「げほ……げほっ……」
 いったい何時間くすぐられただろう? おそらく学校では朝練も終わって授業が始まっていることだろう。せっかくいままで皆勤賞だったのに……。
「おい! スマホのロック外せ!」
「えっ?」
 おじさんが手に持っているのは間違いなくマナミのスマホだ。勝手に荷物をあさられ、床にマナミのスポーツバッグの中身がぶちまけられている。マナミは血の気が引くのを感じた。
「や、やめてください……! お願いです……帰らせてくださ――」
 マナミが懇願しようとすると、おじさんはマナミの素足の足の裏をこちょこちょくすぐりはじめた。
「あひゃひゃひゃひゃっ!!!? ちょわぁぁあっはっはっははっははっはっはっはっはっは~~!!」
 ずいぶんと長い時間くすぐられて、マナミの体は敏感になっていた。
「聞こえなかったのか? スマホのロック外せって言ったんだ! いったろ? お前が壊したのは『厳選!女子校生9名くすぐりお仕置き祭り!』……お前の知り合い8人にも手伝ってもらって、きちんとけじめ取ってもらわねぇとなぁ!」
「そんなぁっ!? あひゃっはっはっははっはっはっはっはは~~!!?」
 マナミは愕然とした。
 知り合い8人に手伝ってもらう!? つまり、なにも関係ないマナミの知り合いが、自分と同じ目にあわされるということではないか。
「さ、ロックを外せ」
「やらぁあっはっははっははっは!! それは勘弁しれくらしゃぃひぃぃ~~ひいっひひっひっひっひっひっひ!!!」
 マナミは涙を流して拒否を続けた。
 しかし、休んでいたおじさん達もくわわり総出で全身をくすぐられると、耐えられなかった。
「わひゃったぁあぁ!!! ロック外すぅぅ~~ひひひひひひ!!! 外しますからぁあっはっはっははっははっはっは~~!!!」
 マナミは悩ましいくすぐりから解放される代わりに、ただスマホに連絡先が入っているだけの知り合いを売ってしまった。マナミは、おじさんがマナミのスマホを操作している間、罪の意識でどうにかなりそうだった。

(つづく)