くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

2018年07月

吹奏楽部員のこちょこちょお仕置き受難 #5

「あ゛ぁ゛あ゛あ゛~~~~、あ゛あぁ゛あ゛~~~~っはっはっはははははははははっ!!!」

 部屋には美央の激しい笑い声が響き渡っている。
 美央はちゃぶ台の脚に両手首を左右のソックスで縛り付けられ、エビぞりのような体勢。その上に男が馬乗りになって、がら空きの脇腹やあばらのあたりを縦横無尽にくすぐりまくっている。

「くわ゛ぁ゛あぁ~~っはははははは、い゛ぃ゛ひひひひひひひひひひ!!! む゛り゛む゛り゛ぃいいい~~っひっひっひっひ~~っ!!」

 美央は半狂乱で暴れている。
 ぶんぶんと左右に髪の毛を振り乱し、鼻水を垂れ流し、宙ぶらりんになった素足をばたつかせる。足指が、脇腹のくすぐったさを紛らせるかのように、きゅうと縮こまったり激しくもがいたりしている。

「ぅ、ぅ、先輩……」
 咲良は嗚咽を漏らした。夕奈とともにベッドに縛り付けられているため、身動きが取れず、ただただ先輩の笑い悶える姿を見ていることしかできない。

 いつも身だしなみにうるさくて、下級生をしかりつけている厳格な先輩……。
 強気な彼女が、眉をへの字に曲げ、大口を上げ、よだれを垂らして笑い狂う。彼女がいつも清潔に整えている制服はラーメンの汁やたばこの灰、汗とよだれでべとべとだ。きれいに折り目のついていたスカートはしわくちゃになって、めくれあがってしまっている。
 咲良は、現状が自分の招いた悲劇だと思うと、心が苦しくなった。美央は厳しいだけの先輩ではなかった。夕奈や咲良をかばって、身を挺してくれているのだ。

 私が、うかつにこんな男の家に上がったりしなければ……。

 後悔先に立たず。

 となりの夕奈は、いまだ放心状態。舌を出して呆けた表情。目の焦点があっていない。

 男は美央をくすぐりながら、咲良にちらりと目を向け、
「無様な先輩だなあ。後輩の前でゲラゲラ笑って。威厳もなんにもねーじゃねーか」
 嘲り笑う。

「ひがぁぁ゛あぁははははははははっ、や、や゛ヴぇ、やヴぇでぇぇぇ゛えひっひっひっひっひっひっひっひ~~!!!」

 美央の目から涙があふれた。
 彼女のプライドはズタズタだ。

 時計がないため正確な時間は把握できないが、そろそろ部活が始まる時間だ。
 もしかすると、三人の不在に気付いた誰かが……

 咲良がそんな考えを抱いたところで、咲良のケータイが鳴った。
「あ?」と男は手をとめた。咲良のケータイは男に取られたまま短パンのポケットに押し込まれていた。
 美央はくすぐりから解放され、ぜぇぜぇと肩で息をした。
 男は着信画面を見て舌打ちする。
 ずんずんと咲良のもとへ歩み寄り、着信画面を見せた。部長の大河内紬からだった。
「おい、お前。今日の部活は休むって伝えろ」
「えっ……」
 咲良はケータイを耳元にあてられて躊躇する。
 部活を休むって……、自分も夕奈も楽器出しっぱなしなのに。無理があるんじゃないのか。
「余計な事は言うなよ」
 美央を呼び出したときと同様、夕奈の体に手を添えて脅す。

『井口さん、どうしたの?』

 耳元から紬の優しい声が聞こえてきた。
 男が通話開始ボタンを押したのだ。

「えっと……その」
 咲良は困った。
 男を見ると、「言え」と目で合図してくる。
『うん?』
「……今日、部活、休み、ます?」
 あまりに自分の言っていることが不自然なので、語尾が上がってしまった。
 紬はしばし、沈黙して、
『……いま、どこにいるの?』
 無感情な声で聞いてきた。
「あ、えっと……」
 咲良はもう一度男を見る。「余計なことは言うな」という脅し。
「……どこにも、……いません」
『どこにもいないって……。おかしいよね? そこに誰がいるの?』
「……う」
 咲良が男を見たところで、
『誰に言わされてるの?』
 紬は言った。
 咲良の声のトーンで、なにかを察したのかもしれない。
 男はいらだって、咲良の耳もとからケータイを引き離した。
「あのさ、おたくの部員が朝っぱらから騒音立てて迷惑してんだよ! あんた部長だろ、お前ひとりで謝罪に来たら、こいつら返してやるよ」
 男は乱暴に言い放った。
 電話口の向こうの紬はしばらく黙っていたが、小さく『承知しました』と聞こえた。


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・


 咲良は、紬のことを部長として先輩として好いていた。だからこそ、そんな彼女が男の餌食になるのは耐えられない。
 自分の力不足を嘆く。

 しかし、事態は急変した。

 男の家のチャイムが鳴り男が玄関に立つと、紬の他に、顧問と警官二人がきていた。
 紬は、男の電話を受けてすぐ、学校と警察に通報したのだ。
 男はあっけなく捕まり、咲良、夕奈、美央の三人は解放された。

 三人とも体力を消耗してふらふらだった。
 紬は、咲良と夕奈に「怖かったね。もう大丈夫だから」と優しい言葉を投げかけ、いつもの柔和な部長に見えた。
 しかし、直後美央に向け「すぐ私に連絡すりゃいいのに。ひとりで行って言いなりになるとか、頭悪すぎ」吐き捨てた姿がものすごく冷徹で、別人に見えた。
 咲良は、美央と紬の普段とは違う一面がそれぞれ見られたような気がした。


