モテモテのこちょ手袋
 オヤシロ様秘密アイテムNo.949
 効能:くすぐった相手を虜にする

「ちょっと羽入! そんなの聞いてないわよ! なんでそんなわけのわからないもの作ったのよ!」
「あうあうあう。僕はもともと縁結びの神さまなのです。縁結びに関する道具ならなんでも取りそろえるのが――」
「もうこんなの縁結びでもなんでもないじゃない! 早く解除方法を教えな――」

「梨花ちゃぁ~ん? 何をひとりでごちゃごちゃ言ってるのかなぁ~? 心配しなくてもすぐに俺の虜にしてあげるからねぇ」

「圭一! 顔が放送不可能なほど気持ち悪いのです! はやく正気にもどるのです! 圭一はその手袋に操られているだけなのです!」

「梨花も往生際が悪いですわね! さあさ、圭一さん、さっさとやってくださいまし」
「沙都子……」

 沙都子と圭一が近づいてくる。
 必死に両手足を動かすが、大の字に拘束された梨花にはまったく逃げ道がない。
(あぁ……どうしてこんなことに! もう全部羽入のせいだわ! 羽入! なんとか――)

「こちょこちょこちょ」
「こちょこちょこちょ」

「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!! やはははははは嫌ぁあぁぁあっはっはっははっははっはは~~!!!」
「ふにゃはははははははっ!!? あぁぁぁ~~そうだったのですぅぅ僕は梨花と感覚が繋がってひゃぁぁはっはっはっはっははふひゃぁぁ!!!」

~~~

ドーンっ

ひぐらしのなく頃に 擽殺し編

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「ふふふ、良い格好ですわね。魅音さん?」
「みぃ、気分はいかかなのですか?」

 沙都子と梨花が見下ろす先には、大の字に寝そべった水着姿の魅音が両手両足を拘束されていた。

「梨花ちゃん、沙都子。一体どうしたの? おじさん、わけがわからないよ」

「みぃ、これはオヤシロ様の意向なのです。仕方のないことなのです」
 梨花は残念そうに首を振る。
「どういうこと?」
 魅音は眉を寄せて問い返す。
「こういうことですわ」
 沙都子は言うと、手にはめた手袋をきゅっと引っ張り、

「こちょこちょこちょ」
「こちょこちょこちょ」

 二人して、いきなり魅音の脇腹をくすぐり始めた。

「あばっ!!? おわっははっははっはっはっはっはっはなななっ何ぃぃぃっひひっひっひっひっひひ!!!」

 露出した素肌を直にくすぐられ、魅音は耐えきれず笑い出す。

「魅音さん、いかがですの? この手袋のくすぐられ心地は?」
 沙都子がもみもみと魅音のくびれた脇腹を揉みほぐしながら言った。

「やっはっはっはっははっ、くふっ、くすぐられ心地って何ぃぃぃ~~っひっひっひっひっひ~~!?」

「みぃ……魅音のお腹はすべすべなのです」
 梨花は言いながら、手袋をはめた手でなでなでと魅音のお腹を撫でた。

「ふひゃははははははははははっ!!! りりりりりかちゃぁぁんそれやめてぇぇぇえははははははははは!!!」

「みぃ、みぃはお腹が敏感さんなのです」
 梨花は言うと、指先をゆっくり立て、てくてくとお腹の上を散歩するように動かした。

「ふほっほっほっほっほっほんほぉぉ~~!!?」

「みぃ……せっかく綺麗なお腹の真ん中に穴が空いているのです。かわいそかわいそなのです」
 梨花は言いながら、人差し指を魅音のヘソの穴に突っ込む。

「うひょぉぉ~~~っほぉぉ~~!!!? それおへそぉぉぉそれおへそだからりかちゃぁぁぁんひゃはあひゃひゃひゃはひゃひゃひゃ!!!」

「本当に嫉妬してしまうほど、すべすべの素肌ですわね」
 いつの間にか沙都子は、魅音の足元に移動して、ふくらはぎから膝周りをなで始めた。

「あひっあひぃぃっひぃぃぃ~~沙都子ぉぉ~~あんまり下はらめぇぇ~~!!!」

 魅音は、髪の毛を振り乱して笑い悶える。

「おやおや魅音さん。下がダメってどういうことですのぉ~?」
 沙都子は意地悪く言うと、魅音の足の裏に人差し指をつーっと這わせた。

「ひゃぁぁぁあああぁぁ!!? 沙都子ぉっ、ダメだってぇぇぇ」

「ふふふ、こちょこちょこちょ」
 沙都子はにやりと笑うと、両手の指を魅音の足の裏に突き立てて、くすぐり始めた。

「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!? だめぇぇぇぃやっっはっはっはっははっはっはっはがやぁぁ!!!」

 魅音はびくびくと体を痙攣させるように動かして笑う。

「こちょこちょ」
「こちょこちょ」

「いやぁぁあぁあひゃひゃはひゃひゃひゃ、二人ともやめてぇぇぇ~~っひゃっひゃっひゃっっひゃっひゃぁぁぁ~~!!!」

 オヤシロ様ののろいから逃れられる人間はいない。
 魅音が落ちるのも時間の問題であろう。
 雛見沢を襲う大災害はまだ始まったばかり。


(完)