くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

2015年02月

呪擽 ~鈴江2~

 翌朝、鈴江は普段よりも一時間近く早く登校した。
 卓也の下駄箱の前で深呼吸する。
 両手で握りしめた薄水色の封筒の中には、鈴江が一晩かけて書き綴った恋文が入っている。いわゆるラブレターである。
 鈴江は、勇気を振り絞り、そっと卓也の上履きの上に、封筒を置いた。
 ホッと一息ついてから、鈴江はボッと顔を紅潮させた。
(キャー、置いちゃった、置いちゃったぁ! も、もう後戻りできないからっ!! もう付き合うか、フラれるかしかないからぁ!!!)
 妙にテンションが上がってきて、鈴江は心の中で普段のキャラとは似つかわしくない黄色い歓声を上げながら、その場で地団駄を踏む。
(ああ、私! 私はどうしてこんなに後背君のことが好きなんだろう!)
 端から見ればものすごく変な子に映るだろうが、早朝のため人目を気にすることもない。

 顔を押さえて、しばらく腰を振っていた鈴江は、ふと、違和感に気づいた。

「え?」 

 顔を上げた鈴江は素っ頓狂な声を出した。
 目の前の光景が変わっていた。
 教室の中だった。それも、鈴江の通う学校の教室ではなかった。
 窓から夕日が差していた。
 たった今まで、朝だったのに。
 鈴江は自分の体を見回した。
 特に変わった様子はない。高校の夏服であるセーラー服に、白ハイソックス、上履きを身につけており、通学鞄とスポーツバッグは、肩にかかったままである。
 状況が飲み込めない。
 鈴江は教室内を見回している途中で、突然悪寒がして振り返った。
 一秒前まで誰もいなかった場所に、少女が立っていた。
 顔は、夕日の逆光でわからなかった。ぼさぼさの髪の毛はセミロングだった。
 半袖のポロシャツの上に、灰色のサマーベストを着ている。よく見ると、シャツのボタンはちぎれ、ベストは穴が開いたり破れたりしていた。プリーツスカートはホックが壊れているらしくずり下がって見えた。足元は、上履きも靴下も履いておらず素足だった。
「そ、その制服……」
 鈴江は少女の着た制服に見覚えがあった。
「もしかして……かの子、さん?」
 少女は何の反応も示さなかった。
 鈴江はぞくっと背筋が寒くなって、駆けだした。
 が、扉の方へ振り向くと、そこにも、まったく同じ少女が立っていた。
「ひっ!?」
 鈴江は驚いて後ろを向いた。
 真後ろにも、まったく同じ少女がいた。
 少女がゆっくりと、鈴江の方へ近づいてきた。
 ふと見ると、真横からも、まったく同じ少女が近づいてきていた。
 視線を動かすたびに、少女が増えていく。
 気づくと、鈴江は、見た目が全く同じ六人の少女に取り囲まれていた。
 鈴江は、恐怖に膝が震えた。
「や、……やめてよっ!」
 鈴江はバッグを振り回し、その場から逃げようとする。
 が、鈴江は手首をつかまれた。
 おそろしいほど力が強かった。
「きゃっ!?」
 鈴江は、少女達に押し倒された。
 なすすべなく、両腕、両脚に一人ずつ四人の少女に乗られ、仰向け大の字に床に押さえつけられてしまう。
 一人の少女が鈴江の腰に馬乗りになった。
「きゃっ、ちょ、おねがぃ、やめ――、いやぁああああああああああああっ!!!!」
 鈴江は少女の顔を見て、悲鳴を上げた。
 少女には、目や鼻や口などはあったが、顔がなかった。

「ひひひひっひひっはひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁあぁ!!!!」
 鈴江は、いつの間にか、訳もわからず笑っていた。
 首を左右にぶんぶんと振り回し、開きっぱなしの口からはよだれが垂れ、鼻水が噴出し、涙が止めどなく流れ出る。
 腕に乗った二人が腋の下を、腰に乗った一人がアバラからお腹を、脚に乗った二人が足の裏を、開脚した股の間に陣取った一人が内股から太ももをくすぐっていた。
「きやぁあぁぁっひゃっひゃっひゃっひゃぃぃぃいいい嫌あぁぁぁあっはっはっははっはっっはは!!!!」
 鈴江には、自分がなぜこんな目に遭うのかわからなかった。
 状況が全く飲み込めないまま長時間激しく笑わされ続けた鈴江は、混乱のために頭がおかしくなりそうだった。
「おにゃがいぃぃいひいひひひひひひひひひっ!!! やめてぇえぇぇひゃっはっはっはははははははは!!!」
 少女の指が腋の下に食い込んでいくる。
 袖から侵入してきた細い指は、冷たく、少し素肌に触れるだけで鈴江の体を震えさせた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!? やぁあぁぁぁ~~はははははははあははだひぇぇええっへっはっはっはは!!!」
 セーラー服の裾はめくられ、おへそを指でほじくられる。
「おひゃぁあぁははっははははっ!!! ああぁははっはっははっはは!!!」
 両足とも上履きとソックスは脱がされ、素足の足の裏をひっかくようにくすぐられる。
「だぁぁあっはっははっっはははっは!!! 息があぁぁははっはははははっ!!! いきがぁあぁぁぁっひゃははっはっはっはっははっは!!!!」
 少女達の力は強く、鈴江の体は大の字からびくとも動かない。
 わずかに与えられた自由な部位、首から上、手首から先、足首から先だけが激しく暴れ続ける。
「あぎゃぁあぁあはっはははははは!!!! だめぇえぇぇぇひひひひひひひひひひひひ~~!!!?」
 数分ほど擽られ続け、鈴江は勢いよく失禁した。
 プシャと音がして、見る見るスカートの中が湿っていく。
 床に水たまりができても、少女達の指の勢いはいっこうにおさまらなかった。


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 晒そう企画の『ストーカー』を原作に、ホラー要素を含めてリメイクしました。
 ジャパニーズホラーのノリって、案外私の嗜好の原点かもしれないと、書いていて思いました。

呪擽 ~鈴江~

 とある高校の学生食堂。
 小柄なショートボブのおとなしそうな女子生徒が、ポニーテールのやや険のある目つきをした女子生徒に、相談を持ちかけていた。夏服に移行したばかりで、二人とも半袖のセーラー服を着ている。
「やめた方がいいんじゃない?」
 話を聞き終えた浅井すみれ(あさい すみれ)は言った。
「……どうして?」
 相談者である小山鈴江(こやま すずえ)は、表情を曇らせた。
「そっか……鈴江ちゃん。転校してきたばかりだから、知らないんだ……」
 すみれは、神妙な面持ちで言う。
「どういうこと?」
 すみれの意味深な言い方に鈴江は首をかしげた。
 転校してきて一ヶ月あまり、鈴江に好きな人ができた。
 相手は同じ二年三組の男子生徒、後背卓也(うしろせ たくや)。男気はないが純朴で優しい青年である。
 鈴江は想いを伝えようかどうか、彼と同じ中学出身のすみれに相談したのであった。
「もしかして、もう誰かと……」
「ううん。誰ともつきあってない。でも、ちょっと後背君、訳ありなんだよね」
「訳あり?」
「そう……」

