くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

2016年10月

M3ウサギさんくすぐリー 優季編

「お前をバターにしてやろうか!」

「……??」

 大洗女子学園の女子寮の一室。
 宇津木優季は夕食のパンに塗るためのバターを冷蔵庫から取り出したところだった。

 バターがしゃべった。……ように聞こえた。

「えっと……バター、……さん?」

 優季はしどろもどりになりながら、手に持った450gの直方体固形バターに話しかけてみる。

「お前をバターにしてやろうか!」

 もう一度まったく同じ口調。声は、間違いなくバターから聞こえた。
 どうしてバターから声が……?
 あまりにも予想外な超常現象に優季が固まっているうちに、450gの固形バターは、触ってもいないのにぐにゃぐにゃと変形しはじめた。

「ひっ……!?」

 優季は思わず手をはなした。
 バターが床に落ちてべちゃりと音を立てた。

「よくもやったな! お前をバターにしてやる!」

 再びバターから声がしたかと思うと、バターは小さく分裂しながら、優季に向かって飛びついてきた。
 バターは10から20に分かれると、粘土細工のように自在に形を変え、小さな手のような形になっていった。

「きゃっ……!? ――ふぁあっ!?? あははははははははは!!?」

 優季は尻餅をついて笑い出した。
 赤子よりもさらに小さなバターの手は優季の体中をくすぐりはじめたのだ。

「やっ……あぁぁ~~っはっはっはっはっは!!? くすぐったいっ!! だめぇぇ~~っはっはっはっはっはっはっは~~!!」

 およそ20の小さな手の大群に体をまさぐられ、優季はじたばたともがいて笑う。
 着替えていたセーラー服のうえから脇腹や腋の下、スカートの裾から侵入にして太ももや脚の付け根、靴下を脱がされた足の裏までくすぐられている。

「きゃぁぁははははははははは!!? ばっ、なんでバターがぁぁははははははははははは~~!!!?」

 小さな手、小さな指が体中を這い回る経験なんて生まれてはじめてのことだった。
 優季は激しいくすぐったさに、涙を流して笑い狂った。

 バターはべちゃべちゃと制服にまとわりつき、黄色い染みをつくってゆく。

「やぁぁぁあぁ!!? よごれっ、……染みになっちゃううああぁっはっははははははははははは~~!!!」

 バターの手は小さすぎて振り払えない。
 手で掴んで引きはがそうにも、油分を多く含むバターはずるずると滑ってうまく掴めなかった。
 しかたなく床に押しつけてみても、アメーバのようにすぐに再生してしまう。

 体中をバターでべとべとにして笑う優季。
 大笑いしながら、先ほどバターによる「お前をバターにしてやる」発言を思い出す。

「ぁああぁぁっはっはっはっはっはっはは!!!? ば、バターになっちゃいますよおおおおおあははははははははははは~~!!!」

 バターになるなんて嫌だ……!
 バターにくすぐられるとバターになってしまう……!
 優季は、根拠はないが、そんな気がした。

・・・

『ひああぁははははははは、うさぎさんダメぇぇえぇ~~!!』
『う゛ぃあぁぁぁあぁひゃっはっはっはっはっ、強くなるぁぁぁあぁ~~!!』
『やぁあぁぁ見えないぃいい~~ひひひひひひ、えっちぃいい~~!!』
『はずれてぇえへっへっへっへ、無理ぃぃ~~!!』
『バターはいやぁぁあっはっはっはっは、こないでよぉ~~!!』

 無線から聞こえてくるM3中戦車の一年どもの哄笑。
 澤梓、阪口桂利奈、大野あや、山郷あゆみ、宇津木優季の部屋は盗聴されていた。
 アリサは、自室で彼女らの苦しむ声が聞けて、満足だった。
 仮にもアリサはサンダース大学付属高校戦車道チームの副隊長。膨大な資産のなかから、復讐のための費用をちょろまかすことは造作も無くできた。
 生物兵器や拷問器具の研究開発費、もろもろ材料費、人件費など、しめてファイアフライ一両分程度もかかってしまったが、復讐のためだ。仕方が無い。

「……ん?」

 ふと無線に雑音が入った。

『……ぅ、……――』

 謎の声。
 アリサは耳を澄ませた。

『……ぅ、ちょ』

 アリサはその声に聞き覚えはなかった。しかしそこで、あることに気づく。M3中戦車の乗員には、主砲砲手、37mm砲砲手、主砲装填手、37mm砲装填手、操縦手、車長、通信手、7つの役割が課せられるため、兼任しても最低6人は必要のはず……。
 ひとり、足りない……。