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 強気な子や無口な子がゲラゲラ笑っちゃう姿に萌えるのは、変貌萌えの一種かもしれない。












吹奏楽部員のこちょこちょお仕置き受難 #4

「このたびはうちの部員がご迷惑おかけして、申し訳ございませんでした」
 玄関の方から菊池美央の声が聞こえた。
 男の声はぼそぼそしていて聞き取れない。
「お詫びはなんでもしますので、二人を許してやってもらえないでしょうか」
 美央がそう言うと、また男がぼそぼそ言っている。
 少し沈黙があって、
「……わかりました」
 美央はずいぶんと聞き分けが良いようだった。
 ぎぃ、と床のきしむ音が聞こえる。靴を脱いで上がったようだ。
 足音が近づいてくる。
 美央は、部屋に入ると目を見開いた。
 咲良と夕奈は相変わらずベッドに並べて縛り付けられている。
「……菊池先輩、す、すみません」
 咲良はつい謝った。
 しかし、美央は怒っているというよりも悲しそうな表情だった。
 美央は、男に向かって、
「どうすれば、二人を助けてくれますか?」
「……え?」
 咲良は驚いた。てっきり、怒鳴られると思っていたのに。
 男はにやにやしている。

「そうだな。じゃあ、まず、それを鼻にあてて深呼吸してもらおうか?」
 男は床を指さして言った。くしゅくしゅになって落ちている咲良のソックスだ。
「……はい」
 美央は、中腰になってそれを拾い上げる。
 両手で持って、ゆっくりと顔に近づける。

「せ、先輩っ! やっ、やめてください! な、なんでそんなこと」
 咲良はたまらず悲鳴をあげた。

 美央は、咲良をキッとにらんだ。
「……うるさい、井澤。あたしが断ったら、あんたらがもっとひどいことされるでしょうが。そんぐらいわかれ、馬鹿」
 美央は毒づくと、一瞬躊躇したように動きをとめてから、一気に咲良のソックスを自分の鼻に押し付けた。
 美央の眉が苦悶に歪んだ。

「先輩……」
 咲良は心苦しくなって涙が出た。本当に泣きたいのは先輩のはずなのに……。

「深呼吸だ」
 男が促すと、美央は「すーっ」と音を立てて鼻で息を吸った。美央のしかめ面に涙が浮かんだ。
「へへ。後輩思いの先輩でよかったなあ、お前ら!」
 と、男は咲良に向かっていやらしく笑う。
「状況をすぐ察してくれてよ。さすがH高校生は賢いなあ」
 美央は時折嗚咽を漏らしながら咲良のソックスをかぎ続ける。その傍らで男があざけり笑う。

「……先輩、やめて……」
 咲良は声をしぼりだす。
 普段厳しくて怖い菊池先輩。彼女が自分たちのために身を挺してくれている。申し訳なくて、悔しくて、胸が苦しい。

「じゃあ次は、自分でソックス脱いで、その台の上に仰向けになれ」
 男はちゃぶ台を指して言った。
 美央は無言で咲良のソックスを床に置き、立ち上がる。
 するすると手際よく両足のソックスを脱ぎ去る。
 美央の、綺麗な白い素足が露わになった。足の爪はわずかに光沢して見えた。常日頃から身だしなみにうるさい美央は、自身のフットケアも怠っていないようだ。
 美央はちゃぶ台に向かう。
 ちゃぶ台に乗ったカップ麺の残骸と灰皿をどかそうとして、
「おい! 勝手に動かすんじゃねーよ!」
 男が怒鳴った。
「それを避けて寝っ転がるんだよ」
 美央はくっと顔をしかめた。
 薄汚いちゃぶ台。何かがこぼれた痕もあれば、たばこの灰がふけのように散らばっている。灰皿のたばこは何日も掃除されいないように見えるしけもくだらけ。複数積み重なったカップ麺の残骸。一番上のカップにはすでに冷たくなったであろう残り汁が見え、コバエがたかっていた。

 咲良はたまらず、
「そ、そんなのあんまりです……! 先輩、そんなの従わなくていいです」

 すると男は美央のソックスを拾い上げ、咲良の顔に押し当てた。

「ひっ!?」

 咲良は、思わず悲鳴を上げる。しかし、汚れがまったく見えない美央のソックスからは、無臭どころかせっけんの良いにおいがした。

「ちょっ、ちょっと! その子らには手を出さないって!」

 美央が鬼の剣幕で抗議した。

「お前がぐずぐずしてるからだろ! おい、口開けろ」
 男が咲良の口に美央のソックスを押し込もうとしたところで、

「わかった! わかったから! あたしがなんでもやるから! その子たちにはもうひどいことしないでっ!」

 美央は金切り声で叫ぶと、狭いちゃぶ台に腰かけ、ぐっと身をよじって仰向けになった。おろしたてのように真っ白なブラウス、折り目まで綺麗についた彼女の制服が、灰まみれのべたべたのちゃぶ台で汚される。

「最初からそうしてればいいんだよっ」

 男は再び美央の元へ歩み寄ると、彼女の顔にソックスを投げつけた。美央は反射的に顔を背けた。その拍子に顔のそばにあった灰皿の中へ、ソックスが落ちた。灰まみれになった自身のソックスを見て、美央は悲しげな表情を浮かべた。

