○駅前
  ピンクのシャツに深紅のベスト、紺のミニスカート、白いソックスに赤いスニーカーを履いた、
  ツーサイドアップの女の子が駆けてくる。
  耳につけっぱなしになったイヤホンから、シャカシャカと音楽がもれ聞こえている。

??「おはようございます!」

――イヤホンをされてますが、何の曲ですか?

??「新曲ですよ! 新曲! ……あ、すみません。つい興奮して」

――自己紹介をお願いします。

春香「天海春香(あまみはるか)、17歳です。趣味はカラオケとお菓子作りです」

――あなたにとって『アイドル』とは?

春香「そうですね。小さい頃からの夢だったんですけど、今の私にとっては……、皆で一緒にステージに立っているときが一番『アイドル』なんだって実感できます」

――くすぐりには強いですか?

春香「へっ? くすぐり、……ですか? あんまり強くは、ないと思います」

――最近くすぐられたことは?

春香「……? 無い、……ですかね。小さい頃は、友達とふざけてくすぐりあったりしたこともあると思うんですけど……」


(暗転)

質問に困惑されているなので、さっそく撮影現場にご同行いただきました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、春香の計4人。
  木板の足枷から突き出た春香の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の傍に靴下の詰め込まれた春香のスニーカーが踵をそろえて置かれている。

春香「えへへへひひひひひっ、嫌っはっはっはっはっはっ!! やっ……やめてくださいっ、あぁっはっはっはっは~~!」

――天海さん。スタンダードな足枷に足の指までしっかりと拘束されて、徹底的に足の裏をくすぐられるのはいかがですか?

春香「えひゃへへへへへへっ!!! 苦しいっ、苦しいですぅぅっはっはっはっはっはっは!! 息がっ、っはっはっは!! いやめてぇぇ~~はははははははははっ」

――おや? さきほどは初めての経験で楽しみだとおっしゃっていましたが。

春香「駄目ぇえっへっへ、もう無理ですっ!!! ひゃっはっはっは限界!! 早くやめてぇぇ~~ひゃっひゃっひゃひゃ」

――天海さんともあろう方が、途中で仕事を投げ出すおつもりですか?

春香「そっ、そんなっ、でもっ……はっはっは、これ以上は無理ぃぃ~~~っひっひっひっひ!!」

――アイドルが仕事を放棄しようとするなんて、言語道断ですよ。しばらく笑って反省してください。

春香「そんな嫌ぁぁああぁっはっはっはっはっはっ!!! うひゃはははははっ!!! 駄目えぇぇ~~っへっへっへっへ」


(暗転)


○田んぼ前小路
  タンクトップに短パン、運動靴、水色のリボンをつけたポニーテールの女の子が走っている。

――我那覇響(がなはひびき)選手、『響チャレンジ特別版』ということで走って現場まで向かうということですがいかがですか? 時間内に到着できそうですか?

響「なんくるないさ~」

――沖縄弁で「大丈夫だ。問題ない」だそうです。我那覇選手。軽く自己紹介をしていただきたいのですが。

響「我那覇響! 沖縄出身の16歳だぞ!」

――以上ですか。あなたにとって『アイドル』とは?

響「みんなの餌代も稼がないとだしねー」

――みんなというのは、ご自宅で飼われているペットのことですね。何匹飼われているんですか?

響「んーと、ハム蔵だろ、いぬ美だろ? ワニ子、シマ男、ブタ太、ねこ吉、オウ助、へび香、うさ江、モモ次郎」

――聞いてない名前までありがとうございます。10匹ということで。それはしっかり稼がないといけませんね。くれぐれも、時間厳守でお願いしますよ。


(暗転)

結局我那覇選手は、予定より10分遅刻して撮影現場に到着しました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、響の計4人。
  木板の足枷から突き出た響の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の傍らに響の運動靴が転がっている。

響「ひぎゃぁあはははははははっ!!! うひゃひゃひゃひゃっ!! がぁぁああっはっはっはっはっはっはっははははっはっはっ!!!」

――我那覇選手。だから時間厳守だとお伝えしたのに。いかがです? ハーフマラソン並みの長距離を走り終えて疲労した足を、スタンダードな足枷に足の指までしっかりと拘束されてくすぐられるのは?

