「へぇ。モモカちゃんって言うのかー」
 先輩の家に行く途中、奈美は、告白の背中を押してくれたクラスの友人、浅田桃香(あさだ ももか)について話した。
 先輩はやたら奈美の友人の話に食いついてきた。
 奈美は少し頬を膨らませる。
「どうしたの?」
「だって先輩、私は最初『後背さん』だったのに、桃香のことはいきなり『桃香ちゃん』って……」
「奈美の友達だからじゃないか。それとも奈美は、彼女の友達をないがしろにする彼氏の方がいいかい?」
 奈美は、先輩に何度も『奈美』と呼び捨てにされて、照れてしまった。

 先輩の家に着いた。
 奈美は、新しいソックスの日でよかったと心底ホッとした。
「じゃ、上着脱いでベッドに横になって」
 部屋に入るとすぐに先輩は命じた。
「いきなりですか!?」
「なんでもするって言ったじゃないか」
「……い、でっ、でも……!」
 奈美は恥ずかしかった。
 告白した当日にいきなりベッドなんて。
「あーじゃあ俺、嫌いになっちゃうかも」
「う……」
 そう言われると、奈美は了承するしかなかった。
 ブレザーの上着をぬいでベッドに横になると、奈美は手首と足首にガチャリと手錠をかけられた。
「なっ!? 何するんですか!?」
 驚きのあまり声を荒げてしまった。
 奈美は両腕両足をまっすぐに伸ばしたIの字に拘束された。
「だから変わった趣味あるって言ったじゃん」
 先輩は突然、奈美の脇腹をくすぐりはじめた。

「きゃっ!? やっ……ははっ!? あはははははははははははっ!?」

 奈美は、訳も分からず笑い声を上げた。
 先輩の十本の指が、奈美の脇腹へ食い込む。

「ちょっ、先ぱっ……いやっはっはっはっは!!! やめてっ、きゃははっ!!? やぁ~はっはっはははははははははは!!」

「俺、くすぐりフェチなんだ」
 先輩がカミングアウトした。
 奈美はショートカットの髪の毛を振り乱し笑いながら、驚愕に目を見開いた。
 目の前の先輩は笑顔だった。 
「女の子がくすぐられて笑い悶える姿見ると、すっげぇ興奮するんだよね」
 先輩の指が徐々に上半身を這い上がってきた。
 肋骨の下から二段目あたりを、人差し指でごりごりされた。

「はひゃひゃひゃひゃひゃ!!? ふごぉぉ~~ははっはははははは!!! 先輩っ!! だひゃっ!? 先輩それだめえぇぇぇぇぇっひゃっはっはっはっはは!!」

「奈美。すっげぇ笑ってくれるね。俺、嬉しいよ」
 先輩はさらに指でほじくるようにアバラをくすぐった。

「ぐわあぁぁっはっはっはっはっは!!! だぁぁあ~~っはっはっはは、ぎゃあぁぁあぁはっははっは!!!」

 奈美は、大好きな先輩に大口を開けて笑う姿を見られ、恥ずかしかった。
 口から垂れる涎をぬぐいたいのに、両手がふさがっているため叶わない。

 先輩の指が、腋の下に到達した。

「ぎひひひひひひひひひっ!!? いぃぃ~~っひっひっひっひっひっひ!!!」

 奈美は涙を流して歯を食いしばり、目の前の先輩に向かって首を左右にぶんぶんと振った。

「奈美。嫌なの?」

「うひひひひひひひっひっ、いひゃぁぁはっはっはっはっははは、ひぃぃ~~っひぃぃ~~!!!」

 奈美は先輩の質問に必死に首を縦に振った。
「ふーんそっかぁ」
 先輩は指を止めた。
「え……っ」
 奈美は息を整えながら、先輩を見る。
 先輩は足下へ移動していた。
「奈美」
 先輩の声は優しかった。
「俺のことが好きなら、慣れてもらうしかないね」
 目は全然優しくなかった。
 スクールソックスを脱がされ、素足の足の裏をくすぐられる。

「にゃぁぁああはっはっはあはははっはははは!!? いやぁぁ~~いやぁぁああひひひひひひひひひひひ!」

 素足の土踏まずを人差し指で激しくほじられるのは、たまらなくくすぐったかった。

「ぎゃぁぁはっはっはっはっはっはっは!!! ふぎゃあああぁはっはっはっはっは、やだぁぁ~~!!!」

 奈美は泣き叫んだ。

「すごい声。いいよ、奈美。足の指がエロいね。じゃあ指の付け根はどうかな?」

 先輩は奈美の足の指を押さえつけて足を反らせ、付け根をがりがりとこそぐようにくすぐる。

「だひゃぁぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃひぃぃぃひひひひひひひっひっひひひひ!!!」

 奈美は身体をよじって笑う。
 足の指と指の間に、先輩の指がつっこまれた。

「っふがあぁぁはははっはは、だめぇぇえぇひひひひひひひひひひひ!!」

 十本の指で狭い足の裏をかきむしられると、発狂しそうだった。

「ぐぎゃははははははははは!!? ぎひひひひひひひ、じぬぅぅぅ~~じぬぅぅ~~~うひゅひひひひひひひひひひ!!!」

 たっぷり数十分間くすぐられ、ようやく先輩の手が止まった。
「ひぃ……ふひぃぃ……」
 奈美は全身汗びっしょりだった。
 笑いすぎて顎が痛かった。
「どう? 奈美、癖になってきたんじゃない? 慣れれば結構気持ちよくない?」
 先輩が笑いかけてくる。
「い……全然、気持ちよくな――」
 否定しかけると、足の裏を撫でられた。
「あひゃひゃひゃひゃ!!? 嘘っ、嘘嘘っひゃひゃひゃ、気持ちいぃぃひひひひひい、気持ちいいですぅっ!」
 先輩の指が止まった。
「じゃあ奈美。明日は、桃香ちゃんをうちに連れてきてよ」
「え?」
「なんでもするって言ったよね?」
 先輩に顔を近づけられ、奈美はどきっとした。
「……は、はい」

 友人の桃香を連れてくる。
 それが何を意味するのか、先輩が桃香に何をしようとしているのかだいたい予想はできた。
 しかし、それでも奈美は、先輩のことが好きだった。


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 晒そう企画の『ストーカー』を原作にした、リメイク第二弾!
 スクールソックス好きです^p^