くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

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くすぐりムカデを従兄のおにいさんから預かった

「こいつは『くすぐりムカデ』! 俺が海外出張の間、ちょっと面倒見てやっててくれ! 定期的に女の子の笑い声を与えてやれば、生きられるからさ」
 いとこのアツシさんは、そう一方的に俺にペットを託し、海外へ飛び立ってしまった。
 くすぐりムカデという生物は、体長は3mぐらい。胴長のムカデのからだに人間のような5本指の腕が21対生えている。頭部は虫というよりも人間のマネキンのようで、怖い。
 とてもかわいいと思えるようなペットではなかったが、小さいころから世話になったアツシさんの大事なペットだ。放置して死なせでもしたら大変。しかたなく引き受けることにした。

 くすぐりムカデの世話をはじめて、早一週間。
 試しに隣に住む幼なじみのコハルをあてがってみたのだが……

「あぎゃひゃひゃひゃひゃ……えぼっえぼぉおうへひゃあぁあはあははははは!! 死ぬぅううう!! も゛う゛やヴぇぇえいぎぃいひひひ、がひゃっ……あばばばばばあああああぁひゃひゃひゃ!!」

 コハルは、目をむき、鼻水と涎、尿まで垂れ流して笑い狂っている。
 くすぐりムカデはコハルのからだに巻き付き、42本の腕を駆使して器用にくすぐりまくっている。首筋や腋の下、脇腹、鼠径部や太もも、膝裏、ふくらはぎ、足の裏など、人間のくすぐったい部位、かゆいところにはすべて手が届く。
 毎日、部活帰りのコハルに突撃していたのだが、日に日にコハルの笑い声に元気がなくなっていった。
 コハルの体調が心配だし、くすぐりムカデも動きが遅くなっている。
 どうやら、日々新鮮な笑い声を与えないといけないようだ。

・・・

 翌日、くすぐりムカデを連れて公園にやってきた。
 周囲からは奇異の目で見られている。
 くすぐりムカデは、特に気に入る女子がいないのかげっそりしている。
 1時間ほど歩き回ったあたりで、くすぐりムカデの触角がぴくっと立ち上がった。目当ての子が見つかったらしい。
 視線をやると、ベンチにパーカーを着たポニテの女の子が座り、菓子パンを食べていた。見ようによっては中学生にも見えるし大学生にもみえるような、童顔の子だった。ひざ元に置かれた手提げから、どこかのバンドのフライヤーとパンフレットが見えた。目当てのバンドイベントの帰りか、あるいはイベント開始前の時間つぶしなのかもしれない。
 くすぐりムカデが興奮しているので「待った」をかけて、おそるおそる彼女に近づく。
 すると、こちらが声をかける間もなく、そそくさとパンを片付けて彼女は立ち上がり、足早にベンチを離れてしまった。危険察知能力が高すぎる。
 くすぐりムカデに「よし」の合図を出すと、またたくまに彼女をがんじがらめにした。

「やっ……なにっ!?」

 彼女てから滑り落ちた手提げを拾い、中を拝借。サイフに大学の学生証が入っていた。名前はエマというらしい。
 くすぐりムカデは、エマさんの腕を万歳に引っ張り伸ばし、右足を掴んで持ち上げ、靴と靴下を素早く脱がす。そして、40本近い腕でこちょこちょ全身をくすぐりはじめた。

「んぐっ!? ぷはっ……ひぁはっ、はっははっはっは!? たははは! 嫌あぁんっぅうひっひっひひひひひひひひ」

 エマさんは済ました表情から一転、だらしなく眉をゆがめ、笑い出した。
 くすぐりムカデの腕はパーカーの裾から服の中に入り込み、おなかや脇など素肌をくすぐっている様子。

「ひぃいんっ!! ひぃひひひいひ、ひゃめっ、笑いたくなひぃいひひっひひひひいひひひ!!」

 くすぐりムカデは、新鮮な笑い声で元気を取り戻した様子。激しく、乱暴に指を動かすと、エマさんのきゃしゃな体がびくびくと悶えた。

「きっ……いぃいひひひ、帰してっ……! これから予定あるからぁああひゃはひゃはやはははははっはあははは!」

 それから2時間あまり、くすぐりムカデはエマさんをくすぐり続け、すっかり元気になった。
 エマさんは失禁しながらもへらへらバグったような笑い声を上げ、解放されてもなお地面にへばったまま動けなくなっていた。

