くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

2020年05月

くすぐりエイリアン #2

 検体Xの変異がはじまってから丸一日が過ぎ、二度目の朝を迎えようとしていた。

清香
「先生……。自分の目で確かめるっておっしゃっていたのに……」

 浦部はいつの間にか眠ってしまっていた。
 椅子に腰かけ机につっぷすようにして寝ている浦部の背中にそっと毛布をかける。

 清香はそれほど眠気がなかった。
 定期的に声を上げて笑ったことが、眠気覚ましになったのかもしれない。

清香
「は、は、は、は……!」

 ひとりで笑い声をあげてみても、検体Xに変化はない。いつまでも同じようにうごめいているだけだ。

(……シテ)

清香
「えっ……?」

 空耳かと思った。
 しかし、確かにガラスケースの中から人間の声らしき音が聞こえた。

 清香はおそるおそる、ガラスケースをのぞきこむ。

(……シテ)

清香
「して?」

(……ダシテ)

 かすれるような声だが、確かに「ダシテ」と聞こえた。
 24時間以上、ただれた肉体をうごめかせつづける検体Xの醜い姿……。
 清香は、目の前の地球外生命体が苦しみ、助けを求めているように思えた。

 血迷った。

 清香がガラスケースのふたを開けた途端、中の検体Xが勢いよく飛び出し、清香の頭に つ か み か か っ た 。

清香
「……っ!?」

 間違いなく人間の手の感触。
 清香の頭にぶら下がる生温かい肉塊。
 清香は視界を奪われパニックになる。必死になって振りほどくと、……

清香
「え……こんなことって……」

 目の前に、褐色の全裸の男が立っていた。

清香
「いまの、一瞬で人間の大きさにまで……?」

 清香は腰が抜けてしまった。

X
「イマノ、イシュンレ、ニゲノ、オキサマ、レ?」

 検体Xは口をぱくぱくさせ、清香の発した音を真似する。

清香
(なんて進化の速さ……。まさか、ケースから出るために、私を利用した……?)

 清香は青ざめた。目の前の地球外生命体は、想像以上に生存能力に長けている。
 検体Xは、一歩、一歩、と大地を確かめるように清香に近づく。

X
「ワラエバイダヨ」

 検体Xの発した音は、先日浦部教授が清香をくすぐる寸前に発した言葉をトレースしたものだった。


(つづく)













くすぐりエイリアン #1

浦部
「こいつは、……驚くべき生存能力だ!」

 T大学の浦部研究室。浦部孝之教授はガラスケースの中を覗き込んだ。
 ケースの中には、灰褐色で毛むくじゃらの犬にも猫にも見える生き物が四肢を折りたたんでうずくまっている。視線が鋭く、浦部に向けられている。

浦部
「三上くん! ちょっと来てくれたまえ!」

清香
「なんですか? 先生」

 大学院生の三上清香が小走りでかけてくる。

浦部
「ちょっと笑ってみてくれないか?」

清香
「はい? こうですか?」

 清香がにこりとほほ笑むと、浦部は首を横に振った。

浦部
「違う。もっと声をあげて」

清香
「えっ……? ちょっと意図がわかりかね――」

浦部
「笑えばいいんだよ!」

 浦部は、清香の腰をつかみ、ぐりぐりと指を動かした。
 
清香
「ふぁっ!? やっ……ちょ、せんせっ……あははははははははは!?」

 たまらず身をよじって笑う清香。
 すると、ガラスケースの中の生物が激しくけいれんをはじめた。

浦部
「ほら、三上くん。見たまえ」

清香
「えっ!? これって……。まさか、昨日までネズミの形をしていた、例の検体Xですか!?」

 清香は驚愕の表情を浮かべる。
 ガラスケース内の毛むくじゃらの生物の体がスライムのようにただれ、ぐねぐねとなみうつ。

浦部
「そうだ。先月落ちた隕石に付着していた細胞から培養した検体X。最初はアメーバ状だったのが、数日でげっ歯類の体に、そして犬の形に……。地球外生物にもかかわらず、どうしてこうも簡単に地球上の生物に酷似した肉体に変異していくのか。しかも、異種間交雑を介することなく! ようやく変異のトリガーが判明したのだ!」

清香
「それが……、まさか……!」

浦部
「笑い声だ。この地球外生物は、外界生物の発する笑い声から遺伝情報を解析し、生存するにあたってもっとも環境に適合する姿に、自身の肉体を作り替えるのだ!」

清香
「それはすごい発見です……! つまり、一個体で進化可能な生物ということですね。しかし、なぜ笑い声がそのトリガーに……?」

浦部
「おそらくは、より進化の過程を経た生物の遺伝子をトレースするためだろう。『笑う』という機能は、高等生物にしか備わっていないからな」

清香
「なるほど。……しかし、先生。私の笑い声から遺伝情報を解析したということは、この検体Xはこれから人間の形になるのでしょうか?」

浦部
「それをこの目で確かめねばならない。三上くん! 今夜は眠れんぞ!」

清香
「はい!」

 浦部と清香はそれから数時間つきっきりで検体Xの変異を見守った。
 しかし、ぐねぐねと波打つ状態がつづき、一向に変異が完了しない。
 なんどか浦部が清香をくすぐって笑い声を追加して聞かせてみたが、効果は見られなかった……。


(つづく)











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