「あ、夏休みの宿題終わってない」
小栗田メイコ(おぐりだ- )は思い出した。
今日は8月31日。夏休みの最終日じゃないか。毎日だらだらと過ごしていたらすっかり宿題の存在を忘れていた。
およそ1か月ぶりに、ランドセルを開いた。
中は終業式のまま残っている。
たしか、宿題の一覧がプリントにあったはず。
自由研究。
読書感想文。
計算ドリル。
漢字ドリル。
風景画。
裁縫。
縄跳びチャレンジカード。
……なるほど。
ドリル系は答えを丸写しすればなんとかなる。
問題は課題系だ。自由研究、読書感想文、工作、裁縫。これから取り掛かるには時間がなさすぎる。
現在18時。
学校が始まるのは明日の朝8時半。残された時間はおよそ10時間だ。
「おもしろい……ッ」
メイコはやる気が出てきた。
縄跳びと絵の具道具セットを持って、素足のままスニーカーをつっかけて飛び出した。
○
文野ヒロコ(ふみの- )は、文芸クラブに属する、おかっぱ頭の同級生だ。
鍵っ子で、家に両親がいないことが多い。
物静かなくせに国語の授業だけは手を挙げて発表する。テストのときに文字を書くのがむちゃくちゃ早いことは把握している。
「だから、ドリルを書き写すぐらいカンタンでしょ? ヒロコちゃんのやったやつを写せばいいだけだから!」
メイコは力説した。
目の前には、縄跳びで手首をベッドに括り付けて動けない状態にしたヒロコがいる。
「突然遊びに来たと思ったら……、小栗田さんズルじゃん……。そんなことしたら、私まで怒られちゃうよ……」
ヒロコはなにかと理由をつけて嫌がるばかり。
業を煮やしたメイコは、ヒロコの両足からソックスを脱がして素足にさせ、持参した絵の具道具の刷毛でくすぐった。
「いひゃははははははははははは! やめてーっ! こしょばいの無理ぃいーひっひっひひひっひっひっひっひ~~!!」
かかとの底から指の股まで丹念に撫でまわした結果、ヒロコは折れた。
「それじゃ! 明日の朝、登校前に取りに来るから、ちゃんと終わらせといてね!」
「……は、はぃ」
涙目で息を切らしながら机に向かうヒロコを後に、メイコは次の同級生宅へ向かった。
○
江川ユキコ(えがわ- )は、学校の外でお絵かき教室に通っている、くるくるお嬢様ヘアの同級生だ。
家が広くて、こども部屋が離れにある。
変な言葉遣いをするが、お菓子を配ってくれるのでクラスのみんなから慕われている。
「ちょっとダメ子! どういうことですの!? いきなり絵をよこせ、だなんて!」
ユキコは甲高い声で叫んだ。防音完備。今にも暴れ出しそうだが、ヒロコにしたときと同じように、手首をベッドに括り付けて動けないようにしているため問題ない。
ダメ子というのはメイコがクラスで呼ばれている愛称だ。オグリダメイコを略してダメ子。クラスで仲の良い友達はみんなそう呼ぶ。
「だからぁ、ユキコちゃん、普段から絵描いてるなら1枚ぐらい余ってるでしょ? 学校に出してないヤツ。それちょうだいよ」
「そんなの、宿題やってないダメ子が悪いんじゃないですの! 絶対に渡しませんわ!」
どんなに交渉しても答えは同じ。聞き分けの悪いユキコ。
メイコは、ユキコのフリル付きソックスを脱がして素足にさせ、両手を使って絵の具を塗りたくった。
「きゃはっはっはっははっはっはっは!? おひゃっ!? きちゃなぁはっはっはっはっはっはっは!!! ヌリヌリやめへぇえぇ~~っひえっへっへっへっへっへへ!!」
8色目を重ね塗りしようとしたところで、ユキコは折れた。
「あと、この部屋もちょっとだけ使わせてもらうから!」
「え……」
ユキコが渋りを見せたので、12色まで重ね塗りをして納得させた。
○
布袋アイコ(ほてい- )は、家庭科クラブに属する、三つ編みおさげの同級生だ。
ちょっと真面目過ぎて小うるさいことを言うやつ。委員長気質? ユキコと家が近くて幼稚園の頃から仲が良いので、ユキコに呼び出してもらった。
