くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

単発

美術部の奇策 ~ダメ審査員をくすぐり懐柔しよう~ ♯3

 とある中学校で、写生大会が数日後に迫っていた。
 写生大会で展示される絵は、三人の学生審査員によって賞が与えられる。
 そこで美術部のメンバーは、ある生徒のひとり勝ちをもくろみ、三人の学生審査員を買収しようとしていた。

「こんなことやっても木村さんは喜ばないわ!」

 美術室でそう訴えるのは、二年生の昨年写生大会校内最優秀賞受賞者、古手楓(ふるで かえで)であった。
 険のある目つきでやや芋臭い顔立ち、髪の毛は耳の後ろでふとつくくりにしておさげにしている。優衣とはまた違った元気でまじめな優等生タイプである。
 両手首を後ろに縛られて、両足とも足枷にはめられている。
 すでに素足にされ、両足とも足の指までぎちぎちに縛られてまったく動かせない状態にされている。
 床に脱がされたシューズと白いハイソックスが乱雑に放り捨てられている。

「木村が喜ぶかどうかなんて関係ない。古手。木村に一票入れろ」
「嫌よ! 不正になんか荷担しない!」
「そうか、ならしかたない。説得を始めよう」

 部員のひとりは、言うとアクリル画筆で静かに楓の素足の足の裏をなで始めた。

「んふっ……くぅぅっ、ふふっ、やめっ……やっ! ぷくくっ……」

 楓は必死に笑いをかみ殺すように下を向く。
 足の指はひくひくとくすぐったそうに微動した。

「約束しろ」

「んひっ、ひくぅぅ~~~……いひっ、いっ、嫌だ……っ! んふぅぅ~~」

「これでもか」
 と、部員は足の指の間に筆先をねじこんだ。

「ぷひゃっはっ……っ!!? くっくっくっ……やめっ、やめてっ! んひぃぃ」

 楓は左右に首を振る。
 部員は楓の足の指の付け根を左右になぞるように、筆を走らせる。

「うひひひっ……はひゃっ……ひひっ、んはぁぁあ、ひぃっぃい~~」

 楓は顔を真っ赤にして堪えている。

「同じクラスのよしみでせっかく時間をやったのにこの体たらく……。嘆かわしいな、古手。もういい。みんな、本気でやるぞ!」

 筆を持った部員がそう言うと、残り数人の部員達が一斉に楓の素足の足の裏をくすぐり始めた。

「――っ!!!! あぁっ、あっ、――ぶひゃぁぁあああっはっはっはっはっはっはっはははっ!!! だぁぁああっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃあぎゃぁぁあぁ~~!!?」

 楓は上半身を左右上下に激しくよじって笑いだした。
 足の指一本動かせない両足に約百本の指がたかっている。

「ぎゃはっはっはっはっはっはははぎゃぁぁあひぃぃっひぃひぃっひっひっひいっひやだぁぁぁ~~!!! やべてぇぇえ~~っひぇっひぇっひぇ~~!!!」

「古手。お前が強情なのがいけないんだぞ? 早く約束しろ」
 筆の絵の部分で土踏まずをごりごりひっかきながら部員が言う。

「嫌だあぁぁぁっひゃっひゃっひゃっ!! ぎぃぃぃ~~ひひひひひひひひひ、馬鹿ぁぁぁあっひゃっはっはっははっはっはは!!!」

「調子にのるなよ」
 部員は筆先にアクリル絵の具をつけると、ぺちゃぺちゃと楓の足の裏に塗り始めた。

「うひゃぁあぁっはぁぁぁぁ~~~にゅるにゅるやめぇぇぇっへっへっっへっへっっへっへへ!!!」

 足の指の間まで絵の具を塗りつけ、さらに乾いたところからガリガリとブラシでこそぎ落としていく。

「うががぁあはっははははっははっ!!!? なんにゃそりゃぁぁぁっはっはっはっはっはっはっ!!!? だびゃぁぁあひゃっひゃっひゃっひゃっひゃひぃぃぎぃぃぃ~~!!!」

 固まった絵の具が剥がれるのもかなりくすぐったいらしく、楓は悲鳴を上げた。
 数時間に及ぶ足裏責めに、とうとう楓は堪えられなくなった。

「うぎゃぁぁあっははははっはびぃぃ~~っひぃぃぃ~~わがっだがらぁぁぁっはっはっはっは、ぎむらざんにどうひょうずるがらぁぁぁっひゃっっひゃっひゃもうやめてぇぇぇ~~っひゃっひゃっひゃ!!」

 学生審査員の最後のひとり二年生の古手楓も落ちた。
 写生大会では、見事、木村由香が最優秀賞を受賞した。
 後日、不正が発覚して、まったく事情を知らないはずの木村由香が黒幕に仕立て上げられて罰を受けたというのは、また別のお話。


(完)


♯1 ♯2 ♯3


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 買収モノ完結。ご読了ありがとうございました。
 こちらで名前を使ったキャラと同姓同名ですが別人の設定です。大昔に書いた小説からキャラだけ引っ張り出してリメイクして遊んでいたら重複事故を起こしてしまいました。








美術部の奇策 ~ダメ審査員をくすぐり懐柔しよう~ ♯2

 とある中学校で、写生大会が数日後に迫っていた。
 写生大会で展示される絵は、三人の学生審査員によって賞が与えられる。
 そこで美術部のメンバーは、ある生徒のひとり勝ちをもくろみ、三人の学生審査員を買収しようとしていた。

「……せ、先輩達……、な、なんでこんなこと、するんですか?」

 美術室で涙目になって声を震わせるのは、一年生の成績優秀者涼風優衣(すずかぜ ゆい)であった。
 木村由香に負けないかわいらしい顔立ちで、髪の毛はショートカット。スカート丈も膝丈まで伸ばして、いかにもまじめでおとなしい優等生タイプである。
 両手首を後ろに縛られて、両足ともすでに足枷にはめられていた。
 シューズを履いた足が二つ、木の板からにょっきりと生えて見える。

「そもそも成績優秀って理由で絵の審査員に選ばれるシステムがおかしいと思うんだけど……、どう? 涼風優衣ちゃん」
 部員のひとりが言うと、優衣はびくっと肩をふるわせた。
 相当びびっているようだ。
「わっ、わかりません……。ご、ごめんなさい」
「君のせいじゃないとはわかってるんだけどね。……さて、涼風ちゃん。今度の写生大会、木村由香に一票入れることを約束してくれないかな?」
「え……ど、どういうことですか……?」
 優衣はびくびくと聞き返す。
「成績優秀者のくせに頭悪いのかな? 八百長やれってお願いしてるの」
「やっ、八百長って……、そ、そんなのは、悪いことだと……思います」
「きっとそう言うと思ったよ。だから、さっそく説得に入らせてもらうよ」
「えっ?」
 すると、部員達は優衣のシューズを脱がし、次いで少し足の裏の部分が汚れた白いクルーソックスも引っこ抜いた。
 小さく悲鳴を上げて足の指を丸める優衣。

