「フェイトちゃん。私、最近『転移魔法』覚えたんだよ」
「転移魔法……?」
 高町なのはとフェイト・T・ハラオウンは公園のベンチに座って涼んでいる最中だった。
「見てて!」
 なのはは言うと、突然魔法を発動する。
 すると、なのはの手の中に、ぶおんと人間の足首から先が出現する。
「えっ……な、なのは……?」
 ショートブーツを履いたそれは、フェイトの左足であった。
 フェイトが自分の足元に目をやると、その左足首から下は、白い光でおおわれ不可視化していた。
「フェイトちゃん、安心して。切断したわけじゃないから。ちゃんと体と繋がってるよ」
「い、いや、なのは? こんな場所で魔法を使うのは――」
 フェイトが焦って言うのを無視して、なのはは転移させたフェイトの左足からブーツをきゅぽっと脱がし、素足にした。
 そして、こちょこちょと足の裏をくすぐり始める。

「ひひゃっ!!? あっ、あひはははははっ!? ちょっ、ちょっとなのはっ!? やめあぁあぁああはひひひひひひひひひひ~~!!!」

 なのはの手の中でフェイトの足の指がくねくねと動いた。
 足首をなのはに掴まれており、まったく避ける術がない。
 なのはは爪を立て、フェイトの土踏まずやかかとをカリカリとかき混ぜるようにくすぐる。

「あぁぁあひゃははははははははっ!!! なななななのはぁぁあっ!!! やめてぇぇええいひひひひひひひひひひひ!!!」

 フェイトはベンチの上で笑い転げた。
 なのはの手の中では、フェイトの左足が足の指を思い切り広げたり反り返らせたりしながら、もがいている。

「よかったぁ。ちゃんと感覚まで繋がってるみたいだね。フェイトちゃん」

「はひっひっひっひっひっひっひっ!!! わかったぁ、わかったからやめぇえいっひっひひひっひっひっひっひ~~!!!」

 フェイトが必死に制止を求めるのを無視して、なのははほがらかに微笑んでくすぐり続けている。

「意外とこの辺の感覚とかどうかなぁ? ちゃんと神経まで転移できてるかなぁ?」

 首を傾げて言いながらなのは、フェイトの左足の小指と薬指の股の間に、指をつっこみねじる。

「うふゅひぃぃぃっ!!? ひっひっひっひっ!!! おねがいなのはあぁぁ!! 全部ぅぅぅぅっ!!! 全部くすぐったいからぁぁああひゃはははははははははやめてぇ~~!!」

 フェイトはベンチの上でもがき苦しみながら叫んだ。

「ホント? この辺とかも?」

 なのはは爪でこそぐようにして、フェイトの足の縁の部分をくすぐる。

「そこもだめぇえぇえひっひっひっひっひっひっ!!! お願いぃぃっ!! なのはぁあぁああはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

 フェイトのバカ笑いに、通りすがりの一般市民が何事かと視線を向けていた。

「いやあぁっはっはっはっはっはっはっ!!! なのはぁひゃひゃひゃっおねがっ!! 恥ずかしいぃぃからぁぁあはははははははは!!」

 公衆の面前でたっぷりと笑わせてから、なのはは魔法を解除した。


(完)