○チャプター1:『副将たちの末路』


 薄暗い部屋。
 壁に、6組の素足が、足裏を正面に向けて生えている。
 上段に3組。下段に3組。
 足首から上は、壁の向こうに隠れていて、顔は見えない。
 壁は、巨大な晒し台になっていた。
 それぞれ左右の足の下にネームプレートが貼ってある。 


 横から手袋をはめた手が現れ、上段左の『アリサ』と表示された足の裏をくすぐりはじめる。

アリサ
「あぁぁっはっはっはっは!!? いやぁぁあ~~っはっはっはっはっはははははははは!!」

 壁の裏で、サンダース大学付属高校の制服を着た赤毛の少女アリサが暴れる。

――さて、サンダース大学付属高校の策士さん。無線傍受という半ば反則まがいの策を練りながら、大洗女子に惨敗した罪は重いでしょう。

 アリサの両足の裏を10本の指が激しく這い回る。

アリサ
「やあっぁぁっはっはっは!! 勝とうとしたぁぁあっ!!! 私は勝とうとぉぉ~~ひゃっはっはっははっはっは!!」

――勝てなきゃ意味がないことは、あなたが一番よくおわかりなのでは?

アリサ
「がぁぁっはっはっはっは、誰かたすけっ……ひゃっひゃ、たかしぃぃ~~っひっひっひっひっひ!!」


――さて、サンダースが負けた責任は、こちらの方の方が重いかもしれません。

 アリサの足をくすぐっていた手が、すぐ下の『ナオミ』と表示された足の裏をくすぐり始める。

ナオミ
「ぶはっ!!? あははははははははははっ!!? ははははははははははっ!!」

 壁の裏で、サンダース大学付属高校の制服を着たボーイッシュな短髪少女ナオミが、身体をよじって笑う。

――ずいぶん大口を開けて笑いますねー? サンダースのスナイパーナオミさん? 

ナオミ
「ははははははは、無理っ!! 無理ぃ~~っひひひひひひひひひひひひひ」

――ファイアフライを使って、負けちゃだめでしょう。

ナオミ
「いぃぃ~~ひひひひひひひひひ、そんなっ、そんなことぉぉ~~っははははははは!?」


――さて、ここで突然ですが。

 ナオミの足をくすぐっていた手が、突然離れると、下段右の『エリカ』と表示された足の裏をくすぐり始める。
 きゅっと閉じられていた足の指が、びっくりしたように開く。

エリカ
「かはっ!!? だぁあひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!! ひひゃひゃひゃひゃ、なんでぇぇぇ~~~っはっはっはっはっはっはっは!!?」

――順番通り行くと思いましたか? 油断していましたね、黒森峰の副隊長エリカさん。

 壁の裏で、黒森峰女学園の制服を着たつり目の少女エリカが、ダンダンと身体を床にたたきつけて笑う。

――決勝戦ではかなりの小物っぷりを発揮してくれましたねー? マウスだけに。

 ガリガリと両足の裏をひっかかれ、エリカの足の指がびくびくと激しくもがく。

エリカ
「いひゃひゃひゃひゃひゃ!? マウスは小物じゃないぃぃ~~っひっひっひっひっひっひ~~」

――あんなに全編通して挑発しまくっておいて、負けちゃだめですよぉ。

エリカ
「ひやっはっはっはっ! だひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ、やめぇぇえぇっへっへっへっへっへ!!」


――さて、挑発と言えば、調子ばっかり乗ってこの子らは。

 エリカの両足をくすぐっていた手は、さっと上段中央と上段右の『カルパッチョ』と『ペパロニ』を同時にくすぐり始める。

カルパッチョ
「きゃはははははははっ!? いきなりぃぃ~~っひっひっひっひっひ!!?」

ペパロニ
「うははははははははっ、だぁぁ~~っはっはっはっはっはっは! やめろぉぉ~~!!!」

――アンツィオ高校さん。結構期待してたんですけどねー?

 壁の裏で、アンツィオ高校の制服を着たカルパッチョとペパロニそれぞれじたばたと悶える。
 壁の裏の空間には仕切りがあるため、くすぐられている者同士は互いの顔を見ることができない。

カルパッチョ
「嫌あぁぁっはっはっはっはっは、いぇやめてぇぇぇ~~っはっはっはっは」

 左足の土踏まずを人差し指でほじくられ、カルパッチョの足は左右によじれる。

ペパロニ
「くあはははははははっ!!! お前えぇあははっはっはっははは!! 覚えてろよぉぉ~~だっはっはっはっはっは!!」

 右足の指の付け根をがりがりとひっかきまわされ、ペパロニの足はびくびくと痙攣するように震える。

――二枚は予備だってあれほど……。せっかくの作戦を台無しにした罪を、しっかりと償ってもらわないといけませんよー。

カルパッチョ
「きゃあぁぁ~~はははははははは!!」

ペパロニ
「姉さあぁぁぁんあはははははははは」


――さて、ひとり、寂しそうな人がいますねー?

 下段中央の足が、きゅっと指を閉じ足の真ん中に皺を作った。
 ネームプレートには『ノンナ』と表示されている。

――ブリザードのノンナさんは、どんな声で鳴いてくれるのでしょうか。

 10本の指が、下段中央の足の裏に殺到する。
 土踏まずをかりかりと爪でこそがれ、足の指の間に指がねじこまれる。

ノンナ
「くひっ……ひっ、ぷはっはっはっはっはっはははっ!!!? あぁぁ~~ははっはははっははっははははっは」

 壁の裏で、プラウダ高校の制服を着たノンナが身体をのけぞるようにして笑う。

――まさか、プラウダが準決勝敗退なんて。スターリンで、89式落とせないなんて、ありますか?

ノンナ
「はっはっはっはっ~~はっ!? ひぃ~~っひひひひひっひっひひっひひ~~!!」

 ノンナの足は、かかとや外側をなぞられ、ピンと反り返ってよじれる。

――プラウダの敗退は番狂わせでした。ボルシチがところてんに負けたら駄目ですよ。

ノンナ
「はひっ、はひっ~~ひっひっひひ、あひぃっはっはっははははははははははは!!」


――さて、全員のお披露目も終わったところで。

 数十本の手が現れ、全員の足の裏を一斉にくすぐり始める。

アリサ
「いやあぁぁっはっはっはっはっはっは!!!」

ナオミ
「ぶはははははははっ、またぁぁははははは!?」

カルパッチョ
「きゃっはっはっはっはは!!?」

ペパロニ
「くわあはははははははは!!」

ノンナ
「ひはぁぁ~~っはっはっはっはっは!!」

エリカ
「だひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!?」

――できる女もぽんこつ女も、くすぐりの下ではまったく同列に無力です。6名が無様に笑い狂う様をとくとご覧あれ!


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