響「ぎゃはああはははははっ!!! きついっ!! きつすぎるぞぉぉ~~ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!」

――足の裏が真っ赤。酷使されたばかりの土踏まずの筋肉が、激しく掻き毟られることで、ひくひくと震えるようにもがいています。おそらく普段の数倍敏感になっていることでしょう。

響「ひぎぃぃぃ~~っひっひっひ、解説やめぇぇえあひゃあひゃあひゃひゃ!」

――遅刻は厳禁。しっかり笑って、反省してください。

響「ふぎゃぁあぁあっはっはっはっはっはっ!!! いぎぃぃぃ~~っひっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!」


(暗転)


○765プロダクション事務所前
  青いシャツにジーンズ、革の靴を履いた長髪の女の子が出てくる。

――あ、すみません。如月千早(きさらぎちはや)さんですよね?

千早「……」スタスタ

――そんなに急いでどこへ行かれるんですか?

千早「これからレッスンなんです」

――あなたにとって『アイドル』とは?

千早「……歌うこと。それだけです」

――くすぐりには強いですか?

千早「……」スタスタ

――足の裏とかいかがです?

千早「どこの記者の方か知りませんが、ふざけた質問にお答えするつもりはありません。時間の無駄です。私、急いでいるんです。失礼します」


(暗転)

もちろん、強制連行させていただきました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、千早の計4人。
  木板の足枷から突き出た千早の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の周辺に千早の靴と靴下が、乱雑に散らばっている。

千早「ひゃはははははははっ!!? やめてぇぇ~~ふひゃひゃ、やめてぇ~~っはっはっはっはっはっは~~っ!!!!」

――如月さん。『ふざけた質問』に身をもってお答えいただきありがとうございます。ずいぶんと弱いようですね。連れ去られた挙句、抵抗むなしく靴も靴下も脱がしとられ、スタンダードな足枷に足の指までがっちりと拘束されて、めちゃくちゃ足の裏をくすぐられる感想は?

千早「はひゃっはっはっはっはっ!!? わはっ、私っ!! レッスンがぁぁ~~っっひゃっひゃっひゃ、レッスンがぁぁぁああははははははははははははっ!!!」

――アイドルの仕事は歌だけではありませんよ。

千早「ふひゃっひゃっひゃっひゃっ!!! そんなことっ!! ひゃひゃひゃひゃっ、あなたに言われなくてもぉぉ~~っはっはっはっはっは!!! お願いぃぃひひひひひひひひひ、やめてぇぇぇえひゃひゃひゃ」

――ファンサービスですよ。如月さん。普段クールな如月さんの笑い狂う姿を、もっとファンの皆さんに見ていただきましょう。

千早「嫌あぁぁああっひゃっひゃっひゃ、とめてぇぇぇっひっひっひ~~っ!!!! カメラとめてぇぇぇ~~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!」


(暗転)


○喫茶店
  半そでのシャツにフリフリのスカート、サンダルを履いたボブヘアーの女の子が、
  四人掛けテーブルの向かいに座っている。

??「……あ、あの……っ! で、できれば女性のインタビュアー……の、方、とか?」

――すみません、萩原雪歩(はぎわらゆきほ)さん。うちの事務所、人手不足で、こうして動けるのは私だけなんです。どうしてもというのなら、日を改めますか? その日までに、女性スタッフを一人なんとか工面できれば。

雪歩「いっ、いえっ! すみません、勝手なこと言って! 良いんです……その、私のわがまま、ですし……、もっとこういうことにも、慣れていかなきゃ、いけないし」

――そうですか。助かります。では、自己紹介を。

雪歩「は、萩原雪歩、です。じゅ、17歳……。高校生で、す」

――あなたにとって『アイドル』とは?

