くすぐり作文晒し場

カワイイ女の子の靴下脱がしーの足の裏をコチョコチョしちゃう系小説投稿ブログ! 本番行為は一切無しなので、健全な18歳児でも安心してお楽しみいただけます!

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かーちゃんを魔法の力でこちょぐり仕返し

 少年は、今朝母親に叱られたことを根に持っていた。

「お味噌汁こぼしたぐらいで、あんなに怒ることないじゃん……」

 学校の帰り道は憂鬱だった。
 母親の今朝の様子から、機嫌が直っているとは思えない。
 いつもがみがみとうるさい母親。ほんとイヤになる。
 なにか、仕返ししてやりたい……。
 10歳に満たない彼の頭の中は、母親への復讐心で満ちていた。

「少年よ。なにを悩んでおる」

「え?」

 うつむいて歩いていたからか、通りすがりの老人に声をかけられた。
 その老人はハットを目深に被り、裾が足首あたりまで伸びた長い真っ黒なコートに身を包んでいた。

「その顔、今朝親と喧嘩したのかな?」

 老人の問いに、少年は息を呑んだ。

「なんで……わかったんですか?」

「ほほほ。顔を見ればだいたいの察しはつく。おじさんはこどもの気持ちがよくわかるからね」

 老人は左手で立派に伸びたあごひげをさすりながら、

「どれ。少年よ。キミに良いものをあげよう」

 ポケットからサクランボのような実を取り出した。

「なんですか?」

「この実を食べると、キミは魔法使いになれる」

「え?」

「念じればなんでもできる。ただし魔法が使えるのは食べてから一時間のみ。どのようにつかうかは、キミ次第だ。少年よ」

~~~

「ただいま……」

 帰宅した少年は玄関で靴を脱ぎ、手洗い場に向かう。

「たかし! 帰ったら手を洗いなさい!」

 台所の方から母親の声が聞こえてきた。イライラした口調だ。
 なんで行こうとしているのに、わざわざやる気をなくさせるようなことを言うのか……。

 少年は手洗いを済ませると、鏡の前で、老人にもらった木の実を取り出した。

 本当に魔法なんて使えるのか……。

「たかし! いつまで手を洗ってるの!? 済んだらさっさと宿題しなさい!」

 また台所の方から母親の金切り声が聞こえる。
 すぐ怒る母親に、本当に嫌気が差す。
 少年は、木の実を口に含んだ。

 台所では、母親が夕飯の準備をしていた。
 Tシャツにジーンズというラフな部屋着にエプロンを着けている。
 家庭訪問ではクラスメイトから「お母さん若いね」などと言われるが、少年にはよくわからない。
 髪の毛は家事の邪魔になるからか、いつもめんどくさそうに後頭部で一つに束ねてある。

「かーちゃん。今日の晩ご飯はなに?」

 少年は母親の横顔に話しかけた。

「なに!? いま作ってるから!! 早く宿題済ませなさい!」

 晩ご飯の献立を聞いただけでなんでこんなに怒られるのか。
 しかも質問には答えてくれない……。

 母親に仕返ししたい……。

 少年は半信半疑ながら想像力を働かせ、魔法をイメージしてみた。

 すると、

「――え? きゃっ!? なにっ!?」

 イメージ通りだった。
 突如床から生え出た四本の手が、母親の四肢を掴み上げたのだ。

「かーちゃん……」

 少年は目の前の光景が信じられなかった。
 空中で体を大の字におっぴろげた母親。
 少年は母親の目の前までいって、まじまじとその様子を見つめた。

「たかし!! あんたがやったの!!? なに考えてるの!! やめなさい!」

 この期に及んでもの凄い剣幕で怒鳴る母親……。
 しかし、少年の魔法によって出現した腕の拘束はびくともしない。
 いつも威圧されていた母親が、いまや、少年の手の中……。

 少年は、心が躍るような感覚に陥った。

「かーちゃん……たまには怒らず、笑えば?」

 少年はわずかに口角を上げると、両手を母親の体へ伸ばした。

「ちょっ!!? なに!? たかし!? なにするつも――……きゃっ!!?」

 少年の指が彼女の脇腹へ触れたとたん、彼女の体がびくんと揺れる。
 少年はそのまま10本の指をこちょこちょと動かした。

「たかし……っ!! やめなさいっ!! ……こん、な!! なに考えてるの!!!」

 母親は般若のような形相で少年をにらみつけ、怒鳴った。
 少年は不服だった。
 学校で友人をいたずらでくすぐったときは、もっとゲラゲラ笑い転げてくれたのに……。

