高校生カップルの部屋を出た。
 ドリンクバーのコーナーで女子大生らしいロングヘアの女の子がカップを3個持ってソーダを注いでいる。
 花柄のワンピースにジャケット、黒ストッキングにモコモコブーツという格好。大人しそうな雰囲気。いかにもパシらされそう、というか、自分からパシリをかってでそうなタイプだ。
「すみません、ちょっといいですか?」
「ふぇっ!? は、はいっ!?」
 谷井は声をかけ、振り向きざまに洗脳アプリの画面を見せた。

「へっ? ……あ、あ、あ、あ、あばばばばば『私は生涯谷井重里様に服従を誓うくすぐり奴隷です』ううううううんぐぁぁあ!!?」

 彼女は白目を剥いて後ろ向きにひっくり返った。

 ――

「そういえば君、名前は?」

「あひゃひゃひゃ、安藤実乃莉(あんどう みのり)ぃいいいっひっひっひひっひ!!」

「じゃあ、君は?」

「あひっひひっひっひ、猪飼純玲(いかい すみれ)ぇぇっへっへっへっへっへ~~!!! あにゃぁぁああん」

 谷井は花柄ワンピの実乃莉と、彼女が案内してくれた部屋にいた茶髪ショートボブの純玲。
 純玲は、ブラウスにロングスカート、厚底のブーツという格好だった。実乃莉同様地味な印象。ブーツの中は地味なショートソックスだった。
 ソファの中央に谷井が座り、その両脇に実乃莉と純玲が足を上げ谷井に向かって座っている。それぞれ両足を伸ばして谷井の膝にのせるように指示してある。
 谷井の右膝には実乃莉の素足、左膝には純玲の素足がのっかっており、谷井は二人の足の裏をくすぐっている。
 床には、破かれた実乃莉の黒ストッキングの残骸と、脱がされた純玲の両足のソックスが散らばっている。

「きゃはははははは、足の裏吊りそうぅぅはっはっはっははっはっははっは~~!!!」
 実乃莉はロングヘアをぶんぶん振り乱して笑っている。
 彼女の足はエジプト型の正常足。土踏まずのくぼみがちょうど良いくすぐりやすさだった。

「うひゅいひっひっひひいっひひ、足いぃっひひひひひひひ、恥ずかしいぃのにぃいひひひいひひい~~!!?」
 純玲は真っ赤になった顔を両手で押さえながら、きゅっと肩を窄めて笑い悶えている。
 彼女の足はエジプト型の扁平足。いかにも運動不足そうなぽてっとした足で、異様に血色が悪く白い。おそらく小中学校の体育の授業でさえ素足になるのが嫌いだったタイプだろう。

 実乃莉によると、彼女らはN女子短大の学生。
 仲良し3人組でカラオケに来たらしいのだが……。

 ガチャリ。
 しばらくして扉が開く。
「……えっ?」
 入ってきた女の子は固まってしまった。トイレから戻ってくると親友2人が見知らぬ男に足の裏をくすぐられ爆笑しているのだ。当然の困惑だろう。
 黒い上下のスーツにストッキング、パンプス、髪はポニーテール。宇野都美(うの みやび)という名前と、彼女が就活中だということは、すでに実乃莉と純玲から聞き出している。
 キョトンとした表情を浮かべる彼女に、谷井はアンドロイドを向けた。


(つづく)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 洗脳アプリとか洗脳ペンライトとか洗脳ノートとか。くすぐりモノでも量産されて欲しい^p^





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