「ゆーぎー」
「ん、なんだ萃香?」
「おしっこ」
「一人で行け!」

 酒の席で、萃香はぐでっと勇儀に体を預けてきた。

「ゆーぎー」
「だから一人で――って、酒臭っ! お前いくらなんでも飲み過ぎじゃないのか」
「んぁー?」

 萃香はとろんとした目を勇儀に向けた。
 顔は真っ赤で、見るからに酔っ払っている。

「ゆーぎー、おこなのー?」

 普段以上に舌っ足らずの萃香はこてっと首を傾げて勇儀の顔を見上げる。
「っ!?」
 勇儀はそのあどけない表情に一瞬ときめいてしまい、ぶんぶんと首を左右に振った。
「……べ、別に怒ってない! さっさと便所へ行け!」
 ぷいとそっぽを向いた勇儀に、ぷーっと頬を膨らませる萃香。
「ゆーぎおこー。おこ~んにゃぁ~」
 萃香はうにゃうにゃと言いながら勇儀の体にまとわりつく。
「だぁもう! 鬱陶しい!」
「おこ~んにゃぁ~」

 すると、萃香はべたべたと勇儀の体をまさぐりはじめた。

「んひゃっ!? こっ、こら萃香! どこ触って――うひゃぁ!?」

 萃香は両手を勇儀の服の裾から差し込んだ。
「わらえよゆーぎー」
 にへーっと笑いながら萃香はこちょこちょと勇儀のお腹をくすぐる。

「ひゃははははははははっ!!? こら萃香やめ、あぁぁ~~はははははははははは!!!」

 勇儀は萃香の肩を持って押しやる。
 しかし体格差があるとは言え萃香も鬼。
 萃香のしがみつく力は強く、たやすく引きはがすことはできない。

「ゆーぎわらえー、えへへー」

 萃香はわちゃわちゃとお腹に爪を立てる。

「あぁぁ~~っはっはっはっはっはっははやめろぉぉ~~すいかぁぁぁはははっはははははは!!!」

「ゆーぎのおへそー」

 萃香はくりくりと勇儀のおへそをほじくる。

「おほぉぉぉ~~ほひゃぁぁっはっはっは!!? ――と、あぁぁっ!!?」

 勇儀は萃香に押し倒され、仰向けに倒れ込んだ。
 その上に萃香が跨がり、足で勇儀の両腕を挟み混んで押さえつけてしまった。

「こ、こらっ! 萃香!?」
「へへー、ゆーぎ、つーかまーえたぁ」

 すっかり酔っ払って調子に乗った萃香は、体を反転させて、勇儀の足の裏をくすぐり始める。

「ぎゃはははははははっ!!? そこはやめぇぇあぁぁぁあっはっはっははっはっはっはっは!!!」

「うひひー、ゆーぎのよわいとこめーっけ」
 萃香はへらへら笑いながら、爪を立てて、ガリガリ勇儀の素足を掻きむしる。

「がひゃひゃひゃひゃひゃだぁぁぁっはっはっはっはっはやめろぉぉ~~はははははははこらぁぁぁ!!!」

 腕を体側につけたまま身動きが取れない勇儀は、首だけをぶんぶん左右に振って笑う。

「だぁぁぁははははははやめっ!! やめぇぇっ……やめろってぇぇぇぇ!!」

「はわぁぁ~~?」

 とうとう切れた勇儀は力任せに萃香を押しのける。
 とぼけた声を上げて尻餅をついた萃香の足首を掴み上げ、今度は勇儀が萃香の素足の足の裏をくすぐりはじめた。

「あ――きゃはははははははははっ!!!? にゃぁぁぁっはっはっはっはっははやぁあぁゆうぎぃぃっひっひっひっひっひやめてぇぇえぇ~~っはっはっは!!!」

 いきなり足の裏を激しくくすぐられ、たまらず甲高い声を上げる萃香。

「お返しだ! 酔っ払いは結構だが、限度はわきまえろ!」

「にゃぁあぁっはっはっはっっはっはっははっ!! ゆうぎぃぃぃひひひひひひひひ、ホントにだめぇぇぇひゃはははははははは!!!」

 笑って酔いが覚めたのか、激しく四肢を動かして暴れる萃香。

「あぁぁぁあゆうぎやめてぇぇぇひゃはあぁはははぁひひぃひひいはぁあぁぁああぁっぁぁぁ!!!」

 ぷしゃっ。
 勇儀は突然の音に驚き、手を止めた。
 萃香の股間が湿っていく。
「ふ、ふぇぇ~~、ゆーぎひどいよぉ……」
 そして、萃香はぽろぽろと涙を流し始めた。

「……あ、悪い」

 勇儀は萃香がトイレを我慢していたことをすっかり忘れていた。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 『東方地霊殿@上海アリス幻樂団』より、星熊勇儀さん、伊吹萃香さんです。
 とあるチャットルームで書いたもの。

 地霊殿初クリアはあやや装備でした。
 個人的な使いやすさ(クリア安定度)は、
 あやや>ぱっちぇ>アリス>ゆかり>スイカ>にとり
 でした。