『傷つけてしまったあの子に笑顔をプレゼントしてみませんか?』

「なんだこれ?」

 私立聖シンデレラ学園一年の石蕗ハル(つわぶき はる)は全告ツアー五日目の夜、学園関係者専用のソーシャルネットワーク通称『デレネット』にて、妙なページを見つけた。
「傷つけてしまった……」 
 うたい文句を読み上げ、ハルは先日派手に泣かせてしまった女子生徒の姿を思い浮かべた。

『あの子の名前を入力してください』

 空欄は三箇所あった。

 ハルは、願掛けやおまじないの類だろうと、深く考えなかった。
 軽い気持ちで、自分がここ最近、傷つけてしまったと思う三人の女子生徒の名前を入力した。

『椿玲奈(つばき れいな)』
『鯉川蓮香(こいかわ はすか)』
『吹子なずな(ふきこ なずな)』

 ハルは、心が洗われたような気がして心地よい眠りについた。
 翌日も全告ツアーに精を出すハルとみゃーこ。その裏で、三人の女子生徒に降りかかる災難は知るよしもなかった。

 そして数日後、『デレネット』に三本の動画がアップロードされた。


(つづく)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。


~くすぐられガールズ~

 椿玲奈
 一年G組。入学試験女子首席合格者。大きな深紅のリボンが後頭部に花開くお嬢様風のミディアム金髪少女。黒ニーソ。入学初日時点で、ハルの『付き合いたいランキング』ナンバー1。新入生代表スピーチ時壇上で、よろめいたハルに押し倒され、尻に顔を埋められ、平手炸裂。「逃げて、玲奈! ギョウチュウ舐められるよ!」という外野の暖かい声援を受け、悲鳴をあげる。人望が厚い聖女。その聖女っぷりたるや、後日、ハルに対して「あの時(新入生代表スピーチ時)は、わたしも緊張してたから、……その、びっくりしちゃって、石蕗くんにひどいことを……本当にごめんなさい」と自ら謝罪するほど。学園で最低最悪の嫌われ者であるハルに対しても優しく接する。

 鯉川蓮香
 一年A組。小柄な体、顎のラインで切り揃えられた黒髪ボブカット、パッチリ二重にアクセントを加える泣きボクロ、よく回る舌から紡ぎだされるハスキーボイス。メインヒロインに告白された時点で、ハルの『付き合いたいランキング』ナンバー1。ハルにとっては、全学園女子生徒420人に告白するツアー『全告ツアー』のデビュー戦の相手。ハルのことを気持ちの悪い妖怪と認識している様子。むーちんという男勝りの彼女がいる。ハルが告白のために姿を見せたときには、すぐさまむーちんの背中に隠れた。

 吹子なずな
 一年C組。吹奏楽部。クラリネットパート。中庭の一角で毎日個人練習に励んでいる。流れるような長い髪、露出した綺麗な耳、細く長い指、長いまつげ。慈しむように音を吹き出す姿はスミレの花のよう。真面目そうに見えて意外とスカートは短い。「わふー」とか言いそうな容姿。鯉川に振られた時点で、ハルの『付き合いたいランキング』ナンバー1。ハルに大切なクラリネットを舐められ、泣いちゃう。目に涙を浮かべて肩を震わせる挿絵がすごく可愛い。三巻の見開きのどん引き気味の笑顔もかわいい。


 プチ情報をふたつ。
 『四百二十連敗ガール』、二巻にくすぐりシーンがあります。布袋葵ちゃんという水泳部の真面目な女の子が、サボりムードの部員達にからかわれるというシチュ。「もーみんな! 遊んでないで、ちゃんとアップしてよー!」「相変わらずクソ真面目だなぁ」「たまには気ぃ抜けっつーの」「葵ちゃんの脇、ワッキワキ~~」というノリ。一瞬で、描写はセリフのみですが、ちゃんと笑っています。
 同じく二巻。くすぐりシーンとは言い難いですが、メインヒロインの毒空木美也子が先輩に腰骨を舐められて失神します。意識を取り戻した美也子は「ううう。あたしって昔から腰骨が一番敏感なの。軽く握られただけで声がでちゃうぐらい」とカミングアウト。ちょっと妄想が膨らみますね。