 戦慄する。

 無線から漏れ続けるくぐもった声に、アリサは背筋が寒くなった。

『――ちょうちょ』

・・・
・・・・
・・・・・

 翌日、アリサは変わり果てた姿で発見された。


(完)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 優季ちゃん。「優」しい「季」節と覚えれば間違えない。
 この子、ウサギさんチームの中でかなり好きです。
 重戦車きらぁ参上ぉ~。


M3ウサギさんくすぐリー ( x / ウサギさんチーム) ♯1 ♯2 ♯3 ♯4 ♯5











M3ウサギさんくすぐリー あゆみ編

 女子寮に帰ってきた山郷あゆみは、さっそく戦利品の包装を解いた。
『足つぼがダイエットに効く!』
 なんて煽り文句に惹かれ、ついつい買ってしまった強力ダイエット用足つぼ刺激スリッパ!
 あんなところであんな風に売られていたグッズだ。もしかしたらとんでもない掘り出し物を手に入れたのかもしれない。
 あゆみは無類のダイエット用品好きであった。
 かかとがあってかなり底の厚いスリッパだ。見た目には、スリッパというよりもベリーショートのもこもこブーツのような。
「え~と、……『ご利用方法』……『より効果を実感していただくため、素足でお履きください』……」
 あゆみは説明書を片手に、靴下を脱いだ。
 学校と戦車道の練習で丸一日穿いた靴下は蒸れていた。
 脱ぎ去って素足になると、涼しくて解放感があった。
「んー……『足をスリッパに入れ、つま先の位置を調節してください』? つま先の位置って……あ、中に目印の突起があるんだ」
 あゆみはスリッパに素足を差し込み、内部で親指をぐりぐりと動かし、突起を探す。
 あった。
 足指を押しつけると、なかなか気持ちが良い。
「……『次に、かかとを調節します。リモコンの「固定」ボタンを押してください』……リモコン!?」
 あゆみは驚いて箱の中を確かめる。
「うわ、ホントにあった……」
 スリッパにリモコンが付いているなんて、想像していなかった。
 …………。
 これが、時代か……!
 あゆみは一抹の感動を覚えながら、リモコンの『固定』ボタンを押した。
 その瞬間、スリッパのかかと部分がぎゅっと縮こまり、あゆみのくるぶしを締め付けた。
「きゃっ!?」
 あゆみは吸い付かれるような感触に思わず声を上げた。
 血圧計みたいだ……。
 かなりきつい締め付け。といっても、苦痛さは感じない。
 あゆみは軽く宙を蹴ってみた。まったく脱げる気配がない。普段履いているローファーよりも、よほど安定感がある。
「えっとあとは、……『つぼ刺激を開始するには、「開始」ボタンを押してください』」
 説明は以上だった。
 あゆみはすぐさま『開始』ボタンを押そうとして、ふと手が止まる。『停止』ボタンが見当たらない。
「……ま、いっか!」
 そんな細かいことにかまっていられない。
 あゆみはリモコンの『開始』ボタンを押した。

「――んひっ!!?」

 直後、あゆみは足裏の刺激に声を上げた。

「ひあぁっ!! ちょっ……なにこれっ!!? あはっ、やっ、だ、……っ!!!」

 あゆみは耐えきれずその場に倒れ込んだ。
 スリッパの底がもこもことイボのように盛り上がり、あゆみの足裏を不規則に押し込んでいる。
 つぼをマッサージしているというよりも、その動きは……

「くひっ!!? く、くすぐったいっ!! や、やめてっ、あははははははっ!!!」

 スリッパ内部のイボは、ぐりぐりとあゆみの足の裏を押しひっかくように動いた。

「きゃははははははは!? やだっ、なにっ、こんなのいやぁあははははははは!!」

 あゆみは、時間に伴いくすぐったさを増してゆくつぼ刺激に、のたうち回る。

「やっ、外れてっ!!! 外れてよぅ~~あはっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!?」

 スリッパを両手で引きはがそうにも、まったく取れない。
 口の部分が完全にくるぶしを覆って吸い付いている。
 力を込めれば込めるほど、吸い付き、くすぐったさが増してくるような気がした。