「はい? カンタンなのでいいから小物入れ編めって……意味わかんないんですけど! ユキちゃんもなんでダメ子の言いなりになってんの!?」
らちが明かないので、メイコは2カ月以上洗ってないカチコチの筆で、アイコの素足の足裏をひっかきまくった。
「あがっぶひゃひひひひひひひひ!!! いだっ痛こちょばひぃい~~ひっひひっひっひっひっひ!? やめひぃいい~~っひっひっひっひっひひっひっひ!!」
クソ真面目なアイコは強情だったが、筆がほぐれてカサカサになってきたころに折れた。
○
飛田マミコ(とびた- )は、英語クラブに属する、ミディアムショートヘアにカチューシャを付けた同級生だ。
明るく元気でクラスのムードメーカーだ。ユキコが学校にお菓子を持ってくるとまっさきにたかっていた。ユキコに「お菓子あげる」連絡をしてもらったらすぐに飛んできた。
「あはぁあ~~っはっはっはっははっは!? ダメ子ぉ~~なんなのぉ~~っはっはっはっはっは!! 意味わかんないってぇぇ~~っへっへっへっへっへ!!」
マミコは激しく髪の毛を振り乱して笑っていた。
アイコと同じく最初から素足だったのでソックスを脱がす手間が省けた。
メイコは、絵の具道具セットに入れっぱなしでカビが生えた雑巾で、マミコの足の裏をガシガシと磨きまくった。
「だからあ! 4月の体力測定でマミコちゃん、アタシとおんなじぐらいだったじゃん! だったら縄跳びの記録もだいたい一緒でしょ? それぞれの項目、1、2回ぐらいちょろまかして写してもらえばいいだけだから!」
「くわぁっはっはっはっはは! そんなのっ自分でやってよぉ~~ふひゃっはっはっは! マミコ巻き込まないでぇぇえ~~はははははははははは!!」
土踏まずが雑巾との摩擦で赤くなってきたところで、マミコは折れた。
○
柿原チコ(かきはら- )は、本のレビューサイトをやっている、ぼさぼさ髪のメカクレ陰キャの同級生だ。
人と話すのが面倒くさいらしく、だいたいのクラスメイトにそっけない。ユキコにスピーカーホンで電話させたら、
「あの……チコさん、もしよろしければ、これから家に来てもらっても――」
「無理」
秒で切られてしまった。
しかし、ショートメッセージでレビューサイトのことを褒めて、直にあって聞きたい話があると誘い出すと、あっさりやってきた。
「ひぎぃいいいいいいいっひぎぃいいびひぃひひひゃひひゃひひゃひぃっ!? ぐぎぎぃいあびゃぁあぁはははははは!! あがが……やヴぇひぃえひぇひぃえへげひゃっげひゃっげひゃっ!!」
チコは笑い慣れてないようで、鼻を鳴らしながら汚い笑い声をあげていた。
夏だというのに長袖を着ていて、短パンにニーソックスを穿いていた。
メイコはチコのニーソックスを丁寧に脱がして素足にさせ、絵の具道具のパレットの角でぐりぐりマッサージをするようにくすぐりまくった。
「チコちゃんなら楽ちんでしょ? 適当にもう一本読書感想文書いてよ! 賞とか狙わなくていいから! ね? ね?」
「ぐぎゃぎゃぎゃははあははははははは!!? んがぁぁああああはやははわがぎぃいいひひいひひひひひひ!!」
チコの笑い方が汚すぎてなんて言っているのかわからず、承諾していることに気づくのに時間がかかった。
○
配島スズコ(はいじま- )は、YouTubeで実験動画を上げている、マッシュルームヘアの同級生だ。
自意識が高くてすぐマウントを取ってくるので、クラスでの評判はよくない。しゃべりもへたくそなのだが、チャンネルの再生数はそれなりに伸びていた。
ユキコにスピーカーホンで電話をさせると、
「いや、遠くない? こっちは暇じゃないから」
鼻で笑ってきた。
聞くと、ひとりで公園で花火の動画を撮っているらしい。どこの公園か聞こうとすると、
「そんなの教える義理なくない?」
言葉を発するごとに鼻で笑ってくるのがウザかった。ユキコに電話を切らせ、スズコの家の近くの公園を調べてもらった。