 そんな優衣の素足の足の裏を数十本の指が一斉に這い回る。

「きゃっ!!!? ひゃっ……ひゃひっ、くふっ、くひひひひひひひひひひひひひひひっ……あぁぁああぁっはっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 優衣は一瞬がんばったものの、すぐに堪えきれず大笑いしてしまった。

「くひゃははははははははっ!! ひぃぃ~~っひっひっひっひっひっひっひ! ふにゃぁぁぁ~~!!」

 優衣の小さな足の裏を、虫のように部員達の指が蠢いている。
 かなりくすぐったいようで、優衣の足の指がめちゃくちゃに暴れている。

「うにゃっはっはっははっはっは!? やめっ、……ほねがっひゃぁぁああっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 優衣は涙を流して笑い叫ぶ。

「さっきの約束をしてくれるなら、やめてあげるよ?」
 部員のひとりが言うが、優衣は聞こえているのかいないのか、ただ大笑いするだけで反応を示さなかった。
「仕方ないなぁ」
 優衣の左足の指五本が全開に引っ張り伸ばされた状態で縛られた。
 
「やぁぁぁあはははははははっ!!! やめひぃぃぃ~~っひっひっひひひひひぃひぃひぃ!!!」

 優衣は、まったく動かすことのできない左足の裏を豚毛筆で撫でられ、悲鳴を上げた。

「あひぃぃぃぃ~~っひゃひぃいひひぃいひひぃいぃ!!? はにゃぁあぁぁぁひゃひひひひひひひゃひゃひゃひゃぁぁあ~~!!!」

「豚毛のジョリジョリにいつまで堪えられるかな?」
 複数の部員が、豚毛で優衣の足の裏をくすぐる。
 足の指の間から、かかとまで、くまなく掃除をするように。

「うひぃぃぃ~~っひぃぃっひぃひぃひゃ!!!? がぎゃぁっぁあひゃひゃひゃひゃっふげぇぇぇえひゃぁぁ~~!!」

 優衣の可愛い顔は、汚らしく歪んでいた。
 鼻水を噴出しながら白目をむいて馬鹿笑いする優衣。
 変顔コンテストなら最優秀賞を受賞できそうだ。

 かなりの時間がんばったが、優衣も堪えきれなくなったようで、
「うひょひゃひゃひゃひゃっ!! ぎむらざんに入れるぅぅぅ~~~うひひひひひひひひひひひっ!!! ぎむらざんっ!!! ひぃぃ~~ひっひぃぃぃ入れますからぁぁぁあ~~っひゃっはっはっはっはっはにゃぁぁぁぁあ!!!」

 学生審査員のふたりめ一年生の涼風優衣も落ちた。
 美術部は、最後の学生審査員を懐柔する準備にとりかかった。


つづく


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 買収モノって理不尽さが際だって大好きです。制服の種類は想像にお任せします! 靴下だけ指定してスミマソン。白いソックスの方がちょっとした汚れ描写ができますから!
 こちらで名前を使ったキャラと同姓同名ですが別人の設定です。大昔に書いた小説からキャラだけ引っ張り出してリメイクして遊んでいたら重複事故を起こしてしまいました。






美術部の奇策 ~ダメ審査員をくすぐり懐柔しよう~ ♯1

 とある中学校で、写生大会が数日後に迫っていた。
 写生大会で展示される絵は、三人の学生審査員によって賞が与えられる。
 そこで美術部のメンバーは、ある生徒のひとり勝ちをもくろみ、三人の学生審査員を買収しようとしていた。

「早くほどきなさい! じゃないと、活動停止にするわよ!?」

 美術室でわめき散らすのは、三年生徒会長の大野明菜(おおの あきな)であった。
 シャープなメガネときりっとした顔立ちで、髪の毛は首の後ろでひとつくくりにしている。いかにも厳格そうな委員長タイプである。
 両手首を後ろに縛られて、尻餅をついている。
 数人の美術部員がその様子を見下ろしていた。

「会長。写生大会ではどうかうちのアイドル木村由香(きむら ゆか)に一票お願いしますよ」
 部員のひとりが言った。
「何を言っているの!? そんな不正許されるわけがないじゃない! 審査は当日、厳正に行われます!」
 明菜は怒鳴った。
 木村由香というのは今年入学したばかりの一年生で、可愛らしい容姿と卓越した画力で注目されている期待の新人である。美術部はその才能にいちはやく目をつけた。順当に評価されれば木村由香の絵が校内最優秀賞を受賞することは間違いないが、毎年専門性に欠ける学生審査員の評価には疑問が呈されていたのだ。

 木村由香の姿はこの場にない。
 本人の意思とは無関係な美術部員たちの暴走だ。
 美術部のモットーは、『才を愛し、人を愛さず』であった。

「やはり会長にはわかっていただけませんか。なら仕方ないですね」
 部員のひとりが目配せをすると、二人別の部員が奥の資料室へ入っていった。
「な、……何をする気!?」
 明菜は不安そうに眉をひそめた。
 二人の部員が資料室から持ってきたのは、板をつなぎ合わせて作ったらしい二つ穴の空いた木製の枷であった。
「ちょっと!? 何、そんなものでっ、やめなさい!! ――きゃっ!?」
 明菜は抵抗するが、数人の部員達に取り押さえられ、両足とも足枷にはめられてしまった。
 そして、身動きの取れぬままシューズを脱がされ、白いスクールソックスも脱がされた。
「えっち!! やめてっ!! やめてよぉ……っ!」
 さすがの明菜も虚勢が保てなくなったのか、半泣きになっている。
「何をされるかわかりませんか? 会長。大会で木村に一票投じてくれることを約束してくれれば、すぐに解放しますが」
 明菜は唇を噛んで黙っていた。
「それでは説得に移りましょう」