「あぁぁぁあ~~っはっはっはっはっはっは!!!? ほんとダメっ!!! ふひひぃぃ~~、なんでぇぇ!? どんどん強くなるうううぅぅっはははははははははは!!?」

 あゆみは突っ伏して、床を掻きむしる。
 バタ足をしたり、地団駄を踏んだりして、スリッパを床に叩きつけても無駄。
 スリッパの内部ではもごもごと複数のイボが動き続けている。
 数は、片足に3つ4つ……いや、10近くあるだろうか……

「くはぁぁあははっはっはっはっは!!? やぁぁぁ、そんなぁうひぃぃいいいいいい!!!?」

 イボを数えようと足裏に神経を集中させてしまったせいか、余計に敏感になる。
 ところどころ強めに押してくる感覚が、痛いようなくすぐったいような、耐えがたい刺激となってあゆみを襲う。
 あゆみは絶叫した。

「くあぁぁああああ~~~~~はははははははは!!! ちょおおおおおおだめぇぇぇぇ~~~へへへっへへへへへへへへへ!!!」

 床をごろごろと転がり、両手を振り回し、足をばたつかせながら大笑いするあゆみ。
 スリッパの底でガンガンと柱を蹴りつけた。それでも一向に刺激は弱まらない。代わりに隣の住人の壁パンチが返ってきた。
 スリッパ内部が熱かった。
 土踏まずを押しつける感覚がしたかと思えば、足指を思い切りつねられるような感覚、踵をごりごり掻かれるような感覚……
 足中をめちゃくちゃに揉みほぐされ、足の形が変形してしまいそうだ……

「ひあぁぁあはははははははははは!!!? はずれてぇぇえぇぇぇへへへっへへへへへ!!! お願いだからぁぁあっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 あゆみは泣き叫び、笑い狂った。

 怪しいダイエット用品にはご用心。


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 スパ○の子。卵とソーセージとスパ○。卵とベーコンとソーセージとスパ○。スパ○とベーコンとソーセージとスパ○。スパ○と卵とスパ○とスパ○とベーコンとスパ○。スパ○、スパ○、スパ○、卵とスパ○。
 公式サイトの短いキャラクター説明文からツッコミ要員かと思いきや、OVAの例のシーンでボケ要員だったことが判明。リーダーの澤ちゃん、一人で五人分のボケを処理するとかもはや職人芸。


M3ウサギさんくすぐリー ( x / ウサギさんチーム) ♯1 ♯2 ♯3 ♯4













M3ウサギさんくすぐリー あや編

「割れちゃったメガネ大丈夫ですか?」
「いいえ。まったく大丈夫じゃないと思います。フレームごと買い換えた方がよろしいんじゃないですか?」
「しょぼーん」
 大野あやは割れたメガネを修理しようと、巨大なメガネ型の看板が目印の店を訪れていた。裸眼でも大きなメガネ看板は目につきやすく親切だ。
 店員に割れたメガネを見せたところ、買い換えが必要だという。
 店員の声は淡々としている。
 裸眼では相手がどんな表情で言っているのかわからない。
 また少し視力が落ちているらしい……。
「あのぉ、新しくメガネを作る前に、検眼をお願いしたいんですけど……」
 あやがおそるおそる申し出る。
 店員は無言だった。
 あれ? 聞こえなかった?
「あの、視力検査をお願いできますか?」
 もう一度言うと、なにやら納得したように店員は頷く。
「……こちらへどうぞ」
「ありがとうございます!」
 あやはホッとして店員の後に続いた。

・・・

 視力検査のために通された部屋は、ずいぶんと殺風景だった。
 あやは店員に言われるがまま、メガネを外し、片目を覆う。
 正面の視力検査表にひらがなが書かれている。
 ひらがなのみの検査表なんて珍しい……。
 そんな疑惑を抱きながらも、店員が指示棒で指す文字を、ひとつひとつ読み上げていく。
「わ」
「……た」
「し」
「……を?」
「……く」
「す」
「ぐ」
「……つ?」
「て……――って、はい!?」
 あやは自分の発した音の意味に気づき、素っ頓狂な声を上げた。
 と、次の瞬間、彼女の背後の壁からマジックハンドが4本にょきにょきと生え出て、あやの両手両足を捕らえた。

「きゃああああ!!」

 あやは必死にもがくが、その場で大の字に身体を広げられてしまう。
 するとさらに4本、下半身のあたりにマジックハンドが追加され、ニーソックスの口をつまみ、するすると脱がしはじめる。

「ちょっと! ひどぃ……っ、やだっ! なにするんですか!?」

 あやは店員をにらむ。
 しかしぼやけて相手の顔はまったくわからない。店員は無言だった。

「ちょっ……やめっ!」

 あっという間に両足ともニーソックスを脱がされ、素足にされてしまう。

「メガネ屋さんが、なんでこんなこと……っ」

 言いかけて、あやは気づく。
 店頭で見かけた巨大な看板はたしかにメガネのような形をしていた。しかし裸眼だったために、店の名前を確認できなかったのだ。
 ……ここ、本当にメガネ屋さん?

