琥珀が秋葉にロリ返りの薬を盛った日…の夜、琥珀は怒りの秋葉の手で十字架にくくりつけられた。

「秋葉様! 私はただ、常日頃から素直になれない秋葉様の態度に――」
「黙りなさい」

 琥珀の弁明を、秋葉はピシャリと断じた。

「よくもあんなわけのわからない薬を、おかげで……おかげでぇ……っ」

 秋葉はわなわなと怒りに肩を震わせた。
 ロリ返りをした秋葉は学校で一日中兄の服にしがみつき、果てはトイレまで同席するという醜態をさらしたのだ。
 思い出すだけで、秋葉の怒りは頂点に達し、さらに遙かな高みへ突き抜けた。

「私の羞恥、身をもって思い知りなさい」

 すると、琥珀の十字架の後ろから十本の腕が生え出てきて、いきなり琥珀の体をくすぐりはじめた。

「あっ、あはははははははははははっ!!? やっ、秋葉様やめぁぁあっははっはははっはっは!!!!」

 腋の下、脇腹、お腹をくすぐられ、琥珀は涙を流し大笑いする。
 足元の手は、琥珀の足袋を脱がし取り、素足をくすぐりはじめた。

「やはははははあはははっ!!! あぁぁ~~っはっはっはっははっはっはは!!!」

 体を引き伸ばされたまま身動きが取れず、琥珀はただビクビクと体を痙攣させて笑い悶える。

「やっははっはははは、秋葉様っ……あひゃっ!? おゆるしっ、おゆるしをぉぉ~~ひゃひゃははははははは!!!」

「許さない……絶対に……」

 秋葉はギリギリと歯ぎしりを立てながら般若の形相を、笑うことしか出来ない琥珀に向けた。

「あぁぁぁあ~~っははははははははホントにぃぃぃ~~死んじゃうぅぅぅっひっっははっはははっははっはは!!」

 そのとき琥珀は、笑顔でしか苦痛も恐怖も表現することができなかった。 
 秋葉の怒りは、なかなか収まりそうになかった。


(完)