フェイトは目覚めてすぐ、体の異変に気付く。
拘束は変わらず両手足を引き伸ばされた万歳の格好。服装も乱れたバリアジャケット姿で変化無し。
しかし、……
「ん、んぐぅ……」
フェイトはたまらずうめいた。
全身が熱く、先ほどくすぐられたお腹と足の裏が、妙にむずむずする。
掻痒感、……というよりは、体がくすぐったい感覚を思い出しているというような、そんな感じ。
足の指をきゅっと丸め、必死にその感覚を打ち消そうとする。
しかし、むずむずが止まらない。
やだ。この感覚……!
フェイトは自身の体に、とてつもない嫌悪感を覚えた。
お腹や足の裏がむずむずする。その感覚に連動するように、下腹部がうずいた。
「あら、フェイトちゃん。目が覚めたのね」
濃紺色のフード付きローブを着た長身の女性が近づいてくる。首の下から三つ編みに縛った髪の毛が、しっぽのように垂れ下がっている。
「あ、あなたは……」
「私はムル。この館の当主。妹たちとの遊びはたのしかったかしら?」
ふふっと、笑みをこぼすムル。
間違いない。三姉妹の長女であり、失踪事件の黒幕である。
「あ、……み、みんなを、帰して……んぐっ」
フェイトは体がうずくせいで、上手く呂律が回らなかった。
「あらあらフェイトちゃん。声が震えてるわよ? どうしたの?」
そう言ってフェイトの顔に手を差し出すムル。
ムルの綺麗な手。……
フェイトは、近づいてくるムルの指先を見て、カッと体が熱くなるのを感じ、ぶるりと体を震わせた。
「や、やめて……もう、くすぐらないでっ……!!」
「あら? フェイトちゃん。嘘はだめね。体はそんなに反応してるのに」
「いっ……嘘なんか……」
「くすぐって欲しいんでしょ?」
「ち……ちが……」
「こちょこちょされるの大好きになっちゃった体。認めるのが怖いだけなんでしょう? 大丈夫、すぐに素直にしてあげるから」
ムルはそう言うと、懐から手袋を取り出して両手にはめる。
まずい……。これ以上くすぐられたら……。
フェイトは下腹部の強烈なうずきを感じる。
本当に、期待してしまっているのか……。この体は……。
「や、やめて……本当に……っ」
フェイトは自分でも気付かないうちに、涙を流していた。
怖かった。
自分の体が自分のものではなくなっていくような感覚が怖かったのだ。
「あらあら、フェイトちゃん。泣かなくてもいいのよ。すぐに」
ムルの手が迫ってくる。……
フェイトは目を覆いたくなる。と同時に、下腹部が強烈にうずいた。
「笑わせてあげる」
ムルはサディスティックな笑みを浮かべ、露出したフェイトの脇腹をくすぐり始めた。
「――ぶひっ!!!? あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!?」
感じたことの無い強烈なくすぐったさが襲った。
一秒たりともこらえることはできなかった。
「どう? この手袋、すべりがよくて、素肌になじんで、とってもくすぐたいでしょう?」
「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!? ふぎぃいいっひっひひっひっっひっっひ、やめぇぇえ、やう゛ぇぇぇえええへっへへへっへへっへっへ~~!!!」
ムルは、10本の指で、フェイトのお腹、脇腹をもみほぐす。
「モルに聞いたわよ? フェイトちゃんここが弱いんだって?」
そう言うと、ムルはフェイトのおへそを人差し指でほじくる。
「おほほほほほほほほほほほっ!!!? ぎゃひぃいいいひひひひひひひひひひひひひひ!!!」
「その服。腋はしっかり露出してるのにお腹周りはしっかり隠れてるものね。隠れてる部分の方が敏感ってことなのかしら?」
「あいひあぁぁあああぁははっはははははは、死ぬぅういひひいっ!!!! おなかやめぇぇえあああひひひひひひひひひひひひ~~!!!」
フェイトは泣き叫んだ。
笑いたくないのに、笑いがこみ上げてくる。
そうして、自分の意思に反して自分の体が反応することに、不思議な心地よさを感じてしまう自分がいる……。
「お腹がいやならこっちがいいのかしら?」
ムルはそういって、フェイトの足元に移動すると、フェイトの両足の裏をくすぐりだした。
「いひっっひっひひっひっっひっ!!!? それもだまえぇぇぇぇえああひはははっひひひひひひひひひ!!!」
手袋が足の表面をこする感覚は、先ほどの歯ブラシや櫛とはまったく異なる刺激だった。
