八話の途中、なんやかんやで、黒服集団に捕まってしまった菊池真(きくち まこと)はX字の拘束台にくくりつけられ、尋問を受けていた。

「さあ、彼女はどこだ! 言え!」
「知らないね! あずささんは渡さない」

「ことは一刻を争う。仕方ない。やれ!」

 黒服の一人が言うと、真の足元にいた黒服が、真の両足から革靴と靴下を脱がし取る。

「な、何をする気だ!」

 真は声を荒げる。
 が、黒服たちは無視して、真の足の裏を指でくすぐり始めた。

「うわはっ!!? やっ、こ、このっ……」

 一瞬笑い声が漏れたが、真は口をむぐっと閉じてこらえた。

「彼女はどこだ!」
 黒服が繰り返し質問する。

「いっ、いっ……言うもんか!! ひっひ……」

 真はぷるぷると体を震わせながら叫んだ。

「そうか。なら、根比べだな」
 黒服は言うと、真のジャケットをまくり、ズボンからシャツの裾を引っ張り出す。

「やっ、やめろぉ……!」

 真はくすぐったさと羞恥心からか、顔を真っ赤にして抗議する。
 露出させられるお腹。
 黒服は、真のおへそを、くりくりとほじくりはじめた。

「ほひゃぁぁああああっ!!!?」

 たまらず甲高い悲鳴を上げる真。

「ひ、ひ、ひ、あぁひぃぃ、やめっ、やだっ……あぁぁひぃ」

 首を左右に振って悶える真。
 追い打ちをかけるように、右足をくすぐっていた黒服がブラシを取り出して、真の足の裏をごしごしとしごき始めた。

「やっ!!? だっ!!? ひゃははははははははあはははぁあああぁあぁっはっはっはっはっはっはっは!!!」

 真はお腹、足の裏を一度にくすぐられ、たまらず笑い出した。

「やめあぁぁあっはははっははっはははやめろぉお~~っはっはっはっははは!!!」

 涙を浮かべ、びくびくと体を震わせて笑う真。
 がちゃがちゃと四肢を揺するが、両手両足にはめられた枷はまったくはずれる気配がない。

「やめて欲しければ、言え! 彼女はどこだ! 腹がよじれる前に言うんだ!」
 くりくりとおへそをほじりながら黒服が言った。

「いひゃひゃひゃひゃ言わないっ!!! ひっひっひっひっひ……ていうか、知らないからぁぁっっはっはっはっはっは~~!!」

 真は泣き叫ぶ。

「嘘つくな! お前達! 家宝をどうするつもりだ」

「かほっ!!? 家宝ってなんのことぉぉ~~~っひゃっはっはっはっはっはっははっはっははあぁぁあ~~!!!」

 永遠の平行線尋問は数時間に及んだ。
 慰謝料とか業務妨害とかもろもろの費用は、石油王がなんとかしてくれた。


(完)