「うひぃ……あひ、ふひ……。そ、そう。この、アパート、の、一番の先輩に聞けば、わかるかも……」
カヤが息も絶え絶えに言うと、
「か、カヤちゃん……! それは……」
なにやら慌てた様子のサナコ。
清は、即座にベッドにダイブして、
「なに? まだくすぐられたいの?」
言葉を言い切る前にサナコの素足をくすぐりだした。
「ふにゃあはあああひゃひゃひゃひゃひゃ!!? まっへぇえええひひぃひひひいひひひ!! わらひは、あにゃたが心配なだけれしゅぅぅううひひっひひっひひ!」
サナコは先ほどよりも激しくもがいて笑った。
「心配?」
清が手を止めて聞くと、サナコは一呼吸ついた。顔は紅潮して、視線がうつろだ。
「あひ、……あの、104号室の、悪霊……」
「悪霊!?」
「104号室に住む人間は、みんな、……病気になったり、事故にあって、引っ越しちゃって……」
「……そういや、内見のとき、104号は空き室っぽかったな。私の205号で満室になるって聞いてたのに……」
「私が死んですぐ、104号室に挨拶にいったときも、壁越しに『帰れ!』って怒鳴りつけられて怖かった……。壁抜けしていい雰囲気じゃなかった……」
するとカヤも便乗して、
「アタシも、一回しか……あったことない。でも、10年以上悪霊やってるはずだから、アタシらよりは知識はあると思う……」
悪霊、ねぇ。
清は逡巡する。
幽霊に触れる謎現象の理由については興味があったが、身の危険が及ぶのは勘弁願いたいかもしれない。……
ふと、心配そうに見上げてくるサナコと目が合った。
「なんだ? 可愛い顔して……」
「えっ」
「まだくすぐられたいか」
清は、ふたたび、サナコの足の裏を勢いよくくすぐりはじめた。
「ふぎゃぁああひゃひゃひゃひゃひゃっはっはっはっはあっは!! いきなりぃあびぃいひひひひひひひ!!? 死んじゃう死んじゃううぃひひぃいひっひっひっひっひっひ!!!」
サナコは一段と激しくのたうち回った。
「あんたもう死んでるでしょ」
清は、むき出しになったサナコの両足の裏を爪でカリカリはげしくかきむしる。
「あがぁぁああひゃひゃひゃひゃ変なのくるぅううひひひっひひ!!! 頭がおかしくにゃぁあああああはははあはははにゃがひゃばぁあああ!!?」
サナコが狂ったように笑う様子を、カヤは顔を赤らめ恥ずかしそうにもじもじと体をよじって眺めていた。
(つづく)
カヤが息も絶え絶えに言うと、
「か、カヤちゃん……! それは……」
なにやら慌てた様子のサナコ。
清は、即座にベッドにダイブして、
「なに? まだくすぐられたいの?」
言葉を言い切る前にサナコの素足をくすぐりだした。
「ふにゃあはあああひゃひゃひゃひゃひゃ!!? まっへぇえええひひぃひひひいひひひ!! わらひは、あにゃたが心配なだけれしゅぅぅううひひっひひっひひ!」
サナコは先ほどよりも激しくもがいて笑った。
「心配?」
清が手を止めて聞くと、サナコは一呼吸ついた。顔は紅潮して、視線がうつろだ。
「あひ、……あの、104号室の、悪霊……」
「悪霊!?」
「104号室に住む人間は、みんな、……病気になったり、事故にあって、引っ越しちゃって……」
「……そういや、内見のとき、104号は空き室っぽかったな。私の205号で満室になるって聞いてたのに……」
「私が死んですぐ、104号室に挨拶にいったときも、壁越しに『帰れ!』って怒鳴りつけられて怖かった……。壁抜けしていい雰囲気じゃなかった……」
するとカヤも便乗して、
「アタシも、一回しか……あったことない。でも、10年以上悪霊やってるはずだから、アタシらよりは知識はあると思う……」
悪霊、ねぇ。
清は逡巡する。
幽霊に触れる謎現象の理由については興味があったが、身の危険が及ぶのは勘弁願いたいかもしれない。……
ふと、心配そうに見上げてくるサナコと目が合った。
「なんだ? 可愛い顔して……」
「えっ」
「まだくすぐられたいか」
清は、ふたたび、サナコの足の裏を勢いよくくすぐりはじめた。
「ふぎゃぁああひゃひゃひゃひゃひゃっはっはっはっはあっは!! いきなりぃあびぃいひひひひひひひ!!? 死んじゃう死んじゃううぃひひぃいひっひっひっひっひっひ!!!」
サナコは一段と激しくのたうち回った。
「あんたもう死んでるでしょ」
清は、むき出しになったサナコの両足の裏を爪でカリカリはげしくかきむしる。
「あがぁぁああひゃひゃひゃひゃ変なのくるぅううひひひっひひ!!! 頭がおかしくにゃぁあああああはははあはははにゃがひゃばぁあああ!!?」
サナコが狂ったように笑う様子を、カヤは顔を赤らめ恥ずかしそうにもじもじと体をよじって眺めていた。
(つづく)