それはまだ機動六課と呼ばれる部隊の発足前。
15歳になる八神はやて(やがみ ――)は一等陸尉に昇格したばかりだった。
時空管理局内は彼女のスピード出世の話題でもちきり。はやては期待の新人として、上官達から注目を浴びていた。
なかには彼女の若々しい肉体に興味を抱くよからぬ上官も……。
「あー君、君。今日模擬戦があったろう? 期待の新人、八神の指揮はどうだった?」
「それが――」
「なに!? 惨敗だと!? 八神の陣営には今回かなり優秀な人材を揃えていたのに」
「指揮官としての経験不足が災いした模様です」
「模擬戦だからと言って緊張感が足りなかったんじゃないのか?」
「むしろ初戦と言うことで緊張しすぎていたのかもしれません。まぁこれも経験ということで――」
「ならなおさらダメだ! 八神には教育的指導が必要だ!」
その少佐は、何かと理由をつけては部下へセクハラをするのが趣味だった。
さっそく教育的指導の名の下に、はやてを呼び出した。
「管理局内にこんな部屋があったんですか……」
はやては呼び出された部屋の内部を見渡して言った。
薄暗く、独房のような部屋。
「捕らえた犯罪者を尋問するための部屋だ」
少佐はさらりと言うと、
「さあ八神、足を出せ」
「……はい?」
はやては命令の意味を図りかねたのか、素っ頓狂な声を上げた。
「足を出せと言っている。上官命令だ」
「……あの、上官? 命令の意味がよぅわからへんのですけど」
はやては首を傾げた。
訓練中だったため、バリアジャケット姿である。
「ブーツと靴下を脱いで、足をこちらへ向けろ、と言っている」
「……は?」
はやては一瞬きょとんとするが、みるみる顔を赤くした。
「な、なに言うてはるんですか! そんな、服脱げなんて……っ、セクハラやないですか!?」
「八神。これは教育的指導だ。命令に従え」
「従いません! こ、こんなことが管理局内で許されるなんて、ありえへん思います! これは教会にも報告さしてもらいます!」
はやては背を向け、部屋を出ようとする。
少佐は自身の魔法を発動させ、彼女の周囲に複数のマジックハンドを出現させた。
「な、こっ!? なんなんですか!? やめてくださいっ!」
はやてはマジックハンドに両手両足を掴み上げられ、拘束された。
そのまま両足をまっすぐ突き出すように引き伸ばされ、ブーツを脱がされる。
「ちょっ、このっ!! やめ!」
はやてはもがくが、マジックハンドの力はかなり強く、抜け出すことが出来ない。
あっという間に靴下まで脱がされたはやては、素足の足の裏を少佐の方へ向けて拘束された。
「八神。上官命令に逆らうとは良い度胸だな」
少佐はにやりと笑う。
はやてはきっと少佐をにらんだ。
「かっ、管理局の人間がこんなことして……ほんまにええ思て――」
言いかけたところで、マジックハンドのひとつが、人差し指ではやての右足の裏をなぞり上げた。
「――ひゃゎはっ!?」
ぴんと反り返るはやての足の指。
「ふふふ、可愛らしい声を上げてくれるではないか。さて、せっかくの教育的指導をむげにし、上官命令に背いた罰を受けてもらおう」
「そんなっ! こんなのセクハラやっ――ひゃぁぁああっ!?」
少佐の言葉に反論しようとした矢先、はやては両足の裏をマジックハンドに撫でられ悲鳴を上げる。
マジックハンドの人差し指は、じらすようにはやての足の裏を上下に動く。
「はひゃっ……ひぃっ、や、だっ、なんやのっ、こにゃっ、やめぇぇっ!!」
はやては「くっくっ」と笑いを漏らし、肩を震わせた。
くねくねとくすぐったそうに動く足の指を見つめ、少佐は笑みをこぼす。
「なかなかエロティックな足の形をしているじゃないか。私好みだ」
「ふっ、ひゅっ……しらっ、知らにゃっ!! ひぃいっ、ふっくっ、ひっひ……!!」
はやては顔を真っ赤にして笑いをこらえていた。
セクハラ上司の前で大口を開けて笑う姿は見せたくないのだろう。
「ほほう。なかなか耐えるな。我慢顔もいいが……」
少佐の声に合わせ、マジックハンドは指を増やし、はやての足の裏に突き立てた。
「あひゃぁあぁあぁっ!!?」
はやては体を仰け反って甲高い声を上げた。
「八神。可愛い笑顔を見せてみろ」
マジックハンドの動きが速くなる。
「ひぐぅぅうっひ、っひっひっひ、ふぐぅうんひぃぃぃぃい!!」
はやてはうつむいて肩を上下に揺らす。
必死に笑い出すのを我慢しているようだった。
しかし、こちょこちょとしつこくくすぐり続けるマジックハンドに、とうとう耐えきれなくなった。
「あひっ、はっ――はははははははははっ!!? いやぁあぁはははあはははははははひぃぃぃ~~っひっひっひっひっひっひっひ!!!」
