とある中学校で、写生大会が数日後に迫っていた。
写生大会で展示される絵は、三人の学生審査員によって賞が与えられる。
そこで美術部のメンバーは、ある生徒のひとり勝ちをもくろみ、三人の学生審査員を買収しようとしていた。
「早くほどきなさい! じゃないと、活動停止にするわよ!?」
美術室でわめき散らすのは、三年生徒会長の大野明菜(おおの あきな)であった。
シャープなメガネときりっとした顔立ちで、髪の毛は首の後ろでひとつくくりにしている。いかにも厳格そうな委員長タイプである。
両手首を後ろに縛られて、尻餅をついている。
数人の美術部員がその様子を見下ろしていた。
「会長。写生大会ではどうかうちのアイドル木村由香(きむら ゆか)に一票お願いしますよ」
部員のひとりが言った。
「何を言っているの!? そんな不正許されるわけがないじゃない! 審査は当日、厳正に行われます!」
明菜は怒鳴った。
木村由香というのは今年入学したばかりの一年生で、可愛らしい容姿と卓越した画力で注目されている期待の新人である。美術部はその才能にいちはやく目をつけた。順当に評価されれば木村由香の絵が校内最優秀賞を受賞することは間違いないが、毎年専門性に欠ける学生審査員の評価には疑問が呈されていたのだ。
木村由香の姿はこの場にない。
本人の意思とは無関係な美術部員たちの暴走だ。
美術部のモットーは、『才を愛し、人を愛さず』であった。
「やはり会長にはわかっていただけませんか。なら仕方ないですね」
部員のひとりが目配せをすると、二人別の部員が奥の資料室へ入っていった。
「な、……何をする気!?」
明菜は不安そうに眉をひそめた。
二人の部員が資料室から持ってきたのは、板をつなぎ合わせて作ったらしい二つ穴の空いた木製の枷であった。
「ちょっと!? 何、そんなものでっ、やめなさい!! ――きゃっ!?」
明菜は抵抗するが、数人の部員達に取り押さえられ、両足とも足枷にはめられてしまった。
そして、身動きの取れぬままシューズを脱がされ、白いスクールソックスも脱がされた。
「えっち!! やめてっ!! やめてよぉ……っ!」
さすがの明菜も虚勢が保てなくなったのか、半泣きになっている。
「何をされるかわかりませんか? 会長。大会で木村に一票投じてくれることを約束してくれれば、すぐに解放しますが」
明菜は唇を噛んで黙っていた。
「それでは説得に移りましょう」
部員達は、一斉に明菜の素足の足の裏をくすぐり始めた。
「――!!!? んっ、ぱっ!!! ああぁあはははははははははははははっ!!!」
明菜は一瞬堪えようと顔をしかめたものの、すぐに破顔して大笑いしてしまった。
「いやはははははははははははははっ!!? やめてぇぇ~~はははははははは!!」
くねくねと左右によじれる明菜の素足。
その上を、数十本の指が這い回る。
「やめて欲しければ、さきほどの約束をしていただけませんか? 会長」
部員のひとりが、明菜の足の指の付け根をカリカリと爪でひっかきながら言った。
「あぁぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっは!! そんなっ……だめぇぇぇ~~ひゃっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」
明菜は首をぶんぶんと左右に振って拒否を示した。
メガネの奥に涙が光っている。
「まだダメですか……それなら」
と、明菜の左足に群がっていた部員達はくすぐる手をとめて、紐を用意し始めた。
数人がかりで明菜の左足を押さえつけ、足の指に紐を絡めていく。
あっという間に、明菜の左足は五本の指を全開に下状態で枷に縛り付けられてしまった。
「嫌あぁぁぁっはっはっはっは、そんなのやめてぇぇぇ~~っはっはっはっはっはは!!!」
明菜は目を見開いて泣き叫ぶ。
部員達は明菜の懇願を無視して、がっちがちに縛られた左足の裏に指を突き立てた。
「ふぎゃぁぁぁああははははははははははっ!!? だぁぁぁあっはっははっははっははっは!!!?」
明菜はびくんと体をのけぞらせて笑い始めた。
「なにぞれぎづいぃぃい~~ひひひひひひひひひひひひあぎゃぁぁああああ!!!?」
明菜は舌を出して笑う。
引き締まった顔立ちが台無しだった。
だらしなく緩んだ口元からは涎がだらだらと垂れ流れた。
しばらくして、明菜は堪えきれなくなった。
「わがぁあぁっだぁぁあぁっはっはっはっはっはっはっは!! やぐぞぐするぅぅぅ~~!! 約束するからぁぁぁっはっははっはっはっはっはっは!!!」
「何を約束するんです?」
「ぎひひひひひっ、木村……っ!! っははっはっはっは、木村に投票するからぁぁあっははっはっはっはっは!! 許してぇぇぇぇ~~ひゃぁぁ~~はははははははははははぎゃぁ!!?」
学生審査員のひとり生徒会長の大野明菜は落ちた。
美術部は、次の学生審査員を懐柔する準備にとりかかった。
(つづく)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
買収モノって大好きです。制服の種類は想像にお任せします! 靴下だけ指定してスミマソン。