 やはり、おとなとこどもでは感覚が違うのだろうか。

 そこでピンとくる。
 魔法だ。
 母親の体を、魔法でくすぐったがりに変えてしまえばいいのだ。

 少年はさっそく念じてみた。

 すると、

「……――ぶっ!!? きゃぁああああああ!!! あはっはっはっはっはっは!!? なにっ!!? なにこれぇぇぇぇ~~ははははははは!!!」

 同じようにくすぐっているだけなのに、母親は大口を開けて笑い出した。
 首を左右に振って、びくびくと四肢を震わせて笑う母親。

 少年の小さな指が、母親のくびれた脇腹の上をわちゃわちゃと這う。

「くあぁぁはっははははっはっはっは!!! やめなさいっ!!! たかしぃぃひひいいひひふあぁぁああああ!!!?」

 眉をへの字に曲げ、だらしなく口をおっぴろげて笑う母親。
 少年にとっては、初めて見る母親の表情だった。

 だんだん楽しくなってきた。

 少年が彼女の腋の下へ両手を差し込むと、彼女は悲鳴のような笑い声を上げた。

「きゃああああああははははははははははは!!? そこはだめぇぇえああはははっはははあはっはあは!!!」

 自分の指先ひとつで笑い悶える母親。
 少年は興奮した。

 念じるだけで魔法が使える。
 母親を拘束した腕は自在に操れた。

 母親の両腕を万歳に伸ばしたり、両足をM字のように広げてみたり。

「たかしぃいいひひひひっひひっひひ!!! やめなさいぃいいいひひひひっひひひ!!! こらぁぁぁあはっはははははは!!!」

 母親は口角を上げながら怒鳴りまくる。
 少年は彼女の足からソックスを脱がし取り、素足の足の裏をくすぐった。

「くあぁあははははははははは!!! やめっ!! あぁぁ~~っはっはっはっははっはっはあ!!!」

 魔法でくすぐったがり屋に体を改造したおかげか、彼女のリアクションは大きかった。
 彼女は大笑いしながら、髪の毛を振り乱し、涙を流していた。

 足の裏をくすぐると、びくびくと足の指が動いておもしろい。

 少年はくすぐりながら、敏感に反応する彼女の体の変化を楽しんでいた。

「かーちゃん? もう怒らない?」

「はぁぁぁあぁあはっっはっはっはっは!!? たかしぃぃい!!? なにいってるのぉぉおおあはははははははははは!!!」

「かーちゃんがいっつも怒ってるから悪いんだよ」

「ぎゃははははははははははは!!? そんなのっはははははあはははは!!! あんたっ!! やめなさいぃいひひひひひひひひひひ~~!!!」

 足の裏、脇腹、腋の下と縦横無尽に指を這わせる。
 少年はときおり彼女の感度を魔法で強めながら、くすぐり続けた。

「あはははあはははははっ!!! 分かったあぁぁあっはははははははは!!! なるべくぅうぅうひひひひひひひひ!!! なるべく怒らないようにするからっぁあはっはっはっはっはっは!!!」

 一時間近くのくすぐりに耐えかねたのか、とうとう彼女は折れた。
 涙を流して笑いながら懇願する彼女の姿に、少年は達成感を覚える。

「ホント?」

「ほんとだからぁぁはははっははっはっはははっは!!! いますぐやめてぇぇえへへははははははははははははは~~!!!」

 彼女の顔はぐしゃぐしゃだった。
 少年の加虐心がうずく。

「やめてください、でしょ?」

「くぅうああぁあはっははっははっははっは!!? なにいってるのおぉあははははははあははははは~~!! たかしいぃぃいい!! 調子にのるなぁぁぁっははっはっははっはっは!!!」

「なら、かーちゃん。やめらんないけどなー」

 少年は調子に乗っていた。
 だから、すっかり老人のことばを忘れていたのだ。

「あひあっぁあはっははっはっははは……うぐぅぅひひひひひひいひっ、やめてっ、……やめてくだ――」

 彼女がことばを継ごうとしたそのときだった。
 突然、彼女を押さえていた腕が消失し、どすんと彼女の体が床に落ちた。

「えっ?」

 少年は驚く。

「……げほっ、あ、あ?」

 少年のくすぐりは、すっかり効かなくなっていた。

 そこでようやく、少年は魔法の効力が一時間だったことを思い出した。

 少年はさっと踵を返し、逃走しようとした。
 が、がしり、と足首を掴まれた。
 血の気が引く。
 おそるおそる振り返ると、母親の鬼の形相があった。

「……あんた、よくもやってくれたわねぇ」

 それから一時間、少年は大人の本気のくすぐりを身をもって知った。

