「フェイトちゃん。私、『フェイトちゃんの足の指の味がそれぞれ変わって楽しい魔法』覚えたんだよ!」
 突然フェイト・T・ハラオウンの家に押しかけた高町なのはは、息を切らして言った。
「なのはが、何を言っているのか、まったくわからないよ」
 フェイトは突然のなのはの言葉に戸惑っていた。
 その日は他のメンバーが家を留守にしていた。
 なのははじろじろと私服姿のフェイトの体を舐めるように見て、
「さ、フェイトちゃん、足出して」
「いやなのは……っ、落ち着いて」
 フェイトがなんとかたしなめようとすると、
「バインド」
「きゃっ!? えっ!?」
 なのはは魔法を発動させ、フェイトの四肢をバインドで拘束した。
 そのままバインドを動かし、スリッパを履いたフェイトの左足をなのはの方へ寄せる。
「な、なのは、こんな格好恥ずかしいよ」
 なのはは無言でフェイトの足からスリッパをぬがす。
 フェイトの素足が露わになった。
 足の指がきゅっと恥ずかしそうに縮こまった。
「フェイトちゃんの足はいつも美味しそうだね」
「なな、なのは!? いつもそんな風に見てたの?」
「でも指を動かされると魔法かけ辛いから、ちょっといじるね」
 言うとなのはは、さらに小さなバインドで、フェイト五指を開いて拘束した。
「あわっ!? ……ちょ、ちょっと、なのは、ダメだよ」
 フェイトは顔を赤らめる。
 なのはが魔法を発動させると、フェイトの左足の指が白く光った。
 が、すぐに光は消えた。
「……な、何か、変わった?」
 フェイトがおそるおそる聞く。
 なのはは答えずに、フェイトの足の親指に舌を這わせた。

「ひゃぁああああああっ!!?」

 フェイトはびくんと体を震わせた。

「うん。うまくいってるよ。親指はストロベリーだよ」
 言いながらなのはは、フェイトの足の親指にむしゃぶりついた。

「いひゃははははははっ!? やっ、ちょっとなのはぁあはははははっ!! ふひひひひひっ、やめてぇえ~~」

 フェイトは首をぶんぶんと左右に振って笑った。
 なのはは口でフェイトの足の親指を覆い、ちゅるちゅると吸い付く。

「いひひひひひひひやぁああああっ!!! なのはぁあぁあやめてぇぇ汚いよぉぉ~っはっはっはっはっはっは!!」

 きゅぽんっと、なのはが口を離した。
 ぺろりと舌なめずりをして、
「……フェイトちゃんの足が汚いわけないよ」
「い、……や、なのは? もうやめ――」

 続いてなのはは、フェイトの足の人差し指を舐めた。

「うひゃぁああああっ!!」

「うん。メロン味。少し不安だったけど、ちゃんと指ごとで味が変わってるね」
 なのは言うと、さっきの親指と同様に、むしゃぶりついた。

「あひゃぁあははははははははっ!!! ああぁあっ!! やだぁあっ!! なんでめろんっ……んやぁあはっははっはっはっはっはっは!!!」

「中指はレモンだよ」

 なのははすぐ隣の中指にも舌を這わせ、れろれろと舐めた。

「うひひひひひひひっ!!? 嫌あああぁあああっ!! くひゅぐぅぅぅ~~舌の動きやだぁぁあひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」

 フェイトの足の指がひくひくと震える。

「あ、こうやって舌先でちろちろされるのはくすぐったかった?」

「あひひひひひひひひっやめっ、あやぁあああっはっはっはっはっははっははっはっは~~!!!」

 フェイトは絶叫した。

「薬指のピーチはちょっと味が薄いかなぁ……?」
 なのはは不安そうに首をひねりながら、じゅぽじゅぽとフェイトの足の薬指をしゃぶる。

「ふひぃぃぃ~~っひっひっひっひなのはあぁああひゃひゃひゃっ!!! そこはぁあああひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

 フェイトは泣き叫ぶ。
 普段自力で動かすことも少ない薬指は、特に敏感だったらしい。

「ちなみにこうやって指の間は、二つの味が楽しめるんだよ」
 なのは言うと、フェイトの中指と薬指の間にぺちゃぺちゃ舌を這わせた。

「うひゅひひひひひひひぎゃあぁあああははははははははっ!!! だめだめだめぇええええっへっへへっへっへふひゃぁあ~~!!?」

「最後の小指はグレープ! ……あれ? もうちょっと濃い予定だったんだけどなぁ」
 なのはは味を確かめるように、ちゅぅ~っとフェイトの足の小指を吸い出すようにくわえた。

「にゃぁああああああははははははははっ!!! なのはぁぁあだめぇえぇえひひひひひひひひひひ!!!」

「薬指と小指までくるとちょっと魔法が弱くなっちゃったね。反省反省。味の並びももう少し改良が必要かなぁ」

「あひゃひゃひゃひゃっもういっ! もうわかった……もう済んだらやめてぇぇえ~~やっはっはっはっはっはっはっは!!!」

 いつまでもぺろぺろとなめ続けるなのは。
 フェイトは発狂したように髪の毛を振り乱しながら喚く。

「あ、そうかミックス味も楽しめるんだね!」
 なのはは突然ハッとして、フェイトの五指を覆うように口に含んだ。

「うぉほぉぉ~~ほひょひょっ!!? あひあぁああ全部はだめだってぇええうひゃぁあぁはひゃはひゃはひゃはひゃひゃ!!!?」

「ひょっとにゃめにふひ?」

「舐めにくいならやめてぇえぇえええあひゃっひゃっひゃっひゃっひゃふぎゃぁああ~~!!!」

 その日を境に、フェイトはときどき、なのはのぺろぺろキャンディになった。


(完)