くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

2015年11月

ちゃんとパンツ穿いてるか?

「佐天さんはちゃんとパンツを穿いているようですね」
「初春はときどき穿いてない癖に」
「毎日穿いてますよ!」

 初春は、いつもスカートめくりをしたりからかったりしてくる佐天に復讐しようとしていた。本来は腹黒キャラであるはずの初春が、アニメ版オリジナルキャラである佐天のせいで、ただの天然いじられキャラのようになり定着してしまったのだ。
 部屋に連れ込み、ベッドにIの字拘束をするまではよかったが、やはりアニメ版で定着してしまった関係は変わらず、口では負けてしまう。

「……や、今日という今日は佐天さん、許しませんからね!」

 初春は宣言する。が、佐天は余裕の笑みを崩さない。

「ふぅん? 初春が私に何ができるのかなー?」
「こうできるんです!」

 初春はムキになって叫ぶと、佐天のセーラー服の裾をぺろんとめくりあげた。

「おっ?」

 初春は露わになった佐天のお腹をなでなでと指先でくすぐり始めた。

「ひゃっ、んふっ!!? あはっ、なっ、なはははははっ!? 何っ、何するのっ、あはははははは!!」

 佐天は突然の刺激に戸惑い、体をよじって悶えた。

「私、これでも佐天さんの友達ですから。暴力は振るえません。それで、傷つけずに罰を与える手段を思いついたんです」

「だはっ!? だからってっ! やはは、くすぐりはぁぁあ~~!!」

 佐天は首を左右に振りながら笑いをかみ殺す。

「佐天さん。お腹ぷるぷるしてますよ? 本当はすごく敏感なんじゃないですか?」

 言いながら、初春は爪を立て、こそこそとヘソ周りを優しくこそぐ。

「ふひひひひひひひっ!! やっ、……初春やめ――んはぅっ!?」

 佐天は悲鳴とともに言葉を切った。

「へぇ、佐天さん、ここが弱いんですかぁ」

 佐天は口をぱくぱくとさせて首を小刻みに振った。
 初春の指は、佐天のヘソの穴にすっぽりとはまっていた。

「ちょっと動かして見ましょうか~」

「あぁぁあああぁあっ!! やめやめっ!! 初春やめぇえ~~」

 初春がほんの少し、指の第一関節を動かすだけで、佐天は激しく身もだえた。

「やめて欲しいですか? 佐天さん?」

 初春は言いながら、再び指の動きを抑えた。
 佐天は「ひっ」「ひっ」と嗚咽のような声を漏らしながら首を縦に振った。

 初春はにっこりと笑い、
「駄目ですよ」

 くりくりくりくり。

「あがぁぁああああああひひひひひっひひひひひひひひっ!!! ふひぃぃぃ~~ひっひひなぁあぁあああああああ!!!」

 初春はへそにつっこんだ指を動かしながら、片手で佐天の脇腹を揉みほぐした。

「ひゃはははははははははっ!!! 初春だめぇえぇ~~~~だめだってぇぇえうひひひひひひひひひひひっひひひひひひ!!!」

 佐天は体を上下に揺らしながら絶叫した。

「両手両足をまっすぐに伸ばされているので、ぴんと引っ張られたお腹がくすぐりやすくて助かりますよ。なーでなーで」

「あひゃははははははははは嫌ぁぁあぁあああやみてぇぇええうひひひひひひひひひひひひひひ!!」

 初春は指先でなでるようにくすぐったり、爪で弾いたりしながら、佐天のお腹をいじり倒した。
 数分ほど経って、初春は佐天の靴下を脱がしにかかった。

「……げほっ、うひぃ……う、う、初春ぅぅ、も、もう、終わりじゃ、ないの?」

 くすぐられ続けたために、佐天は涙目になっている。

「なんであの程度で終わりなんですか。だらしがないですよ佐天さん」

 初春はすぽっと佐天の靴下を両足から脱がし取った。
 きゅっと佐天の足の指が縮こまる。

「条件反射って奴ですかねぇ? そんなに指を丸めても、大事な足の裏は全然守れてませんよぉ?」

「ひ、……ひぃぃ」

 佐天は初春の笑顔に恐怖した。

「そんなに怯えた顔しないでください、佐天さん。ほ~ら、土踏まずですよ~?」

「ひゃひひひひひひひひひひっ!!! げほっ……ぶひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!! ややっ、休ませて!! お願い休ませてゃっはっはっはっはっはっははふひぃぃいぃいぃい!!!」

