むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
 おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

 はしょります。

 爺と婆は桃から生まれた女の子に『桃子』と名付け、成長した桃子は鬼退治に出発しました。
「さあて、鬼と戦うには家来が必要ね!」

 まず桃子は主人に従順な小間使いを探しました。
「あ、あの子」
 上流武家の集団とすれ違ったときのことです。
 そこに仕える召使いの一人に、とても働き者の女の子を見つけたのです。

 桃子はさっそくその女の子を拉致して、監禁しました。

「なっ、何をされるんですか!? 私は、ご主人様の旅のお供をさせていただいておるただの召使い。私などさらったところで、何の得にもなりませんよ!」

 捕らえられた小袖を着た女の子は、『犬山』という名前を持っておりました。
 台の上で、縄でぐるぐる巻きにされ、仰向けに寝転んだまま身動きが取れない犬山に、桃子が語りかけます。

「犬山! 私と一緒に鬼退治にきなさい!」
「私が? とんでもないことでございます。私めにはご主人様の旅のお供をする使命がございます! どうか縄をほどいてください!」
「ふん。主人に対する忠誠心は立派なものね。それじゃあ」
 と、桃子は団子をひとつ取り出します。
 婆からもらった『ティコ団子』です。
「これを食べなさい。食べたら、自由にしてあげるわ」
「本当でございますか?」
 犬山はとても素直な性格でした。
 桃子が口元へ団子を持っていくと、ぱくりと一口で食べてしまいました。
「もぐもぐ……さ、さあ、食べました。早く、縄をほどいてください」
「すぐに自由にするとは言ってないわ……」
 そう言いながら、桃子は犬山の草履を脱がしました。
「なっ!? 何をなさるおつもりですか!?」

「ふふふ。団子食わせてくすぐるだけで奴隷ができるなんて、ババアも気の利いた媚薬をよこしてくれるじゃない」

 桃子は独り言のように呟くと、犬山の素足の足の裏を、こちょこちょとくすぐり始めました。

「ぎゃははははははは!? なっ、何をされるのですっ!! おやめくだしゃぁあああっはっはっはっはっはっはっは!!!!」

 犬山は足の裏のくすぐったさにたまらず、大笑いしてしまいます。
 桃子の指の動きはそろばんを弾くように鮮やかでした。

「あぁぁ~~はははははははは! おやめっ、やめてぇぇぇ~~っへっへっへっへっへっへふぎゃぁあ~~!!」

 犬山は泣き叫びます。
 しかし、桃子の指は止まりません。

「さあ、犬山! 私と一緒に鬼退治に来ると約束しなさい」

「ひやぁぁ~~っはっはっはっは!! だはっ!? ダメでごじゃいますぅぅ~っひっひっひ、わたっ、っわだぐじめにぃいぃい~~っひっひっひっひ、私めには使命がぁぁ~~っはっはっはっはっはっはっは!!」

 桃子は必死に許しを請う犬山の足の裏をこれでもかというほど、掻きむしりました。

「いやぁぁあっはっははっはっはっはっは!!! おやめえぇぇ、やぁあぁははははははははははは!!!」

「そろそろ効果が出てくる頃かしら?」

「あぁぁああっはははははははは!!!? な、なんですかぁぁあはははは!!?」

 犬山の体はびくびくと痙攣するようでした。

「私の家来になりたくなってきたんじゃない?」

「そんにゃぁあはははははは!? そんなわけぇえっひっひっひっひ……わだっ、ご主人様のおともをする使命ぃぃ~~っひっひっひっひ……!!!」

 犬山は白目をむいています。
 媚薬の効果が現れ始めたようで、自分の心と必死に戦っているようです。
 犬山の笑い声は、悲鳴のようでした。

「あああぁぁぁあはははははははっ!!! ごしゅじんしゃまあぁぁっはっはっはっはっはっはは~~!!! ダメぇぇえぇもう無理ぃぃ~~っひひひひひひひひひひひひ!!!」

 犬山は涎をだらだらと流して泣き叫びます。
 その途端、犬山の股間がじわりと湿っていきました。

「お許しくださぃぃいひひひひひひひ、おゆるしくだしゃいぃご主人しゃみゃぁぁあっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!」

 犬山は舌を出して笑っています。
 まるで喜んでいるようでした。

「ご主人様に何を許して欲しいの?」

 桃子が聞くと、犬山は目を見開いて涙を流します。

「うひひひひひひひひひっ!!! 私めはっ、ご主人様をうらぎりぃぃっひっひっひっひっひ!!! 桃子様と鬼退治にむかいまひゅぅぅ~~~っひゃっはっはっはっはっはっはっは!!!!」

「そう、良い子ね」
 桃子は言うと、さらに激しく、犬山の足の裏をくすぐりました。
 犬山は甲高い笑い声を上げながら勢いよく失禁して、気絶してしまいました。


つづく


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(ここから作者コメント)

 こんばんは。ertです。
 思いついたので書きました。