「フェイトちゃん。顔真っ赤にして喜んでるわね。よかったわ」
「ぐひひひひひひひ喜んでないぃいいいっ!!!? 喜んでなひいひひいい~~っっひっっひっひっひっひっひっひ!!!!」
フェイトは泣きながら否定する。
「いいのよ、強がらなくて。たねを明かしてあげると、いまね、私たち姉妹は、くすぐり奴隷を作るための精神操作魔法の研究をしているところなの」
「いひぃいいっひっひひひひいひっ!!!? くしゅぐりどれいぃってぇぁああああひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~~!!?」
くすぐり奴隷という言葉にぞっとする。
この世界では、いまだ奴隷という概念が残っているのか。
精神操作魔法にいたっても、非人道的であるという理由から、全世界で撤廃の方向に向かっているというのに。
ムルはフェイトの素足をくすぐりながら淡々と述べる。
「その名前の通りよ。くすぐられて性的に喜んじゃう変態さん。そういう奴隷ちゃんを量産して、売買するの。これが結構儲かるのよね」
「いひゃぁぁあああっはっはっはっはっはっはっははっ!!? そんにゃはははははははははっ、くひひひひ、狂ってるぅううううひっひっひっひっひっっひ~~!!!」
奴隷売買。精神操作。……
フェイトは失踪事件のとんでもない真相に戦慄する。
いますぐにでも時空管理局に報告し、この恐ろしい三姉妹を厳重に処罰しなければならない。
それなのに、……
「ふふ。フェイトちゃんももうすぐ、そんな狂った世界で、楽しい人生が始まるからね」
「いやぁぁああああひゃひゃひゃひゃひゃははははははっ!!! はじまりたくないぃいいいっっひひひっひひいひっひっひ~~!!!」
フェイトは体中の興奮を抑えることができない。
言葉では否定しても、笑いがとまらない。
もっと、……くすぐって欲しい。
はっきりとそう認識した瞬間、フェイトのくすぐり奴隷としての人生がはじまった。
(完)
(♯1 ♯2 ♯3 ♯4 ♯5)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
久々のなのはモノ。フェイトさんをくすぐって欲しいとご要望いただきました!
拘束は変わらず両手足を引き伸ばされた万歳の格好。服装も乱れたバリアジャケット姿で変化無し。
しかし、……
「ん、んぐぅ……」
フェイトはたまらずうめいた。
全身が熱く、先ほどくすぐられたお腹と足の裏が、妙にむずむずする。
掻痒感、……というよりは、体がくすぐったい感覚を思い出しているというような、そんな感じ。
足の指をきゅっと丸め、必死にその感覚を打ち消そうとする。
しかし、むずむずが止まらない。
やだ。この感覚……!
フェイトは自身の体に、とてつもない嫌悪感を覚えた。
お腹や足の裏がむずむずする。その感覚に連動するように、下腹部がうずいた。
「あら、フェイトちゃん。目が覚めたのね」
濃紺色のフード付きローブを着た長身の女性が近づいてくる。首の下から三つ編みに縛った髪の毛が、しっぽのように垂れ下がっている。
「あ、あなたは……」
「私はムル。この館の当主。妹たちとの遊びはたのしかったかしら?」
ふふっと、笑みをこぼすムル。
間違いない。三姉妹の長女であり、失踪事件の黒幕である。
「あ、……み、みんなを、帰して……んぐっ」
フェイトは体がうずくせいで、上手く呂律が回らなかった。
「あらあらフェイトちゃん。声が震えてるわよ? どうしたの?」
そう言ってフェイトの顔に手を差し出すムル。
ムルの綺麗な手。……
フェイトは、近づいてくるムルの指先を見て、カッと体が熱くなるのを感じ、ぶるりと体を震わせた。
「や、やめて……もう、くすぐらないでっ……!!」
「あら? フェイトちゃん。嘘はだめね。体はそんなに反応してるのに」
「いっ……嘘なんか……」
「くすぐって欲しいんでしょ?」
「ち……ちが……」
「こちょこちょされるの大好きになっちゃった体。認めるのが怖いだけなんでしょう? 大丈夫、すぐに素直にしてあげるから」
ムルはそう言うと、懐から手袋を取り出して両手にはめる。
まずい……。これ以上くすぐられたら……。
フェイトは下腹部の強烈なうずきを感じる。
本当に、期待してしまっているのか……。この体は……。
「や、やめて……本当に……っ」
フェイトは自分でも気付かないうちに、涙を流していた。
怖かった。
