「なんやこいつ振込みマシンやないかい」
「言うたるなや。周りの手が早過ぎんねん」
 とある闇企業の重役室。スキンヘッド顔面凶器とパンチパーマ能面の男は、第71回全国高等学校麻雀選手権大会準決勝第2試合先鋒戦の生放送を見ながら感想を漏らした。
 画面に大きく映し出されているのは、南北海道代表有珠山高校2年の本内成香(もとうちなるか)。周囲に翻弄され、泣きべそをかいている。
「ほんまにこいつでええんか?」
 顔面凶器が能面に訊ねた。
「裏技覚えさしたら少しは使えるやろ。それに、少しぐらい凡人混ぜといた方がバランスええねん」
「そんなもんかいな」
 能面の意見を、顔面凶器は呆れたように鼻で笑った。

★★★

「……ん」
 本内成香が苦悶の表情を浮かべ、うっすらと目を開いた。
「……えっ?」
 成香は、状況がうまく把握できず唖然とする。

「お、目ぇ覚ましたようやな」
 顔面凶器の言葉に、成香はハッと顔を前方へ向けた。

 ぶらさがり緊縛台によって、成香の体はえびぞり状態で宙に浮いていた。四肢を背部に集めるようにしてロープで縛られており、背中上空のフックから吊るされている。
 体を動かそうとすると、有珠山高校の夏服を着た成香の華奢な体にロープがぎちぎちと食い込んだ。

「……っ」
「なんや、怖くて声も出んか?」
「……こ、怖いです……っ」
 顔面凶器の顔を見て、成香は涙目になって言った。

「なあお嬢ちゃん」
 顔面凶器の隣から能面が現れ、ぐっと顔を成香に近づける。
 成香はびくっと体を震わせ、ぎゅっと目を閉じた。
「裏プロならんか?」
「……っ」
 能面の言葉に、成香は目を強く閉じたまま震えるだけだった。

「なんや嬢ちゃん、喋られへんのか?」
 顔面凶器が苛立って言う。
「お前の顔怖すぎるんや。こらいっぺん緊張ほぐしたらなあかんなぁ」
 能面は言うと、顔面凶器に目配せをした。

□□□

 顔面凶器はぶら下がった成香の左側に立つと、両手の人差し指を、上から成香のあばらへ突き刺した。
「――ふひゃっ!?」
 目をつぶっていた成香は、突然の刺激に目を見開き、びくっと体を揺らした。
 顔面凶器は成香の両肋骨にあてた指をそのまま、ゆっくりぐりぐりと動かした。
「ひゃっ、ひゃ、ひゃっ!! ひぃっ!!?」
 宙吊りにされた成香は、腋を閉じることも、身をよじることもできないため、ただただ首を上下左右に振って、笑いをかみ殺していた。

「その体勢、きついやろ?」
 顔面凶器は指を動かし、成香の板のような乳房の付け根をなぞるようにくすぐった。
「ふひゅぁぁっ! ひゃははっ、ひゃはっ!? ひゃっひゃっひゃ!」
 成香は首を激しく振った。
 顔面凶器は、成香の両腋に二本ずつ指を置いて、ぐりぐりと徐々に力を込めていった。
「ひゃ、ひ、ひっひっひっひっ!? ――っ、っひゃひひひひひ、あぁぁぁぁっ!! あぁぁぁぁっはっはっはっは~~っ! ひゃはははははははははは!!」
 成香は顔を真っ赤にして、髪の毛を振り乱して大笑いし始めた。
「なんや、あっちゅーまやったな」
「ほとんど体動かされへんのや。そら我慢できんわな」
 顔面凶器は計四本の指で、成香の両腋の下をくすぐる。
「ひゃひゃひゃひゃひゃっ! うはっ!! やっ、やめてくださいっ!!! あひひひひひひひひひひひひっ!!」
 成香は首をぶんぶんと振り回し、涙を流して叫ぶ。
 四肢の先端がぴくぴくと激しく痙攣するように蠢いている。
 ロープの軋む音は、どんどん強くなった。

「ほな、わしもいこか?」
 能面は言うと、顔面凶器の反対側、成香の右側に立った。
「ひゃはははははっ、助けっ、助けてくださいぃぃっひっひっひっひ~~っ」
「なんやお嬢ちゃん? 一緒に働いてくれる気なったんか?」
 能面は声をかけながら、軽く成香の腰をもみほぐした。
「ぶふぅひひひひひひひっ!!!? いひゃぁぁぁっはっはっはっはっはっはっはっ!!」
 成香の反応が激しくなった。
「なんや敏感な嬢ちゃんやな」
「縛りがきつすぎたんかもしれへんなあ」
 能面は言いながら、成香の両足から黒いローファーを脱がした。
 白いソックスに包まれた足の裏が露になる。膝を曲げて縛られているため、足の裏が正面を向いている。
「いやっ……ひゃっひゃっひゃっ、やめてくださいっぃっひっひっひっひ!」
「お嬢ちゃん? やめて欲しかったら、こっちの要求のんでもらわななあ」
 能面は、成香の両足の裏をそれぞれ人差し指でカリカリとくすぐりはじめた。
「あひぃっ!!? うはっはっはっはっは、やぁぁははははははははははっ!!」
 成香の足先が、ぷるぷると震えた。