両足の裏を数十本の指が蠢いている。
指の付け根、土踏まず、踵……。引っ掻いたり、さすったり、こそいだり……。
「あひっひっひっひっひっひっひっなんやぁぁぁこりゃぁぁっはっはっははっはははっは!!! なんでこしょばひぃぃぃぃ~~っひっひっひっひっひひっひぎぃぃぃ~~!!!」
はやては首を左右にぶんぶんと振り回し、笑っている。
だらしなく開かれた口からは涎がだらだらと滴り落ちた。
「これまで何人も見てきたが、やはりベルカ式魔法の使い手は足の裏が一番利くみたいだな」
「あははははははははっ!!? なんやそりゃぁっはっはっはっはは偏見やぁぁぁはははははははあはははははっ!!!」
貪るようにはやての足の裏をくすぐり続けるマジックハンド。
大小様々なマジックハンドは、足の縁のこそぎ、足の甲をなで、足の指と指の間にまで入り込んだ。
「あひゃあぁぁぁぁっはっはっはっははっはっははいぎゃぁあぁああああ足やめひゃぁぁぁあぁぁっひゃっひゃっひゃっひひひひひひひひひひひ~~!!!」
涙を流して笑うはやてに、少佐は語りかける。
「八神。約束してもらおう。ここであったことは誰にも言わないと」
「なひゃぁぁぁ~~っはっはっははっはっは!!? そんなん無理やぁぁぁはっはっははっははははっはっふぎゃぁぁああ~~!!」
「ならば、このまま笑い死ぬか?」
少佐の言葉で、さらにマジックハンドの動きが激しくなる。
「ふぎゃぁぁああああひゃひゃひゃひゃっ!!!!? うへぇえぇやぁぁあぁぁっはっはっははっははっはははそんな強すぎぃぃぃいっひひっひっひっひひっひ~~!!!」
~~~
その翌日、はやてがセクハラを管理局内に大々的に暴露(ちょっと水増し)し、その少佐は謹慎処分になった。
「……なるほど。少佐程度ならまだまだセクハラは御法度やな……」
はやては、自分が部下にセクハラする場合は中佐以上に昇格してからにしようと心に決めた!
八神はやてに「狸」の呼称が定着するのは、もう少し先の話。
(完)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
『DDD産業』のDDD様に描いていただいた絵から、妄想を膨らませて書かせていただきました!
15歳になる八神はやて(やがみ ――)は一等陸尉に昇格したばかりだった。
時空管理局内は彼女のスピード出世の話題でもちきり。はやては期待の新人として、上官達から注目を浴びていた。
なかには彼女の若々しい肉体に興味を抱くよからぬ上官も……。
「あー君、君。今日模擬戦があったろう? 期待の新人、八神の指揮はどうだった?」
「それが――」
「なに!? 惨敗だと!? 八神の陣営には今回かなり優秀な人材を揃えていたのに」
「指揮官としての経験不足が災いした模様です」
「模擬戦だからと言って緊張感が足りなかったんじゃないのか?」
「むしろ初戦と言うことで緊張しすぎていたのかもしれません。まぁこれも経験ということで――」
「ならなおさらダメだ! 八神には教育的指導が必要だ!」
その少佐は、何かと理由をつけては部下へセクハラをするのが趣味だった。
さっそく教育的指導の名の下に、はやてを呼び出した。
「管理局内にこんな部屋があったんですか……」
はやては呼び出された部屋の内部を見渡して言った。
薄暗く、独房のような部屋。
「捕らえた犯罪者を尋問するための部屋だ」
少佐はさらりと言うと、
「さあ八神、足を出せ」
「……はい?」
はやては命令の意味を図りかねたのか、素っ頓狂な声を上げた。
「足を出せと言っている。上官命令だ」
「……あの、上官? 命令の意味がよぅわからへんのですけど」
はやては首を傾げた。
訓練中だったため、バリアジャケット姿である。
「ブーツと靴下を脱いで、足をこちらへ向けろ、と言っている」
「……は?」
はやては一瞬きょとんとするが、みるみる顔を赤くした。
「な、なに言うてはるんですか! そんな、服脱げなんて……っ、セクハラやないですか!?」
「八神。これは教育的指導だ。命令に従え」
「従いません! こ、こんなことが管理局内で許されるなんて、ありえへん思います! これは教会にも報告さしてもらいます!」
はやては背を向け、部屋を出ようとする。
少佐は自身の魔法を発動させ、彼女の周囲に複数のマジックハンドを出現させた。
「な、こっ!? なんなんですか!? やめてくださいっ!」
はやてはマジックハンドに両手両足を掴み上げられ、拘束された。
そのまま両足をまっすぐ突き出すように引き伸ばされ、ブーツを脱がされる。
「ちょっ、このっ!! やめ!」