 初春は人差し指を立てて、カリカリと佐天の素足の足の裏をほじくる。

「ひぃぃぃ~~っひっひっひっひっひっひ!!! やめぇぇえええ!! ういはりゅぅぅうううううっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!」

「だから、足の指をそんなに動かしたところで、どこも守れませんって。佐天さん。悪あがきがお好きなんですか?」

 言いながら、初春は指を二本、三本と増やし、佐天の足の裏にできた皺を引き伸ばすようにくすぐる。

「はひっはひあはっひっはひっひっひっひっ!!!? ふひぃぃぃひひひひひっひそんあっ!!! そんなこと言われもあひぃぃぃぃぃ~~ひっひっひひひっひっひっひ!!! くすぐったいいっぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!!!」

 佐天は顔を真っ赤にして笑い悶えた。汗ばんだ体がびくんびくんと踊り狂う。
 ぎちぎちと拘束した縄が音を立てる。

「だひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!! 初春ぅぅうううひひひひひひひひひひホントにやめぇぇええひひひひひひひひ――」

 佐天は、初春の後ろ姿を見て気付いた。
 背中を向けて中腰になった初春のスカートの中。

「ひゃぁぁああ~~~っはっはっはっはっはっ!!! ううぅぅいぃぃいはるぅぅぅぅぅちゃんとパンツ穿いてないぃぃぃいひひひひひひっひっひっひひっひっひっひ!!!?」

 大声でそんなことを言った佐天は、余計に二時間程度、初春にくすぐられ続けた。


(完)


集団的くすぐり親衛

「それ、ホント?」
 F高校2年1組の教室にて、大石香織(おおいし かおり)が声を荒らげた。
「ホントホント。間違いないよ。3組の進藤沙也佳(しんどう さやか)がコモリくんと一緒に帰っているの見たって子がいるんだから」
 答えるのは香織と同じクラスの八坂蓮華(やさか れんか)。
 香織と蓮華はともに、学年1のイケメンといわれるコモリくんの親衛隊を結成していた。
 コモリくんに近づく女子は絶対に許さない。
 そんなメンバーが20人程度。シフト交替でコモリくんを朝から晩までストーキングしているのだ。
「進藤……沙也佳……っ!」
「今月、付き合いたい女子ランク一位。かわいくて頭も良くて、人当たりも良い。悔しいけどコモリくんとお似合い?」
「絶対に許さない……!」
「おーこわいこわい」
 香織は熱狂的なコモリファンだった。
 香織と蓮華はさっそく3組の進藤沙也佳の元へ、事実確認へ向かった。

「えっ! ……付き合ってない、よ?」
 沙也佳の反応はどうも怪しい。
 小首を傾げながら、目が泳いでいた。
 しかし、何度聞いても「付き合ってない」の一点張りだった。

 放課後。
「絶対怪しい!」
「まぁまぁ、本人が付き合ってないっていってるんだし」
 香織と蓮華は、部活帰りのコモリくんをストーキングしながら話していた。
「どうやって吐かせよう……」
「吐かせてどうするの?」
「別れさせる」
「どうやって」
「わからん」
「……あ、そ」
 まったく建設的でない会話をするうちに、前方のコモリくんが自宅に到着した。
 すると、
「え!?」
「マジ!?」
 玄関から沙也佳が出てきた。私服だ。出迎えだ。
 コモリくんと沙也佳は楽しそうに何かことばを交わしている。
「……やっぱり、付き合ってんじゃん」
 コモリくんが軽く指で沙也佳をつついてじゃれる。沙也佳がくすぐったそうに身をよじってはにかむ。女性でもきゅんとなるほど笑顔が可愛らしかった。
 楽しそうなふたりの様子を眺めながら、香織は爪を噛んだ。


