「くぅうう、ひっ、んぅうう~~……!」
 大垣静は、顔を真っ赤にして奥歯を噛みしめていた。
 目を見開いて、一点を見つめている。必死に笑い出すのをこらえているようだ。
 隣では、三井佳奈と山形夢穂の激しい笑い声が響いている。
「ふたりはもう落ちたぞ? 君もそろそろ降参したらどうだい?」
 おっさんのひとりが、彼女の腋の下をこちょこちょとくすぐりながら言う。
「だ、……だれ、がっ……!! んくぅ~~、……絶対、訴えてやります、から…………っ!!!」
 大垣静は、ぷるぷると体中を震わせて言う。
「向こうの佳奈ちゃんみたいに、いったん笑いださせちゃえば、こっちのもんなんだけどな」
「弱点があればいいけど」
 おっさんふたりが大垣静の足元へ移動し、運動靴をかぽっと脱がした。
 履きっぱなしだったために蒸れている。
 おっさんふたりは、そんな彼女の足の裏を、わしゃわしゃとくすぐりはじめる。
「んぐっ……ふぅ~~……、くんっ、んぅっ!!」
 大垣静は、きゅっと顔をしかめてこらえた。
「足の裏、強いのか?」
「そんなことないだろ、こんなにくすぐったそうにくねくねよじれてるのに」
 おっさんは軽口を叩きながら、彼女の足の裏をくすぐり続ける。
「ひぅ……、いい加減に……、なにやっても……無駄です、……っんぐぅ」
「そんな脂汗にじませて言われてもなあ」
「靴下脱がすか」
 そう言うと、おっさんは、大垣静の右足のハイソックスを掴み、力任せに引っ張った。すぽん、と勢いよく脱げ、素足が晒される。
 おっさんの指が、彼女の素足、土踏まずの皺に触れた瞬間、きゅっと彼女の足の指が縮こまった。
「んふぅぅぅ~~……!! くっ……、ひっ……、へ、変態……っ!」
 大垣静は、ギリリと歯ぎしりを立ててこらえると、足元のおっさんをにらみつけた。
「ほら、くるくるー」
 おっさんはおどけながら、彼女の足の裏の皺をなで回す。
「くっ……んぐぅぅ~~!!!」
 それも耐える。
「さすがに強いな。素足でもこんな反応か」
「腋の下も全然効いてないし」
「脇腹のツボでもなかなか厳しいな」
「なにか笑い出すきっかけがあるといいが」
「きっかけ……か」
 彼女の膝小僧をくすぐっていたおっさんはそうつぶやくと、おもむろに、床に転がっていた彼女の運動靴を拾い上げた。
 おっさんは、その運動靴を彼女の顔の傍まで持って行く。
 他のおっさん達に目配せをしてから、彼女の鼻へ押しつけた。
「――ぶっ!!? げほぉおっ、げほおおおっ!!?」
 途端に大垣静は涙目になって咳き込んだ。
 靴の匂いを嗅がされることは予想外だったらしい。強ばった体の緊張が一瞬に緩んだ。
 おっさん達は、その隙をついて、一気に彼女の体中をくすぐり立てる。
「げほ、げほっぉおお……――おおんぶうふぅぅううっ!!? ぶひゃっはっはっははっはっはっはっはっはっは!!!!」
 とうとう、大垣静の口から笑い声が溢れた。
 おっさん達は、ここぞとばかりに、彼女の、腋、あばら、お腹、脚、足の裏をくすぐりまくる。
「だははっはっはっはっはっは!!! 卑きょっ……、卑怯だひゃっはっはっはっはっははっはははは~~!!!?」
 大垣静は、溜め込んだくすぐったさが一気に押し寄せてきたのか、全身をよじって大笑いしている。
 無邪気に首を左右に振って、涙を流して笑う姿は、先ほどまでの気丈な態度ととは一転している。
「卑怯もなにもない。『メガネっ娘』の癖に足が臭いのが悪い」
「そうだ。自分の足の臭いを嗅いでゲラゲラ笑うなんて、下品にもほどがあるぞ」
「そんなぁああはっはっはっはっははっっは!!!! あなたたちのせいでぇぐひゃぁぁああっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」
 おっさん達の嘲笑のなか、大垣静は無様に大笑いするしかない。

「どうした? ここは効かないんじゃなかったのか?」
 大垣静の背後に陣取ったおっさんが、両手の指をぐりぐりと腋の下へと差し込みながら言った。
「いひゃははははははははは!? もうむでぃっひっひっひっひ、やべでぇひひひひひひひひひっ!!」

「一旦笑い出すと、ここもきつく感じるだろう」
 脇腹をくすぐっていたおっさんが、いきなりツボへ親指を押し入れて震わせる。
「ぎひひひひひひひひひっ!!? あがぁぁははははははははは、息ができないぃっひっひひひひひひひひ~~!!!!」

「スパッツ穿いてきたのが間違いだったな!」
「ひひゃひゃひゃひゃひゃ~~~!!? ひぃっひっひっひっひひっっひっひくひぃぃぃ~~!!!」
 彼女の股の間では、おっさんが、スパッツ越しに内ももをくすぐっていた。
「スパッツの生地は滑りが良い。感度が増して、より一層くすぐったく感じるだろう」
「ひゅいぃぃっひひひひひひひひひひ、変になるぅうううひひひひひひひひひ~~~、勘弁してぇええっへっへへへっへっへっへ~~!!!」

「知ってるか? 神経質な子ほど、足の裏が弱いんだって。君もなかなか神経質みたいだね」
 両足ともソックスを脱がされ、丸見えになった素足。指の股から土踏まず、かかとまで、指を突き立てられたり、舌をはわされたり、むちゃくちゃに弄くり回される。
「ふぎゃぁぁあぁっはっはっはっははっはははは!!! ぎひひひひひひ、変態変態ぃいいいいっひひっっひっひっひっひ!!!! もうだめだってぇぇえええうひゃひひひひひひひひひひひ~~!!!」
 彼女の足の指は、おっさんの涎で糸が引いていた。


(つづく)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 清楚系女子くすぐり狩りの別パターンです。

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