに吸収されて、幻想郷は壊滅していたでしょうね。河童様々よ……。そして霊夢。あなたが無事でいてくれてよかった。マヨヒガにいらっしゃい。あそこなら特殊な結界が張ってあるから安全よ」

魔理沙
「『マヨヒガ』って書いて『まよいが』って読むんだZE☆」



(つづく)



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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 ト書きシリーズ連載中です!


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