自分の体が自分のものではなくなっていくような感覚が怖かったのだ。
「あらあら、フェイトちゃん。泣かなくてもいいのよ。すぐに」
ムルの手が迫ってくる。……
フェイトは目を覆いたくなる。と同時に、下腹部が強烈にうずいた。
「笑わせてあげる」
ムルはサディスティックな笑みを浮かべ、露出したフェイトの脇腹をくすぐり始めた。
「――ぶひっ!!!? あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!?」
感じたことの無い強烈なくすぐったさが襲った。
一秒たりともこらえることはできなかった。
「どう? この手袋、すべりがよくて、素肌になじんで、とってもくすぐたいでしょう?」
「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!? ふぎぃいいっひっひひっひっっひっっひ、やめぇぇえ、やう゛ぇぇぇえええへっへへへっへへっへっへ~~!!!」
ムルは、10本の指で、フェイトのお腹、脇腹をもみほぐす。
「モルに聞いたわよ? フェイトちゃんここが弱いんだって?」
そう言うと、ムルはフェイトのおへそを人差し指でほじくる。
「おほほほほほほほほほほほっ!!!? ぎゃひぃいいいひひひひひひひひひひひひひひ!!!」
「その服。腋はしっかり露出してるのにお腹周りはしっかり隠れてるものね。隠れてる部分の方が敏感ってことなのかしら?」
「あいひあぁぁあああぁははっはははははは、死ぬぅういひひいっ!!!! おなかやめぇぇえあああひひひひひひひひひひひひ~~!!!」
フェイトは泣き叫んだ。
笑いたくないのに、笑いがこみ上げてくる。
そうして、自分の意思に反して自分の体が反応することに、不思議な心地よさを感じてしまう自分がいる……。
「お腹がいやならこっちがいいのかしら?」
ムルはそういって、フェイトの足元に移動すると、フェイトの両足の裏をくすぐりだした。
「いひっっひっひひっひっっひっ!!!? それもだまえぇぇぇぇえああひはははっひひひひひひひひひ!!!」
手袋が足の表面をこする感覚は、先ほどの歯ブラシや櫛とはまったく異なる刺激だった。
「フェイトちゃん。顔真っ赤にして喜んでるわね。よかったわ」
「ぐひひひひひひひ喜んでないぃいいいっ!!!? 喜んでなひいひひいい~~っっひっっひっひっひっひっひっひ!!!!」
フェイトは泣きながら否定する。
「いいのよ、強がらなくて。たねを明かしてあげると、いまね、私たち姉妹は、くすぐり奴隷を作るための精神操作魔法の研究をしているところなの」
「いひぃいいっひっひひひひいひっ!!!? くしゅぐりどれいぃってぇぁああああひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~~!!?」
くすぐり奴隷という言葉にぞっとする。
この世界では、いまだ奴隷という概念が残っているのか。
精神操作魔法にいたっても、非人道的であるという理由から、全世界で撤廃の方向に向かっているというのに。
ムルはフェイトの素足をくすぐりながら淡々と述べる。
「その名前の通りよ。くすぐられて性的に喜んじゃう変態さん。そういう奴隷ちゃんを量産して、売買するの。これが結構儲かるのよね」
「いひゃぁぁあああっはっはっはっはっはっはっははっ!!? そんにゃはははははははははっ、くひひひひ、狂ってるぅううううひっひっひっひっひっっひ~~!!!」
奴隷売買。精神操作。……
フェイトは失踪事件のとんでもない真相に戦慄する。
いますぐにでも時空管理局に報告し、この恐ろしい三姉妹を厳重に処罰しなければならない。
それなのに、……
「ふふ。フェイトちゃんももうすぐ、そんな狂った世界で、楽しい人生が始まるからね」
「いやぁぁああああひゃひゃひゃひゃひゃははははははっ!!! はじまりたくないぃいいいっっひひひっひひいひっひっひ~~!!!」
フェイトは体中の興奮を抑えることができない。
言葉では否定しても、笑いがとまらない。
もっと、……くすぐって欲しい。
はっきりとそう認識した瞬間、フェイトのくすぐり奴隷としての人生がはじまった。
(完)
(♯1 ♯2 ♯3 ♯4 ♯5)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)
こんばんは。ertです。
久々のなのはモノ。フェイトさんをくすぐって欲しいとご要望いただきました!