 部員達は、一斉に明菜の素足の足の裏をくすぐり始めた。

「――!!!? んっ、ぱっ!!! ああぁあはははははははははははははっ!!!」

 明菜は一瞬堪えようと顔をしかめたものの、すぐに破顔して大笑いしてしまった。

「いやはははははははははははははっ!!? やめてぇぇ~~はははははははは!!」

 くねくねと左右によじれる明菜の素足。
 その上を、数十本の指が這い回る。

「やめて欲しければ、さきほどの約束をしていただけませんか? 会長」
 部員のひとりが、明菜の足の指の付け根をカリカリと爪でひっかきながら言った。

「あぁぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっは!! そんなっ……だめぇぇぇ~~ひゃっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 明菜は首をぶんぶんと左右に振って拒否を示した。
 メガネの奥に涙が光っている。

「まだダメですか……それなら」
 と、明菜の左足に群がっていた部員達はくすぐる手をとめて、紐を用意し始めた。
 数人がかりで明菜の左足を押さえつけ、足の指に紐を絡めていく。
 あっという間に、明菜の左足は五本の指を全開に下状態で枷に縛り付けられてしまった。

「嫌あぁぁぁっはっはっはっは、そんなのやめてぇぇぇ~~っはっはっはっはっはは!!!」

 明菜は目を見開いて泣き叫ぶ。
 部員達は明菜の懇願を無視して、がっちがちに縛られた左足の裏に指を突き立てた。

「ふぎゃぁぁぁああははははははははははっ!!? だぁぁぁあっはっははっははっははっは!!!?」

 明菜はびくんと体をのけぞらせて笑い始めた。

「なにぞれぎづいぃぃい~~ひひひひひひひひひひひひあぎゃぁぁああああ!!!?」

 明菜は舌を出して笑う。
 引き締まった顔立ちが台無しだった。
 だらしなく緩んだ口元からは涎がだらだらと垂れ流れた。

 しばらくして、明菜は堪えきれなくなった。

「わがぁあぁっだぁぁあぁっはっはっはっはっはっはっは!! やぐぞぐするぅぅぅ~~!! 約束するからぁぁぁっはっははっはっはっはっはっは!!!」

「何を約束するんです?」

「ぎひひひひひっ、木村……っ!! っははっはっはっは、木村に投票するからぁぁあっははっはっはっはっは!! 許してぇぇぇぇ~~ひゃぁぁ~~はははははははははははぎゃぁ!!?」

 学生審査員のひとり生徒会長の大野明菜は落ちた。
 美術部は、次の学生審査員を懐柔する準備にとりかかった。


つづく


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 買収モノって大好きです。制服の種類は想像にお任せします! 靴下だけ指定してスミマソン。






素人限定!彼氏に電話でくすぐり我慢!30分間バレずに会話を続けられたら一万円!

 本日もお日柄良く、デート日和ですね!
 こちらA公園では、女の子がひとり、噴水の前に立って、チラチラと腕時計を気にしています。大学生でしょうか? 身長は160センチメートルあるかないか。あどけなさを残す顔立ち。肩まで伸びたブラウンヘア。大きめのデニムジャケットのインナーはボーダー、濃紺のスカート、灰色のクルーソックスに黒のスニーカーという姿。本人なりにオシャレをしてきたのでしょう。ジャケットの裾を気にしている様子。そわそわとしていて、明らかにデートの彼氏待ちです。
 さっそく声をかけてみましょう。