○
「ぎゃははハハハハハハハハハハ!? ふじゃけんにゃあははっはっはっははっはは!! お前っ……しねぇぇぇえげへっへへへへひひひひひひひ~~!」
スズコは公園のベンチに手首を縄跳びで括り付けられ身動きの取れない状態でくすぐられていた。
「だからねぇ、スズコちゃん、動画の企画どれでも一本だけくれればいいから! 自由研究とかいまから絶対間に合わないから!」
メイコは、スズコのサンダルを脱がして素足にして、足の裏いっぱいに絵の具を塗ったくり、刷毛で撫でまわし、カチコチの筆でかき回し、雑巾でゴシゴシぬぐっては、パレットの角でくすぐりまくった。
「ひぎゃぁああははははあはは!!! 全部嫌ぁあああはははははははは!! あがぁあああぶひゃっ!? 絶対ころすぅうううぎひぃぇえええひぇへへっへへへっへっへっへっへっへ~~!!」
絵の具道具セットくすぐりフルコース。
プライドの高いスズコはなかなか折れなかったが、バケツの水を何度もぶっかけ、さらにくすぐり責めを1時間余り続けると降参した。
○
翌日メイコは、意気揚々と夏休みの宿題を先生に提出した。
しかし、自由研究がスズコのチャンネルに上がっていた動画そのまんまだったこと、ドリルの字が明らかに違ったことから足がつき、すべてバレた。
高学年にもなって泣きじゃくるほど怒られた。
さらに、先生の許しを得た、ヒロコ、ユキコ、アイコ、マミコ、チコ、スズコの6名から壮絶なくすぐり返しを受けた。
夏休み明け早々、泣きあり笑いありの楽しい新学期のはじまりを予感させた。
(完)
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小栗田メイコ(おぐりだ- )は思い出した。
今日は8月31日。夏休みの最終日じゃないか。毎日だらだらと過ごしていたらすっかり宿題の存在を忘れていた。
およそ1か月ぶりに、ランドセルを開いた。
中は終業式のまま残っている。
たしか、宿題の一覧がプリントにあったはず。
自由研究。
読書感想文。
計算ドリル。
漢字ドリル。
風景画。
裁縫。
縄跳びチャレンジカード。
……なるほど。
ドリル系は答えを丸写しすればなんとかなる。
問題は課題系だ。自由研究、読書感想文、工作、裁縫。これから取り掛かるには時間がなさすぎる。
現在18時。
学校が始まるのは明日の朝8時半。残された時間はおよそ10時間だ。
「おもしろい……ッ」
メイコはやる気が出てきた。
縄跳びと絵の具道具セットを持って、素足のままスニーカーをつっかけて飛び出した。
○
文野ヒロコ(ふみの- )は、文芸クラブに属する、おかっぱ頭の同級生だ。
鍵っ子で、家に両親がいないことが多い。
物静かなくせに国語の授業だけは手を挙げて発表する。テストのときに文字を書くのがむちゃくちゃ早いことは把握している。
「だから、ドリルを書き写すぐらいカンタンでしょ? ヒロコちゃんのやったやつを写せばいいだけだから!」
メイコは力説した。
目の前には、縄跳びで手首をベッドに括り付けて動けない状態にしたヒロコがいる。
「突然遊びに来たと思ったら……、小栗田さんズルじゃん……。そんなことしたら、私まで怒られちゃうよ……」
ヒロコはなにかと理由をつけて嫌がるばかり。
業を煮やしたメイコは、ヒロコの両足からソックスを脱がして素足にさせ、持参した絵の具道具の刷毛でくすぐった。
「いひゃははははははははははは! やめてーっ! こしょばいの無理ぃいーひっひっひひひっひっひっひっひ~~!!」
かかとの底から指の股まで丹念に撫でまわした結果、ヒロコは折れた。
「それじゃ! 明日の朝、登校前に取りに来るから、ちゃんと終わらせといてね!」
「……は、はぃ」
涙目で息を切らしながら机に向かうヒロコを後に、メイコは次の同級生宅へ向かった。
○