 良い狩場を見つけた。
 明日以降も、くすぐりムカデの好みに合う子が見つかるといいな。


(完)

















好きだった幼なじみがくすぐられているところを目撃してしまった

 ぼくには大好きな幼なじみがいた。
 彼女は明るくて天真爛漫でクラスの人気者。小学校までは短めの髪の毛を頭の上の方で二つくくりにしていたが、中学校に上がって髪の毛を下ろすようになった。見慣れた女子の新鮮な姿、かわいらしいセーラ服姿にドキドキした。
 中学二年の春、ぼくは幼なじみに告白した。
「ごめん、そういうのわかんない。友達としか見たことないから……」
 彼女は少し寂しそうに断った。
 ぼくは彼女にそんな顔をさせたことを後悔した。
 それ以来、気まずくなって一緒に遊ぶことがなくなった。
 六月になって、毎年恒例、妹の誕生日会が開かれることになった。妹は一つ下の中学1年で、受験して付属中学に通っている。いつも幼なじみを呼んでいたので、妹は呼びたいという。
 ぼくは気まずくてなかなか幼なじみに連絡ができなかった。
 誕生日会が週末に迫った月曜日の夕方、学校から帰ってきた妹に、幼なじみを誘っていないことがバレ、激怒された。ついでに告白失敗したことも白状させられ、されに怒られた。
「兄貴のいくじなし! 兄貴が誘えないなら、あたしが誘ってくるから! 週末、お姉ちゃんとちゃんと仲直りしてよね!」
 妹は、幼なじみのことをお姉ちゃんと呼んで慕っていた。
 妹は金切り声でぼくに説教をかまし、通学かばんを放り出し、付属中学校のボレロ制服のまま、家を飛び出した。三軒隣の幼なじみの家に向かったのだろう。
 ぼくは、自分の情けなさにしょんぼりしながら、妹の帰りを待った。
 しかし、一時間以上待っても妹は帰ってこない。
 日も落ちてもうすぐ夕飯の時間だ。
 さすがに変だと思い、ぼくは、妹を迎えに、幼なじみの家に向かった。

 幼なじみの家の前まできて、ぼくは躊躇した。
 なんて顔で会えばいいのか、第一声をなんていえばいいのか、まったくわからず、悶々とする。
 幼なじみの家の前を行ったり来たりしてうじうじしていると、ふと家の奥から妙な声が聞こえてきた。

「……ははは」

 笑い声に聞こえた。
 幼なじみと妹が談笑しているのだろうか?
 二人が楽しんでいるのなら、邪魔せずに帰ったほうがいいのだろうか?
 帰ろうか、入ろうか、迷っていると、ぼくはなぜか胸騒ぎを覚えた。
 うっすら聞こえてくる笑い声に、ときどき「嫌だ」とか「やめて」という言葉が混じっている。
 ぼくは笑い声に誘われるように、庭へ回った。
 窓に寄っていって、カーテンの隙間から中を覗き込んだ。

 ……え?

 ぼくは、目を疑った。

 中には小学生ぐらいの男子が七人いて、部屋の中央に幼なじみと妹が並んで床に座っている。
 二人は両手を後ろに縛られていて、両足を前に突き出すような体勢だった。

「いやぁあははっはははははっは! ダメダメェぇええっへっへっへっへっへ!!」

「やだやだやだぁあはっはっはっは! 帰らせてえぇえええっへひひっひっひっひっひ!!」

 幼なじみと妹は、両足の裏を七人の男子にめちゃくちゃにくすぐられていた。
 二人とも制服姿だったが靴下は穿いておらず素足。視線をずらすと、部屋の隅に、幼なじみの白いハイソックスと、妹の黒いクルーソックスがくしゃくしゃになって放られていた。
 くすぐるために脱がされたのだろうが……。
 ぼくには、この状況がまったく理解できなかった。

「いやぁああはっははっははは! 足があぁああ、くしゅぐったいよぉおっひひゃっはっはっははは!」

 幼なじみはかわいらしい顔をくしゃくしゃにして笑っている。
 普段からよく笑う子ではあるが、あんなに大口を開けて、涎と鼻水をまき散らして笑う顔は見たことがない。

「あひゃあぁはっはっはははっは!! なんでぇぇええあたし関係ないのにぃいいひひっひひひひ!!」

 妹もまた整った顔を醜くゆがめて笑い悶えている。
 妹の発する言葉から察するに、どうやら幼なじみが先にくすぐられているところに遭遇し、巻き込まれてくすぐられているようだった。

