翌日のターゲットは詩織ちゃんだった。
 勉強もスポーツも苦手で、いつもひとりで教室の隅に立って、みんなに合わせて微笑んでいるような子だった。
「詩織ちゃん!」
「!?」
 体育の授業が終わった後、体育館から出ようとした詩織ちゃんに、奈々が声をかけた。
 詩織ちゃんは呼びかけ慣れしていなかったのか、ビクッと肩を大きく上げて振り返った。
 ハーフパンツに半袖シャツがうちの体操服だった。
 奈々はだらんとシャツの裾を出していたが、詩織ちゃんはきちんと裾を入れていた。
「ちょっと来てー」
「え、えっ、な、何?」
 詩織ちゃんは緊張しているのかおどおどしていた。
 手を引いて体育館に連れ戻して、マットの上に座らせた。
「こちょこちょの刑ー」
 なんて奈々が宣言すると、私達は詩織ちゃんを押し倒した。
 詩織ちゃんは「えっ? えっ?」と状況が飲み込めないのかずっと戸惑っていた。
 両手両足を広げた上に一人ずつ乗って、体も押さえつけられて、絶対にひとりでは抜け出すことが出来ない。
 もちろん琴音ちゃんも一緒にいた。誘ったらなんと、結乃ちゃんまで乗ってきてくれた。 
 私と琴音ちゃんが足担当、奈々と智子が上半身担当、千尋と結乃ちゃん腕に乗って押さえつけ担当だった。
 私と琴音ちゃんは、詩織ちゃんの足から体育館シューズを脱がした。
 詩織ちゃんは戸惑っていた。
 白いソックスを脱がしはじめて、ようやくじたばた暴れ始めた。
「やっ、な、えっ? な、えぇ?」
 詩織ちゃんはいちいち聞き返すように言ってくる。
 私達は、詩織ちゃんの大きく開かれた腋の下、お腹周り、素足にした足の裏を一斉にくすぐりはじめた。
「――ぷはあぁっ!!? うへえええぇぇぇぇえっ!!? えぇえええええはっっはっはっはははっはっははっはっはは!!?」
 詩織ちゃん六人がかりでくすぐられて、はじけたように笑い出した。
 私の指さばきに足がくねっくねっと左右に嫌々するように動いて面白かった。
 上半身では体操服の裾が引っ張り出されて、お腹やあばらの素肌を直にくすぐられていた。
「あへぇええええっへっへへっへっへっへ!!! あぁぁあははははははははははは助けてぇええええははははははははははは!!!」
 いつも教室の端っこでニコニコ微笑んでいる詩織ちゃんが、大口を開けて甲高い声を上げて笑っている。
 そんな光景が新鮮で、楽しくて、私達は夢中でくすぐり続けた。
「ああぁああっはっはっはっはっはっはっは!!? あだっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!」
 数分ぐらいで解放したあと、琴音ちゃんが「すっきりしたー?」なんて聞いた。
 息を整えながらちょっとぷっと頬をふくらませた詩織ちゃんは、突然無言で琴音ちゃんの脇腹をくすぐった。
「ふはっ!? ああああはははははははは!!?」
 他の五人も便乗した。そのまま互いにくすぐり合った。なんだか楽しかった。やっぱりくすぐりには不思議な魔力があるのかもしれない。


(つづく)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 ノリ的な意味で、JCはいいものだなァ!