「私、カイワレ大根苦手なんだよねー」
「わかるー。なんか水っぽくて苦くて、まずいよねー。それにオーなんとかって菌がついてんでしょ?」

 ちょうどカイワレ大根サラダを食べているときに、そんな会話が聞こえてきた。
 ここはショッピングモールのフードコート。
 こちとら会社の昼休みに、大好物のカイワレ大根を食べにやってきたというのに。水を差されてしまった。大腸菌o157の風評被害なんて、いったい何年前の話をしているのだ。
 会話の聞こえた方を見ると、女子高生が二人、フライドポテトをつまんでいた。
 本来学校があるはずの時間帯にこの二人はいったい何をやっているのか。二人ともほんのり化粧をして見え、耳にピアスと崩して着た制服から、真面目な学生には見えなかった。

 俺は、カイワレ大根に念を込めた。

 すると、……

「え、なに? 地震?」
「ちょっと、……やばくない?」

 女子高生二人組の足元の床が割れ、巨大なカイワレ大根が出現する。

「ひぇっ!? な、なんなのこれ!」
「やだ……! くんなよぉ!」

 カイワレ大根はにょろにょろと無数の触手を伸ばし、女子高生二人組の四肢をからめとった。
 空中で大の字に引き伸ばされ苦しそうにうめく。

 触手がにょろにょろと彼女らの服の中へ侵入する。

「やっ……どこはいって――あはっ!? なにっ、……やめあははははははは!? くすぐったいぃぃぃ!」

「んぁぁっ……やめっ、ふぁぁひひひひひっ!? ちょっとぉぉぉ、なにすんのよぉぉ~~あはっはっはっはっはっはっは!!」

 くねくねと服の中で動き回る触手に、翻弄される二人。
 触手は彼女の足元に巻き付き、革靴とソックスを脱がしとった。

「ちょ、脱がすなえっていぃぃ~~ひひひひひひいひひひひ!!!」

「やだっあぁぁっはっはっはっは、そこは触るなぁぁぁははははははははっは!!!」

 二人は素足を触手にくすぐられ激しい笑い声をあげた。

 地面から無数に伸びてくる触手が、つぎつぎと彼女らの服の中へ侵入。
 全身をまさぐられ、二人は泣いて悲鳴を上げながら、笑い悶えた。

「いやはっはっはっはっはっは!!! もうわけわかんないっ!! 一体なんなんだよぉぉ~~はひゃっはひゃっはひゃっはひゃひゃ!!!」

「やだぁぁはははははははは、あひひひひひ!!? 足だけでも勘弁してぇぇへへへっへへへへへへ~~!!!」

 カイワレ大根を馬鹿にするとどうなるか。身をもって知るがよい。


(完)