 すみれが言うには、中学時代、後背卓也はその人柄の良さのためにかなりモテたらしく、親衛隊なるものが結成されるほどだった。
 卓也の彼女になるためには、まず親衛隊の六人に認められなければならなかった。
 反町かの子(そりまち かのこ)という女子生徒がいた。
 セミロングの髪の毛はまったく手入れされておらず、いつもぼさぼさで、暗く無口な少女だった。友達もいなかった。
 そんな彼女が、ある日、卓也に告白した。学年中が驚いた。
 卓也は断った。その当時、別の彼女がいたからだ。
 親衛隊も認めなかった。かの子は卓也に釣り合わないと判断されたからだ。
 その翌週、かの子は、同じように、卓也に告白した。
 卓也が何度振っても、かの子は毎週卓也に告白した。
 親衛隊のメンバーが注意しても、かの子はとぼけた仕草でその場をはぐらかし、毎週の告白をやめなかった。
 さすがの卓也も毎週丁寧に告白を断ることに疲れてしまったのか、日ごとに元気がなくなっていった。
 交際中だった女子生徒も、卓也との関係に距離を置くようになった。
 親衛隊の矛先は、かの子に向かった。
 親衛隊メンバーは、かの子を「ストーカーだ」とののしり、否定する彼女をひとり放課後の教室に呼び出し、リンチして、死なせた。

「し、死んじゃったの!?」
 そこまですみれの話を黙って聞いていた鈴江が声を上げた。
「うん」
 すみれは頷く。
「ひどい……。かの子さんもかの子さんだけど、何も殺すことなんて……」
「親衛隊の六人の話では、殺すつもりはなかった。というか、あんなことで死ぬなんて思わなかったんだって」
「あんなこと?」
 すみれは少しだけ言いにくそうに目を泳がせてから、
「くすぐったんだって」
「ええ!?」
「くすぐり責め? ていうのかな。六人で押さえつけて、かの子をくすぐったらしいよ」
 鈴江は眉をひそめた。
「……そんなことで、死んじゃうの?」
「私も見てないからわからないけど、親衛隊の子達、たぶん話を小さくしてると思う。無自覚のストーカーへの制裁って大義名分だけど、普段暗くて誰とも全然喋らない子が大笑いする姿って、鈴江ちゃんどう? こんなこと言ったら不謹慎だけど、テンション上がっちゃうんじゃないかな。それで、たぶん、かの子、相当きつくくすぐられたんだと思う。で、笑い発作起こして心臓麻痺。もともと体も弱かったらしいしね」
 鈴江はぞっとした。
(六人によってたかってくすぐられるのって、どんなだろう……)
「それと病気……」
 すみれは小さくつぶやき、口を閉じた。
「病気っ?」
 鈴江は思わず聞き返してしまった。
 すみれはばつの悪そうな顔をした。
 鈴江は「しまった」と思った。
 うっかり口が滑ったすみれに、催促してしまった。
「あとでわかったことなんだけど……」
 と、すみれは続ける。
「かの子、小さい頃から脳に病気があったらしくて、……その、記憶障害で、……好きになった人のこと、数日で忘れちゃう病気だったんだって」
「え……、それじゃぁ……」
 鈴江は背筋が寒くなった。
「かの子、毎週毎週本気でただ純粋に恋して、毎週毎週勇気を奮い立たせて告白して、振られ続けてたんだよね……」
 鈴江はいたたまれない気持ちになった。
「……かの子さん。誰にも理解されないまま、ストーカー呼ばわりされて、殺されたってこと?」
「そうなるね」
「……かわいそう」
 鈴江は思わず涙ぐむ。
「でも、問題はここからなんだ」
「え?」
 すみれの言葉に鈴江は目を見開いた。

 かの子が死んだ数日後、突然、卓也と交際中だった女子生徒が死亡した。
 死因は心不全。
 発見場所が鍵のかかった自室だったことから病死とされたが、彼女は生前いたって健康だった。
 発見された死体の顔は苦悶にゆがみ、まるで笑っているようだったという。
 彼女の死を皮切りに、卓也の親衛隊メンバーが次々と失踪していった。
 失踪したメンバーのうち、二人は死体で発見された。
 死因は心不全。
 その死に顔は、苦しそうに笑っていたという。
 学校では瞬く間に『かの子の呪い』の噂が広まった。