雪歩「あ、その、私……こんな風に自分に自信がないからこそ、違う自分になれたらいいなって思います」

――なるほど。アイドルを通して、自分の良さを再発見したいと。

雪歩「はい。あのっ……その……、こちらからも質問ひとつ良いですか?」

――どうぞ。

雪歩「今日の撮影って……いったいどんなこと、するんですか?」


(暗転)

興味津々のご様子なので、すぐに現場へお連れしました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、雪歩の計4人。
  木板の足枷から突き出た雪歩の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の傍らに、雪歩のサンダルが並べられている。

雪歩「ひぃぃぃ~~っひっひっひっひ! 男っ!!! 男の人らめぇぇぇっひっひっひっひっひっひっ!!!」

――ずいぶんと男性恐怖症なんですね。部屋に入ってすぐ失神してくれたおかげで、拘束が楽でしたよ。萩原さん。お上品な白い足を、スタンダードな足枷に足の指までぎっちぎちに拘束されて、むさい男どもにくすぐられるお気持ちは?

雪歩「最悪っ!!! ひっひっひ、最悪ですぅぅっひゃっひゃっひゃっひゃ!!! 嫌ァァああひひひひひひひひひひひひっ」

――はっきり言いますね。

雪歩「触らないでっ!!! 触らないでぇぇぇひひひひひひひひっ、いぃぃ~~っひっひっひっひっひ!!! こんなことっ! っひゃっひゃ、こんなことされるなんて、プロデューサーに聞いてません~~っひっひっひ」

――プロデューサーにも言ってませんからね。

雪歩「ひひひひっ!!!? そんにゃっ、そんなの違法じゃないですかぁぁっひゃっひゃひゃっひゃ!!」

――心配ご無用。きちんと既成事実にしますから。

雪歩「ふひゃぁあ~~っっはっは!!? な、にをっひひひひひ!!? あがっ、いやあぁ~~っひゃっひゃあひゃひゃっ!!!」


(暗転)


○本屋
  橙のチェックシャツの上に紺のパーカー、オリーブのスカートに、ブーツ姿のボーイッシュな女の子が、
  本を立ち読みしている。

――何読んでるんですか?

??「うわっ!!? ……ってもしかしてプロデューサーが言ってた取材の人ですか?」

――遅くなりました。ところで『王子様』はずいぶんと女性向けな雑誌を好まれるんですね。

??「ボクだって女の子なんですよ」

――実は案外乙女だったりして。自己紹介をお願いします。

??「菊地真(きくちまこと)。765プロ所属。17歳。乙女座です!」

――世間ではすっかり『王子様』のイメージが定着してしまいましたが、そんな菊地さんにとって『アイドル』とは?

真「最初は、ふりふりっとしてプリプリッとしたお姫様みたいになれたらなぁって思っていたんです」

――へぇ、今と反対ですね。

真「ホントに……。トホホ。でも今は、ファンの夢のために『王子様』としてのボクを磨きつつ、少しずつ女性的な魅力もアピールできたらなって思います」


(暗転)

男性でも思わずときめいてしまいそうな爽やかな笑顔をみせてくれた『王子様』は、快く場所の移動に賛同してくれました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、真の計4人。
  木板の足枷から突き出た真の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の傍に、真のブーツが折り重なって倒れている。

真「ぶわぁぁっはっはっはっはっ!!! なっ、なんですかコレぇえぇっはっはっはっはっ!? 話と違うぅぅ~~っはっはははははははは!!!」

――王子様。スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏を思い切りくすぐられて、爽やかなイメージとは程遠い下品な笑い声を強制的に上げさせられる今のお気持ちは?