~~~

 それからというもの少年と母親の間でくすぐり合いが頻繁に行われるようになり、スキンシップのおかげか、以前より親子の仲が良くなった。


(完)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 深夜にチャットルームで書いたものです。お題「親子モノ」











くすぐりへの目覚め

 学校から疲れて帰ってくると、ダイニングテーブルに腰掛けたマムがため息をついていた。
 マム……、なんだか最近疲れているみたいだ。
 ぼくはランドセルを置いて、マムの横顔を眺める。
 授業参観で友達からは「若くてかわいい」と評判のマム。肌はまだまだぴちぴちで、結婚指輪さえしていなければ大学生でも通りそう。

「マム? どうしたの?」

 ぼくはこどもぶって首を傾げて聞いた。
 マムはやっとぼくの存在に気づいたのか、顔を上げてにっこりと微笑んだ。目の下に隈がある。なにをそんなに思い悩んでいるのだろう。

「あぁ、……おかえり、しんたろう」

 マムの声は沈んでいた。
 ぼくの問いの解答にもなっていない。
 あと、ぼくの名前は「しんじろう」だ。

「マム、疲れてる?」

「そんなことないわ。パパ、遅いわね……」

 まだ夕方の四時だ。ダディが帰ってくるまでまだ三時間はある。
 本当にマム、どうしっちゃのか。

 ぼくは、マムに元気を出して欲しいと思った。

 ふと思い出す。
 最近学校で元気の出るおまじないが流行っているのだ。
 昨日の給食時間、牛乳を飲んでいる女の子にやってあげたら、尋常でないくらいに喜んでくれた裏技だ。

 マムはテーブルに肘を突いて頭を抱えている。
 マムを傍目に、ぼくは、とてとてと走ってダディの部屋にいった。

 たしか、ここに……。

 ダディが隠し持っているおもちゃを、ぼくは知っていた。
 手錠だ。
 警察官でもないダディがなんでそんなものを持っているのか、ぼくにはわからない。
 引き出しのなかからいくつか取り出してもっていく。

「マム? ちょっと手を貸して」

 ダイニングに戻って声をかけると、マムは「……どうしたの?」と力なく聞き返しながらも腕を貸してくれた。
 ぼくはマムの両手を掴み、椅子の後ろに引っ張っていく。ちょうど背もたれの後ろで、ガチャリ、と手錠をかけた。

「え」

 マムの目がまんまるに見開かれた。
 マムがきょとんとしている間に、ぼくはしゃがんで、マムの足首それぞれと椅子の脚を手錠で繋いだ。

「え? しんちゃん? 何やってるの?」

 やっとマムが声を上げた。

「ちょっとマムに元気を出してもらおうと思って」

「や……何をする気なの? 放しなさい」

 マムが珍しくちょっと怒っている。
 椅子に座ったまま両手を後ろに、両足をそれぞれ椅子の脚にくっつけて動けないマム。

 ぼくは、マムの背中にまわって、腰を落とした。

「ちょっと? しんちゃん!? なにをやって――……きゃんっ!?」

 マムはびくんと体を揺らして、甲高い声を上げた。
 ぼくが後ろから手を回し、ぐにっとマムのお腹をつまんだのだ。

 服の上から、マムのお腹のぬくもりを感じる。
 もみ、もみ、と指の腹を動かす。

「きゃはっ……し、しんちゃっ! や、やめなさいっひぃ」

 マムはぷるぷる肩を揺らしながら笑いを漏らした。

 ほうら。喜んでくれた。

 もう少し強くやった方が喜んでくれるかな?

