『第9試合中堅戦終了――!! 姫松高校主将愛宕洋榎。役満直撃で逆転――!!』

 とある闇企業の重役室にて、スキンヘッド顔面凶器の男が「おおっ」と感嘆の声を上げる。
 薄型大画面で生放送されているのは第71回全国高等学校麻雀選手権大会1回戦第9試合。アイドル的に注目を集めた鹿老渡高校の佐々野いちご(ささのいちご)が、中堅戦のオーラス、清老頭地獄単騎待ちに九索を振り込んだところだった。
「ちゃちゃのん、やられたんか?」
 パンチパーマ能面の男は、机上の牌譜から目を逸らさずに、顔面凶器に声をかけた。
「ありゃ振ってもしゃーないわ。かわいそうにのぉ」
 顔面凶器の感想を受け、能面は画面を見やる。
「相手誰や? ん? あー、姫松の愛宕姉か。あの垂れ目よーやるわな」
「これで鹿老渡は、優勝から一歩遠のいたわけや」
「ちゃちゃのんは是非ウチに欲しい人材や。垂れ目のおかげでええトラウマ――表の麻雀界隈からフェードアウトする口実ができた。あとはこのまんま、姫松に鹿老渡をボッコボコにしてもらえればええだけやな」

 希望通り、鹿老渡高校は初戦敗退が決定した。

★★★

「……っ」
 ツーサイドアップポニーテールの少女がうっすらと目を開ける。
 ギシっとベルトの軋む音。
 いちごは、自分がX字に拘束され、両手両足首を皮製ベルトで固定されていることに気付いた。
「なんこれ?」

「お、目ぇ覚ましたな」
 薄暗い牢屋のような部屋の中央。
 制服姿の佐々野いちごは、X字拘束台の上に両腕両脚を目一杯広げた状態で拘束されていた。
 鹿老渡高校の夏服は、半袖シャツに棒ネクタイ、スカートは膝小僧に少しかかる程度、白いハイソックスである。スカートとネクタイは同色か、同明度の色である。

「ここ……どこなん?」
 いちごは呆けた顔で、上からニヤニヤと覗き込む顔面凶器におっとりと尋ねる。
「四国」
「四国……、? 四国?」
 いちごは寝ぼけているのか、目を細めながら間の抜けた声を出す。
「ウチの会社な、地方各地に支部あんねんけど、鹿老渡から山陽支部に連れ去るんは時間かかりすぎるっちゅーんで、鹿老渡→鹿島→松山ルート使わしてもろたわ」

「え……、会社て……どういうことなん? ……って、これて、誘拐!? ちゃちゃのん、誘拐されたんっ?!!!」
 ようやく頭が回ってきたのか、いちごは状況の異常性に気付いたようだ。
「えっ!!? ちょ、ちょ待って? なんこれっ!? 意味わからんやん。ちゃちゃのんなんで縛られとん? ちゅうかあんたら誰? ちゅか何? これ普通に犯罪じゃろ?! なんしよんよ!!」
 パニックに陥ったのか、急に騒ぎ出すいちご。

「おたくをスカウトしたいんや」
 いつの間にか現れた能面が腕組をしながら、いちごに近づく。
「スカウト?」
「おたくの牌譜見せてもろーたで? なかなか光るもん持っとるやん。どや? ウチで働いてみんか?」
「……どういうことなん?」
「裏プロ、興味ないか?」
「…………」
「ウチの専属雀師になってや。ウチらと一緒に働いてくれるんなら、一生遊んで暮らせる程度の金は保証したるわ」

 いちごは言葉を選んでいるのか少しだけ考え、べぇっと舌を出した。
「嫌じゃ! ちゃちゃのんは暴力団の世話にはならん。一昨日来とーき!」
 いい終えると、いちごはプイとそっぽを向いた。

「ほな、やろか?」
「えらい嫌われたもんやなぁ。この状況で断るってどんだけ神経すわっとんねん」
「戯言はええねん。しゃんしゃん準備しぃ」
「真面目か。ちぃとは遊ばせろや」
 能面が冷たく急かすので、顔面凶器は苦笑いした。

□□□

 顔面凶器がいちごの顔を上から覗き込む。いちごは目を閉じたままツンとしている。
「働く気なったら、いつでも言ってや?」
 言うと、顔面凶器はいちごの腋の下に両手を入れ込んだ。
「うひゃぁぁっ!!!?」
 いちごは突然の刺激に驚いたのか、ビクンと身体を上下にうねらせ、目を見開いた。
「な、なひぃっ!? な、ななな、なっ、なんしよん?!?」
 顔面凶器はそのまま、無言でこそこそと指を動かした。
「うふぉっ!!? ふぉはっ、ちょまっ……なん、くくくくくくっ……なんでこちょばすん!? あは、ひひひひひひ、うふっ……くふふふふふ」
「なんでて、ちゃちゃのんが言うこと聞かんからやん」
「うひぃぃぃっ!!? ふおふふふふっ、ほじゃけんて、なんで、……くふぉふぉふぉっ」