「はい? え、なんですか? いま忙し――……えっ、一万……」

「いや、でも、いまちょっと人を待ってて――……そ、そうです。……え? 11時……、ですけど」

「いえ、でも……、あと5分で……」

「……わかりました。そこまで言うなら……」

 本人の了承も得たところで、屋内へ移動しましょう!

~~~

「え、……えっと、浅石美月(あさいし みつき)、……19です。あ、大学生です」

「はい、彼とも同い年で……――え、名前? ……その、……リン君って呼んでます」

「……付き合ってからは、3か月ぐらい」

「……あ、いえ、大学で知り合ったんじゃなくて、高校の時の同級生でした。たまたま同じ大学に入学して、それで、ちょくちょく話すようになってから、それから――」

「え? あ、はい……。男の子と交際したのは、リン君が初めてです」

 美月ちゃん、初々しく頬を赤らめて可愛らしいですね!
 ソファに腰掛けて、両手は膝の上。
 まるで高校受験の面接にきた中学生のような緊張ぶり。

 さて、よろしいでしょうか?
 これから、美月ちゃんは、彼氏に電話をかけてもらいます。そして、通話開始と共にゲームスタート! 我々が美月ちゃんの体中をくすぐって彼氏とのイチャイチャトークを邪魔します! 30分間、『くすぐらていること』がバレずに自然に彼氏との会話を続けることができれば、一万円! もし途中で電話が切られたり、彼氏から『くすぐり』に関する発言が出ればアウト!

 くすぐり手の男二人は、すでに美月ちゃんの両脇でスタンバイ完了。美月ちゃん、心の準備ができたら、さっそく電話をかけちゃってください!

「……は、はいっ……」

 美月ちゃん、おそるおそるといった風に、ゆっくりスマホをいじっていますね。
 デートの待ち合わせをすっぽかしているので、罪悪感もあるのでしょう。

「――あ、リン君……。美月」

 通話が繋がりました! ゲームスタート!

「――うん。ごめん。ちょっと家の近くで事故があってね……電車一本遅れちゃったの――ひゃんっ!」

 おっと、美月ちゃん。軽く脇腹に触れただけでびくんと飛び上がってしまいました。
 これは先が思いやられますね。まだ10秒と経っていません。

「――う、ううんっ! なんでもな……いっ。ごめん! だからちょ……ちょっと……んく、おそく、なる……」

 彼女のジャケットの裾から手を入れて、ボーダーのシャツ越しに脇腹を軽くくすぐっています。
 美月ちゃん、くねくねと身をよじり、ぷるぷると声を震わせながら必死に言葉を紡いでいる様子です。

「――い、やっ!! ホントになんでもない、……のっ!」

 美月ちゃんの顔はもう真っ赤。頬をひくひくと痙攣させて笑いを押し殺しています。
 彼女をくすぐる二人の男、ゆびさきで優しく彼女の体側をなで上げます。

「――きゃぁあんっ!? ……いやっ、ちょっと、……え、声? ちが、ひぃぃっ……、くふっ……、ごめん。電車が急に揺れて……ほんとにそれだ、け、……だからっ」

 さて、ウォーミングアップもほどほどに。
 そろそろ本気で美月ちゃんを笑わせにいきましょうか。

「――あああっ、ちょ、……っちょっとまって!! せっかく、だからっ……もうちょっと……しゃべって、んひぃいっ!!?」

 男のひとりが彼女の両腋の下へ指を突っ込んだ途端、美月ちゃんは甲高い声を上げました。

「――いやっ! ちがうのっ……! ちょっと、揺れて、人にぶつかって……えっ、ひぅっ……!? ちょ、な、なに……っ!?」

 通話中にもかかわらず、美月ちゃん、思わず素がでてしまったのかな?
 もう一人の男が美月ちゃんの右足首を掴んで持ち上げ、右足のスニーカーを脱がしてしまいました。
 彼女は、「そんなこと聞いてない!」というような非難の表情で、首を左右に振ります。

「――ちょっ!? いやっ……こっちのこ、ぉぉお――くはははっ!?」

 つい笑い声が漏れたのは、男が、美月ちゃんの右足の裏を灰色のソックス越しにくすぐりだしたからです。男は美月ちゃんの右足を小脇に抱え、こちょこちょ足の裏を引っ掻いています。

「――はははっ……やっ、なんでもないっ! いぃひぃ……なんでもないからっ! 待って、……あぁぁんのっ! ちょひぃぃっ、ひ、ひ、やらっ、もう、すぐ着くからぁあぁあひぃっ……あと、25ふんぐりゃいでぇ!」

 美月ちゃん、二人の男に腋の下と足の裏をくすぐられながら、ふにゃふにゃの声で叫んでいます。
 腋を必死にしめて体を左右にねじる美月ちゃん。彼女の足指もまたくすぐったそうにくねくねよじれています。

「――だはっ!!? たははっ……いやぁっ、あのっ、え? 変な声っ……? そんなこ、とぉぉおおおっ!? きひひっ……ちがっ、ないからぁぁあっ……!!」

 電話の向こうの彼氏に向かって、必死の様子で説得する美月ちゃん。
 目に涙を溜め、笑いをかみ殺しながら言葉を繋ぐ様子は健気です。

 腋をくすぐっている男は、五本の指をそれぞれ彼女の腋の下へねじこみ、ぐりぐりかき混ぜるようにくすぐります。

「――ひぃひいぃいっ!? ……あひあぁっ……んんうぅぅぅぅ!! ……いやっ、リン君、違うっ! んおっ!? ひゃぁああっ、……欠伸っ!! 欠伸でただ、けぇえぇぇぇえっ!!?」

 足をくすぐっている男は、人差し指と中指を器用に使い、彼女の足の裏をかかとから指の付け根あたりまで上下8の字を描くようにくすぐります。

「――んふぅぅうううっ!!! ちがうっ……なにもやってないぃいぃいっひぃぃッ……!? あああああっ?! リン君まってぇえ、切らないでっ、……もほおおっ!? もうちょっとぉ、もうちょっ……とだけえぇぇえぇえひひひひひひひっ!!?」

 いきなりくすぐり方を変えたせいでしょう。彼女は吹きだしてしまいました。
 腋をくすぐっていた男が、アバラをごりごりくすぐりはじめたのです。

「――んがぁあひぃぃっ……!!? ひゃだっ……、ちょっ、リン君っ!? な、待って!! ……んはぁぁああっ!! ちがうのっ……ただ、ちょっと体調が――」

 美月ちゃんがそんな言葉を繋いでいた途中、足をくすぐっていた男が、彼女の右足からクルーソックスを脱がし始めます。

「――ちょっ!? だめっ……それはっ……!!? あいやっ、ひぁっ……ごめ、リン、君……こっちの話!! いまっ……また、ひあぁぁっ、揺れて、誰かの手があたった、みたい、でぇぇっ」

 すぽっ、と美月ちゃんの右足からソックスが脱がされました。
 色白の素足ですが、少しくすぐったせいか、足の裏は少しピンク色になっています。足の指のなかで、人差し指がすこし長く突き出ているので、ギリシャ型と呼ばれる足型です。足の指がきゅっと縮こまり、少しくぼんだ土踏まずに皺が寄ります。
 男は、彼女の足の指の股へ、人差し指をねじこみました。