 ぼくはクリクリと指を動かして、マムのおへそを探す。おへそを触ると、女の人はみんな声を上げて喜んでくれるのだ。隣の席のミッコちゃんで立証済みだ。

「うひゃぁぁっ!!? は、は、は……ちょ、しんちゃん!! だめぇっあはっ、ふはぁぁ!!」

 服の上からだとよくわからない。
 シャツの裾をまくって、素肌に触れた。

「ひゃんっ!? つめたっ……ひはははっ!! やぁぁ」

 さわさわと指先ですべすべの素肌をなぞりながらおへそを探る。
 マムは歯を見せて笑顔を見せてくれた。
 やっぱりマムには元気に笑っていて欲しい。

 指の動きに逢わせて、マムがくねくねと腰を振った。

「やっ、しんちゃん……おねがっ、やめぇぇえ!!」

 指先をぐるぐると動かし、やっとおへそへ到達する。

「あひゃぁぁあっ!!?」

 ほらね。
 触れた途端、マムのお腹が、くんっと引っ込んだ。
 あんまりに嬉しくて、遠慮しちゃうのだ。

 ぼくは、マムのお腹にずぽっと人差し指をつっこんで、くにくにと動かした。

「ふはぁぁぁあああはひひひひひひひっ!!!? やめてっ、しんちゃっ! だめぇぇえああはははははははははは!!!」

 やっとマムは、声を荒らげて笑ってくれた。

 ぼくはマムのおへその縁を指の腹でなぞりながら、もう片手で脇腹に爪を立てた。

「ひひゃはははははははは!!? やめなさ! しん、あぁあはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

 やっぱり女の人はおへそ周りを触られると嬉しいみたいだ。

 ぼくはしばらくマムのおへそをいじってあげて、足元へ目を落とす。

 椅子の脚に繋がれて、つま先立ちになっているマムの素足。
 足の裏がこちら側を向いている。

 ぼくは片手でマムの脇腹をもみもみしながら、もう片手をマムの足の裏へ伸ばした。

「ひゃははははははやめてぇぇぇ!!! そこはぁぁぁあ」

 そうそう。人によってはおへその他に足の裏が嬉しいこともあるらしい。
 後ろの席のスミダさんがそんな感じだった。普段仏頂面で、滅多に声を上げて笑わないのに、上靴と靴下を脱がして足の裏を触ってあげると、狂ったように大喜びしてくれたのだ。

 マムの丸見えの足の裏。
 すべすべだ。

「くひゃははははははははははっ!!! あぁぁぁああああ!? なでなでしないでっぇぇあっはっはっはっはっはっはは!!!」

 マムは足首をがちゃがちゃと動かして笑ってくれる。
 そんなに喜んでくれると、ぼくまで嬉しくなってくる。
 さっきまで沈んだ表情だったマムは、顔を赤くして、大喜びの表情だ。

