○抜刀術天瞳流道場
  袴姿のミカヤ・シェベルが瞑想している。

――
「ミカヤ・シェベルさんですね」

ミカヤ
「どこから入った?」

――
「おや? ずいぶんと落ち着かれてますね」

ミカヤ
「……今の反応で確信した。君がアスリート連続失踪事件の黒幕だね」

――
「そんな事件で呼ばれているのですか。知りませんでした。こちらとしては、秘密の特訓をアスリートの皆さんで共有したいという献身的な――」

ミカヤ
「ご託は結構。切り捨て御免!」

  ミカヤ、瞬時に刀を抜き斬りかかる。

(暗転)

――
「……防御力が豆腐でした」


○亜空間

  ミカヤは両足を揃えて伸ばして座った状態で手首・足首・足指をマジックリングで固定されており、前方に晒された素足を四本のマジックハンドにくすぐられている。
  傍らに、ミカヤの足袋が放り捨てられている。

ミカヤ
「だぁぁあ~~っはっはっはっはっはっはっははっはっは、うはぁぁ~~っはっははっはっはは!!!?」

――
「ミカヤさん。足は第二の心臓と言われていて、このように足の指を全開にして引き伸ばされた足の裏をマッサージすることで劇的な肉体強化が期待できるんですよ?」

ミカヤ
「うくふふふふふ嘘をつくなあぁっはっははっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

――
「嘘ではありません。実際に体験したアスリートの方全員が、その成果に、笑って喜んでくれています」

ミカヤ
「なひゃっ、何をふざけたことをぉ~~はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

――
「防御の低さをスピードと攻撃で補うというスタイルは非常に理にかなっています。この特訓で、防御力が少しでも上がるといいですね」

ミカヤ
「おほっ、おほぉぉ~~っほっはっはっはっはっははっは!!? 足がっ、足があぁ~~っはははははははははははははははは!!!」


(つづく)