「かの子の呪いっ!?」 
 鈴江は思わず大声を上げてしまった。
「ちょ、鈴江ちゃん、声大きい」
「あ……ごめん」
 周囲の視線を集め、鈴江は顔を赤くした。
「心臓麻痺って、ほら、……なんか本当に呪いみたいじゃない? かの子の死に様が死に様だけに、ひどい噂だよね」
「えっと……それは、死んだかの子さんが自分を殺した人間に復讐してるっていうそんな話?」
 鈴江が聞くと、すみれは首を左右に振った。
「ううん。違うよ。最初に死んだ後背君の彼女さんは、かの子の死に関係ないし、恨まれる筋合いもなかった。むしろかの子のこと心配して後背君と距離置いたくらいだから、親衛隊が先走ったことしなかったら、ちゃんと話し合ってかの子の理解者になれたかもしれない。親衛隊がかの子をストーカー呼ばわりするの、とめようとしてたくらいだし」
「……そんな彼女さんだったんだ」
 鈴江は、漠然と抱いていた卓也の元カノ像を修正した。てっきり嫉妬深い傲慢女かと思っていた。
「かの子は後背君に強い恋心を抱いたままくすぐられて笑いながら死んでいった。だから、その呪いで、後背君に好意を寄せる人間が笑いながら死んでいくって話」
「え」
 鈴江は絶句した。
「そういう噂があるから、鈴江ちゃん、後背君はやめた方がいいと思うよ」
 そう言って席を立とうとしたすみれを、鈴江は慌てて引き留めた。
「ちょ、浅井さんちょっと待って!」
「何?」
「どこまでが噂で、どこまでが本当なの?」
 鈴江の質問に、すみれは固まった。
「どうしたの?」
「……あ、いや」
 すみれは首を振って、
「かの子が死んだっていうのと、後背君に好意を寄せていた人が死んだりいなくなったりしたのが事実。かの子がくすぐられて死んだって言うのは、又聞きだから、……噂かな。死因も、……公表はされてないから噂になっちゃうんだよね。死に顔が笑ってたっていうのも、実際誰が見たってわけじゃないから噂」
 鈴江は、少しホッとした。
(なんだ……ほとんど作り話なんだ……)
「鈴江ちゃん。やめた方がいいって、忠告だけはしておくから」
「うん?」
 すみれは一瞬何か言いかけたように口を開くが、すぐに踵を返して立ち去った。

 その晩、鈴江は悩んだ末に、卓也に告白することに決めた。
 すみれの言っていた『かの子の呪い』が気になったものの、このまま告白せずに卒業してしまうと、後悔してしまう気がした。
 ……好きな人は呪われています。告白しますか? しませんか?
 いったん決心してしまうと、実にばかげた問題で悩んでいたものだと思う。
 鈴江は自室の机に向かい、自分の正直な想いを、手紙にしたためた。


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 晒そう企画の『ストーカー』を原作に、ホラー要素を含めてリメイクしました。
 原作とキャラクターの性格はだいぶ変更。
 ジャパニーズホラーとくすぐりを一度混ぜてみたかった。

愚将か名将か

いつもの制服スパッツ姿の末原恭子(すえはらきょうこ)は
両腕を万歳、両足を肩幅に開いた状態でベッドの上に拘束されている。

「主将、これは一体?」
恭子が枕元の愛宕洋榎(あたごひろえ)に顔を向ける。
「インハイ終わってから恭子ずっと元気ないやん。皆心配しとんで?」
ぐっと恭子の顔を覗きこむ洋榎。
「……はい?」
「なんボケとんねん!」
恭子のとぼけた声に、洋榎が叱責する。
「昨日のミーティング! あれなんや? 船でも漕いどったんかいな? いっつもやったら、もっとしゃんしゃん仕切りぃのアホみたいな能書き散々垂れ回して、めっちゃうちらに指図してきとったやんか!」
「……その、私のアホみたいな能書きのせいで、インハイは――」
「じゃかぁしわっ!!」
洋榎が吼えた。
恭子は特に驚いた様子もなく、ただ黙った。
少しだけ気持ちの悪い間があって、洋榎はこほんと咳払いした。
「……ちゅーわけで今日は、恭子にちょっくらストレス発散してもらお思て」
「どういうわけですか……」