真「くあぁはははははははっ!!! やめっ、やめてくださいぃぃ~~っひっひっひひっひっひ!! くるしぃぃっ、苦しいぃぃひひひひひひひひひひひ!」

――王子様。ファンの方々が見てますよ。

真「嫌あぁぁぁっはっはっはっはっはっ!! 見ないでぇぇっへっへっへ、やだぁぁぁっはっははははははははっ!!!」

――多くの女性ファンを魅了する女王子様。世の男性達の嫉妬や憎悪を一心に背負って、笑い死んでください。

真「はぁぁ~~っはっはっはっはっはっ!!! いやぁぁあ~~、嫌あぁあ~~っ!! ぷろっ、ひっひっひっひ、プロデューサーぁあっはっは、誰かっ! 助けてぇぇぇっはっはっはっは!」


(暗転)


○ラーメン二十郎
  胸に大きなリボンのついたブラウス、長いスカート、ブーツ、
  長く美しい銀髪にカチューシャをつけた女の子が、
  もやしのたっぷりのった極太ラーメンをすすっている。

――すごい量ですね。『銀色の王女』と名高い四条貴音(しじょうたかね)さん。全部食べ切れますか?

貴音「それは、トップシークレットです」

――こちらのお店にはよくこられるんですか?

貴音「それも、トップシークレットです」

――あなたにとって『アイドル』とは?

貴音「それも、トップシークレットです」

――どういった質問ならお答えいただけるんでしょう?

貴音「それも、トップシークレットです」

――…………。

貴音「カメラマンさま。後ろがつかえています。おしゃべりも結構ですが、速やかに粛々と食すのです」


(暗転)

もうまったくわけがわからないので、さっさと現場へ移動していただきました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、貴音の計4人。
  木板の足枷から突き出た貴音の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の横に、貴音のブーツと靴下がまとめて放られている。

貴音「きゃははははははははっ! おやめください……っ!! ぷ、はっはっはっはっはっは!」

――質問にきちんとお答えいただくまでやめられませんよ。銀色の王女様。染み一つ無い美しい素足をスタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、むさぼるようにくすぐられてみてどうですか?

貴音「ぷひゃっはっはっはっはっははっ!!! どうってふっぁっはっはっはっは、くすぐったいですわぁぁっはっはっはっはっ!!! なにゆえっ、このような所業をぉぉっははっはっは!?」

――銀色の女王様。『トップシークレット』では取材になりません。どうか正直にお答えください。

貴音「きゃはっ、ふぁっはっはっはっは、かはっ、可能な限りお答えいたしまぁははっははっはっはっはっは~~!!!」

――ラーメン二十郎の好きなトッピングは?

貴音「麺カタカラメ野菜ダブルにんにく脂増し増しぃぃぃっひっひっひっひっひ~~っ!!」

――ご出身は?

貴音「ふっはっはっは!!? ……うくっふっふっふ、と、トップシークレット――……ぶはっ!!!? きゃは、急に強くぅぅぅ~~~っひっひっひ、きゃぁぁぁ~~ははははははははははっ!!!!


(暗転)


○タクシー後部座席
  グリーンのタンクとっぷにデニムのミニスカート、ブーツを履いた金髪の女の子が、
  座席に抱きつくような格好で眠っている。

――星井美希(ほしいみき)さん? 到着しましたよ? 起きてください。

美希「あふぅ……ムニャムニャ」

――少し予定より早くなってしまったからですかね。星井さん。あなたにとって『アイドル』とは?

美希「スー……スー……きらきらーって、輝いてる人ー」

――……寝言のようですね。


(暗転)


まったく起きる気配が無いので、現場まで運搬しておきました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、美希の計4人。
  木板の足枷から突き出た美希の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の横に、美希のブーツが並べて置かれている。

美希「やっはっはっはっはっはっ!!! なんなのっ!!? なんなのぉぉ~~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!?」

――星井さん。寝起き早々、スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏をたっぷりくすぐられる気分はいかがですか?