「ひゃっはっはっはっはぁ~~っ! やめっ、おねがっ、……っはっはっはっはっはっは」
 まったく体の動かせぬ状態で、腋と足の裏を同時にくすぐられ、泣き叫ぶ成香。
「素直にこっちの言う事聞いた方が身のためやで?」
 顔面凶器は、両手の指を成香の肋骨に食い込ませるようにして、ごりごりと揺り動かした。
「うひゃひゃひゃひゃひゃ!!! ひゃめっ!! あぁぁ~~っはっはっはっはっは、駄目ですぅぅうひひひひひひひひひっ!」
 髪の毛を振り乱し、大笑いする成香。
「靴下脱がしたるわ」
 能面は、ロープできつく縛られた成香の右脚から、白いハイソックスを無理やり引き抜いた。
 やや桃色になった成香の素足の足の裏。能面は、成香の皺のよった土踏まずに五本の指を当て、バリバリと掻き毟った。
「ひぎゃぁぁっはっはっはっは!!? あははははははははっ!! ひゃめ……っ、ひゃめぇぇぇっへっへっ! ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!」
 成香の足の指がびくびくとくすぐったそうに蠢く。
「ひぃぃ~~っひっひっひっひ!! 助けっ……いひゃっはっはっはっはっはっはっは~~っ!!」

□□□

 数分後。
「どや? うちで一緒に働くか?」 
 能面は、成香の後ろから、成香の両足の裏をくすぐりながら言う。ソックスは両足とも脱がされて素足にされている。
「ほひゃひゃへへへへっ!! ひゃめぇぇ、ひゃめぇぇひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
 成香は整ったかわいらしい顔を泣き崩して笑い狂っている。
「なんや、返事もできひんのか?」
 顔面凶器は成香の下にしゃがんで、ぴんと反らされた成香のお腹を指先でわしゃわしゃとくすぐった。
「うひひひひひひひひひひっ!!? いぃぃ~~っひっひっひっひ、あひゃぁぁ~~っ!!!」
 すでに成香の顔は涙と涎でぐしゃぐしゃである。
「ひひひひひひ、息がっ!! うひょひょひひひ、息ができまぜんっぃぃいぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひ!! じぬぅぅひひひひひひひ、死んでじまいまずっ! あひゃひゃひゃひゃひゃっ」
 成香は涙で枯れた声を震わせ、叫んだ。

動く成香

「なら、言う事あるんとちゃうんか?」
 顔面凶器は言いながら、成香のわき腹を両手で挟み込むようにして、こそこそと指先でくすぐる。
「あひひひひひひっ!!? きぃぃっひっひっひっひっひっひっ!! やめっ、やめてぇぇぇひゃひゃっはっはっはっはっは!」

「わからんかの? お嬢ちゃん」
 能面は、成香の両足の指の付け根にそれぞれ両手の指を突きたて、ガシガシとくすぐった。
「ふぎゃぁぁぁぁあっはっはっはっはっはっは!! 嫌ぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!! あひゃひひひひひひひひ~~っ」
「ほんまにわからへんのかいな」
 顔面凶器は成香の両わき腹それぞれのちょうど真ん中あたり、体側に親指ぐりっと押し込み、激しく震わせた。
「あぎゃっ!!? うぎひひひひひひひっ!! いひゃぁぁぁ~~っひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!! いぎがぁぁぁぁはははははははははは!!」
 涎と涙を撒き散らして笑う成香。
「わがりまじだぁぁっはっはっはっはっは!! ながまにぃぃぃっひっひっひっひ、仲間にっ!! なりまずがらぁぁぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」

「ほな、小休止や」
 能面の合図で、顔面凶器も手を止めた。
「……っげほ! げほっ、げほっ!」
 くすぐりが止むと、成香は大きく咳き込んだ。
「嬢ちゃん、気分どうや?」
「……ひぃ、ひぃ、……し、死ぬかと、思いました」
 成香はうつろな目で答えた。
「仲間になるっちゅうんは、ほんまやな?」
「…………」
 顔面凶器の質問に、成香は押し黙った。