 いちごの脚がガクガク震える。
 能面はいちごの足下に近づき、左右にびくびく痙攣するように動くいちごの足からローファーを外す。
「ちょっ、うひゃぁぁっ、ははははっ、なんしよんっ!!? 脱がさんといてっ……ひひひひ」
 能面は、少し汚れた白いソックスの足の裏に人差し指を這わせた。
「うふふぉぉぉぉぉっ!!! はははっ……ちょっ、いけんて……ひひひひっ、な、もうっ!! うふふふふふっ」

 いちごが必死に歯を食いしばると、口元に泡がもれる。
「我慢せんでええねんで?」
 顔面凶器がいちごの腋の下をくすぐりながら言う。
「あはははっ……くぅぅっ……くくく、あんたら、変態じゃろ……っ! こんのっ……ひひひ、帰ったら、絶対、うふふふふふ……警察いっちゃるけんな、くくくふふふふ……よぅ覚えとき……んくぅ」
「よぉこの状況でそなぃ挑発的な態度取れんなぁ」
 顔面凶器はため息をつきながら、いきなり両手十本の指でいちごの肋骨をぐりぐりとほぐし始めた。
「うひゃっ!!! うゎはははははっはははははっ!!!! うふぉほほほほほほほほっ!!! ちょまちょまっ……だっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」
 いちごは、大口を開けて笑い始めた。
「どや? 効くか?」
「うあははははははははははははっ!!! いけんっ……!!! こちょばいぃぃっひっひっひっひっひっひ~~~!!!!」
 たがが外れたように、笑い暴れるいちご。一旦笑い出してしまうと、もう止まらないようだ。
「うはははははははっ! はぁ~っはっはっはっはっはっはっは~~~っ!」

「ほな、こっちもそろそろ本気でいくかのぅ」
 能面は、いちごの右足を左腕で拘束台の脚と一緒に抱え込むよう陣取る。
 いちごに背を向けた状態で、能面は右手でいちごの足裏をかきむしった。
「いやはははははははははっ! ひひひひひひひひひっ!!! いけんてぇぇあへはひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!」
 ソックス越しに、足の指が激しく蠢いた。

「靴下脱がすで?」
「いけん~~~~っ!! うひゃ~っはっはっはっはっは~~っ!」
 能面は、いちごの右足のソックスのつま先を持って、一気に引っ張り脱がす。
 ぎゅっと足指を閉じた白い素足。
 足裏の真ん中に寄った皺を伸ばすように、能面は指を這わせる。
「うひひひひひひひひっ!!! こしょっっ!!? うひゃぁぁぁぁはははははははははははは」
 足の指が開いたり閉じたり、くねくねと足裏がよじれる。
 能面は、いちごの足の指が開いたところを狙い、左手で足指をつかんだ。
「ひゃはぁあんっ」
 能面は、いちごの足の指の間を丁寧に爪でこそぐようにくすぐってやる。
「ぎゃぁぁぁ~っはっはっはっはっはっはっ!!!! それやめっ!!! いけんぃけんっ、あひゃぁぁぁんっ!!!? ぅひゃ~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ~~!!!!」

「どや? ウチで働く気になったか?」
 数分ほどくすぐった後、顔面凶器がいちごに問う。
「ぎゃっはっはっはっはっはっ!!! なんっ! 何を、ぼけかましとんじゃっ!! ひゃ~~ひひひひひひひっ!!!」
 両足の土踏まずを能面にガリガリと掻き毟られているいちごは、笑い涙を流しながら叫ぶ。左足もソックスは脱がされ、両足とも素足にされている。

動くちゃちゃのん

「この状況でようそんなこと言えんなぁ。たいしたタマやん」
 言うと、顔面凶器はいちごの脇腹を思い切りくすぐる。
「なひゃひゃひゃひゃひゃっ!!! なんの、ことじゃぁぁあぁぁーっはっはっはっはっは!!!?」
「ちゃちゃのん、お前さん、気に入られたみたいやで? こりゃ、ちゃちゃのんが頷くまで終わらんルートやな」
「ぎゃぁぁ~っはっはっはっはっ!!!? そんなんっ……嫌じゃぁぁっはっはっはっはっはっ!!! 帰らしてぇぇあ~っはっはっはっはっは~~!」

