くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

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こちょこちょホワイトデー #5


 誠一が教室にたどり着くと、
「遅かったか……」
 教室の廊下側窓ガラスの内側に白濁液が垂れ流れているのが見え、中から複数の女性の笑い声が聞こえる。
 がらりと扉を開ける。

「おぼっ!? おぼほほほほほほほほほっ!!? 嫌ぁあぁはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

「くやひゃははははははっ!!! あひぃいぃ!!! にゅるにゅる気持ち悪いぃっひっひっひっひっひ~~!!!」

 真っ先に目に入ったのは、陽キャラの天童良子(てんどう よしこ)と米良和子(めら かずこ)。
 二人ともホワイトチョコにからめとられ、宙づりにされてくすぐられていた。上履き、靴下、ベスト、髪留めのリボンなどが床に散乱している。天井から伸びたホワイトチョコが彼女らの両腕をからめとって万歳に。引っ張り伸ばされた脇腹にうねうねと解けたチョコレートがうごめいている。
 髪の毛を振り乱してゲラゲラ笑う良子と和子。二人は誠一に気付くと、声を荒らげた。

「いひぃぃひひひひ、伊藤!? あひゃひゃっ、あたひらに何の恨みがあるのよぉぉ~~あひあぁぁははっはは!!」

「ひぃいいっひっひっひ、おなかくるしぃいいっひっひっひっひっひっひ~~!!! 助けてよぉぉ~~っはっはっは!!!」

 教室の後ろに目をやると、

「きゃはははははははっ!!? ごめんなさいごめんなさいっ……ごめんにゃぁぁっはっはっはっはっは!!!」

 ひたすら謝り続けながら大笑いするツインテールの女子。
 喜連川風由(きつれがわ ふうゆ)である。 
 彼女は壁に張り付いたホワイトチョコに手足をからめとられ、大の字にされていた。大きく開いた腋の下、腰回り、股下、足の裏など、まんべんなくくすぐられている。
 笑い狂う彼女の正面に男子がいる。
「あと55回残ってるぞ! さっさと言え! 言わないと助けないぞ!」

「きぁぁははっはっは、ごめんなっ……息がっ!!! たかしぃいっ、もう無理だって!!! 助けてぇぇえへっへへっへっへっへっへ~~!!!」

 風由は涙を流して笑いもだた。
 たかしというのは、同じクラスの沼田隆(ぬまた たかし)。風由の彼氏で、付き合って3か月だと記憶している。
 おそらく隆は、風由が義理チョコとはいえ誠一にバレンタインチョコをあげたことがわかって嫉妬しているのだろう。「助けてほしかったら100回ごめんなさいを言え」などとくだらない命令でもされているのだろうと想像できる。

 誠一は窓際の席へ目をやる。
 クラスで最も無口ではかなげな少女、長久手黄海(ながくて おうみ)の席だ。
 いつもひとりで参考書を読んでいて、話しかけづらい雰囲気。他の生徒と一緒にいるところをほとんど見たことがない。
 そんな彼女が2月14日に誠一にクッキーを渡してきたことには驚いた。
 無口な女の子が、少し恥ずかしそうに頬を赤らめてプレゼントを渡してくる仕草は衝撃的で、記憶に残っている。

「……っ」誠一は、ついつい興奮してしまった。
 初めて目の当たりにする、黄海が下品な笑い声をあげる姿があまりにも新鮮で、妙な色気を感じてしまったのだ。

「ほぎえぇえひえひぇひぇひぇっ!!? おにょおほほほほほほほほっ!!! ひめぇぇぇ、ひゃめぇぇひぇぇ~~っへっへっへっへっへっへっへ!!!」

 黄海は目を見開き歯茎をむき出しにて馬鹿笑いしていた。
 彼女は椅子に腰かけたまま両足を机にのせた行儀の悪い態勢。
 手首と腰回りが椅子のパイプに、足が机の角にひっかかるようにして、ホワイトチョコで固められている。
 床から伸びたホワイトチョコが、大きく突き出された黄海の素足を激しくくすぐっている。