「よし、じゃあ両手を台の下に伸ばして、台の脚を掴め」
 男の指示で美央は両腕を左右に伸ばす。途中、体の右脇に置かれていたカップ麺の山に触れそうになる。なんとか肩を持ち上げてかわす。肘を下へ曲げ、台の両脚を掴んだ。

「動くなよ」
 男はそう言いおいて、美央の足元にしゃがんだ。
 美央の素足は、ちゃぶ台の角でちょうど膝が折れ、だらんと宙ぶらりんになっている。
 男は、両手で彼女の素足の裏をかかとから指先に向けてひっかいた。

「いっ……!? なっ!?」

 美央は、びくんと膝を持ち上げた。

「おい、動くなっていったろ! あいつらがどうなってもいいのか!」
 男は恫喝する。
「……っ」
 美央は歯噛みした。
 どうやらくすぐられるとは思っていなかったらしく、驚きと怒りの入り混じった表情をしている。
 男は、ふたたび垂れ下がった美央の足の裏を撫でる。

「んっ……」

 美央は眉間にしわをよせる。
 足指がくねくねとくすぐったそうによじれた。

「そうだ。動くなよ。かわいい後輩のために」
 男はあざけりながら、爪を立て、彼女の足の裏を上下にひっかきまわす。

「ふっ……くっ……」

 体を左右に震わせる美央。
 しかし、顔のそばに灰皿、体の右脇にカップ麺の残骸があり、大きく体をよじることはできない。

「どうした? 笑っていいんだぞ?」
 男は美央の足裏をこちょこちょくすぐりながら挑発する。
「……っ」
 美央は、歯ぎしりを立てて応じた。
「あれか、先輩の威厳とかそういうやつ? 後輩の前ではぶざまに大笑いする姿なんか見せられないってか」
 男は美央の右足の指を掴んでそらし、指の付け根をこりこりと掻いた。

「んくぅぅ……っ!! ~~っ!」

 美央は、口をへの字に曲げて笑い出すのをこらえている。
 くすぐられていない方の左足が宙を蹴る。
「おい! 動くなって! H高生のくせに理解力ねーのか」
 男はそう言って、左足の足首を掴み、土踏まずをがりがりとくすぐった。

「ひぃっ……くっ、ん~~、~~っ……っ!!」

 美央は、きゅっと足指をまるめて刺激に耐えている。

「足は強いみたいだな」
 男は立ち上がると、彼女の白い太ももをぐにっとつまんだ。

「んふぅっ!?」

 美央の体がびくんと上下に動く。
 衝撃でカップ麺の山が揺れ、美央は慌てた様子で身を左側へ捩った。
 カップ麺の山は倒れずに持ちこたえたものの、男のいやらしい責めは続いている。

「なんだよ。なかなか笑わねーな。そんなに先輩のプライドが大事なのかよ」
 男は嘲笑しながら、両手をゆっくりと上昇させていく。

「ひっ、やっ、やだ……ぁっ、~~!」

 男の指が美央の脇腹に到達すると、明らかに美央の反応が激しくなった。
 体をウナギのようにくねらせ悶え、肘や膝をがくがくと震わせる。脇腹のくすぐったさに耐えるように、足指までピンとつっぱっている。
 しかし、笑うまいとしているのか、顔を真っ赤にして、唇をぐっと引き締めている。
 男は人差し指で美央の両脇腹をつついたり、ほじったり、5本指でもみこんだり、休む間もなくくすぐり続けた。
 
「あ、……んふっ」

 決壊はなんの前触れもなく訪れた。

「くはっ――……はっはっはっはっはっはっはっは!!! あはぁぁ゛あ゛~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

 美央は激しく口を開けて笑い出した。
 きれいな髪の毛をぶんぶん振り回し、顔のそばの灰皿がひっくり返った。

「ぶふぅうっ!!? げほげほぉお~~……っはっはっはっは、ぎっ、ひいひひひひひ、やだぁっ、あがはっははっはっはは!!!」

 美央は、灰まみれになった自分のソックスを顔面に受け咳き込みながら笑う。

 それでもちゃぶ台の脚を掴んだ手は離そうとしない。
 身を精一杯左側に捩り、びくびくとおなかを震わせる。カップ麺の残骸も倒すまいとしているようだ。
 しかし、男は無情にも、そうして突っ張った美央の左脇腹に10本の指を食い込ませ震わせた。

「きやぁあぁああははははははははっ!!!? やめえぇぇ~~!!!」

 びくんと体が飛びのくように反応した瞬間、腰がカップ麺の残骸に当たる。
 食べ残しのカップ麺の山が崩れ、美央のおなかに倒れ込む。
 美央の制服のブラウスに、赤黒いカップ麺の残り汁が盛大にかかった。汁はボタンや紺色の襟、顔にまで飛び散る。

「ひゃぁぁあっ!!? つめたっ」

 突然の冷たい刺激に、右手をちゃぶ台の脚から離してしまった。

「あーあ、やっちまったな。部屋も汚れちまったし、もっときついお仕置きが必要だなあ」
 男は満足げに美央に笑いかけると、床に落ちた彼女のソックスを拾い上げた。


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 夏休みのご利用は計画的に!