美希「やぁぁ~~~ははははははははは!!! わかんないっ!! 全然意味がっ、わかんないのぉぉ~~っはっはっはっはっはっはっは~~っ!!」

――トップアイドル星井さんは、実はくすぐったがり屋ですか?

美希「きゃひゃひゃひゃっ!! くすぐったいぃぃっひっひっひ、美希はぁぁっはっは!! くすぐったがりなのぉぉっひっひ、やめてぇぇ~~ふぁっはっはっ!」

――各局のDさん。これで星井さんの寝起きどっきりのテンプレは決まりましたね。では眠気覚ましに、もう少し笑っていただきましょう。

美希「嫌あぁぁあぁっはっはっはっはっはっ!!! やめっ、やめてなのぉぉ~~~ふひっひっひっひっひっひ!!!」


(暗転)


○スーパー特売品売り場
  オレンジ色のトレーナーにデニムの短パン、白い靴下にスニーカーを履いた、ツインテールの女の子が、
  買い物カゴに大量のもやしを詰め込んでいる。

――そんなにもやしばかり買って何を?

??「あっ、今日はもやし祭りなんです」

――もやし祭り?

??「はいっ! と~~っても! 美味しいんですよー」

――自己紹介をお願いします。

??「うっうー! 高槻やよい(たかつきやよい)! 14歳! 6人姉弟の、一番お姉さんなんですー」

――あなたにとって『アイドル』とは?

やよい「はい! 少しでもウチにお金を入れて、両親の役に立ちたいなーって思います」


(暗転)

家族のためにがんばってアイドルのお仕事をこなしているようなので、楽しいお仕事を紹介してさしあげました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、やよいの計4人。
  木板の足枷から突き出たやよいの左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の周囲に、やよいのスニーカーとくしゃくしゃになった靴下が落ちている。

やよい「ふひゃはははははははははははっ!!! にゃっ、何ですかこのお仕事ぉぉ~~~ひにゃははははははははははは!!!?」

――スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏をくすぐられるお仕事ですが、何か?

やよい「こんなの嫌ですぅひゃっ!! は、は、は! ふにゃっはっはっはっはっはっはっは~~っ!!」

――ずいぶんとくすぐりに弱いようですが?

やよい「ひひゃぁぁっはっは!? こにゃっ……こんにゃ状態でくすぐられたらぁぁっ! 誰だって笑っちゃいますよぉおっ、ぃにゃはははははははははははっ!! やめてくださぃぃぃっひっひっひ~~」

――ご家族のために、しっかり笑って稼いで帰ってください。

やよい「ひにゃぁぁ~~っはっはっはっはっ!!? か、っひゃっひゃっひゃ、もうだめぇぇっ、もう駄目ですぅぅっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」


(暗転)


○某テレビ局廊下自販機前
  黄フードのピンクパーカー、スパッツの上に白スカート、向かって右側にサイドテールを作った女の子が、
  ベンチの上で胡坐をかいてポータブルゲーム機をいじっている。

――お休み中失礼します。双海真美(ふたみまみ)さん。あなたにとって『アイドル』とは?

真美「んー、もっとも~っと、テレビとか出てみたいかな」

――今以上にですか。それは、『亜美真美(あみまみ)』としてですか? それとも、『双海真美』として?

真美「どっちも! 亜美(あみ)は亜美でがんばってるから、真美も真美でがんばらなきゃって思うし、それとは別に、亜美と真美でもがんばりたいなーって」

――今日は、まだ帰られないんですか?