「ふぎゃぁぁあひぇひぇひぇひっ~~!!!! ひぬっ。ひんじゃうにょぉぉ~~ひょほほほほほほほほほほほほ~~!!!」

 黄海は激しく髪の毛を振り乱して笑う。
 足の指の股にホワイトチョコがどろどろと流れ込み、反った指の付け根や、土踏まずでぐねぐねと動き回っている。

 教室中に甘い香りと激しい笑い声が充満していた。
「……うっ」誠一は、自分の股間が反応していることに気付き、慌てて走り出す。
 トイレに駆け込み、
「ふぅ……」
 誠一は致し終えて一息ついた。
 ホワイトチョコレートにくすぐられている女子が、こんなにエロかったなんて……。
 昨日まで想像もつかなかったフェティシズムに、誠一は目覚めた。
 トイレットペーパーが粘膜に貼りついて痛い。水が流れなかった。……

「ごめん。断水だった。みんな、しばらくそのままで」
 教室に戻って誠一がテヘペロすると、笑い声と一緒に罵声が飛んだ。
 天真爛漫な風由や無口でおとなしい黄海の、ゲラゲラ馬鹿笑いしながらの悪態に、ちょっと萌えた。


(完)

















こちょこちょホワイトデー #4


 誠一は階段を駆け上がったところで、女性の笑い声を耳にする。
 声のする方に足を向け、……
「いや……ここは……」しり込みした。

「ふにゃはははははははっ!!! たれかっ、たふへへぇぇぇひぃぃぃ~~ひっひっひっひっひっひ~~」

 かわいらしい笑い声。
 女子トイレの中から聞こえてきていた。
 さすがに中には入れない。
「おーい! 大丈夫かあ」誠一は、中へ呼びかけた。

「ひぃぃっひひっひ!? いっ、伊藤君!!? なっ、なにこれぇぇっへっへっへっへっへっへ~~!!!」

 中の声は誠一に気付いたようだ。
 やはり、彼女もまたホワイトチョコの餌食になったひとりらしい。
 誠一は声の記憶を呼び起こす。

「あひぁぁぁ!! やらぁぁっ、そんなとこっ!!? はいってこないでぇぇぇえひひひひひひひひひひひ~~!!!」

 隣のクラスの上原姫羅(かんばら ひいら)である。
 おとなしめのショートカットヘアの女子で、宿題やテストなど課せられた仕事はしっかりこなすが、自分から率先して動くことはあまりしないタイプ。目立たない隠れ優等生といった感じ。問題も起こさずまじめに学校生活を送っているのに、学校の先生からとんちんかんな評価を通知表に書かれる。文句を言わないから表沙汰にならない。教師は自分の認識の甘さを理解できないし親は誤解する、が、本人は気にしない。はたから見れば損しているようにしか見えない女子生徒である。
 それほど親しくはないのだが、小学校時代から何度か同じクラスになり委員会で一緒だったこともある。そのため向こうは少しばかり親近感を抱いているらしい。
 2月14日にはわざわざ下校時間まで待って、チョコレートを渡してくれた。
 もちろん昨夜上原姫羅の名前を老婆に教えていた。
 桃田や矢沢と同様に、今朝ホワイトチョコの包みを受け取り(下駄箱の中か?)、どういうわけかトイレで開封したようだ。トイレで開封したのは、おそらくまじめな性格ゆえ、お菓子を教室で食べるのはよくないと思ったのだろう。

「ごめん! 上原! 水をかければとれるから!」
 誠一は叫んだ。

「はひゃぁっ!? 水ぅぅっ!? これなんなのか教えてよぉぉ~~っはっはっはっはっはっはっは~~!! あきゃぁぁっ!!? やっ、ちょっ、脱がさないでぇぇ~~!!!」

 上原の笑い声が一段と大きくなる。
 いったいトイレの中でどういう状況になっているのか気にはなるが、……
「水だ! 水をかけるんだ! いいね!」
 他の犠牲者を救うべく、走り出した。

「やっ、ちょっ!!? 伊藤君!? 伊藤君!? あひゃぁぁぁっ、土踏まずはっダメっひぃいひひっひ!! いとっ……! もういないの!? 伊藤!? こらっ! あひゃぁぁっ!!? 放っていくなよ馬鹿ぁぁあはっはっはっはっはっはっはっは!!!」


(つづく)