「――にゃはははははっ!!? いやぁっ……ちがうのっ!! うひぃぃっ、い、ま、笑って、なんか……なくて、ひひっぃひぃいっ!!? いやっ……笑って、無ひひゃははあっ!!? ちがうっ、あのっ……そのぉぉおひひひ!? 発作……みたい、な、何かで……あひゃぁぁああぁっ」
 
 首を左右に激しく振って悶える美月ちゃん。
 足の指がくすぐったそうにぴくぴく動いています。
 腋も力を込めて必死に閉じているようですが、くすぐる手を挟み込むと余計にくすぐったくなりますよ?

「――いひゃっ……!!? あはははっ、ちょ……やえぇ、だめぇぇっ!! 切らないでぇえぇっ!!! いひひっ……えひぃぃ!?! いあっ、変じゃないぃぃぃっ、変じゃないからぁぁあ!!!」

 おやおや。彼氏さんは、電話を切りたがっているようですね。
 まだ時間は10分と経っていません、大丈夫でしょうか?

 そのとき、腋をくすぐっていた男が、美月ちゃんのボーダーシャツの裾から左手を突っ込み、素肌の脇腹を直にくすぐりはじめました。

「――ひやぁあああああっ!? あひひひひやぁあああああっ!!?! ああぁぁぁあっ、待ってえぇっぇ、切らないで――」

 直後、こちらからでもはっきりと聞こえます。空しく響く通話終了の音。
 彼氏さん、美月ちゃんの不審なあえぎ声に、バカにされてるとでも思ったのでしょうか? 一方的に切ってしまったようです。

 男達はくすぐる手を止めました。
 美月ちゃん残念そうにため息をつきます。

 美月ちゃん、残念!
 一万円獲得ならず!!
 さて! 失敗してしまった美月ちゃんには、罰ゲーム!!!

「え? 罰ゲー……!? そんなの聞いてな――あひゃああああああはははははははははははははははははっ!!!?」

 気が緩んでいたんでしょうか?
 アバラと足の裏を同時にくすぐられる美月ちゃん、こんどは一秒も絶えられず大笑いしてしまいました。

「やめへえぇえ~~っはっはっはっは!!? 我慢できないぃぃ~~っひっひっひっひっひひひひひひひひひひ~~!!」

 シャツの裾をべろんとめくり上げられ、お腹やあばらを直にくすぐられるのはやはりきつそうですね。
 なるほど……。下着の色は白ですね。

「あはははははははははっ嫌ああぁあああっ、っはっはっはっはっはっはっ!! もうだめだってぇぇえぇぇ~~!!」

 足をくすぐる男は、美月ちゃんの両足を揃えて抱えこみ、両足の裏をかきむしっています。
 いつのまにか、左足のスニーカーとソックスも脱がされています。

 せっかくなので、ちょっとご自分の足の臭いを嗅いでもらいましょうか。

 まずは、ソックスから。

「やだっ……!!? ひぃぃい~~~ひひひひっひいひ、んうぅううううひひひひひひっ!!! そんなの鼻にすりつけないでぇぇぇえいぃいひひひひひひ、んぅうううう~~」

 あらら。鼻水を噴き出してしまいました。

 ではつぎ、スニーカーのほうを。

「――ぶふぅううう!!? げほっ……ひいぃいい~~ひひひひひっ、げほぉぉっ!!! やっ、ちょっ!!? やだぁあ゛ぁああはははは、げごおおお!!! 臭いっ!! やめろばぁあぁぁあひひひひひひ、ぐほぉぉっ!!?」

 スニーカーの中敷きを美月ちゃんの鼻に押しつけてあげると、顔を真っ赤にして暴言まで吐いてくれました。泣いています。
 よっぽど腐ったのでしょう。日頃靴の手入れを怠っていた報いですね。
 くすぐられながら自分の足の臭いをかげる機会なんてそうそうないですから、楽しんでもらいたいものですが。

「楽しめるか馬鹿ぁあぁあひゃひゃひゃひゃひゃっ!!? ふざけんなぁっ、罰ゲームとかああっははっはっはっは! 嘘つきぃいいいひひひひひひひ~~!!! 死ねえぇえあひあぁぁっはっははっははははははっはは!!! 離せえぇえぃ゛ぃ゛いぃ~~ひひひひひぎぎぎぎ!!!!」

 激しく首を振って、ぴくぴくと体を痙攣させながら笑いもだえる美月ちゃん。
 大人しそうに見えましたが、化けの皮まで剥げてしまいましたね。

 さて、賞金一万円に釣られて彼氏さんとのデートをすっぽかし、こんなところでゲラゲラ笑い転げている美月ちゃん。今後の交際は果たして上手くいくのでしょうか。

「ひぎゃぁああああっひゃひゃっひゃっひゃ!!! あぎゃあぁああひゃぁぁああははははははあははははあははは~~!!!?」

 わたくしどもは、一切の責任を負いません。

 
(完)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 彼氏に電話しながら云々という類いの大きなお友だち向けビデオグラムを、KTR変換したい!










愛する人がくすぐりの虜に堕とされた

「私を、くすぐってくれない?」

 突然、恋人の優樹菜(ゆきな)にそんなことを言われて、僕は戸惑った。
 僕と彼女はベッドの上。約一ヶ月ぶりのセ○クスをしようと息巻いていた矢先であった。
 キスを終えたばかりで、彼女は唇をぺろりと舐めた。口に入りそうになったミディアムロングの髪の毛を掻き上げる姿。以前から知っている彼女と変わらない気がした。
 僕が黙っているのを不審に思ったのか、優樹菜は「なによぅ」とはにかんで、もう一度「くすぐってくれない?」と言った。聞き間違いではなかった。
 窓の外からアブラゼミの鳴き声が聞こえてくる。八月の末だった。

 優樹菜とは幼馴染みで、学園入学を機に付き合い始めた。今年で二年目になる。
 内気で恥ずかしがり屋な彼女とはじめて交わりを持ったのは一年生の体育祭の後だった。それからはだいたい月二ぐらいのペースで関係を持ち続けていたが、夏の彼女は部活で忙しく、しばらく一緒にいる時間を取れなかったのだ。
 彼女は吹奏楽部に所属している。七月には合宿、次いで八月上旬の地方大会と連日彼女は忙しそうにしていた。
 地方大会は市民ホールで行われた。当然僕も応援に駆けつけた。舞台上でライトを浴びる彼女の表情は昨年よりも晴れやかに見えた。少しだけ遠くに見え、しかし同時に誇らしく感じられた。音楽のことはよくわからなかったが、彼女がクラリネットをぐるぐると動かしながら奏する様を凝視しながら「がんばれ」と念じ続けた。
 結果は昨年と同じ地方大会落ちだった。昨年彼女がかなり落ち込んでいたのを思い出して心配になったが、彼女は意外にも「来年は絶対カラキン脱出するから!」と前向きだった。彼女は強くなっていた。

 大会の打ち上げ、先輩の引退送別会、溜まった宿題の整理と、怒濤の八月を乗り切った優樹菜は、ようやくこうして僕と過ごす時間を作ってくれた。
 僕は彼女を束縛するつもりなんて無い。恋人同士だからこそ、お互いの都合を尊重しあう関係でありたいと思っている。
 けれどもやっぱり、一ヶ月ものセ○クスレスは思春期の男子にはこたえた。