「あぁぁぁぁ~~っはっはっはっはっは!!! だめぇぇぇ!!! そんなさわり方ぁぁぁあっはっはっは」

 足の裏はちょっとコツがいるみたい。
 少しだけ爪を立てて、こりこりしごくように動かした方が、マムは喜んでくれた。

「あぁぁああはははははっはあはははだめぇぇぇぇ!!! しんちゃっ……おねがいっ!!! あたし弱いのぉおおおはははははははは!!!」

 ガタンガタンと椅子が揺れた。
 マムが喜んでくれている証拠だ。

 足の裏の方が喜んでくれる。

 そう判断したぼくは、両手でマムの足の裏を触ってあげる。

「ひゃぁあああああああっはっはっはっはっはっは!!? もうだめぇえええっへっへっへっっへへっへっへへっへ!!!」

 マムは涎まで垂らして喜んでくれる。
 ぼくはとても嬉しかった。

~~~

 嬉しくてつい夢中になってやりすぎてしまった。

「しんじろう?」

 突然声がかかって驚いた。
 振り返ると、ダディがいた。

 ぼくは、ダディのおもちゃを勝手に使ったことを怒られるかと思って、びくびくしていた。
 でも、ダディの口調は優しかった。

「なんだ、お前も目覚めたのか。血は争えないな」

「?」

 ぼくは、ダディが何を言っているのかわからず、首を傾げる。
 マムが、荒い息を整えながら、げんなりと口を開いた。

「……ほんと、貴方の子よ」

 マムの心労は、ぼくにはまだわからなかった。


(完)


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 チャットルームでお題をいただいて書いたもの。








【くすぐり】こちょこちょ手袋【手袋の日】

『こちょこちょ手袋』
効能:指をコチョコチョ動かすだけで、遠くの人間をくすぐることができる

「なんだこれ?」
 うららかな午後。ぼくは公園の木のしたで白い手袋を見つけた。
 誰かの落とし物か、なんの変哲もないようにみえるただの手袋。裏側に『効能』なる項目あり。『遠くの人間をくすぐることができる』とはいかに?
 両手にはめてみると、ぴちりと吸い付くようにフィットする。外目には普通の手袋より一回りほど大きい様子。防寒には好都合だ。

 公園のベンチに、学校帰りらしい女子校生が二人座っているのが見えた。
 ブレザーの首元にマフラーをまいたショートカットヘアの子と、コートと耳当てで完全防寒のふわふわミディアムヘアの子だ。
 二人は笑い合いながら、クレープを食べている。
「うはっ、頭にキーンとくる!」
「こんな時期にアイスの入ったやつ頼むからだよ……」
「いやいや、せっかくのクレープなんだから甘いの食べたいじゃん! あったかい塩気のあるクレープとか、おかずじゃん!」
「ベーコンポテト美味しいのに……」

 効能を試してみるか……。

 ぼくは、ベーコンポテトクレープをもそもそと食べていたミディアムヘアの子に、両手を向けた。

「指をくすぐるように動かせばいいんだっけ……?」
 指をくねくねっと動かしてみると、

「ひゃっ!!?」ミディアムヘアの子はびくんと肩を大きく震わせて飛び上がり、
「――ぷきゃはははは!!? やっ、なっ!? やはははははははははは~~!!!」
 クレープと鞄を弾き飛ばして笑いだした。
 くねくねと体をよじり、ベンチの上で這いつくばるようになって悶える。

「ちょっ……マリナ!? なにしてんの!?」
 隣のショートカットヘアの子が驚いたように立ち上がる。

「やらっ!!? 意味がわかんにゃぁははっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

 ミディアムヘアの子は髪の毛を振り乱して大笑いしている。
 腋を必死に閉じようとしている様子から、ぼくのくすぐりは腋あたりで機能しているようだ。

 他の部位もくすぐれるのかな?

 ぼくは両手を上下左右に動かして、くすぐれる部位を探してみる。

「やははは!? やだっ……なにぃひひっひっひっひ!!! あひゃっ、足やめ――きゃぁぁあん!! そんなとこまでぇぇ~~!!」

 ミディアムヘアの子は顔を真っ赤にして暴れた。

 なるほど。くすぐり始めた位置が相手の腋位置に固定され、そこから上下左右に腕を動かすことで、くすぐる部位を変えられるらしい。

「え……マリナ……? 大丈夫? 救急車呼ぶ?」
 突然友達が馬鹿笑いをはじめて、ショートカットヘアの子は戸惑っている様子だ。

 ぼくは、両手をミディアムヘアの子から、ショートカットヘアの子へ向けなおした。

「ふぇっ……?」ショートカットヘアの子は、一瞬目をまんまるにして、
「――ぶふぅぅうひゃははははは!!? いへっ!? なにこれぁはああああ~~っはっはっはははっはっはっは!!! げほげほっ……だひゃっはっはっはっはっはっは!!!」
 口に入っていたクレープの食べかすを盛大にまき散らして笑いだした。

「ひぃ……ひぃ……いったいなんなの……?」
 解放されたミディアムヘアの子が油断していたので、片手を向けなおす。

