桃香をくすぐった翌日、学校で桃香に避けられた。
 奈美はショックだった。
 自分に非があることはわかっていた。
 しかし、少しだけ不服だった。
(桃香が告白しろって言ったんじゃん……)
 奈美はため息をついた。
(自分勝手だなぁ、私……)
 くよくよしていても仕方が無い。
 そのうち時間が解決してくれるだろうと、奈美は思った。

「新入生に、石川保奈美(いしかわ ほなみ)って可愛い子がいるだろ? 日曜にあの子連れてきてよ。奈美にもくすぐらせてやるから」
 先輩の指定した石川保奈美という生徒は、奈美のクラスとは別の棟にある九組の生徒だった。
 九組の前までやっていて、奈美は少し物怖じした。
 桃香のとき以上に罪悪感があった。
 桃香は友人と言うことで多少気を遣わなかった部分があった。
 保奈美とは初対面である。
 初対面の人を呼び出してくすぐるなんて……。
 確かに奈美自身、人をくすぐることに興味は抱いていたが、自分とまったく関係の無い人間にまで迷惑をかけるのは気が引けた。
「なんでもするんだよね?」
 先輩の言葉を反芻する。
(……私、先輩のこと好きだし、仕方ないよね)
 九組の生徒に、保奈美を呼んでもらった。
「えっと、……一組の?」
 ポニーテールを揺らす保奈美は、奈美に見覚えがあるようだった。
「後背奈美。石川さん。急にごめんね。実は石川さんと友達になりたくて、日曜日、一緒に遊べない?」
 奈美は切り出した。
「あ、そうなんだ。ありがと。奈美ちゃん、て呼んで良いよね」
 保奈美はすごく可愛らしい声だった。
「でも、ごめん。日曜日は他の友達と約束があるの。また今度にしてもらえる?」
 奈美は少しホッとしている自分に気がついた。

 放課後。
 先輩の家にて。
「ダメだろ、奈美? 俺が日曜って言ったら、ちゃんと日曜に約束とってくるんだよ」

「はひゃはははっはははっはあはははっ!!! ごめんなさいぃぃぃ~~っひっひっひっひ~~!」

 奈美はベッドの上でIの字に拘束されて、先輩に足の裏をくすぐられていた。
 スクールソックスは両方とも脱がされて素足にされている。
 本日体育があったために蒸れて、両足ともかなり敏感になっていた。

「どうして日曜に保奈美ちゃんを連れてこれないんだ? ん?」
 先輩の指がうりうりと足の指の付け根をほじくる。

「だひゃっひゃっひゃ!! だってぇぇえっへっへっっへへ、もう約束があるってぇぇぇっはっはははははははははは!!!」

 奈美は必死に足の指を縮こまらせて抵抗するが、先輩の握力で強引に引き伸ばされ、くすぐられる。

「それは向こうの都合だろ? 俺には関係ない」

「そんにゃぁああぁっはっはっっははっはは!!! だぁぁ~~っはっはっはっっはっは!!!」

「絶対に日曜に連れてくること。なんでもするんだよね、奈美? 手段は選ぶな。わかったね?」
 先輩の十本の指が、奈美の足の裏を縦横無尽に這い回る。

「いひゃはははははあはは!!! わかった!!! わかったからぁぁっはっはっはっはっは!!! わかりましたぁぁぁ~~っははっはははっは!!!」

 奈美は笑い叫びながら決心した。
 もうくすぐられるのは嫌だ。
 くすぐるだけでいい。
 絶対に、石川保奈美を、先輩と一緒にくすぐる!


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 晒そう企画の『ストーカー』を原作にした、リメイク第二弾!
 罪悪感はエネルギー!