こちょこちょホワイトデー #3


「じゃーん! ほら見て!」
 矢沢瑠希(やざわ るき)は、きれいにラッピングされた箱を掲げ、友人の松平定子(まつだいら のりこ)に見せつけた。
「なによ?」
「伊藤からだよ! ホワイトデーのチョコもらっちゃった!」
「へぇ、伊藤、ねぇ。……てか、そんなの自慢するために踊り場まで呼び出したの?」
「朝来たら、下駄箱に入ってたんだ! ナイスなサプライズだよねぇ」
「いや、うざい。伊藤のキャラじゃない気がするし。……で、何が入ってるの?」
「ええっとねぇ……」

~~~

 誠一は階段を上りかけてはっとした。
 踊り場に、クラスメイトの矢沢瑠希がいる。彼女もまたバレンタインデーに自分に菓子をくれたひとりだ。そして、昨夜『チョコお返し代行サービス』に名前を書いたひとり。
「――矢沢! 開けるな!」
 誠一が叫ぶが時すでに遅し。

「えっ?」
 瑠希は包装紙をちょうど解いたところだった。

 びゅるるっ!!

 突然箱のふたが弾け、白い液体が彼女の顔に噴射される。

「うへぇっ!!? なにこれっ!?」
「ちょっ……やだっ、最悪!」
 隣にいた松平定子まで白い液体まみれに。
 そして、二人の首元から、スライムのような白濁液がにゅるりと服の中へ侵入する。

「やっ……えっ、なぎゃっ!!? あはははははははははっ!!! いえぇぇぇぇえっ!? なにこれ、くすぐったぁあぁあっはははっはははっははっはは!!!」

「ふぁっ!!? くふふふふんぐぅううぅぅぅぅぅ――ぶはっ、あはははははははははっ!!? ちょっ、やだぁああははハハハハハ~~!!!」

 二人は腋を必死に閉め、地団太を踏んで笑い出した。

 瑠希はぴょんぴょんと飛び跳ねながら、
「やははははははだっ、伊藤っ!! これなにぃいっひっひっひっひっひっひ!!?」

 定子はおなかを抱えてしゃがみこみ、
「説明しろぉぉ~~はっはっはっははっははっはっはっは!!!」誠一をにらみつけた。

「すまんっ! すぐに水を持ってくるから」
 誠一は、二人の罵声交じりの笑い声を背中に浴びながら、手洗い場へ急いだ。
 しかし、……

 断水。

 手書きの札がすべての蛇口にひっかかっていた。
「このタイミングで!?」
 誠一は自身の天運を呪いたくなった。
 しかたなく、一階まで降りて、自販機で天然水を買う。

 もどってくると、

「うひゃはははははははっ!!? そんなとこぁあっははっはっはっはっはっはっ!!!!」

「もぉぉ゛おお゛ひゃっひゃっひゃっ、伊藤死ねぇぇええへっへへっへへっへっへ~~!!!」

 さっきよりひどいことになっていた。
 二人とも立っていられないようで、地面にはいつくばるようにして笑いもだえる。
 服が乱れ、ボタンがはじけ飛んでいた。上履きが脱げて階段の下まで転げている。二人とも素足になっており、ソックスはあっちこっちへ散らばっていた。
 ホワイトチョコレートのダマが無数に分裂し、二人の体中にへばりついて震えている。

「あひゃひゃひゃひゃっ!!! ひぃぃいい、パンツの中はらめぇぇえっへへっへっへへ~~!!!」

 瑠希は股間を両手で押さえつけ嬌声を上げた。
 どうやら、ホワイトチョコレートがパンツの中まで侵入してくすぐっているらしい。
 足をじたばたと激しく掻く。スカートがまくれあがってパンツ丸見えだが、気にしている余裕はなさそうだ。

「いひっひっひっひっひっひっ!!? あぎゃっひゃっははっはっは!? あひゃぁぁ伊藤ごらぁっ、早くタスけろぉおひょひょひょひょひょっ!!」

 定子は開脚座りの姿勢で動けないようだった。見るとホワイトチョコレートが足首、膝、股関節にへばりつき、床と固定している。
 彼女の素足の裏を、細長く変形したホワイトチョコレートが撫でまわしている。瑠希に比べるとずいぶんと軽そうな刺激に見えたが、定子にとってはそうでないらしい。定子はかたい体を必死によじってもがく。両手は足にとどきそうにない。

 誠一は、ペットボトルを開け、二人の体に水をかけた。
 どろどろと流れ落ちるホワイトチョコレート。
「ひぃひぃ……いったい、なんだったのぉ……」
「伊藤……ふざけんにゃよぅ……」