「……ふぅ……――ぶへっ!!? あひゃひゃひゃひゃ!!? またぁぁあ~~?? やだぁっはっはっはっはっははっはっはっは!!!」

 なるほど。どちらか一方の手を向けていれば、複数人でも同時にくすぐれるらしい。
 手は二本しかないから、二人が限界かな?

「あひゃはははは!!! やめて……っ! どうなってんのこれぇぇ~~ひゃっはっはっはっはっは!?」
「きゃはははっ~~!! たすけでっ、だれかぁあっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ~~!!!」

 女子校生二人の甲高い笑い声に、やじ馬が集まり始めた。
 公開処刑とはまさにこのこと。
 傍から見ればなにもないのにのたうちまわって笑い悶えるJK二人。そんな様子をスマホで写真で取られSNSに上げられる……。
 可哀そうなことこの上ないな……と思いながら、ぼくはくすぐり続けた。

 やじ馬が飽きてきたころを見計らいくすぐる指を止める。
 突然くすぐったさがやんでキョトンとした表情を浮かべる女子校生二人組。
 直後、自分たちが衆人環視の前で馬鹿笑いしていたことに気づき、顔を真っ赤にした。
 ショートカットヘアの子はいそいそと散らばった靴や鞄を拾い、泣き出してしまったミディアムヘアの子の腕をひっぱって、恥ずかしそうにその場を走り去った。

 ……
 この手袋本物じゃないか!
 ぼくは喜びのあまり武者震いが止まらなかった。久しく忘れていた感情。こどものころ、親に新しいおもちゃを買ってもらって、帰路に就くまでの時間すら惜しい……そんな感覚だ。

「お?」
 スマホを手にしたやじ馬の中に、好みのタイプの可愛い女の子を発見!
 ぼくは、そっと、彼女に両手を向けた。



(完)











箸の日なのでお箸の持ち方ヘンな子をくすぐりお仕置きします

 俺の名はケンジ。菜箸を使わせたら日本一のてんぷら屋だ。俺の手にかかれば、シュリンプも巨大海老天に大変身。巧みな菜箸さばきで、衣を盛りに盛って見せるぜ!

 さて、そんな俺の店に4人家族がやってきた。
 40歳ぐらいの父母に、小学校高学年中学年ぐらいの姉妹だ。
 姉妹どちらも日に焼けて活発。お姉ちゃんのほうはショートカットでノースリーブに短パン。妹のほうは小さなサイドアップテールでフリルのついたワンピース。
 料理を運び、しばらく様子を見ていると…

 むむっ!

 2人とも箸の持ち方がむちゃくちゃだ! 菜箸マスターと名高い俺の店で、なんてけしからん!
 しかも親2人はまったく注意しようとしない!
 こうなりゃ俺が矯正してやるしかない!

「お嬢ちゃんたち? お箸の持ち方、ちょっと変じゃないかい?」
 俺が優しく声をかけてやると、
「え、……おじさん、なに? 気持ち悪い」姉はドン引き。
「おかしくないもん! あたしは昔っからずっとこれでやってるもん」妹は口答え。

 父親は能天気に、
「まあまあ大将。こどもの箸の持ち方ぐらいいいじゃありませんか。それより、ここのエビはちょっと衣が多すぎやしませんかね?」

 カチンときた。

 俺はすぐさまバイトを招集し、4人家族を取り押さえる。
 嫌がる姉妹は座敷へ移動。ねじ伏せ、姉のサンダルを、妹の靴とソックスを脱がし取った。芦浦だけ焼けていない、かわいらしい素足姿になった姉妹。
「……な、なにをするんですか!? こどもたちを放してください!」
 母親が悲鳴を上げた。

 無視だ、無視!
 俺はバイトたちに合図を出す。
 バイトたちはそれぞれ菜箸を取り出した。きょとんとする姉妹2人の素足をがっちり固定して、

 カリカリカリカリ!
 こちょこちょこちょこちょ!

 菜箸の先端で足の裏を激しくくすぐりはじめた。

「きゃはっ、あはははははは!!? なにっ!? おじさんなにぃいいっひっひっひっひ! こちょぐったいぃいぃぃ~~」

「やはぁぁっははっはっはっは!!! ちょあまぁあはははははははは!!!? ひぎぃぃぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひ~~!!」

 2人の姉妹は甲高い笑い声をあげて泣き出した。

「君がお箸をちゃんと持たないのが悪いんだぞ! お箸をバッテンにして持つなんて、下品にもほどがある!」

「キャッはっはっはっは!? そんなこと言われてもぉぉ~~、やだぁぁ! ひっかかないでぇぇぇ~~!」

「ヤダぁぁはっはっはっはっはっは、ずっと! ずっとこうやってきたのにぃぃひひひひひひひひひひひひやめてぇぇ~~!!」

 2人の足指がくねくねよじれる。
 バイトたちは姉妹の足裏のしわを菜箸の先端できれいになぞり、カリカリと強弱をつけてくすぐっていく。

「わかったら、お箸の持ち方をきちんと練習すると誓いなさい!」

「誓うぅぅぅっひっひっひ、誓うから許してぇぇぇ~~へっへっへっへっへっへ!!!」

「ごめんなさいごめんなさいぃぃひっひっひっひっひっひっひ~~!!!」

 泣いて謝るなら許してやる。
 俺の合図で、バイトたちが手を止める。

 ひぃひぃ、はぁはぁ、息を切らせる姉妹を、両親の元へ帰してやった。