 学校の授業が終わり、沙也佳が帰ろうと下駄箱で靴を履き替えていると、知らない女子生徒に声を掛けられた。
「3組の進藤さんですよね。今日生徒会に提出して頂いたプリントに不備があったので、生徒会室まで一緒にきていただけますか?」
「えっ! ごめんなさい。……あの、……明日じゃダメですか?」
「すぐ終わりますので」
 沙也佳は早く帰りたかった。
 今日は彼の誕生日なのだ。帰りに食料も買って帰らないといけないし……。
「お願いします」
 強く言われると断れなかった。
 沙也佳はしぶしぶ生徒会室へ向かう。
 不備ってなんだろう……?

 沙也佳は生徒会室の前まで来たところで、突然現れた複数の女子生徒に囲まれ、無理矢理隣の空き教室に連れ込まれた。
「や、やだ! 何するんですか!?」
 女子生徒が20名ほどいた。
 沙也佳は床に押し倒され、両手両足を揃えて押さえつけられ、Iの字に体を引き伸ばされていた。
「進藤さん? コモリくんと付き合ってるんでしょ?」
「え……」
 聞き覚えのある声に顔を傾けると、昨日教室で同じ質問を投げかけてきた、大石香織と八坂蓮華の姿があった。
「大石さん? 八坂さん? いったい私になんの恨みがあって……」
 沙也佳の声が震える。
「コモリくんと付き合ってるの? 付き合ってないの? はっきりしなさい!」
「だ、だから付き合ってないっていってるじゃない!」
 しつこく聞かれ、沙也佳はつい語気を強めた。
「ずいぶん反抗的ね。じゃあ無理矢理にでも吐かせるしかないわね」
 そういって香織が沙也佳の足元にしゃがみこんだ。
 沙也佳は何をされるのかわからず不安に駆られる。
「……な、えっ!? なに!?」
 沙也佳は突然上履きを脱がされた。
 ついで、紺色のハイソックスもスルスルと脱がされていく。
「ちょ、ちょっとやめて!」
 足をよじって抵抗するが無駄だった。
 両足とも素足にされ、沙也佳は少し恥ずかしかった。
「なんでこんなこ――んぁっ!!?」
 と、突然足の裏に刺激があった。
 香織は人差し指で、くりくりと沙也佳の足の裏をくすぐっているようだった。
「やははっ……ちょっ! 大石さん!? やだっ、なにっ!? やめてひぃっ、ひ」
「コモリくんと付き合ってるんでしょ? 正直にいったらやめてあげるわよ」 
「そっ、そんな……! ひひぃぃっ!」
 だからってなんでくすぐるのか!
 沙也佳にはわけがわからなかった。
「だからぁ! あひぃ……なんどもっ! いってるのにぃ!」
「そんな態度とるなら仕方ないわね。みんなもやっちゃって」
 香織がいうと、周囲の女子たちが沙也佳に手を伸ばしてきた。
「えっ!? やっ、ちょっやめ――」
 数十本の指が一斉に沙也佳の体を襲う。
 沙也佳は耐えられなかった。
「やっ――あはははははははははははっ!!? やだぁあぁっはっはっはっはっはっは!!! やめてえええええぇぇ!! やめてったらぁあぁっはっはっはっはっは~~!!!」