真美「この後亜美と一緒にゲームする約束があるから」


(暗転)

『竜宮小町』の収録が終わるまで、うちの事務所へご招待しました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、真美の計4人。
  木板の足枷から突き出た真美の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の傍らに、真美のピンクのスニーカーがばらばらに放られている。

真美「にゃははははははっ!! うにゃっはっはっはっはっは!!? なんでっ、なんでぇぇぇ~~っへっへっへっへっへ!!!」

――スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏をくすぐられるゲームです。

真美「ゲームぅぅぅにゃんにゃぁぁぁああっはっはっはっはっはっはっ!!?」

――小さな足の裏がごつい指に激しくくすぐられ、たまらず泣き喚く少女。こういうのを求めるファンもいるんですよ。

真美「あぁぁっはっはは、意味ぃぃ~~意味わかんにゃぁぁっはっはっひっひっひひひひひひひ!!!」

――双海亜美さんが到着されるまで、存分に笑ってくださいね。

真美「あにゃぁっぁっはっはっはっは!!? 亜美ぃぃっひっひっひ、逃げてぇぇ~~っはっはっはっは!!」


(暗転)


○某テレビ局控え室
  黄フードの青パーカー、スパッツの上に白スカート、向かって左側にサイドアップを作った女の子が、
  鞄に台本やペットボトルを仕舞い、帰り支度をしている。

――双海亜美さん。収録お疲れ様でした。これからお帰りですか?

亜美「うん。真美に待ってもらってるからねー。急がなきゃ」

――ならひとつだけ。あたなにとって『アイドル』とは?

亜美「なんか大変だけど、チョー楽しいよね!」ニカッ

――最高の笑顔をありがとうございました。


(暗転)

お急ぎのようなので、事情を説明してうちの事務所に駆けつけていただきました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、亜美の計4人。
  木板の足枷から突き出た亜美の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の傍らに、亜美の青いスニーカーがばらばらに放られている。

亜美「にゃはっはっははははっ!! うにゃっ!? 嘘つきぃぃっ!! 嘘つきぃぃ~~っひっひっひっひっひ~~っ!!!」

――嘘つき? ゲームはゲームでも、スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏をくすぐられるゲームです。

亜美「そんっ! にひひ、そんなの聞いてにゅ……っはっはっはっはっはっはっ!!!」

――悪態などつかず、ファン達にとびきりの笑顔をお願いします。

亜美「あぁぁ~~っはっはっはっは!!? 笑顔ってぇぇひゃひゃ、……真美はっ!! 真美はどこぉぉ~~にゃははははははははは!!!」

――準備中です。すぐにお会いできますよ。

亜美「うにゃぁぁ~~っはっはっは、どういうことぉぉ~~ひゃひゃひゃ!?」


(暗転)


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、亜美、真美の計5人。
  4つ穴の開いた長い木板の足枷から突き出た亜美、真美の素足を、
  くすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。

亜美「ふにゃはっはっはっ!!! 真美ぃぃ~~っひっひっひっひ」

真美「亜美ぃぃっひひひひひひ、にゃぁぁ~~っはっはっは」

――並べて足の裏をくすぐられる『亜美真美』の貴重なワンシーンです。ファンの皆様、互いに名を呼び励まし合う姉妹愛、むさい男達に足裏を掻き毟られてもがき笑い狂う少女達の断末魔、合わせてお楽しみください。

亜美「嫌っ、いにゃぁぁ~~あっはっはっはっはっはっは!!」

真美「にひっ!? やめてぇぇ~~っひゃっはっはっはっは!!」


(暗転)


○カフェレストラン
  紫色のワンピースドレスにサンダル、前髪をアップにしたロングヘアーの女の子が、
  丸テーブルの向かいに座り、ストローで100%オレンジジュースをすすっている。
  うさぎのぬいぐるみを片手に抱えている。

――水瀬伊織(みなせいおり)さん。そちらのうさちゃんのお名前を教えていただけますか?

伊織「シャルル・ドナテルロ18世」シャララン

――美味しそうな名前ですね。

伊織「ちょっと! やよいみたいなこと言わないでください!」

――最近ではすっかり『竜宮小町』で有名になってきましたが、あなたにとって『アイドル』とは?