~~~


 続いてやってきた女子校生2人組。夏休み期間だが部活か補習でもあるのか、2人とも制服姿だ。

 なんとこいつら、箸を使わずにフォークでてんぷらを食べ始めた。
 許せん!

 俺はバイトに合図を出し、問答無用で女子校生2人を取り押さえた。

「ちょ……なにするのよ! 訴えるわよ!」

「やめてください! 私たちが何したっていうんですか!」

 バイトたちは手際よく2人の革靴とソックスを脱がしとった。
 蒸し暑い日に革靴を履きっぱなしだったせいか、2人とも足の裏はかなり蒸れている。素足の足の裏はほんのり赤くなっていた。

「や、なに!? 靴脱がすとか……変態!」

「お願いです! ホントに何もしてないですから。お金もちゃんと払いますから!」

 俺は無視してバイトをけしかける。
 バイトたちは菜箸を取り出し、彼女らの素足に突き刺した。

「ひぎゃぁぁぁ!!?」

「い゛ぃぃぃぃ!?」

 がりがりがりがりがり!
 こちょこちょこちょこちょ!

「ぎゃははははははは!? なにすんのぉぉ~~ひゃはははははははははは!!」

「やっ……ぁははははははははは!!? ひゃめっ、くすぐりダメですぅぅ~~ひっひっひっひっひっひっひ~~!!!」

 足の裏を菜箸でかきむしられ、馬鹿笑いする女子校生2人組。

「俺の店でフォークなんてよく使えたもんだな! てんぷらとは元来箸で食うもの! 菜箸の神に代わって俺がお仕置きしてやる!」

「ぎゃっはっはっはっは!? ふじゃっ……ふざけんにゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

「そんな、……理不尽です!! うひっひっひっひっひ!? だってぇ、箸立てにフォークがあったからぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!!」

 大笑いして暴れる2人。
 しかしバイト総がかりで押さえつけてるため、びくともしない。
 2人の足指はぐねぐねと激しくもがいている。

「この期におよんで口答えとは……けしからん! こうなったら閉店まで笑い地獄の刑だ!」

 俺の合図で、バイトの菜箸がスピードアップ!
 バイトたちの菜箸さばきもなかなかのもの! まだまだ俺にはおよばんがな!

「ぐへへへへへへへへ!!? なんでこんな目にっ、あひゃひゃひゃ!! こんな店、二度とくるかぁぁひゃっはっははっはっは~~!!」

「おねがいぃっひっひっひ、土踏まずガリガリしないでぇっぇえへへへへへへへへへ!!!」

 問題ない。
 うちの衣には何度も食べたくなる不思議な成分が入っている。
 窒息しかけるまで笑い狂ったところで、彼女らはしっかりとリピーターになってくれる。

 しかも界隈の一部では、箸の持ち方を矯正してくれるてんぷら屋として、人気なのだ。
 きっと明日も明後日も、客足が途絶えることはないだろう。


(完)