 ぐったりとして動けない二人に対して、
「ごめん。いまは説明してる時間ないから」
 誠一はほかの犠牲を食い止めるべく、走り出した。


(つづく)















こちょこちょホワイトデー #2


 学校へ到着するとすぐに正面玄関前に人だかりができていることに気付いた。
 奥から女子の笑い声が聞こえてくる。
 あー……やっぱりか。
 誠一が人込みをかき分けて進むと、

「あはははははははっ!!! な、なにこれぇぇぇ~~きゃっはっはっはっは!!」

 下駄箱の前でひっくり返って笑いもだえる女の子がいた。
 桃田寧(ももた ねい)。クラスメイトで、学級委員長を務めている。2月14日にはバレンタイン菓子を大量に作って教室にもってきて、クラス中に配っていた。献身的で、男子にプレゼントを渡すことに対して抵抗がない様子。誰にでも人懐っこい笑顔を向けるので、自分に好意があると勘違いする男子も多数いた。
 そのせいか、ギャラリーには男子が多い。

「やだぁぁっはっはっはっは!!! 見ないでっ!! 見てないで助けてってぇぇえっへっへっへっへっへ~~!!」

 桃田寧は激しく髪の毛を左右に振り乱し、大口を開け笑っている。
 体にまとわりついている白い液体は間違いなくホワイトチョコレートだ。トリモチのように床にへばりついて、彼女は身動きが取れない様子。
 服の隙間から出たり入ったり、にゅるにゅると動き回るホワイトチョコレート。まるでヒルのようだった。
 上履きと靴下は脱げており、そのすぐそばに、見覚えのある包装紙が破れて落ちていた。

「あっはっはっはっ!!? いっ、伊藤くんっ!!? これなぁにぃいっひっひひひっひ、なんなのぉぉあぁぁはっはっはっはっはっは~~!!!」

 誠一の存在に気付いた彼女は叫んだ。
 ギャラリーの目が一斉に誠一へ注がれる。
 昨夜『チョコお返し代行サービス』で彼女の名前を書いた。そのせいで彼女はこんな目にあっているのだ。早く水をかけてやらないと――
「伊藤、貴様のせいか? 貴様のせいで桃田がこんな痴態を……!」
 踵を返そうとして、男子生徒のひとりに腕をつかまれた。
 あまりの剣幕にすくんでしまい、動けなかった。男子生徒は反対のこぶしを握り締める。
 殴られる!? 覚悟を決めるが、……
「最高だ!」彼はガッツポーズをかました。
「へ?」
「桃田のこんなかわいい姿見られるなんて! 貴様は神か!」
 彼が誠一をあがめると、周囲の男子生徒も「神!」「神!」と叫びだした。
 誠一は唖然とした。

「ちょっとぉぉ~~っはっはっは!!? 男子ぃいぃっ、ふざけてないで助けてよぉぉ~~っはっはっはっはっはっはは馬鹿ぁぁ~~!!!」

 桃田寧は、欲望をむき出しにする男子生徒たちにあきれ果てたのか、ののしり喚いた。

「おお! 桃田の『馬鹿』いただきっ」
「違う! 今のは俺に言ったんだ!」
「いいや俺だ!」
 変態男子どもは喜んでいる。

 これは、このままで、いいのか?
 誠一もあきれ果て、
「勝手にやっててくれ……」去ろうとする。

「待ってぇぇえへへへへへ、伊藤くんっ!!! これ止めてっ!!! なんで私がぁぁぁっはっはっははっはっはっはっは~~!!?」

「あーごめん。桃田。水かけたらソレ取れるから。みんな、気が済んだら水かけて助けてあげてくれ」
 誠一はそう言いおいて、自身の下駄箱で上履きに履き替えた。楽しんでいるところを邪魔しては悪い。

「くあぁはっはっはっは、そんな!!!! 無責任なぁぁあっははっはっは!!? 誰かっ、早く水かけろよぉぉ~~いひひひひひひひひ!!!」

「うほっ、桃田は口悪くてもかわいいなぁ」
「もう少し、もう少し……」

 誠一は、変態男子どもと笑い狂う桃田寧を残し、教室へ向かった。


(つづく)















こちょこちょホワイトデー #1


 ホワイトデー当日の朝。伊藤誠一は十字路でため息をついた。
 幼馴染の等々力叶とは毎朝一緒に登校している。
 しかし、待ち合わせ時間を過ぎても彼女はやってこなかった。
「……またこのパターンか」
 誠一は十字路を曲がり、彼女の家へ向かった。
 叶の両親は共働き。会社に泊りになることがしょっちゅうだった。