 ぼくは二人が激しく笑う姿を呆然と見つめていた。

 ふと、部屋の隅に禿げのおっさんがいることに気づいた。
 どうやらおっさんが男子たちに指示を出しているらしい。


(つづく)















くすぐって笑わせた相手を言いなりにする能力 #6

「へぇ、さくらちゃん、自分で結んだロープじゃないと簡単にはほどけないんだね?」
 にこやかにいう斎藤さんの前で、林さんは怯えた表情を見せている。さきほどまで木森さんが縛りつけられていた椅子に座らされ、木森さんと同じように両手を体側につけたまま背もたれにロープでぐるぐる巻きにされていた。
「斎藤先輩……、どうして? なにするつもりなんですか?」
 林さんが困惑するのも当然だろう。ぼくらは、林さんからロープマジックを見せてもらった直後、三人がかりで林さんを押さえつけて縛り上げたのだ。
「一瞬で縛るやり方、私たちが習得できれば便利なんだけど、正直そんなに時間も取れないし。すでに技を習得しているさくらちゃんが『言いなり』になってくれた方がラクなんだよね」
「先輩が何を言ってるのか、全然わかららないです……」 
 斎藤さんと林さんがやりとりをしている間に、ぼくは林さんの座る椅子の後ろに回り込んだ。
 後ろから抱きつくように腕を回し、彼女のおなかあたりに触れる。

「ひぁっ!?」びくんと肩を上下させる林さん。「まっ、先輩?! どこ触って――」

 彼女が言い終える前に、ぼくはこちょこちょと指を動かした。

「ひゃっ、んひっ、ひぃ、ひひっ、ひひひひっ、待ってっ! ひぅうんひひひ、くぅぅ、やめ、やめてくださいっ! ひぃぃん」

 林さんはくねくね身をよじって笑い出した。
 顔を紅潮させて、歯を食いしばっている。

「お腹はそこそこ強いみたいだよ?」
 斎藤さんが林さんの顔を覗き込みながら教えてくれる。
 ぼくは、おなかをくすぐっていた指をすこしずつ上へずらしていく。

「んひぃひっひひ!? ちょまぁああ、それ以上はだめぇぇ」林さんの反応が激しくなった。

 そこで、いったん手を離し、ロープの隙間から腋の下へ指をねじ込むようにしてくすぐりはじめる。

「くはっ!? んにぇぇえっひひひいひひゃひゃひゃひゃ!! やらぁああんぁなぁあはっはっはっはっはっはっは!!」

 林さんは大口をあけて笑いはじめた。
 長い前髪を振り乱し、ゆがんだ笑顔をさらけ出している。

「やぁあはっははっはっはっは! な、ななな、なにが目的なんですぁああひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!?」

 叫ぶ林さんを無視して、ぼくはくすぐり続けた。ぼくの力「くすぐって笑わせた相手を言いなりにする能力」は、しばらくくすぐり続けないと効果がでないのだ。
 一分ほどくすぐって、手を止める。
 林さんはがくっとうなだれた。
「林さん、体重を教えてくれる?」
 ぼくが聞くと、
「それ、……けほっ、言ったら、……やめてくれるんですか?」 
 林さんはぜぇぜぇと肩で息をしながら聞き返した。
「その反応はまだみたいだね」と、斎藤さん。
「もっと、別の弱点とか、くすぐらないとダメなんじゃないですか?」と、木森さん。
 なるほど。たしかに、木森さんのときは、脇腹をくすぐっただけではだめで足をくすぐったあと「言いなり」になった。松原さんのときは、足をくすぐっただけではだめで腋をくすぐったあと「言いなり」になった。能力の効果を得るためには、相手の弱点まで探さないといけないのかもしれない。

「よし、足だ」
 ぼくが言うと、斎藤さんと木森さんが林さんの上履きと靴下を脱がしてくれた。
 ぼくは林さんの前に膝をついて座る。斎藤さんと木森さんが、林さんの足を抱えて押さえつけ、ぼくのくすぐりやすい位置に差し出してくれる。