 八月に入ってからは、毎晩のように彼女のことを思ってマスターベーションに励んだ。
 今日だって、彼女の姿を玄関で見た途端に勃起してしまうほどだった。
 それなのに……。

「えっと……くすぐるって、どういうこと?」
 僕はセ○クスがしたかった。

「うーんと……、こちょこちょ皮膚を触って笑いたくなるような衝動を引き起こすこと、かな」
 優樹菜は人差し指を顎に当てて、思いを巡らせるように言った。

「いや、語意を聞いたんじゃなくて……そのぅ――」

「あ、セ○クスは今日はいっかな♪」
 優樹菜はすぐに、僕が語尾を濁したところを察してくれたようだ。
「……というか、もうセ○クスはいいんだよね。これからリューヘーには、たーっくさん、くすぐってもらいたいなぁ」
 続けて、にっこりと笑った。

 僕は困惑を隠せない。
 彼女の口から「セ○クス」という言葉がさらりと出てきた。
 前はもじもじと顔を赤らめて、隠語を使っていたはずなのに……。

「さぁ!」と、ベッドの上に仰向けになって、両腕を広げる優樹菜。
 ノースリーブを着ているため、綺麗な腋がガラ空きだ。
 ミニスカートから伸びる白い素足。今日はサンダルできていた。
 そこで気づく。去年の夏はこんな露出の多い服、着ていなかった。
 僕はごくりと唾を飲み込み、彼女の顔を見た。期待に満ちたまなざしを僕へ向けてくる。ベッドの上ではいつも「恥ずかしいから」と消灯を要求していたはずの優樹菜……。不気味だった。

「優樹菜、……あの、……どうしたの?」

「ん? 何が?」

「え、何がって……。なんか、今日の優樹菜、おかしくない?」

「そう?」
 優樹菜はとぼけたように首を傾げた。

「そうだよ……。そんな短いスカート、初めて見たし。……それに、優樹菜、他人の家に上がるときは靴下穿いてないと落ち着かなかったんじゃ……?」

「こっちの方がくすぐりやすいと思って」

「くすぐりやすい……?」

 なんども彼女の口から出てくる「くすぐり」という単語。
 僕にとってはあまり馴染みがなく、妙なプレイを要求されているような気がして、不安だった。
 思わず眉間に皺を寄せてしまった。

 すると、優樹菜は少し悲しそうに眉を寄せた。
「リューヘー、……もしかして、私のこと、嫌いになっちゃった? しばらく会えなかったから」

「そ、そんなことないよ!」
 慌てて僕は否定した。
 彼女はホッとしたように、
「よかった……。じゃあ、私のこと、くすぐってくれる?」

 僕は彼女の上目遣いに負けた。
 ゆっくりと彼女の腰をまたいで、馬乗りになった。「キャー」と優樹菜が嬉しそうに悲鳴を上げた。くすぐって欲しくてうずうずしている……。そんな表情。

 本当に、優樹菜、どうしちゃったの……?

 僕は疑問に思いながら、そっと彼女の腋の下へ指を伸ばした。

「んふっ……」

 少しだけ汗をかいた腋の皮膚に触れた瞬間、彼女の口から笑いが漏れた。
 僕はびっくりして手を引っ込めてしまった。

「あぁん! やめないでよぉ」

 残念がる彼女の瞳は潤んでいた。とろんとして、頬が紅潮してる。
 彼女に急かされ、もう一度指を伸ばす。再び彼女の生温かい皮膚に触れた。

「ぷふっ……んふっくふふ」

 指を小刻みに動かして見ると、彼女はくすぐったそうに身をよじった。
 腋を大きく広げたまま、ぷるぷると腕が震えていた。

「んはっ……ふひひっ……リューヘー、もっと、くふふ、強くやって、いいからぁ♥」

 優樹菜は艶めかしい声で言った。
 僕には加減がよく分からなかった。

 指先の動きをもう少し速めてみた。

「んひひひっ……んはぁぁ、そうじゃなくって……、くふふ♥」
 彼女は首を窄めてクスクス笑いながら、僕に要求してくる。
「くふっ……指先で皮膚の表面をなでるんじゃなくって……もっと、奥の骨をぐりぐりっ……って押し込むようなかんじでぇ♥」

 僕は彼女に言われるままに、強めに指を押し込んだ。

「あひゃぁぁん」

 彼女は嬌声を上げ、びくっと体を震わせた。
 柔らかい皮膚の内側に、ごりっと骨の感触があった。

「そそそそっ! そんな感じっ……ふひひひっ♥ もっとぉ! あっ、あっ、爪は立てないで……指の腹で、ぎゅーって押しつけてぇ、んふっ♥ それで、骨と皮膚の間をぐりぐりずらせる感じでぇ」

 僕は言われた通り、人差し指に力を込めた。
 本当に、皮膚と骨がずるりとずれるような奇妙な感覚があった。

「きゃははははっ!?」

 優樹菜が急に笑い声を上げた。
 僕はびっくりした。

「あはっ……、は、やめないでっ! その調子っ! それを繰り返してぇぇえぁはははははははははははははっ!!!」

 僕は言いなりだった。

「きゃっはっはっはっはそれぇぇええ~~♥ あはっはっはっは、そうそうっ、やめないでぇぇええっ! あははははははははははははは!!!」

 僕の指の動きに合わせて、彼女が激しく笑っている。
 こんな風にはしたなく大口を開けて笑う優樹菜の姿をはじめて見た。
 腋の下は次第に汗で湿ってくる。
 彼女は苦しそうに首を左右に振っているのに、決して腋を閉じようとしなかった。

「……んふっ。ぷはぁっ! さっ、次は足の裏だね」
 しばらく腋をくすぐった後で、優樹菜が言ってきた。満足げに頬を緩めている。優樹菜のこんな幸せそうな笑顔、今までに見たことがなかった。
 彼女に言われるまま僕はベッドに腰掛けた。
 膝の上に、優樹菜の素足が置かれた。彼女はぺたんと枕の傍に尻餅をついて座り、右足を投げ出していた。

「リューヘーならきっと足の方が簡単にマスターできると思うよ!」

 そんな励ましを掛けてくれる優樹菜。
 彼女の白い足。小さな足の指がぴくぴくと期待するようにもがいている。

「ちょっと爪を立てて、引っ掻くような感じでやってみて」

 彼女は足の指を広げて、僕に見せてきた。
 僕の手よりも小さな彼女の足。

 僕は「引っ掻く」という感じを強くイメージしながら、彼女の足の裏へ爪を立てた。

「くひっ!? きゃひあははははははははははははっ!!? あはぁぁぁぁっはっはっはっはっはっはっは、最高ぉぉうひひひひひひひひ♥」

 彼女は両手をじたばたと動かし、笑い出した。
 上半身をよじって笑う姿は、本当に苦しそうだ。

 爪が足の皮膚をこする、シャリシャリという音が響いた。

 足の指が、びくびくとくすぐったそうにもがく。
 平らな足の裏に皺が寄って、硬くなっていた。

「あははははははははっ!!! そそそっ!!! 足の指が邪魔ならっ!! 掴んで反らしちゃってぇぇぇええっはっはっはっはっはっは!!!」

 彼女はがくんがくんと首を揺らしながら叫んだ。
 顔を真っ赤にして、目に涙を浮かべてまで言うことなのか……。

 僕は彼女の足の人差し指を掴んで、後ろ側へ反らした。人差し指が長かったので掴みやすかったのだ。