 素足にされた両足の裏、脇腹、お腹、腋の下と這い回る指。
「正直にいいなさい」
「あぁぁっははっはっはっはっははやめてぇぇ~~~!!」
 沙也佳はくすぐったすぎて何も考えられなかった。
「なかなか吐かないね」
 誰かの声。
「弱点を重点的に責めればいいんじゃない」
 また誰かがいう。
「それじゃあみんな、いったんやめ!」
 香織の声で、くすぐる指が止まった。
「ひっ……ひぃ、げほっ、げほっ」
 沙也佳は激しく咳き込む。窒息するかと思った。
「進藤さん、どこが一番くすぐったいの?」
「は……、えっ……、そ、そんなの、教えられるわけ……」
 と、いいかけた矢先、突然足の裏がくすぐられた。
「やはははははははははっ!!? なぁぁぁあっはっはっはもうやだぁぁ!! やだぁぁあっはっはっははっははっは!!」
 爪でガリガリと掻きむしられるのはたまらなくくすぐったい。我慢などできなかった。
「だったら一カ所ずつ確かめるしかないわね」
 香織の声が残酷に響く。
「いやぁぁあっはっはっはっはっはっはやめてぇぇぇぇははははははははははは!!!」
「足の裏はまずまずね」
 続いて腰。腰骨をいじられ、くりくりとツボを探るようにくすぐられる。
「あはははははははははははっ!! ひぃぃっひっひっひっひっひっひあぁぁ~~!!!」
「腰も弱い。この子、全身弱いんじゃないの?」
 脇腹はさらにきつかった。
「あひゃひひひひひっひひひいあひっ! ひぃぃっひっひっひっひ!!? ひゃはははははははははははやめっそこはホントむりぃぃぃぃひひひははははははははははは~~!!!」
 指を脇腹にねじこまれ、ぐりぐりとえぐるようにくすぐられると、本気で息が止まりそうなほどくすぐったかった。
「脇腹弱いんだ。へぇ。じゃあ最後、腋の下やってみて」
「お願い! そこはダメ!」
 確かめなくても、腋の下は弱いに決まっている。
 沙也佳は必死に懇願した。
 しかし、周囲の女子たちが無慈悲に指を突き立ててきた。
「うぎゃははははははははっ!! ひえぇえ~~~ひゃっはっはっはっははっはっはっはだひゃぁぁあああ~~!!」
 沙也佳は涙を流して大笑いした。
 それから、脇腹や腋の下といった弱点は特に重点的にくすぐられた。
「やぁぁああひゃはははははははははは!!! ふげぇぇぇえひゃははははは! わがぁだあぁああああつきあっでるぅうううううう!!! 付き合ってるからゆるじでぇぇえ~~ひゃっはっはっはっはっは!!!」
 沙也佳はくすぐったさに耐えきれず、とうとういってしまった。
 しかし、くすぐる指は一向に止まらなかった。
「別れるって約束するまで許さない」
「そんなぁあぁあひゃははははははははははは!!? やう゛ぇぇでぇえぇえ~~っはっはっはっはっはっはっはっははっはっはっはぎゃぁあ~~!!!」