吹奏楽部員のこちょこちょお仕置き受難 #3

「あひゃひひひひひひひひひひっ、もう許してぇえぇぃぃ~~っひっっひっひっひっひっひ!!!!」

「んぐぃぃい゛ぃ゛~~っひっひっっひっひ、だめ゛ぐぎぃいっはっはっははっっはっはっはっはは~~!!!」

 咲良と夕奈の笑い声が折り重なる。
 すでに二人はくすぐられ続けて30分。二人とも体力は限界だった。

 咲良の左足首と夕奈の右足首が、夕奈の片方のソックスで縛り付けられている。
 男は隣り合わせに並んだ二人の素足を抱え込み、一緒くたに掻きむしっている。

 そのとき、咲良のケータイに着信があった。
「なんだよ……」
 男は舌打ちしてくすぐる手をとめると、咲良のスカートのポケットからケータイを奪い取った。
「……あ、げほげほ、……やめてください」
 咲良は力なくつぶやく。
 隣の夕奈は、「いひ……ふひひ……」と余韻でまだ笑いがこぼれている。苦手な足の裏をくすぐられ続け、体力的にも精神的にも限界を超えているのが明らかだ。頬がひきつったまま固まっており、鼻水もよだれも垂れ流し。すっかり破顔してしまった夕奈のだらしない表情を見ると、咲良は罪悪感に胸が苦しくなった。
「『菊池先輩』って誰だよ」
 男は、ケータイの画面を咲良に見せながら言った。
「……ぶ、部活の、先輩です……」
 咲良はしぶしぶ答えた。
「いま、一人かどうか聞け」
 男はそう言って、咲良の耳元へケータイを当てた。

『井澤! あんたいまどこにいるの!? 楽器出しっぱなしでなにしてんの!』

 菊池美央のよく通る怒鳴り声がケータイから聞こえた。
 まだ部活開始じかんには早い。彼女も朝練のために早出してきたのだろう。
「もしも余計なこと言ったら」
 と、男は夕奈の脇腹に指を添えた。
 夕奈はおびえたように顔をしかめ、力なく首を横に振る。
 咲良は、いたたまれなくなった。
「……す、すみません。先輩。あの、……」
『梨本も来てるみたいなんだけど、あんたら一緒にいる? 二人いるならどっちか楽器のそばで見張りつけとかないとダメって。それ無理でも教室に鍵かけろって、いっつも言ってるよね。1年からやりなおす?』
「あの、……先輩、いま、ひとりなんですか?」
『は? あんた自分の立場わかってんの? こっちが聞いてんだけど』
「あ、あの……」
『え? 紬がいれば許してもらえるとか、甘いこと考えてんの? そういうとこたるんでんだよ! 残念でした、いまあたしひとりだから! 救いの手とかないから! さっさと戻ってこい!』
 美央がそう発言したところで、男がケータイを取り上げた。
「あ、オレオレ」
『えっ?』
「H高の向かいの家に住んでるんだけどさ。お前んとこの生徒が迷惑かけたんだよ。朝からぶんちゃかぶんちゃか、うっせーよ。朝六時前からだぜ? お前んとこの教育どうなってんだよ! いま二人に謝罪させてるところだからよ、お前も来いよ。こいつらの先輩なんだろ? 誠意見せろよ」
 電話の向こうの美央はしばらく黙って、
『……わかりました。うかがいます』
 そう言って謝罪した。おそろしく丁寧な口調で、声色まで違って聞こえる。隣で聞いていた咲良は驚いた。


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 電話とかメールで呼び出してくすぐるシチュ、狂おしく好きです。












吹奏楽部員のこちょこちょお仕置き受難 #2

 どのような手を使ったのかはわからないが、数分後には梨本夕奈が連れてこられ、咲良の隣に拘束された。
 ひとり用のベッドの上に、女子校生がふたり並んで寝かされている。
 咲良はタオルで、夕奈は、もともと咲良の履いていた片方のソックスで、手首を縛られている。
「夕奈、……ごめん。私が朝練に付き合わせたばっかりに……」
「咲良ちゃんのせいじゃないよ」
 涙目の咲良とは対照的に、夕奈は毅然としていた。
「おじさん、こんなことして、ただで済むと思っているんですか? 拉致監禁、立派な犯罪ですよ」
 夕奈は男をにらみつけている。
 咲良は驚いていた。普段はちょっと天然っぽいところのある夕奈が、こんなに毅然とした態度が取れるなんて……。
「あ? なにが犯罪だ! お前等が俺の家の前で朝っぱらから騒音建ててたのが悪いんじゃねーか!」
 男は恫喝しながら、手に持っていた咲良のもう片方のソックスを、夕奈の顔に押しつけた。

「んぶっ……!!? ちょっ……や゛ぁ゛っ……!!」

 途端に、夕奈は、きゅっと顔をしかめた。ぐっとこらえるように口をつぐんだのは、咲良に気を遣ってのことだろう。悪臭で吐き気を催すのか目尻に涙が溜まっている。
 友人が自分のソックスの臭いを嗅がされて涙目になっている。咲良は恥ずかしさのあまり、顔から火がでそうだった。

「やっ、やめてくださいっ!! ゆ、……夕奈にそんなことしないで!」
 咲良は叫んだ。

「ああ?? 『そんなこと』ってなんだ! ちゃんと具体的に言わないとわかんねーぞ!」
 男は、咲良のソックスのつま先の部分を夕奈の鼻へぐいぐいねじこみながら言う。

「んぶぅぅぅう~~、……や、ん゛ん゛ん゛ん゛~~~~!!!!」
 夕奈は声にならない不快音を発している。
 真横にそのソックスの持ち主である咲良がいるのだ。むやみに顔を背けることすら憚られるのだろう。

