○弟の部屋

 ガチャっ

もこっち
「弟、足裏文字当てゲームをやろう」


「は? ひとりでやってろよ」

もこっち
「そうか」


「おい。なに勝手に俺のベッド座ってんだよ」

もこっち
「こうしないと足の裏に文字が、……うひゃひゃひゃっ!!? あひゃひぃぃぃ!!」


(自分で自分の足に文字書きながら笑ってる……うぜぇ)

もこっち
「答えは『リア充』だ」


「足の裏に何書いてんだよ……」

もこっち
「足の裏で踏みつけてやろうと思ってな!」ドヤッ


(うぜぇ)

もこっち
「……って、自分で書いたらもろバレじゃないか。弟、責任とれよ」


「責任ってなんだよ」

もこっち
「やっとその気になったか。さあ、私の足に文字を書け。私が勝ったら、なんかくれ」


「聞いてねぇし。てか、なんもやんねーし」

もこっち
「弟……。お前、ケチだな……」アワレミノメ


(うぜぇ)

もこっち
「弟よ」


「……」

もこっち
「弟よ!」


「……」

もこっち
「一回だけ。一回だけでいいから。一回だけやってくれたら我慢できるから!」


「だぁ、うっせ! おっさんが女子高生に援交頼むみたいに言ってんじゃねーよ! 一回だけ付き合ったら出てけよ、姉ちゃん」

もこっち
「くくく……最初からそう言っていれば良いものを」ニヤニヤ

 ガチャっ
 ぽいっ
 バタンっ

もこっち
「わかった! 弟! 今のは私が悪かった! 閉め出すな! 一回だけ! 一回だけ!」


(ホントにうぜぇ……)

 ガチャっ


「勝手に入ってきたし」

もこっち
「さぁ、弟よ。私の足を愛でるがよい」


(うぜぇ……)
「一回だけだぞ? 一回やったら出てけよ? 約束だぞ?」

 マジックの蓋、きゅぽんっ

もこっち
「私が勝ったら、お前の大事なものを一ついただくぞ」


「すでに俺の大事な時間は侵害されてるけどな」

 カキカキ

もこっち
「うひひひひひひひひひひひっ!!!」


(きもっ!?)

もこっち
「あひひゃひひひひひひひひひっひぃぃっひっひひっひ!!」


(白目剥いて笑ってるし……。さっさと書き終えよう……)

もこっち
「うひゅひひひひっひ――あへっ? も、もう終わりか?」


「終わりだ。さっさと出てけ」

もこっち
「ここで勝利条件を確認しておこう。弟。私が文字を当てたらお前の勝ちだ。私が文字を当てられなければ私の勝ちだ」


「は? そんなの聞いてねーし。姉ちゃんが圧倒的に有利すぎんだろ」

もこっち
「私がルールだ」


(うぜぇ)

もこっち
「さっきのは早く書きすぎてよくわからなかったかもしれないな。このままだと私の圧勝だぞ弟? ……それとも、もう一度ゆっくりと書くチャンスをやろうか?」ニヤァ


(本気でうぜぇ……)

もこっち
「ん? ん? どうした? このまま私が圧勝してもいいのか?」


「わかったよ。次はゆっくり書いてやるから、絶対当てろよ。絶対だぞ」

もこっち
「寛大な姉の慈悲に感謝するがよい」


(うぜぇ)

もこっち
「さぁ私の足を愛でよ」


「……」

 カキカキ

もこっち
「うひゅひゅひひっひひひひひひ!!!」


(……きも。足の指めっちゃうごいてるし)

 つつーっ、かき、かき

もこっち
「うひぃぃいっひっぃっひぃひぃぃっひひひひゃひっひひぃぃいい!!!」


(舌出して笑ってる……。こいつ本気で喜んでるんじゃねーか?)

もこっち
「ひぃぃぃっひひひひひひひひひっひひうひゅっひぃぃっひひっひひ!!」


「終わったぞ?」

もこっち
「ひぃぃっひっひっひっひひっひうひぃぃ~っひっひ」


「姉ちゃん! 終わったぞって! いつまで笑ってんだよ」

もこっち
「ひっひっひ……お? お、そうか。ついついトリップしてしまっていた」


「なにがだよ」

もこっち
「今度ははっきりわかったぞ」


「さっさと答え言えよ」

もこっち
「『さっさと出てけ』」

 ガチャっ
 ぽいっ
 バタンっ

もこっち
「ちょっおまっ……!! 大事なもの! 大事なもの!」

 それ以来、ときどき弟はもこっちの足裏文字当てゲームに時間を割いてくれるようになった。



(完)



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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 ずいぶん前にチャットルームで書いたもこっちを発見。書いたことをすっかり忘れていました。気まぐれに公開します^p^