写生大会で展示される絵は、三人の学生審査員によって賞が与えられる。
そこで美術部のメンバーは、ある生徒のひとり勝ちをもくろみ、三人の学生審査員を買収しようとしていた。
「早くほどきなさい! じゃないと、活動停止にするわよ!?」
美術室でわめき散らすのは、三年生徒会長の大野明菜(おおの あきな)であった。
シャープなメガネときりっとした顔立ちで、髪の毛は首の後ろでひとつくくりにしている。いかにも厳格そうな委員長タイプである。
両手首を後ろに縛られて、尻餅をついている。
数人の美術部員がその様子を見下ろしていた。
「会長。写生大会ではどうかうちのアイドル木村由香(きむら ゆか)に一票お願いしますよ」
部員のひとりが言った。
「何を言っているの!? そんな不正許されるわけがないじゃない! 審査は当日、厳正に行われます!」
明菜は怒鳴った。
木村由香というのは今年入学したばかりの一年生で、可愛らしい容姿と卓越した画力で注目されている期待の新人である。美術部はその才能にいちはやく目をつけた。順当に評価されれば木村由香の絵が校内最優秀賞を受賞することは間違いないが、毎年専門性に欠ける学生審査員の評価には疑問が呈されていたのだ。
木村由香の姿はこの場にない。
本人の意思とは無関係な美術部員たちの暴走だ。
美術部のモットーは、『才を愛し、人を愛さず』であった。
「やはり会長にはわかっていただけませんか。なら仕方ないですね」
部員のひとりが目配せをすると、二人別の部員が奥の資料室へ入っていった。
「な、……何をする気!?」
明菜は不安そうに眉をひそめた。
二人の部員が資料室から持ってきたのは、板をつなぎ合わせて作ったらしい二つ穴の空いた木製の枷であった。
「ちょっと!? 何、そんなものでっ、やめなさい!! ――きゃっ!?」
明菜は抵抗するが、数人の部員達に取り押さえられ、両足とも足枷にはめられてしまった。
そして、身動きの取れぬままシューズを脱がされ、白いスクールソックスも脱がされた。
「えっち!! やめてっ!! やめてよぉ……っ!」
さすがの明菜も虚勢が保てなくなったのか、半泣きになっている。
「何をされるかわかりませんか? 会長。大会で木村に一票投じてくれることを約束してくれれば、すぐに解放しますが」
明菜は唇を噛んで黙っていた。
「それでは説得に移りましょう」
部員達は、一斉に明菜の素足の足の裏をくすぐり始めた。
「――!!!? んっ、ぱっ!!! ああぁあはははははははははははははっ!!!」
明菜は一瞬堪えようと顔をしかめたものの、すぐに破顔して大笑いしてしまった。
「いやはははははははははははははっ!!? やめてぇぇ~~はははははははは!!」
くねくねと左右によじれる明菜の素足。
その上を、数十本の指が這い回る。
「やめて欲しければ、さきほどの約束をしていただけませんか? 会長」
部員のひとりが、明菜の足の指の付け根をカリカリと爪でひっかきながら言った。
「あぁぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっは!! そんなっ……だめぇぇぇ~~ひゃっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」
明菜は首をぶんぶんと左右に振って拒否を示した。
メガネの奥に涙が光っている。
「まだダメですか……それなら」
と、明菜の左足に群がっていた部員達はくすぐる手をとめて、紐を用意し始めた。
数人がかりで明菜の左足を押さえつけ、足の指に紐を絡めていく。
あっという間に、明菜の左足は五本の指を全開に下状態で枷に縛り付けられてしまった。
「嫌あぁぁぁっはっはっはっは、そんなのやめてぇぇぇ~~っはっはっはっはっはは!!!」
明菜は目を見開いて泣き叫ぶ。
部員達は明菜の懇願を無視して、がっちがちに縛られた左足の裏に指を突き立てた。
「ふぎゃぁぁぁああははははははははははっ!!? だぁぁぁあっはっははっははっははっは!!!?」
明菜はびくんと体をのけぞらせて笑い始めた。
「なにぞれぎづいぃぃい~~ひひひひひひひひひひひひあぎゃぁぁああああ!!!?」
明菜は舌を出して笑う。
引き締まった顔立ちが台無しだった。
だらしなく緩んだ口元からは涎がだらだらと垂れ流れた。
しばらくして、明菜は堪えきれなくなった。
「わがぁあぁっだぁぁあぁっはっはっはっはっはっはっは!! やぐぞぐするぅぅぅ~~!! 約束するからぁぁぁっはっははっはっはっはっはっは!!!」
「何を約束するんです?」
「ぎひひひひひっ、木村……っ!! っははっはっはっは、木村に投票するからぁぁあっははっはっはっはっは!! 許してぇぇぇぇ~~ひゃぁぁ~~はははははははははははぎゃぁ!!?」
学生審査員のひとり生徒会長の大野明菜は落ちた。
美術部は、次の学生審査員を懐柔する準備にとりかかった。
(つづく)
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(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
買収モノって大好きです。制服の種類は想像にお任せします! 靴下だけ指定してスミマソン。