 そんな思考を巡らせた矢先、マジックハンド4本が、あやの脇腹と足の裏を同時にくすぐりはじめた。

「くひゃっ!!? あははははははははははは!!? やっ、なにぃいいいっひいひひひっひっひっいっひひっひっ~~!?」

 わしゃわしゃと動くマジックハンド。
 あやは、ツインテールを左右に振り乱して大笑いする。

「きゃははははははははは、やだっ!!! だめぇぇえっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 両手両足をがっちりとマジックハンドに掴まれているため、身動きが取れない。
 左右のマジックハンドは、あやの横っ腹をぐりぐり指でほじくるようにくすぐっている。

「あひぃぃひひひひひひひひっ!!? ツボっ、ツボはだめだってぇぇえはははははははははははははは!!!」

 足元のマジックハンドはあやの素足の足の裏、指の付け根や土踏まずをガリガリ掻きむしる。

「くあっはっはっはっはっは、ひどいぃっ!! もうだめぇええはははははははははははははは~~!!!」

 ただメガネを修理にきただけなのに……。
 あやには、現状がまったく理解できない。


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 優季ちゃんの「あやはバカだな~」という台詞のせいで、中の人に「バカな子」呼ばわりされて不憫。


M3ウサギさんくすぐリー ( x / ウサギさんチーム) ♯1 ♯2 ♯3












M3ウサギさんくすぐリー 桂利奈編

 阪口桂利奈は学校から寮へ帰宅するやいなやテレビの前に駆けつけた。
 着替えもせずに電源を入れる。
 どすんとベッドに腰掛けて、リモコンを手に取った。
 ここ数日のあいだ廃校云々問題解決に忙しく、HDDに特撮モノやアニメが溜まっているのだ。一刻も早く、鑑賞しなければならなかった。
 さっそく見始めたのは、先週放送された深夜特撮モノ。変身ヒーローが巨大ロボを使い秘密結社と毎週戦うタイプの古典的な勧善懲悪ストーリーだ。開始15分。画面上に登場したメカに、桂利奈は妙に興味を抱く。
『さあついにくすぐりロボが完成したぞ!』
 画面の博士が言った。
「くすぐり、ロボ……」
 桂利奈は、画面に見入り、ごくりと唾を飲み込む。
 それは、主人公の敵にあたる組織の開発した拷問用のロボだった。
 成人男性ぐらいの人型ロボだが、上半身についた腕は左右合わせて16本。
 合計80本の指をワキワキと動かしながら迫ってくる様子はなかなか怖い。
 画面の博士はしっかりとカメラ目線で言い放つ。
『よーし。まずは手始めにお前を実験台にしてやろう! ゆけ! くすぐりロボ!』
 博士の台詞で、くすぐりロボが動き出した。カメラの方に向かってまっすぐ向かってくる。
 さっそく誰かを餌食にするらしい。
 桂利奈は当然カメラ側に誰かがいるものだと思っていた。
 しかし、なかなかカットが変わらない。
「ん……あれ?」
 桂利奈は画面を見つめているうちに、妙な不安に駆られた。
 不安の出所がまったくわからない。
 違和感。焦燥感。……
 そんな感覚は、生まれて初めてだった。
 まるで、画面の中の世界が、現実の世界に侵食してくるような……。
 いつの間にか、画面上の音声が消えていた。
 桂利奈が目を細めて画面をにらみつけるあいだ、どんどんくすぐりロボは迫ってくる。
 もうそれはカメラに接触しそうなぐらいにまで近づいてきて――ぐにゃり――
「あいぃぃぃぃぃっ!!?」
 桂利奈はあまりの驚きに、背中からひっくり返ってしまった。
 目の前のテレビ画面が歪み、画面内のくすぐりロボが画面の外へせり出してきたのだ。
 10本の腕を虫のようにワラワラ動かし、テレビ画面から這い出てくる。
「ひぃぃいいいいいい!!?」
 あまりの衝撃に、桂利奈は悲鳴を上げた。
 画面の中にいたはずのくすぐりロボが明らかな物体となって、画面の外、桂利奈の部屋に這いだしてきたのだ。
 桂利奈は腰が抜けて立ち上がることができない。
 ゆらりと全身を画面外に露わにしたくすぐりロボは、後退る桂利奈にまっすぐ向かってきた。

