「『魔女の誇りを傷つけたものは、未来永劫呪われよ』だっけ?」
 無限書庫に到着したルーテシア・アルピーノは、彼女と対峙するや否や宣戦布告をした。
「そんなこと言ってるから、時代に取り残されるんだよ」
「あなたは――」
「時空管理局嘱託魔導師ルーテシア・アルピーノ! 盗聴・窃視および不正アクセスの件でお話聞きにやって来ました!」
「…………」
 ファビアは表情の乏しい瞳でルーテシアをにらむ。
 ルーテシアは美しい長髪をなびかせて、ニタッとサディスティックな笑みで応じた。
「おとなしく降参したほうがいいよ? でないと、お姉さんが、おしおきしちゃうから」
「魔女をあまり、舐めないほうがいい」

 数分後、ファビアの重力魔法によって上から押さえつけられ地面に這いつくばるルーテシアの姿があった。
「魔女の誇りに傷つけた者は、未来永劫呪われよ」
 ファビアは勝ち誇ったように言うと、箒を振った。
 すると、ルーテシアの目の前に、デフォルメされた「ばい菌君」のような五体の使い魔が現出する。
「く……ッ」
 身動きが取れないルーテシアは、手首、足首を掴まれ、仰向けに押さえつけられた。
 ファビアは詠唱を始めた。
「な、……なに? 呪いでもかけるつもり?」
 ルーテシアは強気に言うが、内心の焦りは隠し切れていない。
「あなたには、古き魔女狩りの贄となった者と同じ苦しみを味わってもらう」
「……ッ!」
 ファビアの言葉に、ルーテシアの顔が引きつる。
 魔女狩りという単語から、火あぶりや水責めといった拷問が連想される。
「(八神司令……、早く来て……)」
 迫る使い魔。
 ルーテシアは訪れるであろう苦痛に備えぎゅっと目をつぶる。
 しかし……、

 すぽんっ。

「……え?」

 ルーテシアは両足のブーツを脱がされた。
「(なに……? 足、責め?)」
 予想外の出来事に、ルーテシアは足元を見つめきょとんとする。

 晒された素足。
 左側の足首を掴んでいた使い魔が、口を開け、牙をむき出しにした。

「(いっ……!? 食われる!?)」

 ルーテシアがその鋭い牙を見て歯を食いしばった瞬間、

 べろんっ。

「ひゃぁぁぁあっ!!?」

 踵から指先まで、足の裏を舐められた。
 ぬるりとした刺激に思わず甲高い声を上げるルーテシア。
 すると、右足首を掴んだもう一体の使い魔も、ぺろぺろと彼女の素足を舐め始めた。

「ひゃはっ!? あはははっ! な、なにっ……やだぁっ!! いやっはっはっはっ!? や~」

 ルーテシアはぷるぷると首を振って笑い声を漏らす。
 くねくねと逃げる足を、使い魔は舌で追いかけ回し、ねぶり上げる。

「あははははっ!! ちょ、やめっ!! くすぐったいっ!! なんなのぉぉ~~あははははっ!!?」

「昔、魔女の疑いのかかった女を自白させるために使用された拷問」
 ファビアは訥々と語る。

「いやははははっ!! ちょっと……やめっ、気持ち悪いっあっはっはっはっは~~!!」

 ぺちゃぺちゃと足を舐める音が響く。
 使い魔は舌先を器用にくねらせて、ルーテシアの足の指の間にまでれろれとむしゃぶっている。

「何人もの者が、笑いながら無実を訴え、死んでいった。……あなたは、彼女らの苦しみを一身に背負って死ぬ」

「あは、ははははっ!? そんなのっ、そんなのいやっはっはっはっはっはっ!!」

 ルーテシアは長い髪の毛を振り乱して笑う。
 足元の使い魔はひとしきり舐め終えると、涎でテカったルーテシアの足の裏を小さな手でこちょこちょとくすぐりはじめた。

「あひゃっ!!? あははははははっ!! なっ!? いやぁぁっはっはっはっははっはっはっはは~~!!!」

 使い魔の手が、散々舐められてふやけたルーテシアの足の裏の皺をなぞるように這う。

「あひあぁぁはっはっはっはっはは!!! 助けてぇえぇえははははははははははははっ!!!」

 ルーテシアが激しく笑う中、ファビアが再び詠唱を始めた。

「なはははははは!? なにぃぃぃ~~もうやめてぇぇぇ~~~ひゃははははははは~~!!」

 すると、ルーテシアの足元に、ぽん、ぽん、とブラシと羽根が現れた。
 それらは意志があるようにルーテシアの素足の周りを浮遊する。

「やだぁぁははははははあははっ!!! そんなのぉっ、こっちこないでぇぇえっへっへっへっへへへっへ~~!!」

 ルーテシアの懇願もむなしく、ブラシと羽根が彼女の足の裏をくすぐりはじめる。

「やぁぁぁあっはっはっっははっははっはあひゃっはっはっはっはっはだぁぁあはははぁ~~!!!」

 ブラシはしゅこしゅこと彼女の足の指と指の間を磨きあげた。

「いぎゃぁぁああああははははははあははははうはははははあははははははやぁぁ~~!!!」

 使い魔の一体が彼女の足の指を掴み、無理矢理広げると、そこへ羽根が舞い降り、ちょこちょことと先端でくすぐり始める。

「いひぃぃ~~ひひひひひひひひひっ!!? やめぇぇ、やめてぇぇええあぁぁ~っはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

 ルーテシアの甲高い笑い声が響き渡る。

「あがははははははははっ……やっ、やぁぁはははははははっ! ひぎひひひひひひひひひぃぃっ!!」

 見開かれた目からは涙が流れ出し、開きっぱなしの口からは涎が滴り、彼女の体は激しく痙攣するように震えている。
 彼女がまさに限界を迎えようかというそのとき。

 バチンっ!

「……っ!?」

 突然出現したバインドによって、ファビアの体が絡め取られた。
 同時に、ルーテシアを襲っていた重力魔法、使い魔ともに消失した。
「……ぁっ、……へ、ひ?」
 ルーテシアが見上げると、ふわりと舞い降りる魔法少女。
「出遅れてるうちに、るー子の濡れ場があった……ってことでええんかな?」
「……い、いえ……ナイスタイミングです。八神司令」
 ルーテシアはなんとか声を絞り出した。
 優しく微笑んだその魔法少女は、さらに優しい笑みをファビアへ向けた。
 四肢を大きく広げて完全拘束されたファビアは、「ひっ」と顔を引きつらせた。
 対峙した瞬間、目の前の人物と自分との力量差を明確に理解してしまったのだろう。
「管理局海上司令、八神はやてですー。……ちょっとばかし、お話、聞かせてな?」

 ファビアは、このあと、滅茶苦茶くすぐられた。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 『DDD産業』のDDD様に描いていただいた絵から、妄想を膨らませて書かせていただきました! かなりのスピードで描いていただきました! しかも私の好きなキャラを覚えていてくださったようで感涙でございます。
るーるー(DDD様より)