 皺の寄っていた足の裏が、ぴんと伸びきる。
 そこへ爪を立てて、「引っ掻く」イメージでくすぐる。

「ひあぁぁあぁあっはっはっはっはっはっはっはっは♥ んはぁぁぁあははははははははは!!!」

 優樹菜の声がかん高くなった。
 掴んだ足の指に力が入っている。
 そこを頑張って押さえつけ、彼女の要求するままにくすぐり続けた。

「あぁぁあぁぁ~~っはっはっはっはっはっは!! ひぃっぃ~~っひっひっひっひ、リューヘーぇぇぇへへへ♥ 大好きだよぉぉぉひゃははははははは~~!」

 彼女は口元に泡を浮かべて大笑いしながら、そんなことを言う。
 恥じらいながら小さな声で「リューヘー。……好きだよ」と呟く彼女の面影はなかった。

 その日は、結局最後の最後まで、セ○クスはさせてもらえなかった。終始、積極的な彼女に押されて、僕は言われるがままにくすぐっただけ……。
「少しずつ、慣れていけばいいからね♪ きっとすぐ上手くなるよ!」
 別れ際には、優樹菜にダメ出しまでされた。
 僕は、久しぶりで楽しみにしていたはずの彼女とのデートに、欲求不満が残った。
 変わってしまった優樹菜に対する戸惑いによるものなのか、特殊なプレイに対する戸惑いによるものなのか、原因はわからない。
 それでも優樹菜のことが好きだった。
 
 優樹菜にいったい何が起こったのか? 何が優樹菜を変えてしまったのか?


 氷解したのは、数週間後、新学期が始まってしばらく経った頃だった。
『くすぐり研究会』
 廊下で貼り紙を見つけて驚いた。そんな同好会が学校内にあるなんて知らなかった。今まで「くすぐり」という単語を意識していなかったから、気づかなかったのかもしれない。
 活動場所に行ってみると、思いのほか歓迎された。
「同志よ。新作DVDがあるのでゲスよ。ほら! 例のあれでゲス! 第20弾が出たんでゲスよ!」
 異常なほどキャラの濃い男に、DVDのパッケージを見せられ、購入を勧められた。同じような研究会が学校外にもあって、オリジナルのくすぐりDVDを作り、売り買いしているらしい。僕の知らない世界だった。
 キャラの濃い男の押し売りは鬱陶しかったが、パッケージ裏の説明書きを一目見て、購入を決意した。
 確かめなければならないと思ったのだ。

『夏だ! 合宿だ!』
『大会に向けて避暑地へ集中練習にやってきた吹奏楽部の面々』
『ガンバル女子部員達を、くすぐり師のテクニックで堕としちゃおう!』

 煽り文句に心臓がバクバクと高鳴っていた。
 家に帰って、DVDをセットする。
 チャプター数がざっと20はあった。全部合わせて5時間弱。とにかく詰められるだけ詰めたという感じ。画質は望めないだろう。
 チャプターのタイトルはすべて女性のファーストネームだった。『チャプター13:ユキナ』という項目を見つけた瞬間、僕の心臓は裂けそうになった。嫌な予感は最高潮に達した。

 ユキナ。……優樹菜。

 僕は震える指で、再生した。

 真っ暗な画面が静かに晴れてゆく。
 僕は目を背けたいのを必死にこらえた。

 薄暗い部屋だ。
 中央に手術台のような台があって、その上にうちの学校の制服を着た女の子が仰向けに寝ている。
 両手両足をまっすぐ上下に伸ばしていた。
 どうやら手首と足首をそれぞれロープで縛られているようだ。
 校則通りの丈のチェックのスカート。半袖シャツはきちんと第一ボタンまで閉じて、ネックリボンも綺麗に締めている。白いハイソックスは几帳面にも左右の長さが揃えられていて……。

 優樹菜だった。

 怯えた表情。
 そこへ、見知らぬ若い男が現れた。

『優樹菜ちゃんは、彼氏がいるんだってね』

 僕は、見ず知らずの男の発する『優樹菜ちゃん』という呼び名に、嫌悪感を抱いた。

『彼氏のこと、好き?』

『……は、はい』

 素直に頷いてしまうところが優樹菜らしい。
 が、僕には、知らない男と受け答えする優樹菜にまで、理不尽な嫉妬心を抱いてしまう。
 すぐにでもDVDを停止したい欲求と、このまま顛末を見届けなければならないという義務感が交錯する。

『セ○クスはやってるの?』

『……ぃっ』
 男の質問に、優樹菜の顔がボッと赤くなった。恥ずかしそうに、伏し目になる。僕の知っている優樹菜の表情……。
 僕は、男に殺意を抱いた。

 それでも、停止ボタンが押せなかった。

『そうか。お盛んなんだね。……それなら、セ○クスよりも楽しいこと、教えてあげるよ』
 男が優樹菜に近づいていく。

 優樹菜の顔が恐怖に引きつった。
 ぎしぎしとロープを鳴らし、体を左右によじっている。
 嫌悪感に歪んだ、愛する人の顔……。

 僕は、目が離せなかった。

 男は両手の人差し指を、優樹菜の腋の下へ当てた。

『……んゃっ!?』
 漏れ出る優樹菜の色っぽい声。僕は怒りと悔しさの交じった感情に駆られて唇を噛んだ。

『んふっ……ひっ、ひ、やっ、やめ、て、くださいぃっ……』

 男が指を上下にゆっくりと動かすと、優樹菜はくねくねと身をよじった。
 顔は真っ赤で、息が荒い。

『敏感なんだね。じゃあ、本番いくよ?』
 男はそう言うと、両手の指を広げて、一気に彼女のアバラへ振り下ろした。

『あぁあああああああああっ!!』

 かん高い悲鳴。びくんと優樹菜の体が弾けた。

 そして、男が両手の指をぐりぐりと動かしはじめる。

『ぷはっ!? はっ……ははっ、あははははははははっ!!? やっ、いやっ……! きゃははははははははっ!!』

 すると途端に、優樹菜は口をぱかっと開けて笑い出した。
 笑いをこらえようとしているのか口を閉じる。が、すぐに弾けるように笑い出してしまう。

 男の指が、ぐりぐりと優樹菜のアバラ、胸の下あたりの体側をしごくように動き回った。

『きゃははははははははははははっ!!! やめへっ……ああぁぁ~~っはっはっはっはっはっはっはっはっは!!』

 優樹菜は激しく笑っていた。
 歪んだ眉、眉間に寄った皺、目元に浮かんだ涙。
 彼女は首を左右に振って、必死に拒否を示している。

『優樹菜ちゃん。どうだい? 楽しいかい?』

『いやぁぁあっはっはっはっはっはっはっは、……楽しくないっ!! 楽しくないれすぅぅうううっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!』

 優樹菜が、そんなことを叫ばされている。
 苦痛に歪んだ彼女の笑顔。
 男はせせら笑いながらくすぐり続けている。

『そうやって笑っているうちにだんだん癖になってくるからね』

『やぁぁぁあっはっはっはっはっはっは!!? ……たすけっ、助けてぇえぇえぇっへっへっへっへっへっへっへ!!』

 優樹菜が涙を流して助けを求めている。