 その後、結局沙也佳は失神するまでくすぐられた。
 彼女と彼の本当の関係は、誰にもわからない。


(完)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 下記のリクエスト作品です。

> 【ジャンル】オリジナル
> 【くすぐられキャラ】本人に自覚がないが学年No. 1にモテる女子高生A
> だれにでも愛想が良い
> 【あらすじ】
> くすぐられ役のAがある日の学校の帰りに学年1のイケメンBと一緒に帰る姿が目撃される。
> その噂が同じ学校の女子達20人程で結成されているB君親衛隊の耳に入り、嫉妬されることに。
> どのようにAに自白、復讐するか考える女子グループは、ある日B君に軽くくすぐられて、いちゃつくAを見て猛烈な嫉妬、そしてくすぐり尋問にて問いただすことを決める。。
> まんまと親衛隊達に呼び出され徹底的にくすぐられるAだったが、もちろん簡単には自白せず、強気に反論、反発。 それに余計イラついた女子達はAの弱点である脇腹、脇の下を総攻撃し、自白させ、さらなるくすぐり拷問を浴びせることに。。
> 【足裏の他に責めて欲しい部分】わき腹、脇の下

擽報復

 北村悠月(きたむら ゆづき)はため息をついた。
「この辺、ホント、治安悪いな……」
 学校の帰り道、裏路地でセーラー服を着たおさげの女の子が学ランを着た男四人に囲まれているのを見かけたのだ。
 女の子は中学生ぐらい、男どもは高校生に見えた。
 女の子は明らかに困った様子。
 男の言動から察するに、金銭を要求されているようだ。
 見なかったことにしようか……。
 そんな矢先、女の子と目が合った。潤んだ瞳で、必死に助けを求めているように見えた。
 悠月はうんざりしながら通学鞄をその場におき、男どもに声を掛ける。
「ちょっと、やめたら? その子、嫌がってる」
「あぁん?」
 男の一人が振り向き、顎を45度程度傾けながらガン飛ばしてきた。たいへんわかりやすく悪ぶっている。
「なんだぁ、このあまぁ!」
「でしゃばんじゃねぇ!」
「やってやろうかぁ!?」
 他の男どもも便乗してきた。
(めんどくさ……)
 悠月は再度ため息をついて、
「一応正当防衛にしたいから、そっちから殴ってきてくれない?」
「なんだとこら、なめんじゃねぇ!」
 男の一人が握り拳を振りかぶった。
「……単細胞で助かるわ」
 悠月はスカートを翻し、男に回し蹴りを食らわせた。

 一分もしないうちに、悠月は男四人をすべてノックアウトした。
「あ、あの……、ありがとうございます。その制服、K高校ですよね? お名前教えてもらえませんか?」
 おさげの女の子はお礼をしたいという。
 悠月は男の背中から足をどかしながら、
「いいよ。別に感謝されたくてやったわけじゃないから」
 ブレザーのスカートについた土埃を払い、踵を返す。
「あ、待って――」
 おさげはまだ喋りたそうだったが、
「今度から友達と一緒に帰りな」
 悠月は胸の前まで落ちてきてしまったロングヘアを両手でファサッと払い上げ、その場を後にした。

 本当は面倒なことが嫌いだった。
 人付き合いも煩わしいと感じている。
 できれば静かに暮らしたい。
 しかし、悠月は困っている人間を放っておけない性分だった。
 中学までは落ち着いていた。周囲に困っている人間がいなかったからだ。
 それが、高校入学時に治安最悪の町に引っ越しをして、彼女の二面性が大っぴらになった。
 この町には、あまりにも不良が多すぎる。困っている人間が多すぎる。
 彼女は困っている人間を見つけるたびに、得意の格闘技で不良どもを懲らしめた。
 週に2~3回。多ければ毎日。
 そんな日常を半年も送っていれば、武勇伝の1つや2つはできる。
 一部で名が知れ、ファンができた。
 彼女は周囲に受け入れられ徐々に心を開いていった。
 一方で、彼女に懲らしめられた不良達の鬱憤はどんどん大きくなっていった。