江川ユキコ(えがわ- )は、学校の外でお絵かき教室に通っている、くるくるお嬢様ヘアの同級生だ。
家が広くて、こども部屋が離れにある。
変な言葉遣いをするが、お菓子を配ってくれるのでクラスのみんなから慕われている。
「ちょっとダメ子! どういうことですの!? いきなり絵をよこせ、だなんて!」
ユキコは甲高い声で叫んだ。防音完備。今にも暴れ出しそうだが、ヒロコにしたときと同じように、手首をベッドに括り付けて動けないようにしているため問題ない。
ダメ子というのはメイコがクラスで呼ばれている愛称だ。オグリダメイコを略してダメ子。クラスで仲の良い友達はみんなそう呼ぶ。
「だからぁ、ユキコちゃん、普段から絵描いてるなら1枚ぐらい余ってるでしょ? 学校に出してないヤツ。それちょうだいよ」
「そんなの、宿題やってないダメ子が悪いんじゃないですの! 絶対に渡しませんわ!」
どんなに交渉しても答えは同じ。聞き分けの悪いユキコ。
メイコは、ユキコのフリル付きソックスを脱がして素足にさせ、両手を使って絵の具を塗りたくった。
「きゃはっはっはっははっはっはっは!? おひゃっ!? きちゃなぁはっはっはっはっはっはっは!!! ヌリヌリやめへぇえぇ~~っひえっへっへっへっへっへへ!!」
8色目を重ね塗りしようとしたところで、ユキコは折れた。
「あと、この部屋もちょっとだけ使わせてもらうから!」
「え……」
ユキコが渋りを見せたので、12色まで重ね塗りをして納得させた。
○
布袋アイコ(ほてい- )は、家庭科クラブに属する、三つ編みおさげの同級生だ。
ちょっと真面目過ぎて小うるさいことを言うやつ。委員長気質? ユキコと家が近くて幼稚園の頃から仲が良いので、ユキコに呼び出してもらった。
「はい? カンタンなのでいいから小物入れ編めって……意味わかんないんですけど! ユキちゃんもなんでダメ子の言いなりになってんの!?」
らちが明かないので、メイコは2カ月以上洗ってないカチコチの筆で、アイコの素足の足裏をひっかきまくった。
「あがっぶひゃひひひひひひひひ!!! いだっ痛こちょばひぃい~~ひっひひっひっひっひっひ!? やめひぃいい~~っひっひっひっひっひひっひっひ!!」
クソ真面目なアイコは強情だったが、筆がほぐれてカサカサになってきたころに折れた。
○
飛田マミコ(とびた- )は、英語クラブに属する、ミディアムショートヘアにカチューシャを付けた同級生だ。
明るく元気でクラスのムードメーカーだ。ユキコが学校にお菓子を持ってくるとまっさきにたかっていた。ユキコに「お菓子あげる」連絡をしてもらったらすぐに飛んできた。
「あはぁあ~~っはっはっはっははっは!? ダメ子ぉ~~なんなのぉ~~っはっはっはっはっは!! 意味わかんないってぇぇ~~っへっへっへっへっへ!!」
マミコは激しく髪の毛を振り乱して笑っていた。
アイコと同じく最初から素足だったのでソックスを脱がす手間が省けた。
メイコは、絵の具道具セットに入れっぱなしでカビが生えた雑巾で、マミコの足の裏をガシガシと磨きまくった。
「だからあ! 4月の体力測定でマミコちゃん、アタシとおんなじぐらいだったじゃん! だったら縄跳びの記録もだいたい一緒でしょ? それぞれの項目、1、2回ぐらいちょろまかして写してもらえばいいだけだから!」
「くわぁっはっはっはっはは! そんなのっ自分でやってよぉ~~ふひゃっはっはっは! マミコ巻き込まないでぇぇえ~~はははははははははは!!」
土踏まずが雑巾との摩擦で赤くなってきたところで、マミコは折れた。
○
柿原チコ(かきはら- )は、本のレビューサイトをやっている、ぼさぼさ髪のメカクレ陰キャの同級生だ。
人と話すのが面倒くさいらしく、だいたいのクラスメイトにそっけない。ユキコにスピーカーホンで電話させたら、
「あの……チコさん、もしよろしければ、これから家に来てもらっても――」
