廃校となった学園艦。
 かなりの数の戦車を保管できそうな広々とした倉庫。
 何年も使われていないようで、電球は割れ、天井にはクモの巣がかかっていた。

「撃破した戦車に催眠ガスを流し入れて、車長を拉致するなんて……。練習試合は罠? 卑劣きわまりない。正面から勝負しない。まるで、元副隊長の戦法のようね」

 黒のタンクジャケットに深紅色のスカート。
 逸見エリカは、倉庫の中央に配置されたX字拘束台の上で、両手両足を大きく広げ仰向けに拘束されていた。
 手首足首、腰をベルトで縛り付けられている。

 そんな状態でも生意気な態度を取るエリカに、男は一喝する。

「黒森峰の犬め! 妹を貶めても姉の好感度は上がらないって、いい加減気づけ! 『崇拝と信頼は違う』って言葉、もっぺん聞き直してこいよ」

「……!? は、……はぁ? 犬? 何を馬鹿なことを言って――んがっ!!?」

 エリカが動揺している隙に、彼女を取り囲んだ4~5名の男どもが、彼女の無防備な身体をくすぐりはじめた。

「かはっ!!? なっ……!! 気安く触るなっ、……んはっ、くはははっ……!!?」

 エリカは顔を真っ赤にして悶えた。
 ジャケット越しとはいえ、敏感な腋の下や、脇腹、露出した太ももに指を這わされるのは、年頃の女の子には刺激が強い。
 普段生意気な態度を取っていても、所詮は犬だ。

「ご主人様の周りで敵を威嚇してまわる犬! お前のような一方通行かつ排他的すぎる忠誠心が、幾多の争いや対立を生んできたのだ! 恥を知れ!」

 足元の男は怒号を飛ばしながら、エリカのソックスを脱がし取った。
 素足にした足の裏を爪でがりがりとくすぐる。

「きやっ!!? ……ぶふっ――、あは、あははははははははははははっ!!?」

 エリカはたがが外れたように大口を開けて笑い出した。

「おお、この犬! 足が弱いようだぞ! みなも寄れ!」

 男の呼びかけで、エリカの足元へ男どもが集まり、総員で足の裏をくすぐりはじめた。

「あ゛ぁあっぁあ~~っはっはっはっはっはっは!!? やめ……っ、あひあはははははははははははは!!!」

 エリカの二本の素足。狭い足の裏の領域を数十本の指が這い回る。
 足指を掴んで反らし付け根あたりをくすぐる者。踵を十本の指で掻きむしる者。土踏まずをなで回したりほじくったりする者。……

「乗ってる戦車に似て、足元が緩いんだなああああ!」
「ご主人様のお尻を追いかけてまわるせいで凝ってるんだろ? なぁ、わんこ?」
「犬めえええ! 犬は駆逐だぁあああ!」

 男どもは口々に奇声や怒号を上げながらくすぐっている。

「ああ゛ぁああああああ~~!!! はははははははははははっ!!? ぐへぇ」

 エリカは苦手な足の裏を激しくくすぐられ、やがて失神した。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 追加上映~5/31の支援ssです。
 夜分不思議な感覚に陥り、シリーズ化しました。

 エリカさんのような、自分の劣等感から生じる不満を他人に向けちゃってそれが余計に負の循環になっちゃってる系キャラ、わりと好きです^p^


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