「ほむらちゃんってもしかして、足の裏くすぐられるの弱い?」
「まどか。あなたが何を言っているのかさっぱりわからないわ」
ほむらが転入した初日のこと。
保健室に向かう途中で突然まどかが発した言葉に、ほむらは驚いた。
この世界ではまだほとんど言葉もかわしていないのだ。
「じゃあ、試させて欲しいな」
まどかの言葉で時空が歪む。
「……っ!?」
「クラスのみんなには、内緒でね」
目覚めたとき、ほむらは両手両足を宙に浮いた四本のマジックハンドにとらわれていた。
「……あなた、何者なの?」
ほむらには目の前の出来事が信じられなかった。
この世界のまどかは、まだ魔法少女にすら、なっていないはずなのに。
「何言ってるのほむらちゃん。私は鹿目まどか(かなめ――)ダヨ。うぇひっ」
「違う……私の知っているまどかは、こんな――」
ほむらが言いかけたところで、突然足元のマジックハンドがストッキングをびりびりと破り始めた。
「な、ちょっ、やめっ!!」
ほむらは身をよじって暴れるが、両手がふさがれているため、どうにもならない。
両足とも綺麗にはぎ取られ、素足にされてしまう。
「……あ、あなたがやったの?」
「ほむらちゃん? 足の裏くすぐられるの、弱いよね?」
ほむらの質問には答えず、まどかは質問を投げた。
「……」
ほむらが答えずにいると、まどかは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、
「私、知ってるんだぁ。ほむらちゃんの足、すごく敏感なこと」
「……、わ、わけがわからないわ」
「とぼけても無駄だよ。私にはわかる。ほむらちゃんが悪いんだよ。円環の理を勝手にいじって、力を奪っちゃうんだから」
「えっ?」
ほむらにはまったく話が理解できない。
「だからね。すべてが始まる前の記憶の段階で、おしおきしておこうってことになったの」
まどかはたんたんと述べる。
ほむらはますますわけがわからず、首を左右に振った。
「まどか。お願い。聞いて。私にはなんのことだからさっぱりわからないの。あなたがこんなことを――ひゃんっ!!?」
ほむらが弁明を終える前に、マジックハンドがほむらの足の裏を優しく撫でるようにくすぐりはじめた。
「あっ、ひゃっ……まど、かぁっ!! や、やめっ……」
ほむらは素足をじたばたと動かして暴れる。
「もう。しょうがないなぁ。ほむらちゃんは」
まどかがほむらの右足首を掴む。
「やっ、ちょ、……まどか」
二本のマジックハンドも、逃げるほむらの左足をがっちりととらえた。
「うぇひひひ、ほむらちゃん、こんなところ弱いでしょ?」
まどかは言うと、ほむらの足の指を掴み上げて、つちふまずをガリガリと引っ掻き始めた。
「ひゃっ、あはははっ!! ちょっと、やめっ、まどかぁあぁっ!! ははっはひぃ」
マジックハンドもまどかにならってほむらの足の裏をくすぐりはじめる。
ほむらの足の指がくすぐったそうにくねくねよじれた。
「いやぁっ、まどかっ、やめてぇっ、ふひゃっはははっ、はひひひっ……」
ほむらは顔を真っ赤にして笑い出すのをこらえている。
「ほむらちゃん。反省した?」
まどかが聞く。笑顔だ。
「だ、はひっ、だからぁっ!! わかっ、わからないぃひひぃっ!!」
ほむらは首を左右にぶんぶんと振って答えた。目には涙が浮かんでいる。
「そっかぁ……。じゃあ、仕方ないなぁ」
まどかは意地悪く言うと、ぐりっと爪を立てる。
「うひぃぃっ!!?」
足指をぐっと反らし、ガリガリと足の付け根あたりを激しく掻きむしる。
「ひゃっ、あはっ……はあぁははははははははははははっ!!!? やはははははははやめてぇぇ~~っへっへっへ!!」
両足の裏を激しくくすぐられ、ほむらは大笑いを始めた。
「ほらね。ほむらちゃん、足の裏弱いでしょ?」
「弱いぃぃぃ~~弱いからぁぁっはっはっはっはっはやめてぇぇ~~!!!」
ほむらは激しく髪の毛を振り乱して笑う。
周囲に涙と唾が飛び散った。
「あっさり認めるんだ。うぇひっ。素直なほむらちゃん。うぇひひ」
まどかはニコニコしながらほむらの足の指と指の間をほじくる。
「ほひひひひひひひひひひひっ!!! やああぁぁあっ!! まどかだめぇぇぇぇっひゃっっはっはっはっはっはっは~~!!」
「反省した?」
「なひゃひゃひゃひゃひゃっ!! なにがぁぁはっはっは、わかんないぃぃぃひひひひひひひひひひ!!! ホントになんのことかわかんないのぉぉ~~っほっほっほっほっほっほ!!」
この時点のほむらにはわかるはずもない。
しかし円環の理は許さなかった。
「あぁぁぁあ~~っはっはっはっはっはやめてぇぇぇふへへへひぇっひぇひひぇぶひゃっ!!! 悪魔あぁぁぁあっひゃっひゃっひゃひひひひひ~~!!」
