「チルノ!」
「な、なゃっ!?」
 寺子屋の廊下にて、チルノは突然、後ろから慧音に声をかけられビクッと肩を震わせた。
「お前、なんで素足なんだ!?」
 慧音は怒りの形相でチルノをにらみつけた。
「……はへ?」
 チルノには何を怒られているのか、何を言われているのかもよく理解できなかった。
「なんで素足なんだ、と聞いている!」
 慧音は完全に怒りモードだ。
「……え、いや、暑いし……」
 慧音の般若のような顔に、チルノは声を小さくして答える。
「暑いだとっ!?」
 すると慧音は、チルノの腕を掴み上げた。
「きゃっ!? ちょ、何するのっ!?」
「来いっ! 貴様には指導が必要だ!」
 わけもわからず、チルノは資料室に連れて行かれた。

~~~

 数分後。

「きゃはははははははははっ!!! おねがっ……やめてぇぇ~~っはっはっはっはっは!!!」

 資料室の床の上。
 チルノは慧音に足首を掴まれ、こちょこちょと足の裏をくすぐられ、悲鳴を上げていた。

「素足で学校へ来るなど、非常識だと思わんのか!」

 慧音は鬼のように目を吊り上げて、カリカリと爪でチルノの土踏まずを引っ掻いている。

「やっはっはっはっははっ!!! 非常識ってぇぇぇひゃはははははは、非常識って何よぉぉ~~やぁぁははははははははは!!!」

 チルノは顔を真っ赤にして、ジタバタと両手を動かしてもがく。
 暴れたチルノは、思わず片足で慧音の顔を蹴ってしまう。

「なんだ! その反抗的な態度は!」

 慧音はチルノの両足を片腕でがっちりと抱え込み、両足の裏を激しくくすぐり始めた。

「きゃあぁぁぁっはっはっははっはっっは!!? いやぁぁぁぁぁ事故ぉぉ~~ひゃひゃひゃ事故だからぁぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃぁぁ~~!!!」

 チルノはバンバンと床を両手で叩いて暴れる。
 慧音の五本の指がガシガシと激しくチルノの足の裏で踊り狂う。

「いやぁぁぁははっはっははっはははやだぁぁぁぁやめてぇぇぇぇ~~ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃぁあぁ!!!」

 涙を流して大笑いするチルノ。

「反省するか?」

「反省するぅぅぅ~~ひゃっひゃひゃっひゃひゃ!!! 反省するからあぁぁぁははははははあははは!!!」

 チルノは笑い続け、体がぽたぽたと溶け始めていた。
「何を反省したかちゃんと言え!」
 慧音は、謝り泣き叫ぶチルノの足の指にぐりぐりと指をねじこんだ。

「うひゃひゃひゃひゃぁあぁぁぁひゃぁぁぁぁ~~はでゃっ……ひっひっひっひっひ学校にぃぃ~~ひっひっひっひ裸足でってぇぇぇぇひゃははははは!!!」

「なんだ!? 笑いながらじゃわからん!」

 慧音は怒鳴り、さらに爪を立ててチルノの足の指の間をくすぐり立てる。

「あひゃひひひひひひひひひそんな無茶なぁぁああっははっはっはははあはぎゃぁぁぁあ~~~!!! ごめんにゃぁぁはっはっっはは、ごめんなさ……っ、あはははっははははは~~!!! はひゃひゃひゃ……――」

 チルノは大笑いしながら、溶けてしまった。 

「これで少しは反省しただろう」

 慧音はフンと鼻息を立てて、資料室を後にした。

~~~

「あ、チルノちゃんもやられたんだ。慧音先生のあれ、……きついよね」

 数時間後転生したチルノに大妖精が言うには、慧音は生徒に罰を与える際、くすぐり刑を科すことで有名らしい。

「ちっくしょ……覚えてろよ……」

 チルノはひそかに復讐を誓った。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 くすぐりたい東方キャラ投票でなにげに票数を稼いでいた氷の妖精さん。
 『東方紅魔郷@上海アリス幻樂団』より、チルノさんです。
 とあるチャットルームで書きました。

 紅魔郷初クリアはレザマリ装備でした。
 マスパで時間稼ぎのごり押しェ……。大玉が列になって飛んでくるのを、縁にそって右に避けるのがとても怖かった思い出。