 咲良にとってはそんな夕奈の気遣いが心苦しくてならない。

「ちゃんと言えよ」
 男の催促で、咲良は、

「わ、私の、ソ、ソックス、……夕奈に押しつけるの……、やめて、ください……」

 顔を真っ赤にして言った。

「どんなソックスだ?」
「い……、く、臭い……ソックスです」
「最初からちゃんと言え!」

「う……うぅ……、私の、……臭いソックスを、夕奈の、鼻に押しつけるの、……やめてください……っ!」

 自分のソックスを押しつけられてもがく友人の隣で、そんなことを叫ばされる。
 咲良は知らず知らずのうちに涙を流していた。

「おう、じゃあ、やめてやるよ」
 男はそう言うとソックスから手を離し、夕奈のアバラに指を突き立て、ゴリゴリとくすぐりはじめた。

「んぶぅぅぅうぅぅっ!!? ぅ゛――ん゛ははははははははははははは!!!? んがぁぁ゛あ゛っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはは~~!!?」

 途端に激しく鼻水を噴き出して笑い出す夕奈。
 悪臭によるストレスで緊張していたせいもあってか、たがが外れたように大笑いしている。

「やだっ……ああっはっはっははっはっは!!? んぎぃいいひひひひひひひひひひ、なにこれぇぇえ~~~!!!?」

 夕奈は激しく首を左右に振って笑う。
 耳の後ろで二つに結ばれたおさげが、激しく揺れた。

 よく気の利く優しい友人が隣で笑い狂っている。咲良は、すべてが自分のせいだと思うと、いたたまれない気持ちになる。

 夕奈の顔に乗っていたソックスが、はじけ飛び、咲良の方へ飛んできた。

「ぶえぇぇっ!!?」
 咲良はすぐさま顔を背けた。凄まじい悪臭。しかも、夕奈の鼻水がべっとりとついている。ついさっきまで穿いてた自分のソックスが、不快極まりない汚物となりはてた。

「おいおい。お前のソックスだろうが。自分のソックスがそんなに嫌なら、他人のならいいのか?」
 男はそう言って夕奈のアバラから手をどける。
「んぐ……げほっ、げほぉぉ」途端に夕奈は咳き込む。
 男は、夕奈の足元に周り、彼女の両足からソックスを引っ張り脱がした。
「ほら」
 そうして男は、脱がしたての夕奈のソックスの片方を、咲良の顔へ押しつける。

「う゛ぇ゛っ!!?」

 咲良はたまらず、顔を背けてしまった。自分のソックスほどの悪臭では無いが、酸味が強く、鼻に突き刺さるような臭いだ。
 はっとして隣を見ると、夕奈は涙目で恥ずかしそうに顔を赤くして「ごめん……」と呟いた。
「いゃ……夕奈、違くて……」咲良は申し訳なさすぎてどろもどろになる。

「はっ、お前! 友達はお前のソックスの臭い我慢してたのに、お前は全然だなあ! 友達のソックスがよっぽど臭かったってことかあ? どれ」
 そういって、男は夕奈のもう片方のソックスの臭いを嗅ぐ。
「やっ、やめてぇ!!」
 夕奈が叫んだ。
 男は無視してすんすんと臭いを嗅ぐ。
「全然じゃねーか! そっちの奴の方がよっぽど臭い強いのに、ひでぇなあ、おい!」
 男はそう言って夕奈のソックスを夕奈の顔へ投げた。

「んぶぅ!? ……っ」

 夕奈は、自分のソックスが顔に乗ると、すぐさま顔を背けた。しかしすぐ複雑な表情に変わったのは、彼女自身、自分の臭いよりも咲良のソックスのほうが臭いことに気付いたからだろう。

「な! お前の友達ひでぇだろ?」
 男が夕奈に向かって言う。
「…………」夕奈は無言で眉をひそめた。
「なっ、っていってんだろ!」
 そういって男は、夕奈の素足の足の裏をガリガリ爪を立ててくすぐりはじめた。

「ん゛がぁあ゛っはっはっっはっはっはっは!!? やめぇぁ゛ぁぁ゛ぁぁ~~っはっはっはっはっはっはっはっは!? なんならぁぁあははははははははははははははは~~!!!」

 途端に身をよじって笑い始める夕奈。

「や、やめてください! ゆ、夕奈を、これ以上……」
 咲良はいたたまれなくって叫ぶが、男ににらまれ、すぐに語尾を濁してしまう。

「あがひぃぃ゛ぃぃ゛ひひひひひひひひひひひっ!!! 足やめてえぇぇ~~ふひっひっひっひっひっひっっひっひ~~!!」

 男は夕奈の土踏まずをカリカリと掻きむしっている。
 夕奈の足の指がくすぐったそうにびくびくと動く。
 どうやら、夕奈は足の裏をくすぐられるのに弱いらしい。
「や、やめて……」
 咲良は隣で笑う夕奈の姿を見ていられない。
 しかし、男を止めることも、彼女を救うこともできない。
 咲良は泣きながら制止を求めることしかできなかった。

 たっぷり数分間経った後、
「お前、ソックス顔に乗せたまま、落とさなかったら、ふたりとも解放してやるよ」
 男は夕奈の素足をくすぐりながら、隣の咲良に向けて言った。
「え……? 私が……?」
「お前以外いないだろうが」
 男は夕奈の足の指を押し広げ、親指と人差し指の付け根辺りをカリカリくすぐっている。

「いぎゃあぁ゛あ゛はっはっはっはっはっはっはっは!!? だめ゛ぇ゛ぁあぇひひひひひひっひっひひひひ、そこ無理ぃい゛ぃ゛ぃっひひひっっひっっひっっひっひ~~!!!」