伊織「まだまだです! もっともっとこの伊織ちゃんをみーんなに認めさせないと!」

――『みんなに』とおっしゃいましたが、『ご家族に』ということですよね?

伊織「ぐっ……」


(暗転)

家族間でフラストレーションが溜まっているようなので、しっかり発散していただきましょう。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、伊織の計4人。
  木板の足枷から突き出た伊織の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷の周辺に、伊織のサンダルとシャルルが無造作に散らばっている。

伊織「きゃぁぁあっはっはっはっはっ!!!? やめてっ!!! やめなさいよっ!! あぁぁあっはっはっはっはっは~~!!!」

――スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏をくすぐられる今のお気持ち、率直にお聞かせ願えますか?

伊織「うるさいうるさいうるさいぃぃ~~っひっひっひ!! すぐやめなさいっ!! やめないとっふゎっはっはっはっはっはっは!!!」

――やめないと?

伊織「きゃはははははっ!!? ひ、ひ、ひ、ひどいんだからぁぁ~~っはっはっはっはっは!!!」

――今日は日々のストレスも忘れて、たっぷり笑って帰ってください。

伊織「はぁぁっはっは!!? 何言ってんにひぃぃ~~~ひっひっひっひ!! にひひひひひひひひひひひひひっ!!!」


(暗転)


○結婚式場
  ウェディングドレスに身を包んだショートカットの女性が慎ましくお辞儀をする。

??「三浦あずさ(みうらあずさ)です。私、のんびり屋さんですけど、アイドル頑張っていますよ~。うふふ」

――あなたにとって『アイドル』とは?

あずさ「運命の人を探す旅です。こうしてアイドルとしてがんばっていれば、きっと誰かが見つけてくれますよね」

――……結婚の予定も無いのにウェディングドレスを着ると、婚期が遅れるって言いますが。

あずさ「そうなんですぅ。でも、絵になるからってリツコさんが~~」

――ところで、くすぐりにはお強いですか?

あずさ「あらあら……、試してみます?」


(暗転)

案外ノリノリのご様子だったので、さっそく同行していただきました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、あずさの計4人。
  木板の足枷から突き出たあずさの左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷のすぐ傍に、あずさのウェディングシューズが丁寧にそろえられている。

あずさ「あははははははははははっ!!! ま、はぁっはっはっはっはっはっはっはっはっは~~」

――ずいぶん協力的で助かりました。美しい花嫁姿のまま、スタンダードな足枷に足の指までがっちがっちに拘束されて、足の裏をくすぐられるご感想は?

あずさ「ふふっ、あははははははっ!! 案外っ……ひ、きついものですねっ、あぁ~~はっはっはっはっはっはっはっは!!」

――花嫁衣装がまぶしいですね。

あずさ「あはははっ、ありがとうございますぅぅふふふふ、ふぁっはっはっは」

――実に絵になっています。くすぐられる花嫁。見ている方々は、さまざまな妄想を膨らませ、興奮することでしょう。

あずさ「はっはっはっはっ!!! すふっ、すみませんっふふふふふふっ、いひ、……いつまで続けるのかっ、ふぁはは! 教えていただけませんかぁぁ~~っはっはっはっはっはっはっは!?」


(暗転)


○461ビル1階『応接室』
  レディーススーツをぴっちりと着た、メガネの女性が腕を組んでソファに座っている。

――秋月律子(あきづきりつこ)プロデューサー。どうなさいましたか?

律子「どうもこうもありません。確かにうちのアイドル達の取材の許可はしましたが、あんな破廉恥な撮影を許可した覚えはありません」

――律子プロデューサー、あなたにとって『アイドル』とは?