(完)
「まどか。あなたが何を言っているのかさっぱりわからないわ」
ほむらが転入した初日のこと。
保健室に向かう途中で突然まどかが発した言葉に、ほむらは驚いた。
この世界ではまだほとんど言葉もかわしていないのだ。
「じゃあ、試させて欲しいな」
まどかの言葉で時空が歪む。
「……っ!?」
「クラスのみんなには、内緒でね」
目覚めたとき、ほむらは両手両足を宙に浮いた四本のマジックハンドにとらわれていた。
「……あなた、何者なの?」
ほむらには目の前の出来事が信じられなかった。
この世界のまどかは、まだ魔法少女にすら、なっていないはずなのに。
「何言ってるのほむらちゃん。私は鹿目まどか(かなめ――)ダヨ。うぇひっ」
「違う……私の知っているまどかは、こんな――」
ほむらが言いかけたところで、突然足元のマジックハンドがストッキングをびりびりと破り始めた。
「な、ちょっ、やめっ!!」
ほむらは身をよじって暴れるが、両手がふさがれているため、どうにもならない。
両足とも綺麗にはぎ取られ、素足にされてしまう。
「……あ、あなたがやったの?」
「ほむらちゃん? 足の裏くすぐられるの、弱いよね?」
ほむらの質問には答えず、まどかは質問を投げた。
「……」
ほむらが答えずにいると、まどかは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、
「私、知ってるんだぁ。ほむらちゃんの足、すごく敏感なこと」
「……、わ、わけがわからないわ」
「とぼけても無駄だよ。私にはわかる。ほむらちゃんが悪いんだよ。円環の理を勝手にいじって、力を奪っちゃうんだから」
「えっ?」
ほむらにはまったく話が理解できない。
「だからね。すべてが始まる前の記憶の段階で、おしおきしておこうってことになったの」
まどかはたんたんと述べる。
ほむらはますますわけがわからず、首を左右に振った。
「まどか。お願い。聞いて。私にはなんのことだからさっぱりわからないの。あなたがこんなことを――ひゃんっ!!?」
ほむらが弁明を終える前に、マジックハンドがほむらの足の裏を優しく撫でるようにくすぐりはじめた。
「あっ、ひゃっ……まど、かぁっ!! や、やめっ……」
ほむらは素足をじたばたと動かして暴れる。
「もう。しょうがないなぁ。ほむらちゃんは」
まどかがほむらの右足首を掴む。
「やっ、ちょ、……まどか」
二本のマジックハンドも、逃げるほむらの左足をがっちりととらえた。
「うぇひひひ、ほむらちゃん、こんなところ弱いでしょ?」
まどかは言うと、ほむらの足の指を掴み上げて、つちふまずをガリガリと引っ掻き始めた。
「ひゃっ、あはははっ!! ちょっと、やめっ、まどかぁあぁっ!! ははっはひぃ」
マジックハンドもまどかにならってほむらの足の裏をくすぐりはじめる。
ほむらの足の指がくすぐったそうにくねくねよじれた。
「いやぁっ、まどかっ、やめてぇっ、ふひゃっはははっ、はひひひっ……」
ほむらは顔を真っ赤にして笑い出すのをこらえている。
「ほむらちゃん。反省した?」
まどかが聞く。笑顔だ。
「だ、はひっ、だからぁっ!! わかっ、わからないぃひひぃっ!!」
ほむらは首を左右にぶんぶんと振って答えた。目には涙が浮かんでいる。
「そっかぁ……。じゃあ、仕方ないなぁ」
まどかは意地悪く言うと、ぐりっと爪を立てる。
「うひぃぃっ!!?」
足指をぐっと反らし、ガリガリと足の付け根あたりを激しく掻きむしる。
「ひゃっ、あはっ……はあぁははははははははははははっ!!!? やはははははははやめてぇぇ~~っへっへっへ!!」
両足の裏を激しくくすぐられ、ほむらは大笑いを始めた。
「ほらね。ほむらちゃん、足の裏弱いでしょ?」
「弱いぃぃぃ~~弱いからぁぁっはっはっはっはっはやめてぇぇ~~!!!」
ほむらは激しく髪の毛を振り乱して笑う。
周囲に涙と唾が飛び散った。
「あっさり認めるんだ。うぇひっ。素直なほむらちゃん。うぇひひ」
まどかはニコニコしながらほむらの足の指と指の間をほじくる。
「ほひひひひひひひひひひひっ!!! やああぁぁあっ!! まどかだめぇぇぇぇっひゃっっはっはっはっはっはっは~~!!」
「反省した?」
「なひゃひゃひゃひゃひゃっ!! なにがぁぁはっはっは、わかんないぃぃぃひひひひひひひひひひ!!! ホントになんのことかわかんないのぉぉ~~っほっほっほっほっほっほ!!」
この時点のほむらにはわかるはずもない。
しかし円環の理は許さなかった。
「あぁぁぁあ~~っはっはっはっはっはやめてぇぇぇふへへへひぇっひぇひひぇぶひゃっ!!! 悪魔あぁぁぁあっひゃっひゃっひゃひひひひひ~~!!」
(完)