□□□

「もう……こちょこちょは、やめて……」
 数時間後、いちごは肩で息をしながら懇願していた。

「なら、ウチで働いてくれるんか?」
「……」
 顔面凶器が両手をわきわきと構えると、いちごはビクッと怯えた。
「……わ、わわ、わかった! な、なんでも言うこと聞くけん、もう、こちょこちょだけは、……」
 いちごは涙目になる。

「まぁ、口ではなんとでも言えるわな」
「え」
 能面の言葉に、いちごは顔を引きつらせた。
「なんでも、ちゅーたな? ほな、もっとこそばかしてええか?」
「……い、……い、……こ、こちょばすんだけは、や、やめて、ください」
「なんでもやないやん!」
「……え、働くちゅーたら、こちょこちょ、許してくれるんと、違うん?」
「ちゃちゃのん、全然わかってへんな。こりゃもう、ウチらになんされても、文句言えんなるまで、笑わしたらなあかんな。のう?」
「せやなー」

 能面と顔面凶器がゆっくりといちごの体に近づく。
「え、……い、嫌じゃぁぁっ!!! もうこちょこちょはっ!!! それだけはっ!! それだけはぁぁぁ――」
 いちごの懇願空しく、能面はいちごのお腹を、顔面凶器はいちごの太腿を激しくくすぐった。
「――いやぁぁぁぁーっはっはっはっはっは!!! あははははははははははっ! だぁぁ~っはっはっはっはっはっは~~~、もう死ぬっ!!! もういけんてぇぇぇぇえっひっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ~~~!!!」
 髪の毛をぶんぶん振り乱し、大口を開けて笑い乱れるいちご。
 能面はいちごのシャツのボタンを下から三つほど外し、おへそ周辺の素肌をくすぐる。
「むひひひひひひひひひっ!!! 無理無理無理無理っ、無理じゃってぇぇひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~っ!」

「やっぱりパンツはいてへんやん!」
 顔面凶器がスカートめくりながら言う。
「うふぁぁぁぁーっはっはっは!!! なんしよんっ!!! ぼけぇっ!!! くそぼけがっ!!! 変態がぁぁぁぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~~!!!」
 いちごは可愛いおへそを能面にほじくられながら、喚く。
「めっちゃ暴言やん! 悪いやっちゃなぁ」
 顔面凶器は笑いながら、羽箒を取り出し、いちごの秘部に当てた。
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!! いけんっ!!! それいけんっ!!! うひひひひひひひひひひひ~~~」
 さわさわと秘部を撫でられる刺激に、いちごはビタンビタンと背中を打ち付けて悶える。
「お~、きいとるきいとるぅ」
「いけんてぇぇぇうひゃひゃひゃひゃっ! 頭っ! 頭おかしなるぅぅぅひひひひひひひひひ」

 能面はわしゃわしゃと指を動かしながら、いちごの上半身まで到達する。
「あっはっはっはっはっは~~、ダメじゃってっ~~! 無理てゆーちょんのにぃぃぃひひひひひひひ~~~~!!」
 棒ネクタイを取り、ボタンを全開にし、腋の下を直にくすぐる。
「うひひひひひひひ~~~、もういけんけん!!! ぎゃははは、死ぬけんっ! いっそっ!!! いっそ殺せぇぇぇあひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~~~っ!」

「こんなんもあるで?」
 能面は二本の孫の手を取り出し、いちごの素肌の両脇ブラ紐の真横辺りに押し当てた。
「ひひひひひひっ!!! そんなんっうひゃひゃひゃっ、動かさんといてぇぇぇぇ!」
 いちごは顔をしかめ泣きながら叫ぶが、能面は無慈悲に、いちごの肋骨を孫の手でしごいた。
「ぶわっぁっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!! どじゃぁぁぁっははっはっははっははっは!!! おかしいぃっ!!! おかしいってぇぇはっははっははっははは~っ!!」
 こりこりと骨の擦れる感触。いちごは無意識に腋を閉じようとしているのかぎちぎちと手枷を鳴らす。

「ひひひひひひひぅぅぎゃぁはははっ! もうっ!!! 限界じゃっ!!! 限界じゃってぇぇぇいひゃひゃひゃひゃひゃっ! 限界ゆーちょんじゃにゃぃにぇぇぇ~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ~~っ!!!」

 いちごの悲痛な笑い声が薄暗い部屋に響き渡る。
 何時間も無理矢理笑わされ、叫ばされ続けた結果、ちゃちゃのんがどうなってしまうのかは、別のお話。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 2012年6月に掲示板の版権スレに投稿した作品です。
 ちゃちゃのんはカーディガンも似合う。