律子「これからの――って、何インタビューしているんですか! こっちは抗議しにきているんですよ? うちのアイドルの破廉恥な映像を頒布することは許しません。対応いただけないようなら、出るところに出ますよ」


(暗転)

ずいぶんとご立腹なようなので、さっさと笑っていただきましょう。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、律子の計4人。
  木板の足枷から突き出た律子の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷のすぐ傍らに、律子のパンプスがひっくり返って転がっている。
  ストッキングは破かれ、両足ともかかとまでずり下げられている。

律子「いぎゃぁぁっはっはっはっはっはっ!!! 嫌ぁぁぁははっははははっ!! やめ……っ、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」

――どうですか、律子プロデューサー。スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏を徹底的にくすぐられるシチュエーションは? 楽しんでいただいてますか?

律子「楽しくないっ!!! ぃぃっひっひ、楽しくなんかないぃぃぃ~~っひっひっひっひ!! なんで私がぁぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!?」

――律子プロデューサーも元アイドルだそうじゃないですか。ファン達も大喜びですよ。

律子「なっ!? ひぎゃぁぁはははははははっ、やめっ、こんな映像外に出さないでぇぇ~~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!」

――鬼軍曹も笑顔の方が似合ってますよ。

律子「嫌ぁぁあっはっはっはっはっはっ!! やめてぇぇ~~っひぇっひぇっひぇ」

――映像頒布をご許可いただくか、笑い死ぬか選んでください。

律子「ぎゃぁぁぁあ~~っっはっはっはっはっ、そ、そんなぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!! ひぎゃぁぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!!」


(暗転)

おまけ


○765プロ事務所
  緑色を基調とした事務員の制服姿、インカムを付けたショートヘアーの女性が机に向かっている。

――音無小鳥(おとなしことり)さん。あなたにとって『アイドル』とは?

小鳥「あはは……私はアイドルじゃありませんよ」

――ピアノバー『Unamela』で歌手業をされているという情報がありますが。

小鳥「あらら、バレてますか。でもあちらは本業ではありませんし」

――アイドルになろうとは思わなかったんですか?

小鳥「女には色々な過去があるんですよ。今の私は時々歌えればそれで幸せなんです」


(暗転)

ピヨピヨと仕草がかわいらしかったので、事務員さんもお持ち帰りしました。


○461ビル3階『仮想拷問室』
  撮影者1人、くすぐり師2人、小鳥の計4人。
  木板の足枷から突き出た小鳥の左右の素足をくすぐり師2名がそれぞれくすぐっている。
  足枷板の端に小鳥のサイハイソックスがだらんとひっかけられており、
  サンダルはその傍らに転がっている。

小鳥「あははっ、あぁぁぁ~~っはっはっはっはっはっはっはっ!!! やめっ、やめてくださいぃぃっひっひっひっひっひっひっひ!!!」

――音無さん。アイドルの皆さんにも楽しんでいただいた、スタンダードな足枷に足の指まで拘束されて、足の裏を徹底的にくすぐられるシチュエーションはいかがですか?

小鳥「ひぃぃ~~っひっひっひ!!? あは、皆さんもこんにゃっ!!!? いゃぁぁ~~っはっはっはっはっはっは、駄目ぇぇぇっひっひっひっひっひ!!」

――アイドルのお仕事ですよ。

小鳥「やめてぇぇぇぇひゃっひっひっひっひっひっ!!! だからぁぁっひゃっひゃ、私アイドルじゃありませんひひひひひひひひひ~~!!」

――可愛らしいので問題ありません。

小鳥「もひょっ!!? 問題だらけですぅぅ~~っはっはっはっはっはっははっ」

――ピヨピヨ言っていただけませんか? オオトリですよ、コトリさん。

小鳥「ぴよっ!!? よほぉぉ~~っふぉっほっほっ、にゃっ!? 何言わせるんですかぁぁ~~っはっはっはっはっはっはっはっ!! 駄目駄目ェえぇぇっひっひっひっひっひ~~っ!!」


(暗転)

~現役アイドル達の足の裏をくすぐっちゃいました!~


(完)