日曜日。
 村田綾香は予定通り、石川保奈美を先輩の家に連れ込んだ。
 ベッドの上でIの字に拘束された保奈美は戸惑いを隠せないようだった。
「えっ……ええっ!? 綾香ちゃん? 奈美ちゃん?」
 ミニスカートに革ジャケット姿。生足である。彼女はブーツを素足で履いていたのだ。
 奈美は保奈美の蒸れた足をくすぐるのが、少し楽しみだった。
 綾香は申し訳なさそうに眉をひそめている。
「さ、綾香ちゃん。はじめるんだ」
 先輩はすでに撮影を始めていた。
 しぶる綾香。
「いいのか? あの動画を公開されても」
 先輩の脅しに、身震いした綾香はそっと保奈美の身体へ手を伸ばした。
「ごめんなさい……石川さん」

「えっ……何っ、綾香ちゃ――きゃはぁっ!?」 

 保奈美は、綾香の指先が脇腹に触れると同時に声を上げた。
 綾香はびくっと手をひっこめた。
「綾香ちゃん、何やってるんだ。続けるんだ」
 先輩の言葉におびえながら綾香は再び手を伸ばす。

「ちょっ、ちょっと! 綾香ちゃんやめっ――きゃはははっ」

 保奈美の脇腹の横で、ちょこちょこと小刻みに指先を動かし始めた。

「くひひひっ……やはっ、なっ! やめて! やめてよぉ! ふくひひ……っ」

 保奈美は眉をしかめて声を荒げる。
 必死に耐えている様子。
 奈美は、自分もくすぐりたくてうずうずしていた。
「まだまだ手つきがぎこちないな。奈美。お手本を見せてやれよ」
 奈美は待ってましたと、さっそく保奈美の足下へ移動した。

「くふっ……やっ!! 奈美ちゃん……!? 何っ、これ、どういうこと!!?」

 歯を食いしばりながら、怒気を露わにする保奈美。
 奈美は無視して、保奈美の両足の裏を人差し指でほじくり始めた。

「くひひひひひひひっ!? ……んふふ、ひひ、――ふはっはっはっはっはっはっはっはやめてぇぇ~~~!!!」

 保奈美は一瞬耐える素振りを見せたが、蒸れた足の裏のくすぐったさには耐えきれなかったのか大笑いを始めた。

「奈美ちゃやぁぁあ~~っはっはっはっは!! 何するのぉぉ~~ひっひっひっひっひっひぃぃ!!」

 可愛らしい声を押しつぶすようにして叫ぶ保奈美。
 足の指はぐねぐねともがき苦しむように蠢いている。

「ごめん……ごめん……」
 つぶやきながら、綾香は保奈美の腋の下をくすぐる。

「ひゃははははははは!? やめてっ!! あやかちゃぁぁあんひひひっひひっひひ!!」

 たった二本の指に翻弄されてくねくねとよじれる保奈美の素足は見ていて痛快だった。
 奈美は指を増やし、ガリガリとむさぼるように保奈美の足の裏をくすぐった。

「ぎゃぁぁっははははっははははははっは!! ふひゃぁぁあひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

 保奈美は泣き叫んだ。
 奈美は楽しかった。

 保奈美は足の指の間に汗をかいていた。
 そこへ指をつっこみ、ずるずると滑らせるように動かした。

「えっへっへっへっへへへへひひひひひひひひぃぃ~~ひっひっひっひやぁぁああ~~~!!!」

 保奈美はびくびくと身体をよじって笑う。
 綾香もだんだんくすぐる力加減がわかってきたようで、指の動きが激しくなっている。
 済まなそうな顔をしながらも、少し顔が赤い。
 奈美は、綾香に負けていられないと思った。

「やぁあぁあひゃひゃひゃひゃ!!! うひひひぃ~~~っひっひっひっひっひっひっひ!!」

 保奈美は可愛い顔をぐしゃぐしゃにして笑い続けた。
 しばらくして先輩は奈美達のくすぐりをやめさせた。
 釘を刺し、保奈美と綾香を帰す。

(…………)

 奈美は、物足りないと感じていた。

「奈美。だいぶくすぐりが上手くなったじゃないか」
 先輩のお褒めの言葉は、たいして嬉しくなかった。
 欲求不満だったのだ。
「先輩」
「なんだ?」
「桃香のムービー……コピーして、いただけませんか?」

 奈美は、思い至った。
『こないだはごめん。ちゃんと謝りたいから、今から遊びに行って良い?』
 桃香はきっと許してくれる。
 そうしたらまた桃香をくすぐろう。
 抵抗したら、先輩がやったように脅せば良い。
 奈美は、桃香をくすぐりたくて仕方が無かった。
 今すぐ、くすぐりたくて、仕方が無かった。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 晒そう企画の『ストーカー』を原作にした、リメイク第二弾。
 ひとまず完結です。
 今回はIの字拘束にこだわってみました。
 揃えられた足。くねくねと身をよじる様。魅力がいっぱいです。

 今回より、オリジナル作品完結ごとに満足度アンケートを設けます。
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