○○○

 手撮りなのか、画面が震えている。
 ぼんやりと映し出される女子生徒の姿。
 ピントが合うと、そこは音楽室、女子生徒は吹子なずな(ふきこ なずな)だとわかる。
 吹子なずなは制服姿で、敷き詰められた絨毯の上にぺたんとお尻をついて、大きく開脚して座っていた。上半身は柱に縛り付けられている。
 モップの柄に足首がくくりつけられており、両足とも素足であった。すぐ傍の机の上に、引き裂かれ、引っぺがし取られたらしい白いタイツが無残に放られている。

男の声
「はい。こちらは、一年C組の、吹子なずなちゃんでーす。こんにちはー」

なずな
「…………」

 なずなは向けられたカメラから目をそらすようにそっぽを向く。
 その表情は、恐怖と怒りを押し殺すように、しかめられている。

男の声「吹奏楽部で、クラリネットのパートリーダーやってまーす! 今日は部活の練習がお休みだというのに、ひとり、個人練習のために登校してくれてましたー! 練習ははかどったかなー!?」

なずな
「…………」

男の声
「あれー? せっかくの可愛い顔が、不機嫌そうに歪められて、台無しですねー」

 画面の外でがさごそと音がする。

男の声
「はい! では、吹子なずなちゃんに問題! こっち見て! これなーんだ?」

 なずなはゆっくりと顔をカメラの方へ向ける。

なずな
「……っ」

 なずなはチラリと見、すぐに視線を落とす。

男の声
「ほらほら吹子なずなちゃん! これの名前、教えてー」

 問答がしばらく続く。最終的には恫喝を受け、なずなはびくっと肩を震わせる。

なずな
「……き、金管楽器の、ま、マウスピースブラシ、です」

男の声
「その通り! 皆さん見えますかー?」

 男の手、とマウスピースブラシが画面に映る。

男の声
「今日は、せっかく吹子なずなちゃんが吹奏楽部ということで、こんな道具を使って、笑顔をプレゼントしようと思いまーす」

●●●

なずな
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!? 駄目駄目駄目えぇぇぇっひっひっひっひっひっひっひ!!」

 なずなのゆがんだ笑顔が画面に映し出される。

男の声
「吹子なずなちゃん。掃除される楽器の気分はどうかなー?」

 なずなの素足。
 足の指と指の間に、シュコシュコとマウスピースブラシが出し入れされている。

なずな
「あひぃ~~ひひひひひひひひひひっ!!!! やめてやめてぇえぇぇぇっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

 激しく首を振るなずな。
 可愛らしい顔が真っ赤に紅潮し、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっている。
 男は閉じようとするなずなの足の指を無理やり広げ、ブラシを差込み、力強く往復させる。

なずな
「ひゃっひひひひひひっひっひ!!!? いやぁあぁっひゃっひゃ、無理だってぇぇっひぇっひぇっひぇ!!!」

男の声
「吹子なずなちゃんは、小指と薬指の間がだいぶ汚れているようですねー」

 シュリシュリ、シュコシュコと、ブラシが皮膚を擦る音が激しく鳴り続ける。

なずな
「くひゃひゃひゃひゃひゃっ、そんにゃこと言わないでぇぇぇえっっひぇひぇひぇひぇ!!」

男の声
「ちょっと滑りが悪いので、潤滑剤を投入します」

 男が、なずなの素足に、楽器に注すためのオイルをダラダラとかける。
 てかてかと光を反射するなずなの素足。
 男は一層激しく、ブラシでなずなの足の指を掃除する。

なずな
「ふぎゃぁあぁひゃひゃひゃひゃっ!!! だひゃっ、だみゃっ! 嫌あぁあひゃひゃひゃ!!? 助けてぇえぇぇっひっひっひっひっひ~~!!」

 その動画は、なずなの全ての足の指の間を掃除し終えるまで、続いた。


(つづく)