 夕奈のけたたましい笑い声を聞いていると、つらい。
「わ、わかりました……」
 咲良が承諾すると、男は片手で夕奈をくすぐりながら、もう片手で夕奈のソックスを拾い上げ、咲良の顔に乗せた。

「う゛っ」
 わかっていても、声が漏れてしまう。自分のものよりはマシとは言え、臭い。反射的に顔を背けそうになるが、ギリギリのところで我慢した。

「あ゛はっはっはっはっはっはっはっは!!! い゛ぃぃ゛ぃ゛~~ひひひひひひひひひひひひひぐひぃ~~!!」

 隣で笑い続ける夕奈を横目で見やる。
 鼻水を垂れ流し、あごから首にかけて涎でべとべとになっている。
 夕奈には本当に悪いことをした……。
 自分が朝練さえしようとしなければ……。
 夕奈を誘ったりしなければ……。
 咲良は、夕奈のソックスの臭いに耐えながら、後悔の念を募らせた。

 しばらくして、男が夕奈の足元で動くのが目に入った。
 気になるが、顔を動かせないため確認できない。

 男は、拾い上げた咲良のソックスを、咲良の顔、夕奈のソックスの上へ被せてきた。

「ん゛ぐぅぅ゛ぅぅ~~!?」

 咲良は悪臭に目を開けていられなかった。
 頭が反射的にびくんと動く。振り払いたい衝動に駆られるが、必死に抑える。
 涙が出るほど気持ちが悪い……。
 夕奈のソックスの上に重ねられた自分のソックスは、先ほど夕奈の噴き出した鼻水が染みこんで、湿っている。
 湿気によってさらに発酵臭がきつくなったように感じた。

「ん゛……う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛……」
 咲良の体がぷるぷると震えた。体中から脂汗がにじんでいるのがわかる。臭いということが、これほどつらいとは思わなかった。酸欠で目がちかちかした。

「ぎひぃぃぃ~~ひひひひひっひっひ、ん゛あだぁぁあ゛ぁ゛あぁぁはっはっはっははっははっははっはっはっは~~!!」
 夕奈は長時間笑い続けているためか、声がかすれている。

「ち」と男の舌打ちが聞こえ、男が足元で動くのが見えた。
 そのとき、咲良はようやく気付いた。

 いったいいつまで、ソックスを顔に乗せていれば、解放してくれるのだろう……?

 制限時間が決まっていないのなら、最初からこの取引は成立してない……?

 そんな考えがよぎった直後だった。

「あひゃっ!!? ひああぁははははははっ!!?」
 咲良は突然足の裏にくすぐったさを感じ、笑い出す。とっさのことで大きく体を揺らしてしまい、顔に乗ったソックスは二足ともずり落ちてしまった。
 男は、夕奈の足をくすぐりながら、もう片方の手で咲良の足の裏をくすぐったのだ。

「あーあ。落としたな」
 男は手を止めて嘲笑する。

「ぢ、ちがぅ……っ、こんなの、……卑怯、げほげほ……!」
 咲良は、鼻の上に染みついたソックスの臭いに、激しく咳き込んだ。
 夕奈も長時間のくすぐりから解放されて、ぜぇぜぇと肩で息をしている。

「落としたからお前らの負けな。もう二人とも許さねーからな!」

 にやりと笑う男の目に、狂気を感じ、咲良は戦慄した。


(つづく)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 羞恥と罪悪感の妙!












吹奏楽部員のこちょこちょお仕置き受難 #1

 H高校の夏服は、紺色の襟とダブルボタンが特徴的なオーバーブラウスに、紺のスカート、濃紺のミニハイソックスにローファーである。
 休日の部活動でも、身だしなみはきちんとしていないと、先輩から注意を受ける。外で練習するときだけ、首にタオルを巻くことが許されていた。
 時刻は朝の5時40分。井澤咲良は気合いが入っていた。
 咲良は誰もいない学校のグラウンドに立って、フェンスの方へ向かいトロンボーンを鳴らした。外で練習する方が、音が反響しないため、地の音で練習できるのである。ロングトーンで音出しをして、軽く練習曲を吹いてから、曲練に入る。
 首に巻いたタオルで時折汗を拭いながら、練習に励んだ。
 明朝でも、さすが夏だ。暑い。
 6時をもうすぐ回ろうかというところで、
「おい!」
 突然怒鳴られ、咲良はびくっとして楽器を下ろした。
 声の主は、正面のフェンスの向こう側にいた。真正面にいるのに、練習に夢中になっていて今の今まで気付かなかった。
 ぼさぼさの髪に無精髭、よれよれの黄ばんだシャツに短パン、サンダルというみすぼらしい格好。しかしながら、180cmは越えているであろうガタイの良い筋肉質なからだつきの男が立っている。
「うるせえよ! 今何時だと思ってるんだ!」
 男は咲良に向けて怒鳴る。目が血走っていた。
「す、すみません……」
 咲良はとっさに謝った。
「お前、なんでわざわざ俺の家に向けて練習するんだよ! ああ? 耳が痛いんだよ!! こっちは2浪して後がないんだよ! 邪魔なんだよ! お前等みたいな良い高校行ってる奴らにはわかんねーだろーがよ! 見下してんのか!? ああ!?」
 男はもの凄い剣幕だった。
「い、いえ、そんな……、ごめんなさい。向こうで練習します」
 咲良は頭を下げて引き下がろうとするが、
「待てよ! そもそもこんな時間に楽器ぶんちゃかならすことが非常識だろうが! ちゃんとこっちまで謝りに来い」
「え」
「耳が痛いっつってんだろーがよ! 慰謝料請求するぞこら!!」
 咲良は、内心「うわぁ……」とどん引きしていた。
「ちゃんと家まで誠意を見せに来たら、慰謝料は勘弁してやる。さっさと来いよ、ボケ。ほら早く! 走れよ!!」
 男がまともに話のできる相手でないことは、なんとなくわかった。
 せっかく朝練に来たのに……。すぐにでも切り上げて、練習に戻りたいが、どうすれば上手く収まるか? このまま怒鳴り続けられても迷惑だし……。……とりあえず、謝りに行けば、相手の気が済むのかな?
 咲良には、無視するという選択肢が思い浮かばなかった。
 咲良は、男の家へ謝罪に行くことにした。

