チョビ
「くそぅ! まさかパスタが巨大化して私たちを襲ってくるとは! これがパスタの呪いか!? 呪いなのか!?」

 突如アンツィオ高校を襲った無数のパスタは、一本一本が人間の二の腕ほどありそうな超極太であった。
 それぞれのパスタがまるで意志を持っているかのように這いずり回り、女子学生達を襲った!

チョビ
「ペパロニっ! あぶなぁああい!!」

ペパ
「姐さあああああん」

 無数のパスタに絡め取られ、宙づりにされるペパロニの姿を、アンチョビはただ見ていることしかできない。

ペパ
「うひひひっ!!? あぁぁあっ!!? こらぁぁあ、そんなとこ……!!? やっ、あははぁぁああ!!!」

 超極太のパスタは丸みを帯びた尖端で女子学生の身体をまさぐる習性があるようだった。
 パスタが両腕両脚に巻き付いているため、ペパロニは身動きが取れない。
 ペパロニのスカートやシャツの裾から入り込んだパスタは、くねくねとペパロニの素肌をなでまわす。

ペパ
「ひゃはははははは!! やめぇぇ!!? くすぐたぁああっはっはっはっはっは~~!!?」

 パスタに身体中をまさぐられて大笑いするペパロニ。

チョビ
「くっ……ペパロニまで、餌食に……っ!」

 アンチョビは怒りにわなわなと拳を震わせた。
 そっと肩へ手が添えられた。
 いつの間にかカルパッチョが隣にいた。

パッチョ
「あのパスタ、おそらく変態ですね」

チョビ
「なん……だと……!?」

 カルパッチョは片手で「ふぁっさあああ!」と長髪を払い上げ、キリリと表情を引き締めて見せた。

パッチョ
「あれは意志を持って、女子をくすぐって楽しんでいます!」

チョビ
「そんな、……馬鹿な! パスタが意志を持つなんて、ありえるのか!?」

パッチョ
「パスタが巨大化して人間を襲う事態を目の前にして、まだドゥーチェは現状がありえるか否かの次元で話をしているのですか! あれを見て下さい!」

 アンチョビはカルパッチョの指を追う。
 二人の前にはパスタに襲われる数十名の女子学生達の姿がある。
 宙で大の字に絡められているもの、逆さ吊りになっているもの、ぐるぐる巻きにされているもの、……。
 みなアンツィオ高の制服を着ているが、パスタにまさぐられたせいで乱れている。

女子A
「きゃはははははは!!? やだぁあっはっはっは!!」

女子B
「たすけぇぇええあぁぁあ~~っはっはっはっは!!」

女子C
「おほほおおおっほほほほほ!!? そこはだめぇぇえっへっへっへっへ~~!!」

 かん高い複数の笑い声が響き渡っていた。
 アンチョビは心が痛くなった。

パッチョ
「ドゥーチェ! あそこです!」

 カルパッチョが指し示す方向には、先ほど捕らえられたペパロニの姿。

ペパ
「ぎゃはははははははは!!! あぁっぁ返せっ!! ぬがさぁぁっは、はなせぇぇえっはっはっはっはっは~~!!」

 パスタはペパロニの靴と靴下を脱がし取り、足の裏をくすぐっていた。
 服の中で蠢くパスタは、腋の下や脇腹のあたりでは特に動きが激しいように見えた。

パッチョ
「ドゥーチェ。パスタは人間のくすぐったい部位を集中的に責めてきます。あれはくすぐりパスタです!」

チョビ
「くすぐり……パスタ……!」

パッチョ
「ドゥーチェ! もう一刻の猶予もありません! 焼き払いましょう!」

チョビ
「な、なにぃ!? P40を使うと言うのか!? みんなが捕まっているんだぞ!? 怪我したらどうするんだ!」

パッチョ
「しかし! あんな変態パスタを野放しにしたままでは――きゃあああ!?」

チョビ
「カルパッチョ!?」

 二人は会話に夢中になって、迫り来るパスタの存在に気づかなかった。
 突然宙に投げ出されたカルパッチョ。
 彼女の右足首にはパスタが巻き付いていた。
 逆さ吊りにされてジタバタと暴れるカルパッチョ。

パッチョ
「や、やめ……、はなし――……ふひゃ!? ひあぁああっはっはっはっはっはっはっはっは!!?」

 パスタはカルパッチョのもがく左足を絡め取ると、あっという間に靴と靴下を脱がし、素足の足の裏をくすぐった。
 さらに、両手首を絡め取り真下へ引っ張りのばし、腋の下や脇腹をくすぐる。
 スカートがまくれ上がって丸見えになった太ももや内股などにもパスタが伸びた。

パッチョ
「きゃあぁああっはっはっはっはは!!? ひぁああぁひひひひひひひ!!! どぅーちぇぇえええっへっっへっへ、早くっ!!! パスタを食い止めてぇええっははっはっはっはっはっは!!!」

チョビ
「……カル、パッチョ……」

 アンチョビは歯がみする。
 たしかに、カルパッチョの言うようにP40の34口径75mm砲ならば荒れ狂うパスタどもを一掃できるかもしれない。
 しかし、仲間達に危険が及ぶのはしのびない。

パッチョ
「どぅうちぇぇぇぇ!!! 早くっ、っひっひっひっひ!! どぅーちぇにしかできないっ……どぅーちぇにしか救えないんですうううひっはっはっはっははっはっは~~!!!」

チョビ
「私にしか……救えない……っ」

 アンチョビは笑い狂う彼女らへ背を向けて走り出した。

チョビ
(待ってろみんな! 私がっ! 私がみんなを救ってやるからな!)

 耳元ではみんなの「ドゥーチェ」コールが鳴り響いている!

 ……ドゥーチェ! 

 ……ドゥーチェ!

 ドゥーチェ……!

・・・
・・・・
・・・・・

ペパ
「ドゥーチェ? おーい、ドゥーチェ! 起きないっすね~」

パッチョ
「ドゥーチェったら、疲れてたのね」

チョビ
「……くー……むにゃむにゃ……待ってろよみんな、すぐに変態パスタから救ってやるからなぁ~……むにゃむにゃ」

ペパ
「なにいってるんすか?」

パッチョ
「さぁ?」


(完)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 眠れない夜にふと思いついて書きました。
 らぶらぶ大作戦はもの凄くリスペクトしています。
 全国の映画館にて~5/31まで追加上映中です^p^


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