はやてはもがくが、マジックハンドの力はかなり強く、抜け出すことが出来ない。
あっという間に靴下まで脱がされたはやては、素足の足の裏を少佐の方へ向けて拘束された。
「八神。上官命令に逆らうとは良い度胸だな」
少佐はにやりと笑う。
はやてはきっと少佐をにらんだ。
「かっ、管理局の人間がこんなことして……ほんまにええ思て――」
言いかけたところで、マジックハンドのひとつが、人差し指ではやての右足の裏をなぞり上げた。
「――ひゃゎはっ!?」
ぴんと反り返るはやての足の指。
「ふふふ、可愛らしい声を上げてくれるではないか。さて、せっかくの教育的指導をむげにし、上官命令に背いた罰を受けてもらおう」
「そんなっ! こんなのセクハラやっ――ひゃぁぁああっ!?」
少佐の言葉に反論しようとした矢先、はやては両足の裏をマジックハンドに撫でられ悲鳴を上げる。
マジックハンドの人差し指は、じらすようにはやての足の裏を上下に動く。
「はひゃっ……ひぃっ、や、だっ、なんやのっ、こにゃっ、やめぇぇっ!!」
はやては「くっくっ」と笑いを漏らし、肩を震わせた。
くねくねとくすぐったそうに動く足の指を見つめ、少佐は笑みをこぼす。
「なかなかエロティックな足の形をしているじゃないか。私好みだ」
「ふっ、ひゅっ……しらっ、知らにゃっ!! ひぃいっ、ふっくっ、ひっひ……!!」
はやては顔を真っ赤にして笑いをこらえていた。
セクハラ上司の前で大口を開けて笑う姿は見せたくないのだろう。
「ほほう。なかなか耐えるな。我慢顔もいいが……」
少佐の声に合わせ、マジックハンドは指を増やし、はやての足の裏に突き立てた。
「あひゃぁあぁあぁっ!!?」
はやては体を仰け反って甲高い声を上げた。
「八神。可愛い笑顔を見せてみろ」
マジックハンドの動きが速くなる。
「ひぐぅぅうっひ、っひっひっひ、ふぐぅうんひぃぃぃぃい!!」
はやてはうつむいて肩を上下に揺らす。
必死に笑い出すのを我慢しているようだった。
しかし、こちょこちょとしつこくくすぐり続けるマジックハンドに、とうとう耐えきれなくなった。
「あひっ、はっ――はははははははははっ!!? いやぁあぁはははあはははははははひぃぃぃ~~っひっひっひっひっひっひっひ!!!」
両足の裏を数十本の指が蠢いている。
指の付け根、土踏まず、踵……。引っ掻いたり、さすったり、こそいだり……。
「あひっひっひっひっひっひっひっなんやぁぁぁこりゃぁぁっはっはっははっはははっは!!! なんでこしょばひぃぃぃぃ~~っひっひっひっひっひひっひぎぃぃぃ~~!!!」
はやては首を左右にぶんぶんと振り回し、笑っている。
だらしなく開かれた口からは涎がだらだらと滴り落ちた。
「これまで何人も見てきたが、やはりベルカ式魔法の使い手は足の裏が一番利くみたいだな」
「あははははははははっ!!? なんやそりゃぁっはっはっはっはは偏見やぁぁぁはははははははあはははははっ!!!」
貪るようにはやての足の裏をくすぐり続けるマジックハンド。
大小様々なマジックハンドは、足の縁のこそぎ、足の甲をなで、足の指と指の間にまで入り込んだ。
「あひゃあぁぁぁぁっはっはっはっははっはっははいぎゃぁあぁああああ足やめひゃぁぁぁあぁぁっひゃっひゃっひゃっひひひひひひひひひひひ~~!!!」
涙を流して笑うはやてに、少佐は語りかける。
「八神。約束してもらおう。ここであったことは誰にも言わないと」
「なひゃぁぁぁ~~っはっはっははっはっは!!? そんなん無理やぁぁぁはっはっははっははははっはっふぎゃぁぁああ~~!!」
「ならば、このまま笑い死ぬか?」
少佐の言葉で、さらにマジックハンドの動きが激しくなる。
「ふぎゃぁぁああああひゃひゃひゃひゃっ!!!!? うへぇえぇやぁぁあぁぁっはっはっははっははっはははそんな強すぎぃぃぃいっひひっひっひっひひっひ~~!!!」
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その翌日、はやてがセクハラを管理局内に大々的に暴露(ちょっと水増し)し、その少佐は謹慎処分になった。
「……なるほど。少佐程度ならまだまだセクハラは御法度やな……」
はやては、自分が部下にセクハラする場合は中佐以上に昇格してからにしようと心に決めた!
八神はやてに「狸」の呼称が定着するのは、もう少し先の話。
(完)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
『DDD産業』のDDD様に描いていただいた絵から、妄想を膨らませて書かせていただきました!