 能面は顔面凶器と顔を見合わせると、成香のスカートをぺろんと捲り上げた。
「ひゃぁっ!?」
 悲鳴を上げる成香。露になる臀部。
「お嬢ちゃん。もうちょい説得が必要なようやな」
 能面は言うと、大きな毛筆を取り出した。
「……えっ、ど、どういう、……な、何をされるおつもりですか?」
 成香は背後の気配に怯えながら、こわばった声を出す。
「やっぱりパンツ履いてへんのやな」
「えっ?」
「お嬢ちゃんみたいにその場しのぎで『仲間なる』言うて、裏切る奴らがぎょうさんおるんよ。ワシらがお嬢ちゃんの迷い、全部断ち切ったるわ」

□□□

 能面は中腰になると、露出された成香の秘部から肛門にかけて、筆先でなぞり上げた。
「うひひひぃぃんっ!!!?」
 成香の体がびくびくっと震えた。きゅっと中央に向かって縮こまる臀部。
「どうや? 気持ちええか、お嬢ちゃん?」
 言いながら、ゆっくりと筆を上下させる能面。
「あひゃっ!? ひゃっ、ひゃひっ!!? ふひょっ!! にゃっ、何、ひひぃぃんっ!? 私、もうっ!! 仲間になりますってっ……きゃひぃんっ!?」
 成香は顔を真っ赤にし、体を悶えさせながら言った。目には大粒の涙が溜まっている。

「さっき小休止言うたやん。お嬢ちゃんみたいにその場しのぎするような子は、体に現実の厳しさ教えたらなあかん」
 能面が目配せをすると、顔面凶器は立ち上がり、成香と能面の後ろに立った。
「ひゃひっ、ひゃひっ!? やはっ! やめてください……っ、ひぅっ!! 変な、あぁぁっ、気持ち悪いですっ、……んひゃぁっ」
「気持ち悪いか? すぐ楽しなってくるで?」
 顔面凶器は言うと、両腕を前に突き出した。
「ひゃぁっ、楽しくって、――っ!!? んはっ!!? いひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!」
 成香の嬌声は唐突に笑い声に変わった。
 顔面凶器は、中腰になった能面の上から、突き出された成香の素足のかかとをがりがりとくすぐり始めたのだった。
「どや? おもろいやろ、嬢ちゃん」
「きゃははははははははははっ!! あひぃぃっ、いぃぃっひっひっひっひっひ、おもしろくないですっ!!! あひゃぁぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ~~っ!」
 成香は泣きながら叫んだ。足の指がくすぐったそうにもがく。
「おもろないて、笑とるやん」
 顔面凶器は爪を立てて、成香の両足の裏、かかとから指の付け根までを往復移動させた。
「ひゃひゃひひひひひひひひっ!! くしゅぐったぃっひっひっひっひっひっひ!!! くすぐったいからですっ!! あぁぁ~~っひゃっはっはっは、やめてぇ~~っ!」
 成香を縛ったロープがぎちぎちと激しく音を立てる。
「『くすぐったい』だけか?」
 能面は、筆先で成香の肛門付近をねちねちと撫で回した。
「あひあひあひゃひゃひゃっ!! あだまがっ、あひゃひゃひゃっ!! 頭がおかしくなるぅぅぅうっひっひっひっひっひっひっひ~~っ」

「この辺も弱いんやろ?」
 能面は言うと、筆を持っていないほうの手で、成香の大腿部を指先でくすぐった。
「あはっ、あはははははははっ!! もうひゃめぇ、やめてぇぇっはっはっはっはっはっはっは!」
「ほう? そんなところも効くんか」
 顔面凶器は、強制的に曲げられ突き出された成香の膝小僧を、片手の指先でこそこそとくすぐる。
「あひゃぁぁあぁぁ、ひぃぃ~~っひっひっひっひっひっひ!! 私の、ぃぃい~~っひっひっひ、私の体で遊ばないでぇぇぇひひへへへへへへへ」
 成香は舌を出して泣きながら笑い、懇願する。
「もう敬語も使われへんか?」
 能面は筆先を成香の秘部へと這わせ、もう片方の手で下腹部をくりくりとひっかいた。
「んひょひょひょっ!!? ふひゃひゃひゃ、ぎぃぃぃひっいひいひっひっひっひっひ!! もぅひゃめてぇぇ~~っ!」
「嬢ちゃんも遊ぶんがおもろなってきたんやろ」
 顔面凶器は成香の膝を鷲掴みにするように、大腿部から膝へ指を這わす。
「ぢがうぅぅぅぅひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!! 限界ぃぃぃっひっひっひっひっひっひ!! 無理ぃぃぃあひはひはひひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」

 成香は喉をからして笑い続ける。
 この後、成香がどのような末路をたどるのかは、別のお話。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 2014年1月にpixivに投稿した作品です。
 挿絵を動かしてみました。
 作戦会議中にひとりだけ寝てる子。