「恭子なぁ」
洋榎が恭子の身体の横に立ち、手をパンパンと叩く。
「最初。腋と腹、どっちがええか?」
「……は?」

両手をわきわきと動かす洋榎を見た恭子は、サーッと顔を青くさせた。
「あ、……しゅ、主将? ……ま、まさか」
「答えへんなら、うちの好きにすんで」
言うと洋榎は、両手三本ずつの指を、恭子の両腋の下に差込みこしょこしょと動かした。
「わわわっ!!? ちょっ、ちょっと!!! しゅ、……主将っ!? なっ! 何!? うくっ……!! なん……っ!! んくっ!」
洋榎の指が触れた瞬間びくんと恭子の身体が跳ねる。しかし、恭子は寸分のところで笑いを堪え、くねくねと身をよじった。
「なんや、恭子、腋強いんかいな。おもんないなー」
洋榎はニヤニヤしながら、少しだけ指の力を強めた。
「やややっ!!! ちょっぉっ! んくくくっ……なんで、こちょっ……!?? んくっ、うくくっ……! くぅぅんっ」
背中をよじよじ動かせながら悶える恭子だが、問題の腋を閉じることが出来ず、次第に口元が緩んでくる。
「ちょっ、もぅっ!!! ……ホンマにっ!! ふくくくっ……主将っ……やめっ……んくくふっ……あきまへんてっ!!」
「まだ耐えるんかいな。ほな、ちょっち強すんでー」
言うと洋榎は人差し指を、恭子の腋の下にぐいぐいと押し込む。
「うふぁぁぁっ!!!? ふくくくぅぅぅっ~~。やっ! やめっ……ってぇぇぇ~、な、なんでこそばかすんですかっ!!!?」
「さっき言うたやん! 恭子のストレス発散や言うてぇ」
「ふくくくくっ!! スぅ、……ストレスてぇぇ。んんっ!! んくくくくくくっ」
恭子は両膝をがくがく震わせ、腰を振りながら歯を食いしばる。
「そんな腰振ったらシーツが皺なるやん!」
「だはっ……くぅぅぅ!!! 主将の、せいですやん……んふ、くくくくくくく」

「ほな、そろそろゲスト登場してもらおか」
「んくっ……げ、ゲスト?」
「入りぃ」
恭子が洋榎のくすぐりに耐えながら目を扉にやると、おそるおそるな足取りでちっこい少女が入ってきた。
「んくっ!!? す、漫ちゃんっ!?」
「お、おはようございます。末原先輩」
上重漫(うえしげすず)が、ぺこりとお辞儀をする。
「うくくくっ……おはようあるか! んふふっ……って、漫ちゃん? そないなとこで……なっ!!? 何さらしてんねん!?」
漫は恭子の足下に直行すると、恭子の両足から白いローファーを脱がしたのだった。
「す、漫ちゃん……んくくくっ、あかんで? くくくく……なんのつもりか知らんけど」
「え、えっと……」
漫はチラリと洋榎の顔を見やる。洋榎はグッと親指を立てた。こくんと頷く漫。
「末原先輩……」
「んふっっ!!? す、漫ちゃん? わわ、わかってんな? んふぅぅぅ……。ちょちょちょ、ちょい待ちぃなっ!! デコに――」
「失礼します!」
漫は一言叫ぶと、恭子の薄桃色のアンクレットソックスを履いた両足の裏を計十本の指でこしゅこしゅくすぐり始めた。