「いや、もうやめっ……! わ、わかりました! 体重言えばいいんですよね? 言いますから!」

 目に涙を浮かべ、懇願する林さん。ぼくは容赦なく彼女の足の裏をくすぐった。

「んぁあああひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!?」

 林さんは縛られた椅子をガタンと音を立てて暴れ、

「47! 47キロですからぁあひゃっはははははははははは!!」

 体重らしき数字を叫んで馬鹿笑いしている。
 ぼくは無視して足指の股をほじくり、くすぐり続けた。

「言ったぁああ! 言ったのにぃいひひっひひ! もぅ嫌ぁあんぁああははははあははは! なんでこんなことするんれしゅかぁあひゃっひゃっひゃひゃっひゃっひゃ!!」

 林さんは怒っているのか笑っているのかわからないぐしゃぐしゃの表情で叫んでいた。
 ぼくにとってその質問は、「言いなりに」になったかどうか判断するためだけに聞いたものなので、どうでもよかった。

「んひいひひひひひひひっぃいぃぃ! あひぃひゃひぃいいいぃいいぃ!?」

 下から見上げていると彼女の表情がよく見えた。
 足の裏を数十秒くすぐり続けていると、林さんの目の奥がとろんとしてきた。

 ぼくが手をとめたあとも、林さんは口を半開きにしてへらへらとしていた。
 おそらく「言いなり」できたのだろうが、確実ではない。
 さっき体重を言われてしまったため、判断するための質問が思い当たらなかった。
 普段なら聞かれて答えづらいデリケートな質問か……。
 ぼくが困っていると、斎藤さんが耳打ちしてくれた。
「えっ!? そんなこと聞いちゃっていいの?」
「『言いなり』になってるか判断するにはちょうどいいよ」にっこりとほほ笑む斎藤さん。ぼくは恐怖を覚えた。

「えっと、林さん……、最後に、オナニーしたのは、いつ?」

 林さんはヒィヒィと口元を緩ませながら、
「き、昨日れしゅ……」
 躊躇なく答えた。


(つづく)















くすぐって笑わせた相手を言いなりにする能力 #5

「……ロープマジック、ですか?」
 向かいに座った手品研究会の林さんは不思議そうに聞き返した。
 長い前髪で顔の半分が覆われているため、表情がよくわからない。
 ぼく、斎藤さん、木森さんは放課後になって旧校舎のとある教室を訪れていた。
 斎藤さんの中学時代の後輩が手品をやっているというので、協力を仰ぎに来た。ナワヌケやトリナワなどの技術を、暴れる相手をくすぐるときに使えるだろう、というのだ。
 手品研究会ただ一人の会員である林さくらという女子生徒は、内気で自信なさそうなおどおどとした喋り方で、とても手品を上手くやれるようには見えなかった。
「もしかして、さくらちゃん、やったことない?」と、斎藤さん。
「い、いえ!」と勢いよく首を振る林さん。「だいたいメジャーなトランプマジックをリクエストされることが多いから、びっくりしただけで……」
「たとえば、ここにいる八重ちゃんを一瞬で縛り上げて動けなくして、また一瞬で解除する、とかできる?」
「ああ、そういうのでいいなら……」
 林さんは立ち上がると、まっすぐ木森さんの横について、
「きゃっ!?」
「動けます?」
 一瞬のことでまったくわからなかった。
 椅子に座ったままの木森さんは、両手を体側につけたまま背もたれにロープでぐるぐる巻きに縛り付けられていた。どこからロープを取り出したのかもわからない。
「えっ!? なに? どうやったの?!」
 木森さんは焦ったようにガタガタ椅子を鳴らした。
「手品です」と、林さんは少しばかり誇らしげだ。
 木森さんは指先をクネクネ、首を上下左右にふり動かしながら、自分の状況を確かめようとしている。どうやらまったく身動きが取れない様子。
「ちょっと本当に動けないか試すね?」と斎藤さんは、両手をわきわき。
「待って……、陽菜さん、まさか……」
 慌てふためく木森さんを無視して、斎藤さんは木森さんのおなかをくすぐった。

