「なんでアズサ靴下穿いてないの?」
「え? 暑いじゃん」
「いや、暑いけども。汚くない?」
「なんで?」

 ある夏の午後。
 教室の後ろからそんな会話が聞こえてきて、興奮した。二人の女子生徒が机にもたれかかって話している。片方の女子はきちんとつま先まで制服を着ていた。が、もう片方の女子は、上はきちんと制服なのに、足元は靴下を穿かず素足で上履きを履いていた。
 その日は一段と蒸し暑かった。

「いやいや……だって、それ、上履き。素足で履いてるし」
「ん? だから暑いからじゃん」
「あ、うん……、いいや」

 会話がかみ合っていなくて面白かった。

「カナも脱いだら?」

 素足で上履きを履いているアズサが、きちんと靴下を穿いているカナに向かってそんなことを言った。

「えー。やだよ」

 カナはマジで引いている。

「そんなこと言わずに脱ごうよぉ~」
 そう言いながら、アズサはカナにもたれかかった。

「だからやだって……こらっ! まとわりつくな! ――ってきもいきもいきもいぃぃひゃひゃひゃひゃっ!?」

 アズサは、カナに抱きついて脇腹をくすぐっていた。
 カナは身をよじって笑っている。

「やめぁあっはっはっはっはっは……あだぁぁあ!?」

 二人はもつれ合って、床に倒れこんだ。

「アズサ……あんたいい加減に……、こら! 重いって! おりろぉ~」

 アズサがうつぶせになったカナのお尻に馬乗りになっていた。
 アズサはにやにやとイタズラっぽく笑うと、
「へっへ~、脱がしちゃうもんねぇ」
「あっ、こら、やめろ~」
 身動きの取れないカナの足から、上履きを脱がし取り、靴下まで脱がし取った。

 そして、アズサは何を思ったのか、カナの足の裏をくすぐりはじめたのだ。

「うひゃひゃひゃひゃひゃっ!!? なにっ!? やめあぁぁぁぁははっはあはははははははははは!!!」

 アズサは天井を向いた足の裏を、ガリガリと掻きむしっていた。
 カナは、上半身をびたんびたんと床に打ち付けて笑っている。

「カナも靴下脱ぐ?」
 くすぐりながらアズサが問う。

「脱ぐからぁぁあっはっはっはっはっはっは!」
 カナは、涙を流して笑っていた。

 その日以降、カナは素足に上履きを履いていた。


(完)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 仰向けになった子の膝とか尻の上にのっかって、足の裏をガリガリするシチュは割と好きです。