「パパ! 『一週間フレンズ。』の山岸沙希(やまぎし さき)ちゃんのくすぐられる姿が見たいです!」
「よし! じゃあパパが、『モブキャラくすぐり連盟』さんにお願いしてあげよう」
「やったぁ!」

 こうして、山岸沙希は放課後ぼけっとひとり廊下を歩いていたところを誘拐拉致された。


 制服姿の山岸は、両腕を体側につけた状態で上半身をロープで縛られ、仰向けに気を失っていた。

「……んぅ~」

 山岸は目を覚ますと、ゆっくりと上体を起こす。

「えーなにこれー……?」

 肩幅に開かれた両足をがっちりと固定した木板の足枷を見て、山岸は目をぱちくりとさせた。
 履いていた上履きと黒のハイソックスは脱がされて、素足にされている。

 すると、突然地面からにょきにょきと生えてきた二本のマジックハンドが、山岸の両足の裏をくすぐりはじめた。

「ひゃっ!!?」

 山岸の素足がびっくりしたように反り返る。
 そこをぐにぐにとひっかくようにくすぐるマジックハンド。
 山岸は、甲高い声で笑い始めた。

「ひゃははははははっ、なにぃ~~!?」

 くねくねと動く足の指。
 マジックハンドは嫌がる山岸の足を、追いかけ、わちゃわちゃとくすぐった。

「やだぁぁっはっはっはっはっ!! いやぁぁ~~桐生くぅ~~んっひゃっはっはっはっはっは~~!!!」

 山岸は縛られた上半身を左右によじって笑い悶えた。

「やめてぇ~~やぁぁははははははははっ!!」

 山岸がいくら泣き叫んでも、マジックハンドは動きを止めなかった。
 人差し指で土踏まずをほじったり、爪で踵をガリガリとひっかいたり、指の付け根あたりをなぞってみたり……。

「ひゃっはっはっはっははいやぁぁあぁたすけてぇぇっひゃっはっはっは~~!!!」

 しばらくして、マジックハンドの動きが止まった。

「……ひ、ひぃ……、お、終わりー?」

 山岸は息を切らして、何もない空間に語りかけた。
 返事はない。

 すると、地面からさらに数本のマジックハンドが生えてきた。

「ひっ!?」

 山岸は肩をびくりと上げた。

 生えてきたマジックハンドのひとつがなにやらボトルを持っている。
 蓋を開け、中の液体を山岸の右足にかけ始めた。

「ひゃん……っ、ち、ちべたい……」

 どろりと山岸の素足を覆っていくローション。
 山岸が足の指を動かすと、ちゅるちゅると音がした。

「……気持ち悪いよー……にゅるにゅるする……にゅるにゅる……」

 山岸が不快そうに顔をしかめた数秒後。
 突然マジックハンドが一斉に山岸の足の裏へのくすぐりを再開した。

「はやぁぁっ!!? まひゃっはっはっは、まだ心の準備できてなかったのにぃいぃ~~っひっひっひっひうはぁぁあぁ~~!!?」

 右足をくすぐるマジックハンドは、ローションを素足全体へぬりたくるように指を這わせる。

「ふにゃぁあああああにゅるにゅるやだぁぁぁっひゃっはっはっはっはっはっは!!!」

 左足は指を後ろへ思い切り反らされ、指と指の間を数本のマジックハンドでこそこそくすぐられた。

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!! やぁぁあ~~~嫌ぁあぁぁっははははははははははは!!!」

 髪の毛を振り乱して大笑いする山岸。
 全身汗びっしょりになっている。

「足やぁぁあぁ足やぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」


 山岸は、気を失うまで足の裏をくすぐられた。


(完)