 叶は、親が家を空ける夜は、羽目を外して夜更かしする悪癖を持っていた。それで翌朝起きられないことが多いのだ。
 まったく世話が焼ける……。これだから金持ちの娘は。
 誠一は叶の豪邸の前まで来て、やっぱりか、と思う。
 彼女の両親の車がない。案の定、昨日夜更かしをして寝坊しているようだ。
 誠一は扉の前まできて、違和感に気付く。
「……ん?」
 家の中からうっすらと声が聞こえてくる。
 防音がしっかりした豪邸にもかからず扉の外まで聞こえてくるということは、かなりの大声で叫んでいることになる。
 家の中には叶ひとりのはず。……
 誠一は急いで扉の生体センサーに指をかざす。ピピッと音がしてロックが解除された。
 家の中に入ると、

「やはははははははははっ!!! やだっ、ひゃぴぃいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ~~!!!」

 奥から甲高い笑い声が聞こえた。
 まぎれもなく叶の声だ。
「か、叶!?」誠一は靴を脱ぎ散らかして声のする方へ走った。
 ダイニングに入って、誠一は唖然とする。
 パジャマ姿の叶がフローリングの上でじたばたと四肢をねじるようにして笑い転げている。
 彼女の体中に、どろりとしたスライムのような白い液体が付着している。それらがぐねぐねと動き回り彼女の体をくすぐっているのだ。

「ぷひゃっはっはっはっはっは!!? せせっ、せいちゃん!!? なんなのこれぇぇぇえあはっはっははっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 叶は誠一に気付くと、両手を伸ばし、助けを求めるかのように宙を掻いた。
 体についた白い液体がぼてぼてとフローリングに飛び散る。
 彼女の顔面にも大量の白い液。なんの液なのか見当もつかない。
「こっちが聞きたいよ!」

「あひゃぁぁぁぁあひひひひひひっひひっ!!! せいちゃんがぁぁぁっはっはっは、送ってきたんじゃんかぁぁあっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 叶は激しく体をねじってもがきながら叫んだ。
 いったいいつから笑い続けているのか、声が枯れている。
「は? ぼくが?」
 叶がもがき笑いながら指をさす。
 テーブルの上に、見覚えのある包装紙と箱。「あっ」と思わず声がでた。間違いなく、昨夜老婆から買ったホワイトデーのお返し商品だ。

「あひゃひゃっ、開けたらっ!!! 急に中身が襲ってきてぇぇぇえうひゃひゃひゃひゃっ!!!!!」

 叶の体にまとわりついた白い液体が彼女の体中をはい回る。
 パジャマの裾から入り込み、袖口から出たり入ったり。足裏にねっとりとへばりついたそれは指と指の間まで入り込んでいる。

 そのとき、誠一の頭に、老婆の言っていた言葉がよみがえる。
(チョコを倍にして返します)

 チョコを倍にして返す、……チョコ×2を返す、……コチョ×2……!

「……ば、馬鹿な……!」
 誠一はあまりにもばかばかしい趣向に絶句した。
 ……ということは、この白い液体は?
 床に落ちた白い液体を人差し指ですくい、匂いを嗅いでみる。

 甘い……。
 ホワイトチョコレートだ……。

「あひぁぁああばばばはははははっ!!! せいちゃんっ、助けてぇえぇええひぇぇえぇひぇっひぇっひぇっひぇっひぇ!!!」

 あきれている場合ではない。
 とにかく、叶を助けなければ。
 素材がチョコレートということは……。
 誠一はキッチンへ走り、ボウルに水を注いだ。
「叶、かけるぞ!」
 誠一は一言ことわりを入れてから、叶の全身に水をぶっかけた。
 彼女の体中にまとわりついていた白い液体が、どろどろと流れ落ちる。

「ひぃ……ひぃ……、死ぬかと、思ったょ」

 叶は荒い息を立てた。

 誠一は一息つく。が、すぐに思い至る。
 いや、待てよ。叶の家にコレが届いたということは、……。
 誠一は血の気が引くのを感じた。


(つづく)













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