初瀬
「小走先輩。プラスチックメガホンの縁って、足の裏をくすぐるのに最適だと思いませんか?」

ニワカ
「どういうこと?」

初瀬
「先輩、試しに靴脱いでもらえますか」

ニワカ
「そういう流れ無いから」

初瀬
「んー……じゃあ……。あっ、先輩! あんなところにUFOが!」

ニワカ
「どこ!?」

初瀬
「隙あり!」

ニワカ
「ぐえっ!! 何すんの!?」

初瀬
「小走先輩がUFOに気を取られて上を向いた隙に、右足を持ってすくい上げて転かし、マウントを取りました」

ニワカ
「……いや、そういう実況しろって意味じゃなくて」

初瀬
「小走先輩、靴脱がしますね」

ニワカ
「あ、こら! 勝手に脱がすな!」

初瀬
「はい、これでOKです。……あ、ちょっと黒ずんでますね」

ニワカ
「そういうこと口に出すな。お前はにわかか? 白ソックスだから汚れは目立つんよ」

初瀬
「で、このメガホン、朝顔になっている円形の縁の部分ですね。これを、先輩の足の裏に押し当てて――」

ニワカ
「ひゃっ!?」

初瀬
「がりがりがりー」

ニワカ
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!?」

初瀬
「ほら! 先輩、どうですか? メガホンで足の裏をひっかくとすごくくすぐったいんですよ」

ニワカ
「ひゃひゃひゃっ……!! そんなのっ、いまっ、肌で感じとるわぁぁあっはっはっはははははははは!! やめろぉおおお~~!!!」

初瀬
「すっごい、足の指ぴくぴくしてますね! さらに! ソックスの真ん中あたりの汚れをこそぎ落とすようにすると――」

ニワカ
「こりゃっはっはっはっはっは!!? 土踏まずはやめぇぇぇえ~~ぐあっぁっはっはっはっははっはっはっは~~!!」

初瀬
「足の指押さえた方がいいですかね?」

ニワカ
「いひゃぁぁぁあああああははははははは!!? 母指球はあかんてぇぇええ~~いぃぃひひひひひひひひひひ!!!」

初瀬
「このように、足の指を反らせると、メガホンの縁でひっかきやすくなります」

ニワカ
「いひひひひひ、実況いらぁんにゃぁぁあっはっはっはっはっはっは~~!!!」

初瀬
「先輩、ソックス脱がしてみてもいいですか?」

ニワカ
「ぎゃっはっはっは、いいわけあるかぁぁああっはっはっはははっはっははっは~~!!!」

初瀬
「スルスル」

ニワカ
「……あっ、こら! 脱がすなって言ってるのに――」

初瀬
「こちょこちょ」

ニワカ
「うにょひょほほほほほほほほほっ!!?」

初瀬
「やっぱり、布一枚あるのと無いのでは全然違いますね。素足の方が、プラスチックの縁の硬さがしっかりと伝わって、くすぐったさが増す感じですか?」

ニワカ
「うへぇぇえっへっへっへっへ!!! ほんときついぃっ!! やめろぉぉ~~~、後でひどいぞっぉおおひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

初瀬
「……?」

ニワカ
「いひゃっひゃっひゃ!? きょとん顔やめいぃいいいひひひひひひひひひひひ~~っ!!」

初瀬
「メガホンの縁を使った足の裏くすぐり、横に動かすよりも縦に動かすのが効果的。指や筆、あるいは櫛とはまたひと味違った感覚が楽しめますよね」

ニワカ
「しひひひひひ、知らないっ!! そんなん比較したことないわぁぁぁあひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~~!!! 足痛いぃいいっひっひっひっひひっひ~~!!」

初瀬
「あ、もう土踏まずがピンクになってる」

ニワカ
「あひあっぁあっはっはっはっはっは、おねがっ……ひっかくのやめぇぇぇっへっへっへっへっへっへっへ~~!!」

初瀬
「『王者の打ち筋』って10回言えたらやめますよ」

ニワカ
「ひゃぁぁああっはっはっはっは!!? ふじゃっ、馬鹿にしてんのかぁぁあっはっはっはっはっはっはっは!!?」

初瀬
「『王者の打ち筋』言えますか?」

ニワカ
「いぃひひひっひっひっひっひ、王者のうちしゅじおうじゃのうちしゅじゅおうじゃのうじゅじゅじゅ、王者のうじしゅじ! 王者のぉぉひゃっひゃっはっはっはっはっはっは!? くひゃひゃ、くすぐられながら!! 10回も言えるかぁぁぁはっはっはははっはっっっは~~!!!」

初瀬
「…………。……先輩、くすぐり関係なく、ただの一回も、言えてないです」

ニワカ
「!?」



(完)



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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 夏は全国大会の季節ですね!
 角とか縁のある物体は、全てくすぐりの道具です!
 初瀬ちゃんがメガホン落とすシーン、好きでした。