 咲良は楽器を一旦教室に置いてから、その足で男の家に向かった。
 フェンスのちょうど反対側だっため、家はすぐに見つかった。 
 男は玄関の前で腕を組んで待っていた。
 咲良は、さっさと謝って帰ろうと思っていたが、
「なんだ、お前! 首にタオルなんか巻いて! それが謝罪に来る態度か! ふざけやがって! 朝っぱらからぶんちゃか鳴らすわ、お前の高校の教育どうなってんだ! こっち来いっ」
「すみませ――きゃっ!? え、ちょっと、やめてください!」
 咲良は腕を掴まれ、男に強引に家の中に連れ込まれてしまった。
 男の力は異様に強く、咲良は引きずられるようにして、一階の突き当たりの部屋に押し込まれた。
 その部屋には、病院にあるような格子のついたベッドがあった。まったく掃除がされていないようで、床にはティッシュや雑誌、参考書が散らばり、やや酸っぱい臭いがした。部屋中央に置かれたちゃぶ台の上には、模試の答案用紙らしい紙束と一緒にカップ麺の残骸と灰皿があった。窓にはヒビが数カ所入っており、カーテンはヤニで汚れている。
 男は咲良のタオルを奪い取ると、彼女の手首をベッドの格子に括り付けた。
 咲良はベッドの上に仰向けに寝かされ、身動きが取れない。そんな状況になって初めて、強い恐怖と身の危険を感じた。
「お前等、頭いいからって調子のってんじゃねーのか!?」
「……ち、ちがっ……そんなこと、ないです! ごめんなさいっ、ごめんなさい」
 咲良は恐怖のあまり泣きそうになった。
「何がごめんなさいだ!! そもそも朝っぱらからぶんちゃか楽器吹くことが非常識だっつってんだろーが!! お前んとこの指導者どうなってんだ!? H高でも所詮その程度なんだろーが! 俺が代わりに教育してやるよ」
 男は咲良の体に馬乗りになると、

「ごめんな――きゃはんっ!?」

 突然、咲良の腋の下へ両手の人差し指をつっこんだ。
 予期せぬ刺激に、素っ頓狂な声を上げる咲良。
 男はその反応にいびつに唇をゆがめると、こちょこちょと10本の指で咲良の腋の下をくすぐり始めた。

「やはっ!? きゃっ!? なにっ、えぇぇっ、きゃははははははははははっ!!? なにぃ~~!?」

 咲良は突然のくすぐったさにこらえきれず笑い出してしまった。
 薄いブラウスのため、くすぐったさが直に伝わってくる。
 男は鼻息を立てながら咲良の腋の下をくすぐりつづける。

「きゃはっはっはっはっはっは、何ぃいいい!? ホントに何ぃいいひっひっひっひっっひっひ、やめてぇ~~!!!」 

 咲良は必死に体をよじり、両足をばたつかせてもがく。
 しかし、手首の拘束と、馬乗りになった男の重みで、まったく抜け出すことができない。

「ホントにやだぁぁはっははっはっはっはは、意味がぁあぁぁっ、意味わかんないぃいひっひっひっひ、やだぁぁあっはっはっはっはっはっはっは~~!!」

 男は一心不乱に指を動かしている。
 親指をぐりぐりと乳房の裏に押し込まれ、アバラをしごかれる。

「いひゃはははははははは!!? やめぇぇぇぇぇえっ!!! 苦しいぃっ、ごめんなさいっ!!! 謝るからぁあはっはっはっははっははっはっっは、こちょばさないでぇぇえっはっはっはっはっはっはっはは~~!!!」

 咲良は自分の置かれた状況が理解できなかった。
 楽器の音量でいちゃもんをつけられ、謝罪にいったら、ベッドに縛り付けられくすぐられて、大笑いさせられている。
 さらに鼻息をたてながら無言でくすぐり続ける男の不気味さ。至近距離で顔を覗き込まれ、気持ちが悪すぎる。
「やだやだやだぁぁあっはっはっはっはっはっっは、腋ばっかりぃひひひひひひ!!! ごめんなさいぃいひひっひっひっひっひっひ~~!!」
 咲良が激しく笑いながらそう言うと、男は手を止めた。

「……げほげほっ!? えぇ……っ?」

 突然消えたくすぐったさ。脳が酸素を求め、深呼吸する。
 休息も束の間、男は両手を下方へずらし、今度は咲良の脇腹をもみしだいた。

「ぶふぉおおほほほほほほっ!!? ちょぉおお、急にぃあひはははははははははははははは!!!」

 再び襲う強烈なくすぐったさに、咲良は盛大に吹きだした。

「やめてっ……っ、っ、っ、ひぃぃ~~っひっひっひっひ!! 脇腹ぁああっはっはっははっはっははっはは!!!」

 咲良は、自分が「腋ばっかり」と発言したから脇腹に標的が移ったのだと理解した。
 しかし、ぐにぐにと脇腹を揉みほぐされる感覚は凄まじく、咲良はうまく喋ることができない。