「いひゃひゃひゃひゃひゃ!? ちょ待ってえぇぇひひひひ!! ほんとに動けないからぁああはははははははは!!」

 木森さんは激しく笑いだす。
 ロープでからだをがんじがらめにされているから、さぞくすぐったいことだろう。

「ほんとにこれくるしぃいっひっひひひっひっひ!! もうわかったでしょおおははっははっははははは!!」

「どうやら本当に動けないようだね」
 斎藤さんは満足そうに頷くと、くすぐっていた指を止めた。
 木森さんはゲホゲホと大きくせき込み「陽菜さん、ひどいですよ……」と涙目になっている。
「動けないの、わかりました?」
 林さんが得意げに言う。いつの間にか斎藤さんの後ろに回っていた。
 斎藤さんは振り返り、
「で、さくらちゃん、これをどうやって――」
 言いながら、視線を戻して絶句した。
 ぼくも林さんの方を見ていて、気づかなかった。
「え?」
 木森さんが驚いたような声を上げた。木森さんを椅子に縛りつけていたロープが完全にほどけていた。
 斎藤さんは、ほどけたロープを手に取り、引っ張ったり自分の手首に巻き付けたりして、強度を確かめている。どう見ても種も仕掛けもない本物のロープだ。
「さくらちゃん、どうやったの?」
「手品です」
 得意げに言う林さん。斎藤さんは、木森さん、ぼくの顔を交互に見て、満足そうに頷く。
「そっか、使えそうだね」


(つづく)











くすぐって笑わせた相手を言いなりにする能力 #4

 木森さんは、すぐに松原あやめを連れてきて来てくれた。
 呼び出す口実は、ソフトテニス部マネージャーの仕事について聞きたいということにしておいた。
 松原さんは、ぼくみたいな男子がいることにかなり緊張した面持ちだったが、斎藤さんが優しく出迎えると安心したようだった。
「立ち話もなんだから、座りなよ」
 斎藤さんはそう言って、机をつなげた台に松原さんをうながす。
 疑いもせず腰を下ろす松原さんの腕と足を、斎藤さんと木森さんで押さえつけた。
「えっ、えっ?」と戸惑うだけの松原さん。斎藤さんが「暴れると危ないから外しておこうか」と、松原さんの眼鏡をはずして教卓の上に置いた。
 木森さんは、いつのまにか松原さんの足から上履きとソックスを脱がしていた。
 ぼくが二人の手際の良さに呆然としていると、
「時間ないから早く!」
 と斎藤さんが急かした。
「や、待っ……」
 と、涙目になる松原さんを無視して、ぼくは、木森さんの押さえつけた松原さんの素足に指をつけた。

「ひぃいん!?」

 びくんとのけぞる松原さんのからだ。
 斎藤さんと木森さんがぐっと押さえつける。
 ぼくは、両手でこちょこちょと松原さんの足の裏をくすぐった。

「やはっ!? あはは……! やめて……っ、なにするのぉ……」

 松原さんは顔をしかめて笑い声を漏らす。
 斎藤さんや木森さんと明らかに違う反応。くすぐりには耐性があるようだった。

「あははっ、やだあぁあ、やめてぇ……、ひひひ……」

 松原さんの足の指がくすぐったそうにくねくね動く。
「足は弱点じゃないみたい」と斎藤さん。
 しかし、松原さんは激しく身をよじろうと暴れていて、押さえつけている斎藤さんと木森さんは大変そうだった。

「松原さん、体重を教えて?」
「やはは……!? やだっ、……言いたくないっ」

 まったく「言いなり」になっていない。
 ぼくは、台の横に移動して、松原さんのわきの下に手を伸ばした。

「きゃあああ!?」

 ぼくの指先が松原さんのわきに触れた途端、彼女のからだがのけぞった。
 木森さんは危うく蹴り飛ばされそうになるのを必死に押さえつける。
 ぼくは、松原さんの両わきのくぼみに指を押し込んでぐりぐりと動かした。

「きゃはっはっはっはっは!! はなしてっぇええ! はなしてぇえぇぇひひぃっひっひっひっひひっひぃぃぃ!!」

 松原さんは絶叫しながらもがく。
 斎藤さんの押さえていた左腕がいったんはずれ、ぼくは一発殴られてしまった。
 斎藤さんは「ごめん、強くて」と額に脂汗を浮かべて松原さんの腕を押さえつける。
 くすぐり続けて1分弱、やっと松原さんの目の奥がとろんとしてきた。
「松原さん、体重は?」
 手を止めて聞くと、
「ご、52キロ……」
 素直に答えてくれた。
 松原さんを「言いなり」にすることは成功したが、押さえつけていた斎藤さんと木森さんの負担が大きかったらしい。
 二人とも息が荒くなっていた。
 今回、くすぐりにもっていくまではスムーズにいけたものの、くすぐりの最中に暴れる子を押さえつける問題が生じた。「くすぐって笑わせた相手を言いなりにする能力」を使いこなすには、まだまだ課題がありそうだった。


(つづく)










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