・・・

 くすぐりロボの出現から数分。

「う゛ぁあぁぁあぁああはっはっはっはっはっはっはっはっは!!? やはははははははははは!!」

 桂利奈はくすぐりロボに後ろから羽交い締めにされ、くすぐられていた。
 腕を広げて抱えられているため、ガラ空きの腋の下や脇腹は恰好の餌食だった。
 くすぐりロボの数十本の指が、桂利奈の敏感な腋、お腹、脇腹を這い回る。

「あひゃぁぁあっはっはっはっはっはっはっは!!! こしょぐったぁああはっはっはっははっはっはっははっは~~!!?」

 桂利奈は目に涙を浮かべて大笑いしている。

 くすぐりロボの責めはいやらしく、身体中のくすぐったい部位を余すところなくくすぐっていた。
 首筋、脚の付け根、太もも、膝……。
 靴下は両足とも剥かれ、足首をがっちりと掴まれ、足の裏までくすぐられている。

「ひあえぇぇへっへへっへっへっへやめぇぇえぇははははははははは!!! しんじゃううぅうううはははははははははは~~!!!」

 桂利奈は泣き叫ぶ。
 なぜ自分がテレビから出てきたくすぐりロボにくすぐられているのか。まったく状況が理解できない。

 くすぐりロボは指先の動きを巧みに変え、緩急をつけてくすぐってくる。

「おにゃぁぁああはははははははははは!!? やめぇぇええははははははは! たすけっ……ひぃぃぃぃ~~っひっひひっひっひっひっひっひっひ~~!!!」

 桂利奈はびくびくと身体を震わせて笑い続けた。
 テレビ画面の向こうの博士はカメラ目線のまま固まっている。


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 桂利奈ちゃんの「桂」は桂小五郎と覚えておけば間違えない!
 あいあいあーい。


M3ウサギさんくすぐリー ( x / ウサギさんチーム) ♯1 ♯2










M3ウサギさんくすぐリー 梓編

「アリサさん、元気だしてくださいね!」
「一人も楽しいですよ!」
「ファイト!」
「ドンマイ!」
「戦車が恋人でいいじゃないですか~」

 大学選抜チームとの激闘から数ヶ月。
 サンダース大学付属高校二年のアリサに思い出されるのはM3中戦車の一年どもの嘲笑だった。
 アリサにとって、片思い相手たかしの話題は禁忌。ずいぶんと長い期間恋心を抱き続けているにもかかわらず、目を合わせることすらろくにできず、ちょっと声をかけられただけでもしどろもどろになってしまう。当然告白もできていない。アリサは、恋に対して劣等コンプレックスを抱いていた。そうして溜まったストレスを戦車道で発散していたのだ。
 それをあの一年どもは、無線傍受をやり玉にあげて「彼氏のことも盗聴しそう」だとか「束縛しすぎ」だとか「だからたかしにフラれる」だとか、からかってきた。
 あいつら、……許さない。
 憎悪は日に日に増していった。
 アリサは、いかにして彼女らに復讐してやろうか、策を練りはじめた。

・・・

 夕刻。
 澤梓は練習を終えて寮への帰路を急いでいた。
 セーラー服はかなり汗ばんでいる。一刻も早く風呂に入りたかった。
 身体はくたくた。足も棒のよう。一歩踏み出す度に足の裏が熱くなるのを感じた。
 そんなとき、突如頭上で大きな音が降りてくる。
 バタバタバタバタ――ヘリの音だ。
 足を止めて見上げると、目の前が真っ白になった。ライトに全身を照らされたのだ。
 ヘリは梓の真ん前に降りてきた。
 梓は突然のことに尻込みしてしまい、反応できなかった。
 ヘリの中からあふれ出てきた男数名は一瞬のうちに梓を組み伏せた。
「や……!? な、なんですか! やめてくだ――」
 梓はハンケチを口に押さえつけられ、意識が遠退いていく。
 薬品が染みこんでいたようだ。

・・・

「……んっ、……?」

 梓は、獣臭さに目を覚ました。
 妙に首が痛い。
 目の前に自分の腿があって、すぐ傍にコンクリートの地面が見える。地面の上に黒っぽい豆粒が複数点在していた。レーズン?
 首を上げようとすると、腕とふくらはぎが痛んだ。
 ぼんやりと左右を見渡す。
 綿菓子のような白い物体がうじゃうじゃ跳ねたり走ったり動いていた。
 そこはウサギ小屋だった。