「無理」
秒で切られてしまった。
しかし、ショートメッセージでレビューサイトのことを褒めて、直にあって聞きたい話があると誘い出すと、あっさりやってきた。
「ひぎぃいいいいいいいっひぎぃいいびひぃひひひゃひひゃひひゃひぃっ!? ぐぎぎぃいあびゃぁあぁはははははは!! あがが……やヴぇひぃえひぇひぃえへげひゃっげひゃっげひゃっ!!」
チコは笑い慣れてないようで、鼻を鳴らしながら汚い笑い声をあげていた。
夏だというのに長袖を着ていて、短パンにニーソックスを穿いていた。
メイコはチコのニーソックスを丁寧に脱がして素足にさせ、絵の具道具のパレットの角でぐりぐりマッサージをするようにくすぐりまくった。
「チコちゃんなら楽ちんでしょ? 適当にもう一本読書感想文書いてよ! 賞とか狙わなくていいから! ね? ね?」
「ぐぎゃぎゃぎゃははあははははははは!!? んがぁぁああああはやははわがぎぃいいひひいひひひひひひ!!」
チコの笑い方が汚すぎてなんて言っているのかわからず、承諾していることに気づくのに時間がかかった。
○
配島スズコ(はいじま- )は、YouTubeで実験動画を上げている、マッシュルームヘアの同級生だ。
自意識が高くてすぐマウントを取ってくるので、クラスでの評判はよくない。しゃべりもへたくそなのだが、チャンネルの再生数はそれなりに伸びていた。
ユキコにスピーカーホンで電話をさせると、
「いや、遠くない? こっちは暇じゃないから」
鼻で笑ってきた。
聞くと、ひとりで公園で花火の動画を撮っているらしい。どこの公園か聞こうとすると、
「そんなの教える義理なくない?」
言葉を発するごとに鼻で笑ってくるのがウザかった。ユキコに電話を切らせ、スズコの家の近くの公園を調べてもらった。
○
「ぎゃははハハハハハハハハハハ!? ふじゃけんにゃあははっはっはっははっはは!! お前っ……しねぇぇぇえげへっへへへへひひひひひひひ~~!」
スズコは公園のベンチに手首を縄跳びで括り付けられ身動きの取れない状態でくすぐられていた。
「だからねぇ、スズコちゃん、動画の企画どれでも一本だけくれればいいから! 自由研究とかいまから絶対間に合わないから!」
メイコは、スズコのサンダルを脱がして素足にして、足の裏いっぱいに絵の具を塗ったくり、刷毛で撫でまわし、カチコチの筆でかき回し、雑巾でゴシゴシぬぐっては、パレットの角でくすぐりまくった。
「ひぎゃぁああははははあはは!!! 全部嫌ぁあああはははははははは!! あがぁあああぶひゃっ!? 絶対ころすぅうううぎひぃぇえええひぇへへっへへへっへっへっへっへっへ~~!!」
絵の具道具セットくすぐりフルコース。
プライドの高いスズコはなかなか折れなかったが、バケツの水を何度もぶっかけ、さらにくすぐり責めを1時間余り続けると降参した。
○
翌日メイコは、意気揚々と夏休みの宿題を先生に提出した。
しかし、自由研究がスズコのチャンネルに上がっていた動画そのまんまだったこと、ドリルの字が明らかに違ったことから足がつき、すべてバレた。
高学年にもなって泣きじゃくるほど怒られた。
さらに、先生の許しを得た、ヒロコ、ユキコ、アイコ、マミコ、チコ、スズコの6名から壮絶なくすぐり返しを受けた。
夏休み明け早々、泣きあり笑いありの楽しい新学期のはじまりを予感させた。
(完)
FANBOXでも投稿しています!(メン限注意!)
https://ert.fanbox.cc/posts/2680817
健全な作業チャンネルはこちら!
https://www.youtube.com/channel/UCfApC6g4BU-YLun3yirqoyg
筆を悪用して無常にも足の裏に絵の具をベチャベチャコチョコチョと塗りたくるって発想凄く好きです!!
1番の好みはユキコちゃんで、彼女みたいなお嬢様のフリルソックスは無性に脱がしたくなります!