 それなのに、僕にはどうすることもできない。

 目の前で、恋人が知らない男にくすぐられて大笑いさせられている。
 そんな異常な光景……。

 僕は画面に見入っていた。
 優樹菜の激しい笑い声に聞き入っていた。
 ふと、頬を伝うぬるい感触。いつのまにか僕は、泣いていた。
 悔しくてたまらなかった。
 僕は、激しく勃起していた。

「なんで……っ、どうして……っ」
 僕は嗚咽を漏らした。問いは自分自身に向けられたものだ。
 どうして僕は、恋人が苦しむ姿を見て、興奮しているのか。

 画面の男は、優樹菜の足元へ移動していた。
 数分間くすぐられた優樹菜は、笑い疲れたのか、肩で息をしている。

 男は、優樹菜のハイソックスに手を掛けた。

『や、だ……やめへぇ』
 呂律の回らない優樹菜の声。顔が火照って、目の焦点が定まっていない。
 セ○クスの時だって、こんなとろけた表情、見たことなかった。
 僕は、優樹菜をこんな風にした男に対する怒りや嫌悪感と一緒に、強烈な興奮を抱く。

 ぺりぺりとソックス糊の剥がれる音。
 引っ張られて伸びる白いソックス。ロープにつかえているところを、男は無理に引っ張っている。
 すぽん、とソックスは脱がし取られた。
 露わになった優樹菜の素足。優樹菜はきゅっと足の指を閉じた。

 男は優樹菜の足の指を掴んで反らせた。
 そうして人差し指と中指をかぎ爪のような形に構え、彼女の足の裏をくすぐりはじめる。

『ひぁっ!!? ひあぁあああっひひひひひひひひひひひっ!!? いやぁぁああははひははっはっはっはっはっはっは!!! もうやめてぇぇええひはははははははは!!!』

 途端に優樹菜はかん高い笑い声を上げた。
 彼女の顔は、もう涙と涎でぐしゃぐしゃだった。

「ひぁあぁああっはっはっはっはっはっはっはっは!? あがぁああはひひひひひひひひひひ~~!!!」

 次第に優樹菜の笑い声がおかしくなってくる。表情もだんだんと、だらしなく緩んでいくように見えた。
 男は五本の指を使って、彼女の土踏まずのあたりを引っ掻いていた。

『くひひひひひひひひひひひっ!!! うひゃひゃっ、あひゃぁぁぁあっはっはっはっっはっははは♥』

 優樹菜が、明らかに嬌声と思えるような声を上げたのは、さらに2分程度経った頃だった。

『どうかな、優樹菜ちゃん? そろそろ楽しくなってきたんじゃないかな?』
 男がガリガリと優樹菜の足の皮を引っ掻きながら言った。

『ぐひひひひっひひいっひっひっひっひっ!!! いぃぃぃ~~~っひっひっひっひっひっひぎぃぃ♥』

 優樹菜は、目を見開いて笑い続けていた。
 ぶくぶくと泡を吹いて首を左右に振り続ける。

 そのとき、男の手が止まる。

『ひゃっ……あぁぁあああぁっ』

 途端に優樹菜の体はのけぞり、ぴくぴくと痙攣しはじめた。『ひぁっ……ひぁあぁ……』と彼女の口からは笑い声が漏れ続ける。目をぎゅっと閉じて、歯をがちがちと鳴らす。必死に衝動をこらえているように見えた。

 そこで再び、男が彼女の足をくすぐりはじめた。
 今度は両足の裏を激しく掻きむしるように。

『ふがぁぁああひゃひゃひゃひゃひゃっ♥ あひゃぁぁぁあんんひひひひひひひひひひひひひひひひひひぃぃぃ~~!!!』

 優樹菜はカッと目を見開き、舌を出して笑いはじめた。
 その瞬間、彼女の中で何かが折れた。……そんな気がした。

『どうする? 優樹菜ちゃん。最後までやって欲しいんじゃないかな? それとも、ここでやめてもいいのかなぁ?』

『やっ、あ、あ、あ、あ、あひぁぁあっははっはははははは!!? くははははははははっ!!! ……や、やめないでっ、ひっひっひひっひっひ! あひゃぁぁああああ~~♥ もっとひひひひひひひひひひっ!! さいごまでぇえぇっへっへっっへっへ!!!』

 優樹菜は激しく笑いながら叫んだ。

『彼氏のセ○クスより気持ちいいだろう?』

『はいぃぃいいっひっひっひっひっひっひっひ!!! 気持ちいいれしゅぅううううっひっひっひっひっひっひっひぃぃい♥』

 即答だった。

『自分の言葉ではっきり言うんだ。じゃなきゃ、やめちゃうよ?』

『ひぃぃいいいっひっひっひっひ♥ リュぅヘのセ○クスより気持ちいいぃいいいいっひひひっひっひっひ!!! もっとおぉおひゃひゃひゃ♥ もっとくすぐってぇぇえひゃっはっはっはっはっはっはっはっはは~~!!!』

『よくできたね、優樹菜ちゃん。ご褒美だ』

『ひやぁぁああああひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!? うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ♥ はにゃぁぁあああ~~』

 僕は、泣きながら射精した。
 画面の中では、優樹菜が笑いながら失禁していた。

 たった15分程度の『チャプター13:ユキナ』。
 見終えた僕は、情けなくも、すぐにもう一度見直して、マスターベーションをした。

 愛する人は、知らないうちに、知らない男に、くすぐりの虜に変えられてしまっていた。

 八月末の様子から、優樹菜がその後も男と関係を持ち続けていることは容易に想像がついた。
 たくさんくすぐられて、たくさん笑わされて、性格まで変えられてしまったのだろう。

 変えられてしまった彼女。

 それでも僕は、彼女が好きだった。
 それでも彼女は、まだ僕を好きでいてくれていた。

 優樹菜と出会って十数年、はじめて危機感を抱いた。
 昔から当たり前のように僕の傍にいた彼女は、いついなくなってもおかしくない存在だった。
 僕は「束縛しない」「互いを尊重」という言い訳を作って、彼女との関係をつなぎ止める努力を怠っていた。僕は、いままで、自分のためにセ○クスをしていたのだ。思い出してみれば行為の最中、彼女の口から「気持ちいい」と言われたことはなかった。見よう見まねのセ○クスでは、彼女を満足させてあげられていなかったのに、それすら気づけなかった。

 彼女はいまや、くすぐりの虜……。

 僕は決意した。
 せっかく買ったDVD。全チャプターをなんども見返して、男のくすぐり技を研究しよう。

 愛する人を寝取られないように……、違う、……愛する人をくすぐり取られないように。


(完)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 NTRならぬKTRというジャンルはいかがでしょう?
 2016年4月に、ブログ引っ越しのお知らせを兼ねてピクシブにアップロードしたものです。8月末のタイミングに合わせてブログで上げ直したかった。

優樹菜の表紙










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