「な、な、なにこれー!?」

 梓は思わず叫んだ。
 体勢がきつく、声を出すと腹筋が痛んだ。

 梓はぺたんと尻をついて、身体をくの字にまげたまま身動きが取れなかった。
 体育の柔軟体操でやる長座体前屈の姿勢。
 目の前に前屈をした目の高さぐらいの木の板が置かれていた。
 板の中央に上下二つずつ穴が並んでいる。
 それぞれ穴の中へ、自分の手足が吸い込まれている。
 両足と両手を大きく前へ伸ばし、手首と足首を木製らしい板状の枷に固定されているのであった。
 手首から先、足首から先は目の前の板の向こう側にある。
 向こう側の両足が涼しい。こちら側に見える膝から下も肌が露出している。
 どうやら靴と靴下は脱がされているようだ。

「えっ!? やっ……これ、抜けないっ」

 梓はガタガタと両手足を引き抜こうと力を込めるが、まったく抜ける気配がない。
 なぜ自分がこんなところでこんな目に遭っているのか、まったく理解できない。

「だ、だれかー!! いませんかー!?」

 叫んでみても反応無し。
 と、そこで梓が目覚めたことに気づいたのか、ウサギたちが梓の元へ集まってきた。
 ウサギたちは身動きの取れない人間が物珍しいのか、鼻をひくひくとさせながらまとわりついてくる。

「ちょっ……ひゃっ!! ウサギさ――きゃはっ!? やっ、くすぐったぃ」

 梓は大きく腕を前方へ投げ出しているため、脇腹も腋もガラ空きだった。
 そこへウサギが顔を押しつけ、もぞもぞ動かれるのはたまらなくくすぐったい。

「やめっ……あはははっ! ちょっと!! ……だめっ! だめだってぇぇははははは!!」

 スカートの下から露出した腿や膝小僧にもヒクヒクと鼻を近づけてくる。

「ひゃぁあああぁ!!? やっ……ははははははっ! やめっ、ウサギ……ひひひひひ!!」

 梓はウサギのふわふわの体毛に露出した脚をなでられ、たまらず笑い声を上げる。
 さらに木板枷の向こう側では、板から突き出た足の裏を物珍しそうに眺めるウサギが数羽。

「ちょっ!! はははは、ウサギさ――だめぇ! 離れてぇぇぇ! やっ……あははははは!」

 梓は足の指を縮こまらせ、足先を左右に振ってウサギを遠ざけようとする。
 しかし逆に、ウサギたちは、激しく動く足に対し余計に興味を示したらしい。
 ウサギたちは鼻をひくひくさせながら、梓の素足にまとわりついた。

「きゃっ!!? あははははっ!? だめっ……うさぁぁっはっはっはっは! ひぃぃぃ~~やめぇえぇえ!!!」

 ウサギの耳やしっぽが、踵や土踏まずをなでてくる。
 さらに蠢く足指に興味を持ったらしいウサギは、鼻の頭をぐりぐりと足の指の股へねじこんでくる。

「ひぁぁああははははははは!!! やだっ!!! ぁあぁぁ、ウサギさんだめぇぇえっはははははははははは!!!」

 梓の上半身に興味を示していたウサギたちは、いつの間にかセーラー服の裾から内部へと潜り込んでいた。
 服の中をもぞもぞと動く毛の塊。
 生温かい物体が身体中を這い回る感覚に、梓は悲鳴を上げた。

「やははははははははっ!!! やめてぇぇえはっはっはっはっはっは!!! そんなとこ入らないでぇぇ~~っはっはっはっは!!!」

 スカートの中へ侵入したウサギは、脚の付け根に顔を押し当てた。

「やぁぁああはっはははっはっはっは!!! やめてぇぇえ!!」

 服の中で蠢き続けるウサギ。
 首元へよじ登ろうとして服のすき間に挟まってしまったらしく、腋の下で後ろ足をばたつかせられる。たまったものではない。

「きゃはははははははは!!? もおおおお~~そんなとこ入るからぁぁあっはっははっはっはっはっは出てぇぇぇえ~~!!!」

 まとわり付くウサギたち。
 梓は全身を襲うくすぐったさに、涙を流して笑い続けた。

「だれかぁぁあああ!!! やあぁぁ! たはっ、たすけてぇええ~~っはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 ウサギさんチーム好きです。













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