 ――悠月は目を覚ました。
「あ、れ……?」
 視界に映ったのは見たことない白い部屋だった。ずいぶんと狭い。
 自分はいったいどうしたのか?
 そうだ。学校の帰りに太った男数人に声を掛けられて――
「なに……? これ?」
 ぼんやりとした意識が覚醒していく。
 悠月は逆Y字型の椅子に座らされ、太ももから足首までがっちり複数のベルトで拘束されていた。軽く開かされ前方に伸びた脚。足首から先の部分は壁の向こうにあって見えなかった。
 膝下から足首まで素肌が露出している。穿いていたはずの紺のハイソックスは脱がされたようだ。
「誘……拐……?」
 悠月は不安に襲われた。
 自由な両手で上半身に触れた。よかった。制服は脱がされていない。犯されたわけではないようだ。
 しかし、下半身の厳重な拘束はいったいなんだろう。
 悠月は太もものベルトを引きはがそうと引っ張るが、びくともしない。
「……いっ!?」
 足に力を込めて、違和感を覚えた。
 足の裏が引っ張られたような感覚。足の指がまったく動かない。
 どうやら壁の向こうで、足の指が10本とも紐か何かで縛られているようだ。
 足だけが壁の向こうにある不気味な状況。
 向こうに誰かいるのか、何をされるのかもわからない。
 ひんやりと足の裏に当たる風が、恐怖を増長させた。
「ちょっとー? 誰かいないのー?」
 天井あたりを見回しながら叫んでみる。
 そのとき、
『あ、あ、あ、あ』
 がさがさと雑音の混じった声が聞こえた。悠月はびっくりしてきょろきょろとあたりを見回す。天井の隅にスピーカーを見つけた。
『北村悠月さん、北村悠月さん』
 まるで校内放送で呼び出されるような。
「だ、誰? どこにいるの?」
『よくもワダスたちをいじめてくれましたね? あなたはいままでに蹴った人間の数を覚えていますか?』
「え?」
『そうです。そのにっくき足。今日はこれからその足の裏を徹底的にくすぐらせていただきます。ワダスたちのささやかなお礼です』
 スピーカーの人物は、まったく会話をしようとしなかった。
 悠月は突然のことに混乱していた。
 わけがわからない。
「ちょ、えっ!? なに!? くすぐるって……どういう――」
 そのとき、悠月は壁の向こうに気配を感じた。
「ややや、やだっ! なに!? 誰!? ちょっとやめて! 変なことしないで――」
 壁の向こうで、足の裏に何かが近づいてくる気配を感じる。
 悠月は必死に足をひっこめようともがいた。
 しかし、足は壁の向こうでまったく動かせない。
 そして、
「……やっ、――ああああぁぁぁあああはははははははははははははっ!!!? やだっ!!! やだぁぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」
 悠月は左足の裏に強烈なくすぐったさを感じ、笑いがこらえられなかった。
 じょりじょりと何かを、足の裏へ激しくこすりつけられている。
「やめてぇぇえええああああっはっはっはっはっははっははだめぇぇぇええ~~~!!!」
 悠月は上半身をくの字に曲げ、両手を激しく振り回して叫んだ。
「おねがいやめでぇぇぇえ~~っはっはっはっっはっはくすぐったぁぁあっはっはっはっはっは!!! くすぐったすぎるぅぅぅ~~ひゃっはっはっはっは!!」
 そんな中、
『北村悠月さん、北村悠月さん』
 再びスピーカーから声が聞こえる。
『足の裏をブラシでしごかれるのはいかがですか。いつも足技ばかり使うくせに、少々敏感すぎやしませんか?』
「やぁぁぁっはっはっはっはっはっははは!?!? こんなの誰だってむりだってぇぇえええはははっははははははははは!!!」
『身動きの取れない足の指がひくひく動いているのが絶景です』
「じっきょうやめてぁぁああはははっはっははっはははっはははっは~~!!」
 ブラシだとわかると、もうブラシにしか思えない。
 ブラシの尖端が足の裏をなで回すような動きを想像してしまい、余計にくすぐったく感じる。
『一日学校生活を終えて、ソックスの裏地の糸くずがついてますね。キレイキレイしましょ』
 直後、ブラシが足の指の間にねじこまれるのがわかった。
「だぎゃああぁぁあっはっはっはっはっはっは!!! 無理にぃっぃっひっひっひ、無理にやらないでぇぇぁあはははははははははははは!!!」
 悠月はくすぐったすぎて涙が出てきた。
 笑いっぱなしで息ができない。
『綺麗なハイアーチです。アーチに沿って磨いて差し上げましょうね』
「いいぃぃぃいやぁああっはっはっはっはっはっはっははっは!!!? だひゃひゃひゃ、じょりじょりいやぁぁあぁぁあっはっはっはっはっはっはっは!!!」
 片足の裏をブラシでこすられ大笑いする悠月。
 すると、右足の裏にも新たな刺激が生じる。
「いぎぃぃぃぃひ!?? あひっひっひっひっひっひい!!?? いだっ、いだぃあああひゃははははははははははははは!!!」
 小さな棒でちょこちょこ引っかかれるような刺激だった。
 それぞれの指の間をこそこそとひっかかれる感触は、適度に痛く、適度にかゆく、非常にくすぐったかった。
『耳かきで足の垢を取り除いてあげているんですよ』
 右足は耳かき、左足はブラシでくすぐられ、悠月は発狂しそうだった。
「あがぁぁぁっはっはっはっはっはっはホント無理ぃぃぃぃ!!! どっちかっ! せめてどっちかにしてぇぇええええひゃはははははははははははは!!!」
『なんですって? どちらとも土踏まずをいじって欲しいですって?』
 スピーカーの声に合わせるように、両足の裏の中心部に刺激が集中した。
「ああああぁあぁあぁぁはやはあはははははははは!!? ちがぁぁっ、ちがうぅぅぅひひひひゃははははははははははははは!!!」


