日影さんは感情がないそうです。

「なんなん?」

 不機嫌そう(かもしれない)なのも無理ありません。
 日影さんは台の上でIの字に縛り付けられています。

 今日は、日影さんの感情を引き出して遊ぼうと思います。

「わけがわからん」

 日影さんは余裕をかまして(いるかもしれない)いますが、果たしていつまで持つでしょうか。

 日影さんの露出したお腹。
 くびれがとても綺麗です。
 その上に、どろりとローションを垂らします。

「ちべたい」

 率直な感想をいただきました。
 足元へ向かい、ブーツを脱がし、素足にします。
 足にもローションをたっぷりと垂らします。

「んぁ……」

 日影さんは気持ち悪そう(かもしれない)に足の指をくねくねと動かしました。
 くちゅっと指が擦れ合い、音を立てます。

 再び上半身に戻ってきて、日影さんのお腹のローションを引き伸ばします。

「……っ、……っ」

 びくりと日影さんの体が震えました。

 ぬりぬり。

「っ、っ」

 にゅるにゅる。

「っ……!」

 やっぱりくすぐったいのでしょうか。
 日影さんの口元がもごもごしています。

 ローションを徐々に引き伸ばし、脇腹、背中の方へ。

「ん……っ」

 声が漏れました。
 その顔は、笑いをこらえているようにも見えます。

 指先で日影さんのお腹の皮膚をマッサージするように。

「……んぅ……ぁ、――ひぁっ!」

 一段と高い声を上げました。
 指が乗っているのは、おへそです。

 そのまま、ゆるりと指を這わせてみます。

「ひゃぁっ!? んはっ、はぁぁぁんっ!!」

 艶めかしい声です。
 日影さんは眉を寄せて、渋面を作っています。

 ひとしきりお腹にローションを塗りおえて、もうずいぶんと感度も上がったことでしょう。
 てかてかと光る日影さんのお腹、脇腹に指を立てて、本格的にくすぐり始めます。

「ひゃっ、はっ、うはっ――!!!」

 あっけない幕切れでした。

「ははははははははははははっ!!! ひあはっははっはははっははっはは!!!」

 日影さんのお腹は、くすぐるたびにぽこぽこと上下します。

「あぁっはっはっはっははっはっははひぃっひっひっひっひひひ!!」

 感情がないのではなかったのでしょうか。
 けらけら笑う日影さんは、年相応の可愛らしい女の子でした。

「あはははははっ、ははははははぁぁあああっはっはっはっはひぃ!!」

 足元へ移ります。

「……ひぁ、はぁ、も、もうええやろ?」

 息を切らした日影さんが懇願してきました。
 無視して、足のローションを引き伸ばします。

「うひゃっ、あひゃひゃっ、はひひひひひやめっ、はひぃぃ~~」

 今度は触っているだけでもかなり笑っています。
 一度笑って敏感になっているせいか、それとももともと足が弱いのか。

 足全体にローションをのばしてから、ぐっと指を足の裏に食い込ませます。

「あひゃぁぁあはははははははふひぃぃっひっひっひっひ~~!!」

 かなり激しく笑い出しました。
 やはり足の裏は弱いようです。

「はひひひひひひひひひひひひひひぃぃいいっひっひっひっっひっひ!!!」

 くちゃくちゃと激しく音を立てながら足の指が暴れています。
 綺麗な足の形でした。
 くねくねよじれる様は、とても官能的でした。

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!! あひゃぁぁ~~はっはっはっはっはっはっはははっはひぃぃ!!」

 激しく首を左右に振って、笑い悶える日影さん。
 結論。
 日影さんにも感情があります。


(完)