「やう゛ぇでぇぇへっへっへっへっへっへ!! わきばらぁああははははははははは、こちょう゛ぁしやぁぁっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 咲良は激しく首を左右に振って笑う。
 開きっぱなしの口からは涎が流れ出た。
 ベッドのシーツが汚れることは、男は気にしていない様子だった。

「いあぁあはははははははははっ!!! ほんとにだめぇぇえぇぇ、脇腹ぁぁああっははっははっはっはははっはは~~!!」

 くすぐったい部位を連呼することしかできない。
 男の指が、くりくりと横っ腹をえぐるようにくすぐってくる。
 それが、くすぐったくて、たまらない。

「やだひひひひひひひひひひひっ!!! こちょばぁああっはっはっはっはっは、息できないぃひひひひひひひひ、ぐるじぃ~~!!!」

 咲良は酸欠で涙を流した。
 頬が引きつって痛かった。

 男が手を止めたのはたっぷり数分経ってからだった。相も変わらず無言で、不気味だ。
 咲良は全身汗だくで、息も絶え絶えだ。
 男は体を反転させ、咲良の膝の上に座り直した。咲良からは大きな男の背中しか見えない。男の手元が見えないのが不安を煽った。
 ふと、咲良は足元が涼しくなるのを感じる。
 男は、咲良の両足からローファーを脱がしたのだ。
 そうだ。咲良は玄関で腕を掴まれ、靴も履きっぱなしのままベッドに縛られたのだった。
 汗だくになるまでくすぐられる間、ずっとローファーを履きっぱなしだった足は、蒸れていた。
 男は、咲良の蒸れた足から、無理矢理ソックスを脱がし取った。
 男は、咲良の方を振り返りながら、ソックスの臭いをすんすんと嗅いだ。

「ちょっ……やだっ……やめてくださいっ!!」

 咲良は顔から火が出そうなほどの恥ずかしさを感じた。自分のソックスが、得体の知れない男に臭いを嗅がれる気持ちの悪さ。咲良は男から自分のソックスを奪い取りたい衝動に駆られるが、両手が縛られているためどうすることもできない。
 男はさらに、ソックスのつま先を口に含んでみせる。
 咲良はさっと目を背けた。あまりの気持ち悪さに見ていられない。
 男はにやりと笑うと、咲良の顔にそのソックスを押し当ててきた。

「ぶへっ!!? やっ、くさっ……やだぁぁっ!!!」

 咲良は、あまりの臭さに、鼻水を噴き出してしまった。納豆とヨーグルトを混ぜたような臭いだ。さらに男の涎のついた気持ちの悪さで、吐き気を催す。

「やだぁあ……気持ちわるぃ……ふぇえ」

 咲良はたまらず泣きだしてしまう。
 男は、そのまま咲良のソックスを咲良の顔面に放り捨てると、再び背を向けた。
 そして、咲良の素足の両足の裏へ爪を立てた。

「ひっ!!? ぎぃいいいあはははははははははははは!!!? げほげほぉぉっ!? ……ぉっ、がひぃい、もおおおおおおあはははははははははっ!!!!」

 咲良は足指を激しく蠢かせて大笑いする。
 臭いソックスが顔に乗っているため、時折むせた。
 男は、そんな彼女の反応を楽しむように、ガリガリと足の裏を引っかき回した。

「やはははははははははははは!!!! ごめんなさいごめんなさいぃいいひひひひひっひひひひ~~!!! 謝ってるのにぃぃいひひひひひひひひひひひひ~~!!!」

 咲良は、時間も忘れて笑い続けた。
 そんな折、

「あ?」男は突然舌打ちして、くすぐる指を止めた。

 咲良は一瞬頭が真っ白になるが、すぐに男が手を止めた理由がわかった。
 男が首を向けた方角から、トランペットの音が聞こえていた。その音色は、昨日咲良が朝練に誘った夕奈のものに間違いない。
「……んだよ、まだ7時じゃねーか。ほんっとに、お前のとこの教育クソだな!!」
 男は吐き捨てると、ベッドから立ち上がる。
「ま、ま、待ってください!」
 部屋を出ていこうとする男に、咲良は慌てて声をかけた。
 男は無言で振り返った。
「……あの、わ、私は、どうなってもいいです。な、なんでもします……。なので、他の子には変なこと、しないで、……」
 言い終える前に、男がずいずいとベッドの方へ戻ってきて、いきなり咲良の腋の下をくすぐった。

「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!?」

「お前、何様のつもりで俺に指図してんだ!! 立場わきまえろボケ! お前は、朝っぱらからぶんちゃか楽器鳴らすなんて非常識なことをして、俺に迷惑をかけた。だから俺に罰を受けてる。そうだろうが!?」

「あひゃひひひひひひひひ、ごめんなさいぃひひひひひひ~~!!! ごめんなさぃいいっひっひっひっっひっひ~~!!!」

「いまぶんちゃかやってる奴もお前と同類! 非常識な馬鹿。俺が罰を与えて、矯正してやらねーとだめなんだよ!!」

 男はそう吐き捨て、部屋を出ていった。
 ひとり取り残された咲良の目に、涙が溢れた。


(つづく)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 そろそろ甲子園&吹奏楽コンクールの時期なので!












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