 何分経ったかわからない。
「はひぃ……はひぃぃ……」
 刺激が収まってからも、悠月は上半身を横たえたまま起き上がれなかった。
 口から涎が垂れ流れようが、構う余裕がない。
『あ、あ、あ、あ、あ』
 スピーカーから音が聞こえた。
 悠月はびくっと肩を震わせる。
「もぅっ……やだはひぃ……」
『みなさ~ん、こちらが北村悠月さんの足ですよー』
『ほぅ、これが』
『うっひゃ、足の指がんじがらめぇ!』
『思ったより白いな』
『足のくびれエロい!』
『ぴくぴくしてる!』
 スピーカーから聞こえてきた声は複数だった。
「な、……なによぅ……」
 悠月は疲労困憊していた。
 起き上がる気力もない。
 そんな中、
『ホントに俺らくすぐっていいの?』
『こんな人数でやられたら悠月たんどうなっちゃうのかなー?』
『狂っちゃう?』
『散々僕らを蹴り飛ばしてくれたんだ。仕方ない仕方ない』
 漏れ聞こえてくる声に、悠月は顔面蒼白になった。
「やっ、……やだぁ! もうくすぐらないでぇ! なんでもするぅ! なんでもするからぁぁ!!」
 悠月は起き上がり、天井に向かって叫ぶが、スピーカーからはただ壁の向こうの声が聞こえてくるだけ。
 そのうち、足の裏に近づく気配が感じられ、
「いやぁあぁぁ!! お願いぃぃっ!!! やめて! ホントにだめぇえぇぇぇ~~!」
 悠月の叫びが届いたのか届かなかったのか……
 数十本の指が一斉に足の裏に突き立てられた。
「――か、あがぁぁぁあぁああああひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!? うぎゃはあはははははははははははははだぁぁぁぁ~~!!!!」
 強烈なくすぐったさに、悠月は上半身をびくんと仰け反らせて悲鳴を上げた。
「うぎひひひひっひひひひひひひひあぎゃぁあぁああああああああっはっはっはっはっはっはっははぁぁ!!!」
『うっひゃー、足の裏びくんびくんしてる!』
『けっ、ざまーみろ』
『俺の顔を踏みつけたあんよにはお仕置きだべ~』
『土踏まずもぴくぴく動いてるおもしろー、ほじくっちゃえ』
 スピーカーから楽しそうな声が聞こえる。
 足の裏から何十本もの指の刺激が一斉に送られてくる。
「あぎゃぁぁあああひゃひゃはあははあははははあははは!!! じぬぅぅぅ~~~しんじゃううううはああああああぁっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」
 なにがなんだかわからない。
 頭の中がくすぐったさでパンクしそうだ。
 悠月は自分が何故こんな目にあっているのか、ここがどこなのかもわからないまま、ただひたすら笑い続けた。


(完)



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 下記のリクエスト作品です。

> 【ジャンル】オリジナル
> 【くすぐられキャラ】クールで生意気、でも優しい黒髪ロング
> 【あらすじ】
> クールで生意気だが困ってる人は放って置けない女子高生。不良にたかられた他の少女を足蹴りで救う、と言った事を度々していた。ある日、クール女子高生に恨みを持った肥満体質の男性複数人に襲われる。気絶して、目覚めたら開脚され足裏だけが壁の向こうにあり、足自体も反らされ足指は全て縛り上げて反らされていた。
> スピーカーから今までのお礼で足の裏を徹底的にくすぐると発言。片足を複数人にブラシや耳かきやらによりくすぐられ疲労していたところに遂に指によるくすぐり処刑が行われる。
> 【他に責めて欲しい部位】なし。
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