妹思いの透明人間が邪魔者をくすぐり倒す 5

 英語が得意だという上杉由奈(うえすぎゆな)ちゃんの在籍する5組に到着。
 しかし、目的の上杉由奈ちゃんの姿がない。
 おそらくトイレだろうと思って待っていると、そのままテスト開始時刻になってしまった。
 どういうことだろう? 机にはカバンがあるし登校した形跡がある。……
 まさか!
 教室を飛び出して一階へ降りる。向かった先は、保健室だ。
 音を立てないよう扉をゆっくり開け、中へ入る。
 保健室のベッドに髪の毛を一つにくくった色白の女子生徒がひとり。折り畳み式の机でテストを受けていた。上杉由奈ちゃんだ。気が付いてよかった。保健室の記録を見ると、朝いちばんのテスト中に貧血で倒れ、そのまま保健室でテストを受けているようだ。
 保健の先生は不在。カンニング対策もくそもあったもんじゃない。
 しかし、好都合だ。
 俺は、布団の端から両手を突っ込んだ。
 まさぐって彼女の足を探し当てる。シューズはすでに脱いでいるため、ソックス越しの足。

「ん?」

 違和感に気づいて上杉由奈ちゃんは布団をめくった。
 彼女の両足からソックスを脱がしとり、がりがりと激しくくすぐる。

「ぎゃっ!!? なはっはっはっはっはっはっはっは!!? うえぇぇ゛えぇぇっ!!? なんでぇぇははっはっはっはっはっはっはっはっは~~!!?」

 上杉由奈ちゃんはびっくりしたように笑いだす。
 布団と筆記用具を弾き飛ばし、もうテストどころではない。
 ちょうど、リスニング問題がはじまった。

『クェスチョンワァン、リッスン――』

「やめぁぁぁっはっはっはっはっはっはっは!!! やめっ!!! 聞こえないぃいいっひひっひっひひひっひっひっひっひっひ~~!!!」

 自分の笑い声で放送がかき消され、文句を言う上杉由奈ちゃん。ずいぶんと滑稽に見えた。

 今回は監督の先生がいないため、退場0点の作戦が取れない。
 時間いっぱいくすぐり倒して、問題を解けないようにするしかない。

 俺はベッドの上で上杉由奈ちゃんに抱き着くようにしがみつき、脇腹をくすぐる。

「ひゃっひゃっひゃひゃっひゃっ!!? にゃんでっひぇぇっ、うへへへへへへへへへへっ!?」

 透明なのをいいことにやりたい放題だ。

「ひゃめてぇぇっ、誰ぇぇっ!!! 助けてぇぇっへへっへ、あひゃぁぁんっ!!? 無理だってぇっぇえっへっへっへっへっへっへっへ!!!」

 貧血で倒れるほど病弱な女の子が、顔を真っ赤にして笑い転げている。
 全身をまさぐった結果、特に腋と足が弱いことが分かった。
 俺は上杉由奈ちゃんをうつぶせに押し倒し、両足をそろえ、ふくらはぎの上に乗っかる。
 天井をむいたまま動けない素足の足の裏をがりがり思い切りひっかきまわした。

「おひょへへへへへへへへっ!!? あひわあぁぁっひゃっひゃっひゃ!!?」

 人差し指の長いギリシャ型の扁平足はずいぶんと敏感だった。

 そのまま時間いっぱいくすぐりまくって、英語のテストは終了した。解答用紙は四分の一も埋まっていない。
 テスト用紙を回収に来た先生は、シーツのずれたベッドの上でアヘ笑顔のまま失神している上杉由奈ちゃんを見て、絶句していた。


~~~

 数日後。
 テストの結果が返ってきた。
「……なん、……だと?」
 妹ミズキの学年順位は3位だった。
「ごめんお兄ちゃん! せっかくお兄ちゃんが頑張ってくれたのに、私がケアレスミスしたせいで……ぴーっ!」
 ミズキは泣いて謝ってきた。
「謝る必要なんてない! 学年3位なんて立派なもんじゃないか!」
「でもでも! これじゃ私の誕生日プレゼントが木綿豆腐に……えーん!」
「お兄ちゃんがおいしい麻婆豆腐を作ってやる! だから次、頑張ればいいさ!」
「麻婆豆腐!? やった! 私、麻婆豆腐大好き!」

 ミズキがテストで学年1位を取るその日まで、俺たち兄妹の戦いは続く……っ!


(完)

























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