「ふぁわっ!!? ……ちぷ、……ぷはっ!!! ぅはははははははははははっ!!!」
恭子がついに吹き出す。
「なんや、恭子。ウチよりもスズの方が好きっちゅーことか!」
洋榎は言いながら、十本の指を恭子の腋の下から側胸にかけてぐりぐりと這わせた。
「うわぁははははははっ! 主将っ!!! それあかんっ!!! あきまへんてぇぇ!!! うひひひひひひひひひひっ!!!」
恭子は首を左右上下に振り回す。
「大好きなスズにこちょばされておもろいかー?」
「おもんないおもんないおもんないっ!!!! あははははははっ!!! 好きってぇぇ!? うはははは、そん、そんなんっ!! なんのこっちゃぁぁーっはっはっはっはっはっはっは~~っ!」
「あれやん、こちょばしって全然知らんもん同士やったら効かん言うで? こちょばされて笑うんは、信頼関係の表れやってなんかの番組で見たわ。ちゅーことは、ウチよりも漫の方が、恭子に信頼されとるゆーことやん!」
「す、末原先輩……」
洋榎の言葉を聞いた漫が少しだけ顔を赤らめ下を向く。
「ちゃははっははははははっ!! ちゃうねんてぇっ!! すっ……漫ちゃんがいきなり強するからやぁぁぁぁっはっはっはっはっはっは~~~!!!」

「うっわっ!! 否定しよった! ほな、スズのことは信頼してへんちゅうことか?」
「あははははははははっ!!! 揚げ足っ!! それっ、揚げ足ですやんっ!!! うははははははははははは~~っ!」
「なぁ~、そんなんスズがかわいそうやんなぁ、スズなぁ?」
洋榎が漫を見ると、漫は少し複雑そうな表情で頬をふくらませていた。
恭子も苦しそうに足下の漫に顔を向ける。
「うははははははっ……すぅぅ、漫ちゃん!!? わひひひひっ、わかってんねやろ!? こそばいて笑うん当たり前っ……って、ちょちょっ!!!? 待ちぃぃって!!!」
漫は恭子の顔を無言で見つめながら、恭子の左足からアンクレットソックスを脱がした。
「すっ!!! 漫ちゃん!!! ひひひひひ……早まったらあかんて!! な? ……」
「ほれ見てみぃ! スズが手止めたら、あんま笑わんなったやん!!」
洋榎は恭子の脇腹をさわさわと優しく撫でていた。
「うはぁっ……そ、それは、主将が手ぇ弱してはるからでぇ……んふふふふ」
「こりゃぁ素直になれへん『末原先輩』にお仕置きしてやらななぁ? スズー?」
「ちょぉぉっ、主将!!! ひひひ、火ぃに油注がんでっ……ひゃぁぁっ!!!? す、漫ちゃっ――」
恭子の言葉を無視して、漫は恭子の左足の甲と裏を、両手で挟みこむように十本の指でくすぐった。
「おゎぁぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっは~~~!!! 直はあかんっ!!! 直はあかんてぇぇぇ~っはっはっはっはっはっは~~っ!」
恭子の素足がくねっくねっとよじれる。
「……す、末原先輩。あ、足の指がめっちゃ動いてはりますよ?」
「ひははは、そんな報告いらんわぁぁ!!! あっはっはっはっは!!! 漫ちゃんやめぇぇぇへひひひひひひひひひ!!!」

「ウチも負けへんでー」
洋榎は恭子の脇腹に指をぐにっと突き立てて、ぐりぐりとうごめかした。
「うゎぁぁぁぁあっはっははっはっはっは~~!!? 主将っ!? いきなり強くぅぅぅうァあっはっははははははははははははっ!!!」
漫は一心不乱に十本の指を恭子の足の裏で踊らせ続けている。
「うはははっ、ひ~~っはっはっはっはっはっはっ!!!! ホンマにっ! 二人ともいい加減にぃぃぃっはっはっはっはっはっはっは~~っ!!」

数十分間、恭子はくすぐられ笑わされ続けた。
それが恭子のストレス発散の役にたったのかは不明だが、以前のようにめちゃくちゃ恭子に怒られた洋榎と漫は、正座をして下を向いたまま満足気に微笑んでいた。ニヤニヤしているのが見つかって、余計に怒られた。


(完)

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