アキ
「ミカ。明日のエキシビジョン、楽しみだね! 大洗チーム、きっと勝てるよね」

ミカ
「どうかな? 明日は明日の風が吹くからね。今日の風に聞いてもわからない」ポロロン

アキ
「またそんなひねくれたこといってぇ」もーっ

ミカ
「勝つか負けるか……、期待することに意味はあるのかな?」ポロン

アキ
「えー、じゃあなんのために試合するっていうのよー?」

ミカ
「風が行き着く先は誰にもわからない。それなら、いま吹いてくる風を、全力で感じるまでさ」ポロンポロン

アキ
「……もーっ! またわけのわかんないこといってぇ。ちゃんと教えなさいよー」脇腹つんつん

ミカ
「……~♪」ポロロンポロン

アキ
(あれ? 全然反応ない……。効かないのかな)ツンツンツン

ミカ
「……~……♪」ポロン……ポポロン

アキ
「……あれ? ミカ、ちょっととちった? もしかして、くすぐったいのガマンしてる?」さわさわっ、つんつん

ミカ
「…………」ポロン、……ポロン

アキ
(黙ってるってことは、効いてるのかな?)コチョコチョ

ミカ
「……っ! ……~~♪」ポポッ、ポロンポロン、……ポロロン

アキ
「ミカ、無理してない?」脇腹コチョコチョ、ツンツン

ミカ
「……それを続けることに、……意味はあるのかな?」ポロン、……ポロ

アキ
「うーん、意味……。ミカのいってることの方が意味わからないから、ちょっと仕返ししてみようかなって」腋サワッ、脇腹グリグリ

ミカ
「……人はすぐ結論を急ぎたがる生き物だからね。行為と結果が近ければ近いほど、安心できる。逆に、結果がすぐに出ないと、焦ってしまうんだ」ポロ、……ポロロ~ン

アキ
「だからそういうのがわけわかんないのよ!」コチョコチョコチョ

ミカ
「……」ポロ、ポロ、ポローン

アキ
「ミカ?」コチョコチョ

ミカ
「風の声を聞いていたのさ」ポロン、……ポローン

アキ
「だからあ!」コチョコチョ

ミカ
「……そう、風が奏者なら、人は楽器かも知れないね」ポロロン

アキ
「なにいってるの?」

――
―――
――――

 ズンチャ、ズンチャ♪
 ポルカに乗せて、ミカの細い指先が踊る。

「きゃははははははっ!!? ミカっ!! やめ……あぁぁ~~っはっはっはっはっはっは!!?」

 体をIの字に両手足を引き伸ばされ仰向けに横たえさせられたアキ。
 ぺろんと服の裾をめくられ晒されたアキのお腹を、ミカはカンテレを演奏するかのように指で弾いていた。

「ミカぁぁあっはっはっはっはっはっは!! ごめんぃぃっはっはっはっは!!! 調子に乗りすぎたぁぁっはっはははははははは~~!!!」

 ミカは澄ました表情でアキのお腹をくすぐり続ける。
 さきほどくすぐられた報復なのは明らかだ。
 アキはお下げの髪の毛をぶんぶんと左右に振り回して大笑いしている。

「おねがぁっはははっはっは!!? ミカぁぁあはははははははは、反省してるっ!! 反省してるからぁあっはははっはあはっはは!!!」

 アキが目に涙を浮かべて謝罪しても、ミカの演奏は止まらない。
 カンテレの演奏を日課にしているためか、ミカの指先の動きはしなやかだった。

「あぁぁあっはっはっはっはっは~~、ちょっとおおおおおはっはっはっはっは!? 聞いてるうううっはっはっははっはっは!!! もぅ勘弁してぇええっはっはっはっはは~~!!」

 アキの体は、時にカンテレ、時にアコーディオンを演奏するように指を這わされた。
 カンテレのパートはお腹を両手でくすぐられる。
 アコーディオンのパートは、片手五本の指で足の裏を弾かれた。

「ひあぁあっははっはっははっはっは~~!!!? ちょっとおおおおおおっはっはっはっはっはは!!! アコーディオンのメロディながいぃいっひっひっひっひ~~~!!!」

 演奏中のとあるポルカは、アコーディオンの見せ場が多い。
 スケールのために指を激しく上下移動を繰り返させられるのは、アキにとって地獄だった。

「かあああっはっはっはっはっはっはっは!!! おわってぇぇぇえっはははっはっははは!! ごめんっぁぁははっはっははごめんていってるのにぃぃぃっひっひっひっひ!!!」

 足の指をびくびくと震わせて大笑いするアキ。
 約三分間の演奏で、アキはすっかり意気消沈してしまった。

「……ひぃぃ、ひぃ、ミカぁぁ……、やりすぎだよぉ……」

 全身汗だくになって、目に涙まで浮かべているアキに、ミカは言い放つ。

「今日の風は、アンコールを所望しているようだよ」ポロロ~ン


(完) 


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 個人的に、継続ちゃんはこのぐらいのバランスが好みかも。
 ちょうど追加上映期間と被ったのは偶然です^p^